2010/05/17(月) - 06:44
5月16日から23日までの8日間、アメリカ最大のステージレース、第5回ツアー・オブ・カリフォルニア(UCI2.HC)が開催される。北米最大のステージレースに、ツール・ド・フランスと見間違うほどのスター選手たちが集結する。
2月から5月開催へ
第5回目ツアー・オブ・カリフォルニアは、今年も「ゴールデンステート」カリフォルニア州で盛大に開催される。
今年も例年通り、平坦コースから山岳コース、そして個人タイムトライアル有りの充実したコースレイアウトで争われるが、大きく異なるのはその開催日だ。2月に開催されていた大会が、ジロ・デ・イタリアと同じ5月に移った。
その理由は2月の天候不順への対応策とともに「アメリカ人にとっては、やはり世界最大のイベントはツール・ド・フランスであり、そのツールが始まる前のもっともいい時期に開催したかったというのが大きな理由の一つだ」と主催者は言う。
ツールが終わって後は(アメリカ人にとって)シーズン終了の感が強く、2月では早すぎる。そこであえてジロのある5月に移した。アメリカ関連企業がスポンサードする強豪プロチームが増え、大会に誘致できるという自信もこの決定を後押しした。
欧州トップチームに北米・豪州コンチネンタルチームが挑む
出場チームはUCIプロツアーチーム7チームに加え、UCIプロコンチネンタルチーム2チーム、そしてアメリカ、オーストラリア、カナダのコンチネンタルチーム7チームの合計16チーム。以下のリストだ。
UCIプロツアーチーム
ガーミントランジションズ
リクイガス・ドイモ
クイックステップ
ラボバンク
チームHTCコロンビア
レディオシャック
サクソバンク
UCIプロコンチネンタルチーム
BMCレーシングチーム
サーヴェロテストチーム
UCIコンチネンタルチーム
ビッセル
フライVオーストラリア
ジェリーベリー
ケリーベネフィット
スパイダーテック
チームタイプ1
ユナイテッドヘルスケア・マキシス
注目の出場選手
4連覇に挑むライプハイマー アームストロングにカンチェラーラ、ボーネンらスター選手目白押し
今年もツール・ド・フランス7連覇の英雄ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)の参戦でアメリカ国内は大盛り上がりだが、過去3大会で3連覇を飾ったリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)が、いよいよ4連覇に挑む。
アスタナを離れ、所属チームはレディオシャックに変わったものの、レディオシャックのメンバーの多くは元アスタナのチームメイト。今年は正真正銘アメリカンスポンサーのアメリカチームのアメリカ人エースとしてTOC4連覇に挑む。
レディオシャックはアームストロング、ブライコビッチら総合を狙える3枚看板があるが、ライプハイマーの3連勝を4連勝に伸ばすことを最大の目標に臨んでくるはずだ。
サクソバンクはアンディ・シレック(ルクセンブルグ)をメンバーに加えた。2009年ツール・ド・フランスで総合2位&新人賞に輝くアンディは春のクラシックで入賞こそ逃したが順調な仕上がりを見せた。レディオシャック勢とのバトルはまさにツール前哨戦として注目だ。
アームストロング一派から飛び出た形となったジョージ・ヒンカピー(アメリカ、BMCレーシング)も意欲満々だ。星条旗カラーのナショナルチャンピオンジャージを着て走る母国アメリカ最大のレースで結果を残したいと意気込む。ブルグハートらをアシストに、かつて同じ目標に向け走ったランス陣営に立ち向かう。
ビッグネーム参戦として注目を浴びるのはファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)。ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ~ルーベを圧倒的な力を持って連続制覇する偉業を成し遂げた北のクラシックの主役は、少しの休息を経て再びレースに戻ってきた。タイムトライアルに加えてカンチェラーラ向きのコースもあり、再びの大暴れが観られるか。
パリ~ニースで大暴れしたペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)も参戦する。総合争いに加わるにはまだ早いのかもしれないが、パンチの効いた独走力でステージ優勝を狙うだろう。ある意味似た走りのタイプのカンチェラーラとの直接対決も見物だ。
