ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2日目に登場した1級山岳フィニッシュで、残り500mから加速したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利。マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)らを抑えて総合リーダーとなった。
インタビューを受けるダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) (c)CorVos
スタート前のゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) (c)CorVos
モンシュケ山脈を目指すアルガルヴェ第2ステージ (c)CorVos
ポルトガル最南端のアルガルヴェ地方を舞台にするヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2. Pro)第2ステージは、南端の街サグレシュから内陸のモンシュケ山脈を目指す183.9km。残り35km地点から現れる上り勾配は、ノンカテゴリーx2、3級、2級と終盤になればなるほど難易度が上がり、最後はフィニッシュ直前に17%の激坂区間を含む1級山岳フォイア峠(距離7.4km/平均勾配6%)の山頂を目指す。
2020年大会は超級山岳フィニッシュが設定されておらず、もう一つの山頂ゴールである第4ステージも2級山岳であるため、総合優勝を狙う上ではこの第2ステージと最終日の個人タイムトライアルが大きな鍵となる。スピードを維持したまま登る最終フォイア峠で、クラシックレーサーやクライマー系オールラウンダーたちが激しく火花を散らした。
序盤に逃げたクリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)ら (c)CorVos
レースは序盤から逃げたカスパー・ピーダスン(デンマーク、サンウェブ)、ミヒャエル・シェアー(スイス、CCCチーム)、クリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)を、UAEチームエミレーツ率いるメイン集団が泳がせる展開で進む。後半の山岳地帯に入るとすぐにリーダージャージを着用するファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)やエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)ら重量級スプリンターがグルペットを作った。
終盤に入ってもUAEチームエミレーツのチームワークは衰えず、残り20km付近で逃げグループを吸収してなお突き進んだ。フォイア峠に入るとヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)の牽引が始まり、このペースアップでマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が脱落。ポランツが離脱すると残り2km地点でシモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)がアタックした。
UAEチームエミレーツの牽引でフィニッシュまでの距離を減らしていく (c)CorVos
2km地点でアタックしたシモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム) (c)CorVos
「集団のペースが少し下がった時に一定ペースを保ったらリードができた。ステージ優勝のチャンスだと感じて踏み込んだよ」と言うゲシュケだったが、集団を牽くネオプロのホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)が残り1kmでキャッチ。アルメイダはCCCチームの今季初勝利を阻むと同時に、かつて2度総合優勝しているミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、チームイネオス)を脱落させる。すると、残り500mでレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックした。
勢いよくリードを稼いだエヴェネプールは激坂区間をクリアし、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)ら登坂フィニッシュの名手たちを置き去りにしてフィニッシュへ。後方からはマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が追い込んだものの、ダンシングで逃げるエヴェネプールにはわずかに追いつかない。緩いコーナー上のフィニッシュライン上でエヴェネプールが拳を突き上げた。
マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)の追撃を交わし勝利したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
リーダージャージに袖を通したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
総合首位レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)とポイント賞リーダーのファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
「昨日の作戦会議で(ヤコブセンのステージ優勝に満足することなく)」攻撃的なレースを続けていこうと決めたんだ。今日はチーム全員が僕を風から守ってくれたし、脚の感触も良かった。"最後に仕掛ける"と自分に言い聞かせながら走ったんだ」とエヴェネプールは言う。「終盤に1人(ゲシュケ)アタックした時もアルメイダに言って引き戻してもらい、その後もペースを維持してもらった。残り500mで全開アタックし、残り100mから強い向かい風が吹き付ける中逃げ切ることができた。加速力を磨くために練習を重ねてきたけれど、今日は自分の走りに驚いた。チームと共に積み上げてきたことが形になったので本当に素晴らしいと思うよ」と加えている。
シャフマンに0秒差、マーティンやコスタに2秒差で、自身初の登坂フィニッシュ勝利を射止めたエヴェネプールがリーダージャージを獲得。「もちろんまだ多くのチャレンジが待ち受けているけど、できるだけリーダージャージをキープしたい」と総合優勝に向けて意欲的なコメントを残すと共に、家族を亡くした元チームメイトのニコラス・マース(ベルギー、ロット・スーダル)と、彼の家族に勝利を捧げた。



