2020/02/01(土) - 18:51
スイス、デューベンドルフを舞台にシクロクロス世界選手権が開幕する。空軍基地内で開催される、アルカンシエル着用者を決める大一番を現地からレポートする。
空軍基地の敷地内を使った特設コース (c)Nobuhiko.Tanabe
2020年のシクロクロス世界選手権開催地は、スイスの首都チューリッヒからほど近いデューベンドルフという場所。スイス空軍の基地の滑走路脇の一角を使うという今までに例の無いものだ。
空軍基地の滑走路脇ということもあり、前評判では超ドフラットのスーパーハイスピードコースと言われていたのだが、1月31日金曜に到着し足を踏み入れると印象は全く異なるものだった。
入念な試走を行なっていたワウト・ファンアールト(ベルギー) (c)Nobuhiko.Tanabe
泥のついたバイクをメンテナンスするテレネット・バロワーズ陣 (c)Nobuhiko.Tanabe
ワウト・ファンアールト(ベルギー)のニューバイク (c)Nobuhiko.Tanabe
まず驚いたのは深い芝と靴底にまとわりつくような重い泥だ。踏み固められていない芝生が連日の雨により重く湿った泥に変貌した。前日から試走が行われていたので轍ができてはいるものの、本番の行われる週末は雨予報。そしてレースによって路面の状況が大きく変化するため、コース状況は全く読めない。
コース内には土手を利用したキャンバーセクションが、大きく分けて2箇所設定されている。高さは昨年世界選手権が開催されたデンマーク、ボーゲンセのものよりも小さめだが、角度は急で登り返しが続くので難易度は高い。多くの選手がライン取りなどを試行錯誤していた。
選手に話を聞くと乗車で行けないところが1箇所あるという。優勝候補のマチューが不在のため彼が登れるのかが気になった。
普段のチーム監督であるスヴェン・ネイス(ベルギー)の指示を仰ぐルシンダ・ブランド(オランダ) (c)Nobuhiko.Tanabe
急角度かつ高さのあるフライオーバー (c)Nobuhiko.Tanabe
今回のコースで珍しいのは一つもコースウォーク(観客の横断箇所)がないことだ。その代わりに驚くほど大きなフライオーバーが5箇所も設置されており、撮影や観戦にはとてもありがたいのだが、選手にとってはそうでもないという声が多いようだ。
フライオーバーは思っているよりも倍くらい大きく、そしてかなりの急角度。これが1周あたり5回も訪れるため、脚をかなり使うという。路面の重さと合わせて選手の体力を大きく奪ってくるだろう。
前評判では平坦で面白くないコースかと思っていたが、パワーの維持とリズムを崩さず走り切らなければ攻略することのできない難コース。このコースを舞台に素晴らしいドラマが生まれるのではないかと感じた。
コースを試走するデーヴィッド・ファンデルプール(オランダ) (c)Nobuhiko.Tanabe
表彰台の期待がかかるイヴィ・リチャーズ(イギリス) (c)Nobuhiko.Tanabe
ユンボ・ヴィズマのチームバスではコーヒーサービスも (c)Nobuhiko.Tanabe
男子エリートは日曜開催であり、前年度覇者のマチュー・ファンデルプール(オランダ)は残念ながら金曜日の試走には現れず。一方彼のライバルであるワウト・ファンアールト(ベルギー)は対照的に入念な試走を行なっていた。見慣れないカラーリングのバイクに乗っていたのだが、話を聞けばどうやらこの週末のために用意したニューバイクだという。
翌日は女子エリートがあるということもあり、優勝候補の選手たちは入念に試走をこなしていた。群雄割拠のオランダチームを率いるルシンダ・ブランドは、普段所属するテレネット・バロワーズの監督であるスヴェン・ネイスと試走を重ねており、ネイスからはライン取りのアドバイスを受けていた。コース脇から見る限りかなり調子は良さそうだ。
日本代表チームは午後の試走からコースインし、入念な試走を行なっていた。男子U23の織田聖によると最初のフライオーバーが鍵だという。このフライオーバーは入りが階段であるため、スタートを決め、良いポジションでこのフライオーバーに入ることができれば大きなアドバンテージになると。やはり世界一を決める場所だけあって一筋縄ではいかないように感じた。 明日からのレースがとても楽しみだ。
text&photo:Nobuhiko.Tanabe
各クラスのレースはライブストリーミング観戦が可能
