宇都宮ブリッツェンの2020チームプレゼンテーションパーティーが、2月23日(日)に宇都宮市内で開催された。パーティーの模様とあわせ、ツール・ド・ランカウイでシーズンインしたチームの状態を鈴木譲と清水監督に聞いた。


勢揃いした宇都宮ブリッツェンのメンバーと清水監督。増田成幸は残念ながら欠席した。勢揃いした宇都宮ブリッツェンのメンバーと清水監督。増田成幸は残念ながら欠席した。 photo:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY
制約があるパーティーにもかかわらず多くのブリッツェンサポーターが詰めかけた制約があるパーティーにもかかわらず多くのブリッツェンサポーターが詰めかけた photo:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY宇都宮名物の餃子や栃木県の名産品など用意された料理は参加者の胃袋へ宇都宮名物の餃子や栃木県の名産品など用意された料理は参加者の胃袋へ photo:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY

宇都宮ブリッツェンは新メンバーの発表を前年中に行い、お披露目のパーティーを年明けのシーズンイン前に行うのがここ数年の通例となっている。今年は増田成幸の東京オリンピック代表選考を念頭に海外レースに出場。2月前半に開催された「ツール・ド・ランカウイ」でシーズンインし、3月1日からは「ツール・ド・台湾」に出場する。その合間をぬってのパーティー開催となった。

写真を撮るのもステージの下から・・・写真を撮るのもステージの下から・・・ photo:Satoru Kato「東京オリンピックで増田成幸の応援ツアーを実現したい」と廣瀬取締役「東京オリンピックで増田成幸の応援ツアーを実現したい」と廣瀬取締役 photo:Satoru Kato

折しも「新型コロナウィルス」の感染拡大が危惧される中、宇都宮ブリッツェンはパーティー直前に選手と参加者との接触を制限する主旨のお知らせを発表。いつもならパーティー参加者と談笑したり並んで写真を撮ったりしていたが、今回は選手は壇上から降りず、パーティー参加者との距離を置くという処置が取られた。パーティー参加をキャンセルされた方もいたようだが、それでも熱心なブリッツェンサポーターが多く集まった。

注目の増田は、ランカウイから帰国後に体調を崩したため残念ながらパーティーには出席せず。直後に台湾遠征を控え、回復に専念するためという。

パーティーの最後に運営会社であるサイクルスポーツマネージメント株式会社の廣瀬取締役は、「増田を東京オリンピックに送り出したい。それが実現したら、皆さんで観戦ツアーをやりましょう」と挨拶した。


初出場となったツール・ド・ランカウイを終え、鈴木譲と清水監督にシーズン・インの感触を聞いた。

「ランカウイでは勝負できる手応えはあった」と言う鈴木譲「ランカウイでは勝負できる手応えはあった」と言う鈴木譲 photo:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY鈴木譲「増田さんは相当仕上げてきているなと感じた」

「ランカウイはちょっとつまづいた感じになってしまいましたが、ランカウイ後のワンデーレース(マレーシア・インターナショナル・サイクルクラシック)では、(鈴木)龍が7位、増田(成幸)さんが12位と上位に入ったので、仕上がってる選手はあのくらいのレベルでもしっかり勝負出来るなという手応えはありました。早めに仕上げている選手はコンディション的に問題なかったという感触です。

増田さんは相当仕上げているなと一緒に走っていて感じていましたが、それを発揮しきれなかったことを本人はかなり悔しがっていました。本当に残念でしたが、それも含めてレースなのかなと2人で話しましたが・・・。チームも個人的にもランカウイは初めてでしたが、勝手が違う部分もあって慣れるのに少々時間がかかった感じでした。

次のツール・ド・台湾、その次のツール・ド・とちぎで、今仕上がっている選手は1つのピークをつくる感じです。東京オリンピックの代表選考が5月末まであるので、例年とは違う感じはしています。

チーム全体では、自分もふくめ早めに仕上げている選手と、ゆっくり調整している選手と、10名体制の利点を生かして余裕をもって進めています。それでも、ちょっと疲れた状態で4月に入っていくのかなと予想しています。個人的にはとちぎ後に少し休むようにして、6月の半ば以降に良い状態になるようにしたいと考えています。オリンピック選考直後となる全日本選手権と、9月末から10月にかけて良いレースが続くので、そこで勝ちを狙っていきたいですね。」

宇都宮ブリッツェン 清水裕輔監督宇都宮ブリッツェン 清水裕輔監督 photo:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY清水監督「アジアツアーにポンと行って結果を残せるほど簡単ではない」

「感覚としては良い状態で入れたと思いましたが、トラブル続出で結果としては目標に達することが出来ませんでした。それでも、チームの状態は良かったと思います。今後、負の連鎖にならないように断ち切っていくことが出来れば、良いシーズンになるでしょう。

増田が落車してしまいましたが、クイーンステージで増田に成績を残させようとレースを作り、不運なことが無ければもっと良い成績が残せたと考えています。増田は本当に強かったです。とは言え、アジアツアーにポンと行って成績を残せるほど簡単なことではないので、選手だけでなくスタッフや運営会社もふくめ継続的にやっていないと難しいと感じました。

ツール・ド・ランカウイにて 落車痕が痛々しい増田成幸ツール・ド・ランカウイにて 落車痕が痛々しい増田成幸 photo:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANYツール・ド・ランカウイを走る宇都宮ブリッツェンツール・ド・ランカウイを走る宇都宮ブリッツェン photo:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY

自分は12年くらい前に監督としてランカウイに行ったことがありますが、レースのレベル・・・本気度が上がっているなと感じました。それでもレースを動かしたり、逃げに乗ったり、ただ単に出ただけではなく、展開に加われる位置にいられたと思います。それは国内レースを走っていてもある程度算段はついていたことなので、それを今回確かめられたと思います。

増田はしっかりコンディションを戻さないといけませんが、鈴木龍はお腹を壊さなければだいぶコンディションは良くて、最終日のワンデーレースでは増田をアシストしながら好位置にいました。西村も風邪さえ引かなければ調子は良かったし、中村も動けていました。他の選手も仕上げてきているので、チーム全体として良い状態でシーズンインが出来ていると思います。」

text:Satouru Kato
photo:Nobumichi KOMORI/HATTRICK COMPANY, Satoru Kato