ポルトガル最南端のアルガルヴェ地方を舞台にするヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2. Pro)第2ステージは、南端の街サグレシュから内陸のモンシュケ山脈を目指す183.9km。残り35km地点から現れる上り勾配は、ノンカテゴリーx2、3級、2級と終盤になればなるほど難易度が上がり、最後はフィニッシュ直前に17%の激坂区間を含む1級山岳フォイア峠(距離7.4km/平均勾配6%)の山頂を目指す。
2020年大会は超級山岳フィニッシュが設定されておらず、もう一つの山頂ゴールである第4ステージも2級山岳であるため、総合優勝を狙う上ではこの第2ステージと最終日の個人タイムトライアルが大きな鍵となる。スピードを維持したまま登る最終フォイア峠で、クラシックレーサーやクライマー系オールラウンダーたちが激しく火花を散らした。

レースは序盤から逃げたカスパー・ピーダスン(デンマーク、サンウェブ)、ミヒャエル・シェアー(スイス、CCCチーム)、クリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)を、UAEチームエミレーツ率いるメイン集団が泳がせる展開で進む。後半の山岳地帯に入るとすぐにリーダージャージを着用するファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)やエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)ら重量級スプリンターがグルペットを作った。
終盤に入ってもUAEチームエミレーツのチームワークは衰えず、残り20km付近で逃げグループを吸収してなお突き進んだ。フォイア峠に入るとヤン・ポランツ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)の牽引が始まり、このペースアップでマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が脱落。ポランツが離脱すると残り2km地点でシモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)がアタックした。


「集団のペースが少し下がった時に一定ペースを保ったらリードができた。ステージ優勝のチャンスだと感じて踏み込んだよ」と言うゲシュケだったが、集団を牽くネオプロのホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)が残り1kmでキャッチ。アルメイダはCCCチームの今季初勝利を阻むと同時に、かつて2度総合優勝しているミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、チームイネオス)を脱落させる。すると、残り500mでレムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックした。
勢いよくリードを稼いだエヴェネプールは激坂区間をクリアし、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション)ら登坂フィニッシュの名手たちを置き去りにしてフィニッシュへ。後方からはマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が追い込んだものの、ダンシングで逃げるエヴェネプールにはわずかに追いつかない。緩いコーナー上のフィニッシュライン上でエヴェネプールが拳を突き上げた。



「昨日の作戦会議で(ヤコブセンのステージ優勝に満足することなく)」攻撃的なレースを続けていこうと決めたんだ。今日はチーム全員が僕を風から守ってくれたし、脚の感触も良かった。"最後に仕掛ける"と自分に言い聞かせながら走ったんだ」とエヴェネプールは言う。「終盤に1人(ゲシュケ)アタックした時もアルメイダに言って引き戻してもらい、その後もペースを維持してもらった。残り500mで全開アタックし、残り100mから強い向かい風が吹き付ける中逃げ切ることができた。加速力を磨くために練習を重ねてきたけれど、今日は自分の走りに驚いた。チームと共に積み上げてきたことが形になったので本当に素晴らしいと思うよ」と加えている。
シャフマンに0秒差、マーティンやコスタに2秒差で、自身初の登坂フィニッシュ勝利を射止めたエヴェネプールがリーダージャージを獲得。「もちろんまだ多くのチャレンジが待ち受けているけど、できるだけリーダージャージをキープしたい」と総合優勝に向けて意欲的なコメントを残すと共に、家族を亡くした元チームメイトのニコラス・マース(ベルギー、ロット・スーダル)と、彼の家族に勝利を捧げた。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2020 第2ステージ結果
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:46:38 |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) | 0:02 |
4位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
5位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
6位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:05 |
7位 | フレデリコ・フィゲイレド(ポルトガル、アトゥムゲネラル・タヴィラ・マリアノバホテル) | 0:08 |
8位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
9位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
10位 | アマロ・アントゥヌス(ポルトガル、W52・FCポルト) |
個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 9:42:15 |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:02 |
4位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) | |
5位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
6位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:05 |
7位 | アマロ・アントゥヌス(ポルトガル、W52・FCポルト) | 0:08 |
8位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
9位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
10位 | フレデリコ・フィゲイレド(ポルトガル、アトゥムゲネラル・タヴィラ・マリアノバホテル) |
その他の特別賞
山岳賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
ポイント賞 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
チーム総合成績 | アスタナ |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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