2020/03/06(金) - 14:46
ツール・ド・台湾の第5ステージ128.47kmのレースは、エリック・ヤン(エレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリング)が第4ステージに続き連勝。ニコラス・ホワイト(チーム・ブリッジレーン)が2位に入り、獲得したボーナスタイムにより逆転総合優勝を決めた。日本勢では中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)が総合7位でレースを終えた。
5日間に渡って開催されたツール・ド・台湾。最終日は台湾南部最大の都市・高雄(カオシュン)市をスタートして戻ってくるコース。後半には3級山岳が設定されるが、前日の第4ステージ同様にほぼ平坦と言って良いコースプロフィールだ。距離は短めの128.47km。中間スプリントポイントが3ヶ所設定され、フィニッシュと合わせると最大19秒のボーナスタイムを獲得出来る。
第4ステージを終え、リーダージャージを着るライアン・カバナ(セントジョージ・プロサイクリング)と、2位のニコラス・ホワイト(チーム・ブリッジレーン)との差は2秒。中間スプリントポイントを1回首位通過=3秒を獲得すれば逆転可能なタイム差だ。13秒差の6位につける中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)にも、計算上逆転のチャンスがあることになる。
天気は雲りのち晴れ。気温は28度前後まで上昇する暑さの中での最終ステージとなった。
高雄市内をパレードしたのちリアルスタートが切られると、長く幅広い直線道路でアタック合戦が始まる。小石祐馬(チーム右京)が飛び出して一時後続との差を広げにかかるが、ほどなく吸収。そのカウンターで鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)を含む2人が飛び出す。これを追って武山晃輔(チーム右京)を含む10名以上の追走集団が形成され、先行集団に合流。メイン集団との差は1分以上まで開く。
このまま行くかに見えた先頭集団だが、山岳賞ジャージのロマン・マイキン(カンボジア・サイクリングアカデミー)と山岳賞を争うマーカス・クレイ(オーストラリア、チームサプラサイクリング)が揃ってしまったためか、44km地点の最初の中間スプリントポイントを前にアタックと牽制が始まる。
その中から、鈴木譲、クレイ、エリオット・シュルツ(オーストラリア、メミルプロサイクリング)の3人が先行。残された中から、武山を含む、6名が追走集団を形成する。71km地点に設定された2回目のスプリントポイントの時点で、先頭3名と追走6名の差が2分。さらに1分差でメイン集団が追走していく。
その後ペースアップを開始したメイン集団は、78km地点に設定された3級山岳への登りで追走集団を吸収。一方先頭集団では、3級山岳を下ったところで鈴木譲が遅れ、クレイとシュルツの2人が先行する。クレイは中間スプリントポイントを全て先頭通過し、合計9秒のボーナスタイムを得て総合3位に浮上。さらに3級山岳も先頭通過したため、山岳賞を獲得する。
メイン集団は、ニコラス・ホワイトの逆転優勝を狙うチーム・ブリッジレーンが牽引。先行する2人との差を徐々に詰め、高雄市内に入ると直線道路で視界に捉えるようになる。そして残り2kmで吸収し、スプリント勝負へ。
残り100mの最終コーナーを先頭でクリアしたのは、ポイント賞ジャージを着るエリック・ヤン(エレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリング)。そのまま先頭でフィニッシュラインを駆け抜け、前日の第4ステージに続き連勝。計3回目のステージ優勝でポイント賞を確定させた。
ヤンの後ろで2位に入ったホワイトは小さくガッツポーズしながらフィニッシュ。6秒のボーナスタイムを獲得し、首位のカバナを4秒上回り、逆転で総合優勝を決めた。
日本勢では、スプリント勝負に挑んだ鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)が17位、途中逃げに乗った武山が19位と続いた。個人総合では、中根の7位が日本人最上位。逃げて3秒のボーナスタイムを獲得した鈴木譲が11位。オリンピック出場を念頭にポイントの積み重ねを目指した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は、26秒差の24位でレースを終えた。
(中根英登と増田成幸のコメントを後日アップ予定です)
5日間に渡って開催されたツール・ド・台湾。最終日は台湾南部最大の都市・高雄(カオシュン)市をスタートして戻ってくるコース。後半には3級山岳が設定されるが、前日の第4ステージ同様にほぼ平坦と言って良いコースプロフィールだ。距離は短めの128.47km。中間スプリントポイントが3ヶ所設定され、フィニッシュと合わせると最大19秒のボーナスタイムを獲得出来る。
第4ステージを終え、リーダージャージを着るライアン・カバナ(セントジョージ・プロサイクリング)と、2位のニコラス・ホワイト(チーム・ブリッジレーン)との差は2秒。中間スプリントポイントを1回首位通過=3秒を獲得すれば逆転可能なタイム差だ。13秒差の6位につける中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)にも、計算上逆転のチャンスがあることになる。
天気は雲りのち晴れ。気温は28度前後まで上昇する暑さの中での最終ステージとなった。
