2010/05/17(月) - 11:45
最後の1級山岳テルミニッロで飛び出したクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク)が山頂ゴールを制したジロ・デ・イタリア第8ステージ。レース途中で気管支炎の発作を起こしたアレッサンドロ・ペタッキはリタイアに追い込まれた。レース後の選手たちのコメント。
ゴールまで独走するクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク) (c)CorVosクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク)
本当に本当にハッピーだ。すごい勝利だ。世界最大のレースのひとつであるジロの最初の山岳ステージだからね。
7週間前、僕は右の鎖骨を骨折していたから、ジロに出場できるかどうかも分からなかったんだ。すごいカムバックだよ。
逃げが最後まで許されるとは思っていなかった。ただハイペースをキープしたよ。幸運にも最後の上りで差を保つのに十分なスピードを維持できた。
ラスト300mになっても逃げ切れるかどうか確信が持てなかったんだ。でも誰もついてこなかった。キャリア最大の勝利を祝いながら走ったよ。この登りは初めてで知らなかったけれど、ステージプロフィールについては宿題で十分に予習してあったんだ。もし登りを知っていたら逆にもっと痛みを伴ったと思う。
ストルトーニがアタックしたときは乳酸がたまらないように注意しながら自分のペースでじわじわ追いかけた。同時に、彼には実際僕が感じているよりも苦しんでいると思わせたかったんだ。僕が逃げてしまうまでに、もっと前で足を使わせようと思ったんだ。ステージは僕の思いどおりに運んでくれたよ。
ダン・フロスト監督(サクソバンク)
僕らは狂っていた。最後の3kmは、クルマのなかで全身に鳥肌が立っていた。窓を開けては叫び、ハンドルを握りながらは叫んでいた。メカニックのパスカルはサンルーフから身を乗り出してクリスを励ましていた。
クリスが先頭で闘っている様子は、チームと選手たちが成功目指して全力で闘っているイメージだった。しかし今日の違いはその苦しんでいる様子が誰の目にも明らかだったこと。このジロにチームは大きな期待をもって来てはいない。しかし選手任せのこの成功は、ただ私たちを驚かせてくれる。彼らはチームにジロでの成功をもたらしてくれた。
マリアローザを守ったアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) (c)CorVosアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)
昨日のハードなステージのおかげで今日はちょっと疲れていた。でもそれは皆同じことだった。オメガファーマの選手たちが逃げを追うのに最初に働いたチームだった。次にランプレが働いた。僕はと言えばエヴァンスをコントロールした。僕らにとっては完璧な一日だった。
アタックしたダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィーニ)をスカルポーニがフォローする (c)CorVosダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィーニ)
今日は調子が良かった。だからチームメイトには僕のことをサポートしてくれるように頼んだんだ。逃げを追うのに彼らがしてくれた仕事は完璧なものだった。
不運なことにどのチームも僕らに協力しようとせず、スカルポーニだけが勝利に対して興味を示していた。目標を達成するためにまたトライするよ。
40km地点でバイクを降りたアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ) photo:Riccardo Scanferlaアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィーニ)
気管支炎が発作を引き起こしてしまい、これ以上乗り続けるのが不可能になってしまった。ここ数日、ドクターは僕の症状を改善しようと手を尽くしてくれたけど、天候は味方してくれなかった。
勝利なしにジロを去るのは悲しい。脚の調子はいいんだ。しかしネガティブな状況のおかげでハイレベルはパフォーマンスを引き出せないんだ。
2分遅れの27位フィニッシュのカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) (c)CorVosカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム)
遅れを最小限に留めるために可能な限りハードに踏み込んだ。レースが始まってからというもの、落車やトラブルで特別にタフなレースが続いている。
チームメイトの助けを受けることができたのは幸運だった。今日はウィスがボクと一緒に走ってくれた。トンドは最高に調子が良くて、彼こそが今日のような登りでレースを引っ張る選手だ。もしあんな逃げがなかったら、サビ(トンドの愛称)が勝っただろう。