ツール・ド・フランス2009で活躍したトニ・マルティン(ドイツ、チームHTCコロンビア)とオールラウンダーのマイケル・ロジャース(オーストラリア、同)のタッグも強力。
アメリカ出身選手5人と全員が英語圏の選手で固めるアメリカンチームのガーミントランジションズも意欲が高い。TTスペシャリストのデーヴィッド・ザブリスキーでTTステージ勝利を、そしてトム・ダニエルソン(アメリカ)で総合を狙う。
熱いスプリントを繰り広げる猛者たち
TOCにおけるもうひとつの見ものがスプリンターたちのバトルだ。山岳をクリアすれば世界最高峰の選手たちによるスプリント争いが繰り広げられる。
有力スプリンターとしては、ざっと名を挙げただけでトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア)、テオ・ボス(オランダ、サーヴェロテストチーム)、ロビー・ハンター(南アフリカ、ガーミントランジションズ)、フアンホセ・アエド(アルゼンチン、チームサクソバンク)、フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)、ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロテストチーム)ら世界最高峰の男たちの名が並ぶ。
2008年に勝利を重ねた経験があるボーネンにとってはクラシック連戦を終えてスプリンターへの切り替えレースになる。
調整遅れがささやかれたカヴェンディッシュはツール・ド・ロマンディでトップフィニッシュしたが侮辱的なポーズが物議を醸した。このTOCで自らの地位を確実なものにするためにクリーンに勝っておく必要がある。
落車の負傷により主要な春のクラシックを見送ってしまったハウッスラーは復活の脚試しだ。
そして世界のスター選手を打倒することで名乗りを上げたいプロコンチ&コンチ選手たちの意気込みが火に油を注ぐことになるだろう。
コース編 ステージ詳細
第1ステージ ネバダシティ~サクラメント 167.8km
毎年タイムトライアルで開幕していたツアー・オブ・カリフォルニアだが、今年はマスドスタートのロングステージの第1ステージで始まる。
シェラネバダ山脈の麓、標高762mの街ネバダをスタートし、無数の細かな丘を越えて走る167.8kmのステージは、逃げを打つにも適したコースプロフィール。しかしコース全体が下り基調のうえ、ラスト63kmが長い下りと平坦になるため、スプリンターチームの組織的な追撃ができれば集団スプリントになる可能性が高い。
第2ステージ デイヴィス~サンタローザ176.2km
第2ステージは2009年のレースで使ったコースを数カ所使用する。高低差に富んだレイアウトが特徴で、平坦路でスタートし、ベリエッサ湖を抜けてからはハウウェルマウンテンロードへと上る。山岳ポイントはパシフィックユニオン大学の正門の前に設定される。
ワインで知られるナパバレーを抜けて、トリニティーロードは2009年に使用されたコースとは逆(東)から上る。もっとも急な勾配はKOMポイント争いを面白くしてくれるはずだ。登りきったらゴールのサンタローザまでは約30km。差をつければ逃げ切りの可能性もある。
第3ステージ サンフランシスコ~サンタクルーズ 182.9km
港町サンフランシスコを出発し、サンタクルーズに至る182.9kmのコースはツアー・オブ・カリフォルニアを代表するおなじみの風景のステージと言えるだろう。2009年に使用したコースを多く取り入れ、
オーシャンビーチをスタートし、ゴールデンゲートブリッジを渡りパシフィックコーストハイウェーをハーフムーンベイへと走る。
レースのポイントは最後の山岳、ボニー・ドーンロードの登り。下りきってすぐにサンタクルーズの街でフィニッシュを迎えるカテゴリー2級のこの登りは、昨年ライプハイマーが総合優勝を掴むことに成功した山岳ポイントだ。
第4ステージ サンノゼ~モデスト 195.5km
この日も厳しい山岳の続くステージだ。スタートしてすぐにシエラ・グランデへの標高588mへの登りが10km続く。山脈の脊梁を越えるようにして長く下り、再びハミルトン山を巻くように上る。コースの約半分は山がちだが、残り83kmは下りと平坦になるため、集団スプリントになる可能性は高い。