なおCX世界選手権各クラスのレースはUCIのYOUTUBEチャンネルでライブストリーミング観戦が可能だ。まずは織田聖が出場するU23レースはこちらで2月1日(土曜)の21時より視聴可能だ。つまり本記事アップからまもなくスタートだ。
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2020年のシクロクロス世界選手権開催地は、スイスの首都チューリッヒからほど近いデューベンドルフという場所。スイス空軍の基地の滑走路脇の一角を使うという今までに例の無いものだ。
空軍基地の滑走路脇ということもあり、前評判では超ドフラットのスーパーハイスピードコースと言われていたのだが、1月31日金曜に到着し足を踏み入れると印象は全く異なるものだった。
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まず驚いたのは深い芝と靴底にまとわりつくような重い泥だ。踏み固められていない芝生が連日の雨により重く湿った泥に変貌した。前日から試走が行われていたので轍ができてはいるものの、本番の行われる週末は雨予報。そしてレースによって路面の状況が大きく変化するため、コース状況は全く読めない。
コース内には土手を利用したキャンバーセクションが、大きく分けて2箇所設定されている。高さは昨年世界選手権が開催されたデンマーク、ボーゲンセのものよりも小さめだが、角度は急で登り返しが続くので難易度は高い。多くの選手がライン取りなどを試行錯誤していた。
選手に話を聞くと乗車で行けないところが1箇所あるという。優勝候補のマチューが不在のため彼が登れるのかが気になった。
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今回のコースで珍しいのは一つもコースウォーク(観客の横断箇所)がないことだ。その代わりに驚くほど大きなフライオーバーが5箇所も設置されており、撮影や観戦にはとてもありがたいのだが、選手にとってはそうでもないという声が多いようだ。
フライオーバーは思っているよりも倍くらい大きく、そしてかなりの急角度。これが1周あたり5回も訪れるため、脚をかなり使うという。路面の重さと合わせて選手の体力を大きく奪ってくるだろう。
前評判では平坦で面白くないコースかと思っていたが、パワーの維持とリズムを崩さず走り切らなければ攻略することのできない難コース。このコースを舞台に素晴らしいドラマが生まれるのではないかと感じた。
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男子エリートは日曜開催であり、前年度覇者のマチュー・ファンデルプール(オランダ)は残念ながら金曜日の試走には現れず。一方彼のライバルであるワウト・ファンアールト(ベルギー)は対照的に入念な試走を行なっていた。見慣れないカラーリングのバイクに乗っていたのだが、話を聞けばどうやらこの週末のために用意したニューバイクだという。
翌日は女子エリートがあるということもあり、優勝候補の選手たちは入念に試走をこなしていた。群雄割拠のオランダチームを率いるルシンダ・ブランドは、普段所属するテレネット・バロワーズの監督であるスヴェン・ネイスと試走を重ねており、ネイスからはライン取りのアドバイスを受けていた。コース脇から見る限りかなり調子は良さそうだ。
日本代表チームは午後の試走からコースインし、入念な試走を行なっていた。男子U23の織田聖によると最初のフライオーバーが鍵だという。このフライオーバーは入りが階段であるため、スタートを決め、良いポジションでこのフライオーバーに入ることができれば大きなアドバンテージになると。やはり世界一を決める場所だけあって一筋縄ではいかないように感じた。 明日からのレースがとても楽しみだ。
text&photo:Nobuhiko.Tanabe
各クラスのレースはライブストリーミング観戦が可能
なおCX世界選手権各クラスのレースはUCIのYOUTUBEチャンネルでライブストリーミング観戦が可能だ。まずは織田聖が出場するU23レースはこちらで2月1日(土曜)の21時より視聴可能だ。つまり本記事アップからまもなくスタートだ。
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