ヴィノクロフを引き離すためにアタックするカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) (c)CorVosジョン・ルランゲ監督(BMCレーシングチーム)
今日の一番の目標はレースを視界から逃さないということだった。そしてチームワークのお陰でそれには成功した。(リタイアした)ジョン・マーフィは最初の一週間よく働いてくれたが、ハードワークが堪えていた。それが彼の体力を奪っていたようだ。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitterなど。
text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI、CorVos
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本当に本当にハッピーだ。すごい勝利だ。世界最大のレースのひとつであるジロの最初の山岳ステージだからね。
7週間前、僕は右の鎖骨を骨折していたから、ジロに出場できるかどうかも分からなかったんだ。すごいカムバックだよ。
逃げが最後まで許されるとは思っていなかった。ただハイペースをキープしたよ。幸運にも最後の上りで差を保つのに十分なスピードを維持できた。
ラスト300mになっても逃げ切れるかどうか確信が持てなかったんだ。でも誰もついてこなかった。キャリア最大の勝利を祝いながら走ったよ。この登りは初めてで知らなかったけれど、ステージプロフィールについては宿題で十分に予習してあったんだ。もし登りを知っていたら逆にもっと痛みを伴ったと思う。
ストルトーニがアタックしたときは乳酸がたまらないように注意しながら自分のペースでじわじわ追いかけた。同時に、彼には実際僕が感じているよりも苦しんでいると思わせたかったんだ。僕が逃げてしまうまでに、もっと前で足を使わせようと思ったんだ。ステージは僕の思いどおりに運んでくれたよ。
ダン・フロスト監督(サクソバンク)
僕らは狂っていた。最後の3kmは、クルマのなかで全身に鳥肌が立っていた。窓を開けては叫び、ハンドルを握りながらは叫んでいた。メカニックのパスカルはサンルーフから身を乗り出してクリスを励ましていた。
クリスが先頭で闘っている様子は、チームと選手たちが成功目指して全力で闘っているイメージだった。しかし今日の違いはその苦しんでいる様子が誰の目にも明らかだったこと。このジロにチームは大きな期待をもって来てはいない。しかし選手任せのこの成功は、ただ私たちを驚かせてくれる。彼らはチームにジロでの成功をもたらしてくれた。
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昨日のハードなステージのおかげで今日はちょっと疲れていた。でもそれは皆同じことだった。オメガファーマの選手たちが逃げを追うのに最初に働いたチームだった。次にランプレが働いた。僕はと言えばエヴァンスをコントロールした。僕らにとっては完璧な一日だった。
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今日は調子が良かった。だからチームメイトには僕のことをサポートしてくれるように頼んだんだ。逃げを追うのに彼らがしてくれた仕事は完璧なものだった。
不運なことにどのチームも僕らに協力しようとせず、スカルポーニだけが勝利に対して興味を示していた。目標を達成するためにまたトライするよ。
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気管支炎が発作を引き起こしてしまい、これ以上乗り続けるのが不可能になってしまった。ここ数日、ドクターは僕の症状を改善しようと手を尽くしてくれたけど、天候は味方してくれなかった。
勝利なしにジロを去るのは悲しい。脚の調子はいいんだ。しかしネガティブな状況のおかげでハイレベルはパフォーマンスを引き出せないんだ。
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遅れを最小限に留めるために可能な限りハードに踏み込んだ。レースが始まってからというもの、落車やトラブルで特別にタフなレースが続いている。
チームメイトの助けを受けることができたのは幸運だった。今日はウィスがボクと一緒に走ってくれた。トンドは最高に調子が良くて、彼こそが今日のような登りでレースを引っ張る選手だ。もしあんな逃げがなかったら、サビ(トンドの愛称)が勝っただろう。
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今日の一番の目標はレースを視界から逃さないということだった。そしてチームワークのお陰でそれには成功した。(リタイアした)ジョン・マーフィは最初の一週間よく働いてくれたが、ハードワークが堪えていた。それが彼の体力を奪っていたようだ。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitterなど。
text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI、CorVos