第5ステージ バイサリア~ベーカーズフィールド 195.5km
真の山岳ステージではないものの、いつつかのタフな登りを含む第5ステージは面白い展開を見せそうだ。
2年連続でホストタウンとなるバイサリアの街をスタートし、2つのスプリントポイントを経てこの日の最高標高のカテゴリー3級山岳オールドステージロードへと上る。セントラルバレーを抜けるとゴールのベーカーズフィールドへ向けて大きく下る。しかし残り34km地点にカテゴリー4級のラウンドマウンテンロードがあり、さらにゴール前2kmは短く急に上るプロフィール。上りスプリントが得意な選手、強力なパンチャー向けのステージだ。
第6ステージ パサデナ~ビッグベアー 213.7km
ツアー・オブ・カリフォルニア最難関のクイーンステージがこの第6ステージだ。ローズボウルをスタートしてすぐに登り始め、一度下るものの80kmで約2000mを上る。最高標高は約2400mだ。そして約1500mを下り、再びビッグベアーレイク目指すして登る。一度平坦になってゴールするため山頂フィニッシュではないものの、上りが勝敗を分ける総合争いの選手たちのための山岳ステージだ。
第7ステージ ロサンゼルス 個人タイムトライアル 33.6km
ロサンゼルス市街に設定された33.6kmのコースを2周する個人タイムトライアルは、総合争いを決める最の勝負どころだろう。LAコンベンションセンター、南カリフォルニア大学、ウオルトディズニーコンサートホールなど、市内のランドマークの前を通過する。コースには2箇所急な上り坂があり、TTバイクで駆け上がるテクニックも要求される。選手たちは1分毎のスタートで、ラスト30人は2分毎スタートとなる。
第8ステージ サウザンドオークス/ウェストレイク~アグーラ・ヒルズ 134.3km
サウザンドオークス近郊をめぐる1周約33.6kmの周回コースを4周するサーキットレース。しかしその一周ごとの標高差は約330mで、4周すると1200mの獲得標高となる厳しいコースだ。総合争いがここまでもつれるかどうかは分からないが、最後まで逆転の可能性があるコースだ。
text:Makoto.AYANO
photo:CorVos
2月から5月開催へ
第5回目ツアー・オブ・カリフォルニアは、今年も「ゴールデンステート」カリフォルニア州で盛大に開催される。
今年も例年通り、平坦コースから山岳コース、そして個人タイムトライアル有りの充実したコースレイアウトで争われるが、大きく異なるのはその開催日だ。2月に開催されていた大会が、ジロ・デ・イタリアと同じ5月に移った。
その理由は2月の天候不順への対応策とともに「アメリカ人にとっては、やはり世界最大のイベントはツール・ド・フランスであり、そのツールが始まる前のもっともいい時期に開催したかったというのが大きな理由の一つだ」と主催者は言う。
ツールが終わって後は(アメリカ人にとって)シーズン終了の感が強く、2月では早すぎる。そこであえてジロのある5月に移した。アメリカ関連企業がスポンサードする強豪プロチームが増え、大会に誘致できるという自信もこの決定を後押しした。
欧州トップチームに北米・豪州コンチネンタルチームが挑む
出場チームはUCIプロツアーチーム7チームに加え、UCIプロコンチネンタルチーム2チーム、そしてアメリカ、オーストラリア、カナダのコンチネンタルチーム7チームの合計16チーム。以下のリストだ。
UCIプロツアーチーム
ガーミントランジションズ
リクイガス・ドイモ
クイックステップ
ラボバンク
チームHTCコロンビア
レディオシャック
サクソバンク
UCIプロコンチネンタルチーム
BMCレーシングチーム
サーヴェロテストチーム
UCIコンチネンタルチーム
ビッセル
フライVオーストラリア
ジェリーベリー
ケリーベネフィット
スパイダーテック
チームタイプ1
ユナイテッドヘルスケア・マキシス
注目の出場選手
4連覇に挑むライプハイマー アームストロングにカンチェラーラ、ボーネンらスター選手目白押し
今年もツール・ド・フランス7連覇の英雄ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)の参戦でアメリカ国内は大盛り上がりだが、過去3大会で3連覇を飾ったリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)が、いよいよ4連覇に挑む。
