スペイン北部で開催された「クラシカフェミニーナ・ナバラ」で世界王者アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)が独走勝利。圧倒的な力で2連戦2連勝を掴み取った。



スタートフラッグが振り下ろされるスタートフラッグが振り下ろされる (c)Luis Ángel Gomez/Vuelta Ciclista a Navarra
ナバラ・ウィメンズエリートクラシック 2日目コースプロフィールナバラ・ウィメンズエリートクラシック 2日目コースプロフィール (c)Vuelta Ciclista a Navarraスペイン北部のナバラ州で開催された「ナバラ・ウィメンズエリートクラシック」の2日目は、州都パンプローナを発着する122.9km。前日よりカテゴリー山岳の難易度こそ低いものの中盤と終盤には連続して登坂が詰め込まれ、この日もレースは終始息継ぎ無しで進行した。

レース開始後1時間で距離40kmを消化するハイペースの中、54km地点の登坂区間で抜け出したのは前日4位フィニッシュのエリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)だった。

しかしこのアタックに対し、「辛かったけれど、今までとは違う考え方で"攻撃するチャンス"だと認識した。もっと長い登りの方が私向きだけど、昨年のラ・ルドゥット(リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで独走に持ち込んだ登坂)を麓から踏み抜いたことを思い出した」と振り返るアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)がロンゴボルギーニをキャッチ。アンナ・ファンデルブレヘン(オランダ、ブールス・ドルマンス) などが入った後続グループを引き離し、二人は見る間にリードを稼ぎ出した。

スペイン北部、ナバラ州の丘陵地帯を走るスペイン北部、ナバラ州の丘陵地帯を走る (c)Luis Ángel Gomez/Vuelta Ciclista a Navarra
先頭をひた走る世界王者とロンゴボルギーニのリードは、最後から2番目の登坂区間でおよそ1分45秒。一時ロンゴボルギーニがパンクで遅れたものの、「止まるべきか行くべきか迷ったけれど、彼女が追走しているのを見て待つことにした。勝つために走る選手を振り落とすタイミングではないし、彼女ともう一度走れて良かった」と言うファンフルーテンが待ち、再びペースアップ。そして残り20km地点の最終登坂でファンフルーテンがアタックした。

急勾配を発射台に見立て、ロンゴボルギーニを置き去りにしたファンフルーテン。勝ちパターンに持ち込んだ世界王者の勢いは最後まで落ちることがなく、ロンゴボルギーニに1分14秒、メイン集団に対して2分6秒をつけてフィニッシュ。横綱相撲の走りで2連戦2連勝を射止めた。

2日連続の独走勝利を飾ったアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)2日連続の独走勝利を飾ったアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) (c)Luis Ángel Gomez/Vuelta Ciclista a Navarra
表象台に上がるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)ら表象台に上がるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)ら (c)Luis Ángel Gomez/Vuelta Ciclista a Navarra
「今日も勝てるだなんて思ってすらなかった。2連勝はすごく特別で、以前はいつだったか覚えていないくらい。今日のコースはは昨日よりもパンチャー向きだったけれど、私のアレハンドロ・ゴメス監督が去年のリエージュと同じように走れば大丈夫と話してくれた。鳥肌が立つほど的を得た指導だった」と、絶好調ファンフルーテンは語っている。

「負けたけど満足している」と話すのは2位に入ったロンゴボルギーニ。「冒険のようなレースだった。とても早いタイミングでアタックしてアネミエクがジョイン。残り20kmで振り落とされたけれど気持ちを切らさず2位で終われた。高地トレーニングを終えて驚くほどコンディションも良い。これからのレースに向けていいサイン」と振り返っている。
ナバラ・ウィメンズエリートクラシック2020 2日目結果
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 3:19:01
2位 エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) 1:14
3位 マリアジュリア・コンファロニエーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング) 2:06
4位 エリザ・バルサモ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス)
5位 クリスティーヌ・マジュラス(ルクセンブルク、ブールス・ドルマンス)
6位 シェイラ・グティエレス(スペイン、モビスター)
7位 マルタ・バスティアネッリ(イタリア、アレ・BTCリュブリャナ)
8位 エレナ・チェッキーニ(イタリア、キャニオン・スラム)
9位 アン・サンテステバン(スペイン、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
10位 エウジェニー・デュバル(フランス、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ)
text:So.Isobe