高雄市内をパレードしたのちリアルスタートが切られると、長く幅広い直線道路でアタック合戦が始まる。小石祐馬(チーム右京)が飛び出して一時後続との差を広げにかかるが、ほどなく吸収。そのカウンターで鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)を含む2人が飛び出す。これを追って武山晃輔(チーム右京)を含む10名以上の追走集団が形成され、先行集団に合流。メイン集団との差は1分以上まで開く。
このまま行くかに見えた先頭集団だが、山岳賞ジャージのロマン・マイキン(カンボジア・サイクリングアカデミー)と山岳賞を争うマーカス・クレイ(オーストラリア、チームサプラサイクリング)が揃ってしまったためか、44km地点の最初の中間スプリントポイントを前にアタックと牽制が始まる。
その中から、鈴木譲、クレイ、エリオット・シュルツ(オーストラリア、メミルプロサイクリング)の3人が先行。残された中から、武山を含む、6名が追走集団を形成する。71km地点に設定された2回目のスプリントポイントの時点で、先頭3名と追走6名の差が2分。さらに1分差でメイン集団が追走していく。
その後ペースアップを開始したメイン集団は、78km地点に設定された3級山岳への登りで追走集団を吸収。一方先頭集団では、3級山岳を下ったところで鈴木譲が遅れ、クレイとシュルツの2人が先行する。クレイは中間スプリントポイントを全て先頭通過し、合計9秒のボーナスタイムを得て総合3位に浮上。さらに3級山岳も先頭通過したため、山岳賞を獲得する。
メイン集団は、ニコラス・ホワイトの逆転優勝を狙うチーム・ブリッジレーンが牽引。先行する2人との差を徐々に詰め、高雄市内に入ると直線道路で視界に捉えるようになる。そして残り2kmで吸収し、スプリント勝負へ。
残り100mの最終コーナーを先頭でクリアしたのは、ポイント賞ジャージを着るエリック・ヤン(エレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリング)。そのまま先頭でフィニッシュラインを駆け抜け、前日の第4ステージに続き連勝。計3回目のステージ優勝でポイント賞を確定させた。
ヤンの後ろで2位に入ったホワイトは小さくガッツポーズしながらフィニッシュ。6秒のボーナスタイムを獲得し、首位のカバナを4秒上回り、逆転で総合優勝を決めた。
日本勢では、スプリント勝負に挑んだ鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)が17位、途中逃げに乗った武山が19位と続いた。個人総合では、中根の7位が日本人最上位。逃げて3秒のボーナスタイムを獲得した鈴木譲が11位。オリンピック出場を念頭にポイントの積み重ねを目指した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は、26秒差の24位でレースを終えた。
(中根英登と増田成幸のコメントを後日アップ予定です)
ツール・ド・台湾第5ステージ 結果(128.47km)
1位 | エリック・ヤン(アメリカ、エレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリング) | 2時間45分33秒 |
2位 | ニコラス・ホワイト(オーストラリア、チームブリッジレーン) | +0秒 |
3位 | ペン・ヤン・タン(台湾、チャイニーズタイペイ) | |
4位 | ヨセフ・レグイグイ(アルジェリア、トレンガヌ INC.TSGサイクリング) | |
5位 | サミュエル・ボルカーズ(オーストラリア、メミル・プロサイクリング) | |
6位 | ベンジャミン・ヒル(チーム・ブリッジレーン) |
個人総合時間順位(最終結果)
1位 | ニコラス・ホワイト(オーストラリア、チームブリッジレーン) | 14時間39分42秒 |
2位 | ライアン・カバナ(オーストラリア、セントジョージ・コンチネンタルサイクリング) | +4秒 |
3位 | マーカス・キュレイ(オーストラリア、チーム・サプラサイクリング) | +14秒 |
4位 | フェン・チュン・カイ(台湾、チャイニーズタイペイ) | +15秒 |
5位 | ハウメ・スレダ・モレイ(スペイン、ブルゴスBH) | +17秒 |
6位 | ヨセフ・レグイグイ(アルジェリア、トレンガヌ INC.TSGサイクリング) | |
7位 | 中根英登(NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス) | |
8位 | ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、チーム・ブリッジレーン) |
ポイント賞(最終結果)
1位 | エリック・ヤン(アメリカ、エレベイト・ウェビプレックス・プロサイクリング) | 66p |
2位 | ニコラス・ホワイト(オーストラリア、チームブリッジレーン) | 61p |
3位 | ハウメ・スレダ・モレイ(スペイン、ブルゴスBH) | 50p |
山岳賞(最終結果)
1位 | マーカス・クレイ(オーストラリア、チーム・サプラサイクリング) | 22p |
2位 | ロマン・マイキン(カンボジア・サイクリングアカデミー) | 22p |
3位 | ジェームス・オラム(ニュージーランド、ブラックスポーク・プロサイクリングアカデミー) | 18p |
チーム総合成績(最終結果)
1位 | メミル・プロサイクリング | 44時間0分24秒 |
2位 | ブルゴスBH | +0秒 |
3位 | リンコウ・アドヴァリクス・サイクリングチーム |
text&photo:Satoru Kato
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