アスタナを離れ、所属チームはレディオシャックに変わったものの、レディオシャックのメンバーの多くは元アスタナのチームメイト。今年は正真正銘アメリカンスポンサーのアメリカチームのアメリカ人エースとしてTOC4連覇に挑む。
レディオシャックはアームストロング、ブライコビッチら総合を狙える3枚看板があるが、ライプハイマーの3連勝を4連勝に伸ばすことを最大の目標に臨んでくるはずだ。
サクソバンクはアンディ・シレック(ルクセンブルグ)をメンバーに加えた。2009年ツール・ド・フランスで総合2位&新人賞に輝くアンディは春のクラシックで入賞こそ逃したが順調な仕上がりを見せた。レディオシャック勢とのバトルはまさにツール前哨戦として注目だ。
アームストロング一派から飛び出た形となったジョージ・ヒンカピー(アメリカ、BMCレーシング)も意欲満々だ。星条旗カラーのナショナルチャンピオンジャージを着て走る母国アメリカ最大のレースで結果を残したいと意気込む。ブルグハートらをアシストに、かつて同じ目標に向け走ったランス陣営に立ち向かう。
ビッグネーム参戦として注目を浴びるのはファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)。ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ~ルーベを圧倒的な力を持って連続制覇する偉業を成し遂げた北のクラシックの主役は、少しの休息を経て再びレースに戻ってきた。タイムトライアルに加えてカンチェラーラ向きのコースもあり、再びの大暴れが観られるか。
パリ~ニースで大暴れしたペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)も参戦する。総合争いに加わるにはまだ早いのかもしれないが、パンチの効いた独走力でステージ優勝を狙うだろう。ある意味似た走りのタイプのカンチェラーラとの直接対決も見物だ。
ツール・ド・フランス2009で活躍したトニ・マルティン(ドイツ、チームHTCコロンビア)とオールラウンダーのマイケル・ロジャース(オーストラリア、同)のタッグも強力。
アメリカ出身選手5人と全員が英語圏の選手で固めるアメリカンチームのガーミントランジションズも意欲が高い。TTスペシャリストのデーヴィッド・ザブリスキーでTTステージ勝利を、そしてトム・ダニエルソン(アメリカ)で総合を狙う。
熱いスプリントを繰り広げる猛者たち
TOCにおけるもうひとつの見ものがスプリンターたちのバトルだ。山岳をクリアすれば世界最高峰の選手たちによるスプリント争いが繰り広げられる。
有力スプリンターとしては、ざっと名を挙げただけでトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)とマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア)、テオ・ボス(オランダ、サーヴェロテストチーム)、ロビー・ハンター(南アフリカ、ガーミントランジションズ)、フアンホセ・アエド(アルゼンチン、チームサクソバンク)、フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)、ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロテストチーム)ら世界最高峰の男たちの名が並ぶ。
2008年に勝利を重ねた経験があるボーネンにとってはクラシック連戦を終えてスプリンターへの切り替えレースになる。
調整遅れがささやかれたカヴェンディッシュはツール・ド・ロマンディでトップフィニッシュしたが侮辱的なポーズが物議を醸した。このTOCで自らの地位を確実なものにするためにクリーンに勝っておく必要がある。
落車の負傷により主要な春のクラシックを見送ってしまったハウッスラーは復活の脚試しだ。
そして世界のスター選手を打倒することで名乗りを上げたいプロコンチ&コンチ選手たちの意気込みが火に油を注ぐことになるだろう。
コース編 ステージ詳細
第1ステージ ネバダシティ~サクラメント 167.8km
