ユンボ・ヴィズマのワウト・ファンアールト(ベルギー)が、米国のグラベルレース・ダーティカンザの開催延期を受け行われた代替イベントに参加し、未舗装路320kmを約11時時間かけ走り切った。



ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)はベルギー国内のグラベル322kmを走りきったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)はベルギー国内のグラベル322kmを走りきった (c)CorVos
シクロクロス世界選手権を3連覇した経験をもつワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が、ベルギー国内の未舗装路322.91kmを11時間17分かけて走破。

これはアメリカ・カンザス州で5月30日に開催予定だった世界で最も有名なグラベルレース・ダーティカンザの延期(9月12日)を受け、昨季引退し現在はグラベルレースをメインに活動するローレンス・テンダム(オランダ)が発案 したDirty Kanzelled(ダーティカンゼルド)という代替イベントだ。

ファンアールトはチームメイトのマールテン・ワイナンツ(ベルギー)と、シクロクロス選手ダーン・ソエテ(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)と共に挑戦し、達成後のインタビューでこう答えた。「この時期にこういうものに参加するのはいいチャレンジに思えたんだ。そしてなにより楽しかった。ルートは理想的でなかったが、それが良い所でもあった。十分な物資を持っていけるよう、自転車に適切に装備する準備も必要だったし、(ダーティカンザと同じく)止まれるの2回だけ。それ(ルール)がもはや楽しみの半分だった」

アレックス・ハウズ(アメリカ、EFプロサイクリング)はコロラドからカンザスまで走ったアレックス・ハウズ(アメリカ、EFプロサイクリング)はコロラドからカンザスまで走った (c)EF Pro cycling
このグラベルイベントに共鳴したのはファンアールトらだけでなく、ニキ・テルプストラ(トタル・ディレクトエネルジー)も仲間選手たちと共にオランダ国内324.48kmを約12時間かけて走破。また米国ロード王者で昨年ダーティカンザ3位のアレックス・ハウズ(EFプロサイクリング)は、自宅にあるコロラドから開催されるカンザスまでの355kmを14時間かけて走り切った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で数ヶ月の室内練習を強いられた選手たちが、超ロングライドでフラストレーションを解放する例は少なくない。女子世界王者のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)もその一人で、地元の男子選手と一緒にオランダ国内400kmを約11時間かけて走り、平均時速35.7km/h、消費カロリーは7,125という驚異的な数字をSNSに投稿している。

ワールドツアーは男女ともに8月1日の再開を予定しており、例年では不可能だったシーズン期間中のロングライドを楽しんだ選手たちは、これからレースに向けた本格的なトレーニングに移行していく。

今後の予定を聞かれたファンアールトは、「2日間はゆっくりしようかと思っている。でもいつか本物のダーティカンザを走ってみたい。常にそういうレースを走りたいと思っているからね」と、世界一のグラベルレースに意欲を見せた。

text:Sotaro.Arakawa

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