毎年タイムトライアルで開幕していたツアー・オブ・カリフォルニアだが、今年はマスドスタートのロングステージの第1ステージで始まる。
シェラネバダ山脈の麓、標高762mの街ネバダをスタートし、無数の細かな丘を越えて走る167.8kmのステージは、逃げを打つにも適したコースプロフィール。しかしコース全体が下り基調のうえ、ラスト63kmが長い下りと平坦になるため、スプリンターチームの組織的な追撃ができれば集団スプリントになる可能性が高い。
第2ステージ デイヴィス~サンタローザ176.2km
第2ステージは2009年のレースで使ったコースを数カ所使用する。高低差に富んだレイアウトが特徴で、平坦路でスタートし、ベリエッサ湖を抜けてからはハウウェルマウンテンロードへと上る。山岳ポイントはパシフィックユニオン大学の正門の前に設定される。
ワインで知られるナパバレーを抜けて、トリニティーロードは2009年に使用されたコースとは逆(東)から上る。もっとも急な勾配はKOMポイント争いを面白くしてくれるはずだ。登りきったらゴールのサンタローザまでは約30km。差をつければ逃げ切りの可能性もある。
第3ステージ サンフランシスコ~サンタクルーズ 182.9km
港町サンフランシスコを出発し、サンタクルーズに至る182.9kmのコースはツアー・オブ・カリフォルニアを代表するおなじみの風景のステージと言えるだろう。2009年に使用したコースを多く取り入れ、
オーシャンビーチをスタートし、ゴールデンゲートブリッジを渡りパシフィックコーストハイウェーをハーフムーンベイへと走る。
レースのポイントは最後の山岳、ボニー・ドーンロードの登り。下りきってすぐにサンタクルーズの街でフィニッシュを迎えるカテゴリー2級のこの登りは、昨年ライプハイマーが総合優勝を掴むことに成功した山岳ポイントだ。
第4ステージ サンノゼ~モデスト 195.5km
この日も厳しい山岳の続くステージだ。スタートしてすぐにシエラ・グランデへの標高588mへの登りが10km続く。山脈の脊梁を越えるようにして長く下り、再びハミルトン山を巻くように上る。コースの約半分は山がちだが、残り83kmは下りと平坦になるため、集団スプリントになる可能性は高い。
第5ステージ バイサリア~ベーカーズフィールド 195.5km
真の山岳ステージではないものの、いつつかのタフな登りを含む第5ステージは面白い展開を見せそうだ。
2年連続でホストタウンとなるバイサリアの街をスタートし、2つのスプリントポイントを経てこの日の最高標高のカテゴリー3級山岳オールドステージロードへと上る。セントラルバレーを抜けるとゴールのベーカーズフィールドへ向けて大きく下る。しかし残り34km地点にカテゴリー4級のラウンドマウンテンロードがあり、さらにゴール前2kmは短く急に上るプロフィール。上りスプリントが得意な選手、強力なパンチャー向けのステージだ。
第6ステージ パサデナ~ビッグベアー 213.7km
ツアー・オブ・カリフォルニア最難関のクイーンステージがこの第6ステージだ。ローズボウルをスタートしてすぐに登り始め、一度下るものの80kmで約2000mを上る。最高標高は約2400mだ。そして約1500mを下り、再びビッグベアーレイク目指すして登る。一度平坦になってゴールするため山頂フィニッシュではないものの、上りが勝敗を分ける総合争いの選手たちのための山岳ステージだ。
第7ステージ ロサンゼルス 個人タイムトライアル 33.6km
ロサンゼルス市街に設定された33.6kmのコースを2周する個人タイムトライアルは、総合争いを決める最の勝負どころだろう。LAコンベンションセンター、南カリフォルニア大学、ウオルトディズニーコンサートホールなど、市内のランドマークの前を通過する。コースには2箇所急な上り坂があり、TTバイクで駆け上がるテクニックも要求される。選手たちは1分毎のスタートで、ラスト30人は2分毎スタートとなる。
第8ステージ サウザンドオークス/ウェストレイク~アグーラ・ヒルズ 134.3km
サウザンドオークス近郊をめぐる1周約33.6kmの周回コースを4周するサーキットレース。しかしその一周ごとの標高差は約330mで、4周すると1200mの獲得標高となる厳しいコースだ。総合争いがここまでもつれるかどうかは分からないが、最後まで逆転の可能性があるコースだ。
text:Makoto.AYANO
photo:CorVos