2010/05/15(土) - 19:28
16日(日)から始まるツアー・オブ・ジャパン。そのスタートリストが発表された。今年も注目選手が勢ぞろい。マシューズ、ミズロフ、ラプソーン、ワン・カンポーら海外勢を迎え撃つのは宮澤、西谷、鈴木真理、都貴、長沼、真鍋、そして学生選抜の西薗ら。
海外・国内合わせて16チーム94名が明日の堺ステージの個人TTをスタートする。平坦ステージ狙いのチーム、山岳を狙うチーム、そして総合を狙うチームとそれぞれ。選手もベテランから若手まで注目どころが目白押し。各チームを紹介しよう。
文末にスタートリストを添付する。
デローザ・スタックプラスチック
アイルランド登録のプロコンチネンタルチーム。その名のとおりデローザ社が若手や有力選手のために今年作ったチームだ。エース級はカレンダーから外れているがTOJ出場選手たちはすでに各レースで上位の成績を残している。平地に上りに活躍が見られる。
ラファコンドル・シャープ
イギリス登録のコンチネンタルチーム。すでに紹介したように3人はオーストラリア人で過去日本で結果を残している。現イギリスチャンピオンのクリスチャン・ハウス、スピードマンのザッカリ・デンプスター、ディーン・ダウニングらと、総合でのダレン・ラプソーンに注目。
チームジャイコ・スキンズ
オーストラリアのAISが支援するチームで昨年までのチームAISと実体は同じ。20歳前後の若い選手でまとめられ、特に今年のランカウイで2勝を挙げたマイケル・マシューズに注目。彼は今年のオセアニアロード&TTチャンピオンだ。チームは4名と少ないが、昨年は7ステージ中、驚異の5勝を挙げている。そこでマシューズはアシストとして動き、4位が3回、5位が2回と抜群の成績だ。未来のビッグスターを間近に見られるチャンスだ。
クムサン・ジンセン・アジア
ご存知福島晋一が立ち上げた韓国登録のコンチネンタルチーム。福島は04年大会で日本人唯一の総合優勝を果たしている。08年大会でも美濃ステージで優勝している。ボンシャンス出身の奈良基にも注目だ。韓国のほかタイ、シンガポールの選手が走り、その名のとおりアジアを横につなぐ国際的なチームだ。チームは日本の実業団登録もしているので、Jサイクルツアーでその姿が見られる機会も多いだろう。
マックスサクセススポーツ
中国登録のコンチネンタルチーム。上海に拠点を置き、ウェアメーカーのチャンピオンシステム社がスポンサーだ。21歳から26歳までの若手選手で構成される。最年長26歳のシュー・ガンは海外レース経験も豊富で今回もその走りに注目だ。
ルトゥア・サイクリングチーム
マレーシア登録のコンチネンタルチーム。昨年勝ちまくったキルシプーは離れたが、今年はオーストラリア選手2名を加えて参戦。元梅丹本舗のン・ヨンリもゼッケン51番で参戦する。
ホンコンチャイナチーム
香港ナショナルチームのエースとして、昨年奈良ステージで優勝したワン・カンポーが参加。ワン・カンポーは香港では誰もが知っている国民的なスター選手だ。街で普通に看板を見かけるほど。また来日経験の豊富なウー・キンサンも参加。赤いジャージが暴れまくるだろう。
カザフスタンナショナルチーム
ふじあざみラインのコースレコードを長くキープしていたアンドレイ・ミズロフが参加する。そしてジエンターエフ、ユマベコフ、シュセモインの3人は昨年もTOJに参加している。昨年のツール・ド・熊野では完全優勝を遂げたチーム、今年は上りに強いミズロフ中心に総合を狙う。なお昨年参加のイグリンスキーは、現在アスタナでジロに参戦中だ。
愛三工業レーシングチーム
今年もアジアツアーを中心に活動し、今年のランカウイで西谷泰治がステージ優勝したのは誰もが知るところ。TTチャンピオンの盛とともに最強のダブル全日本チャンピオンタッグでスピードレースに期待が持てる。特に西谷は上れるスピードマンなので、ステージだけでなく今年は総合でも期待できる。
ブリヂストン・アンカー
場面ごとに誰がエースでもおかしくない強力な布陣で臨む。筆頭は清水都貴だろう。上り、スピードともにこれほど高い次元で両立させている選手はほかにいない。飯島はアップダウンのコースまでカバーするスピードマン、そして日本の山岳王狩野が待っている。山本雅道はスプリントだけでなく登坂力も身につけ気になるところ。中堅の普久原、若手筆頭の伊丹と期待だ。
シマノレーシング
国内Jサイクルツアーでは若手中心の展開でも4連勝のシマノ。TOJはいよいよ成績重視で鈴木真理や野寺が前面に出てくる。2人ともスピードはもちろん登坂力も持ち合わせる。畑中にも同じことが言える。飯野・鈴木譲の強力なアシストと伊豆ステージ凱旋出場の平塚にも注目だ。
チームNIPPO
ニッポも誰がエースでも、区間優勝してもおかしくない布陣だ。なかでも宮澤は区間はもちろん総合優勝争いの筆頭だ。宮澤の強さはタフさと、上りも高い次元でこなすこと、そして抜群のレース勘にある。ガロッファロと増田は登坂力に、佐野も登坂力とタフな場面に強くその強力な走りは必見だ。
宇都宮ブリッツェン
栗村監督率いる地元密着型のチーム。辻で平坦ステージを、長沼で山岳ステージを狙う。長沼はスピードも備えており、総合に期待が持てる。Jサイクルツアー白浜クリテで見せた積極的な戦いは記憶に新しく、TOJでもその展開に期待したいところだ。
パールイズミ・スミタ・ラバネロ
東京のクラブチームだがTOJには多く出場してきた。鎌田は日本最強の社会人ステージレーサーだ。山岳ステージを中心に常に上位に食い込む走りは力強い。オールラウンドに力をつけている栂尾にも注目。08年度学生ロードシリーズチャンピオンの辻本の走りも期待だ。
マトリックスパワータグ
平坦型チームから今年一気にオールラウンド型へ変身したマトリックス。ベテランの真鍋に続いて阿部が加入して国内トップチームと肩を並べる。平地に強い向川、タフさのある山下、若手トップレベルの澤田、そして海外武者修行から帰国したばかりの涌本と見ごたえのある選手ばかり。涌本の成長ぶりを見たいところだ。
大学選抜ジャパン
学連選抜チームで、09年修善寺インカレロードチャンピオンの西薗を中心に、同2位高橋、個人ロードチャンピオンの木守らで臨む。1週間前の修善寺カップを制した西薗の山岳コースでの走りと総合成績が注目だ。
今年は国内チームが強力だ。そして今シーズン海外中心のためまだ国内でフルメンバーで戦っていない、ニッポ・愛三・ブリヂストンがどのような走りを見せるか注目だ。レース形態の変更もあいまって、今年はチャンスがあるどころか十分に複数が総合を狙える位置にある。
photo:Yufta.OMATA、Kei.TSUJI、高木秀彰 text:高木秀彰
海外・国内合わせて16チーム94名が明日の堺ステージの個人TTをスタートする。平坦ステージ狙いのチーム、山岳を狙うチーム、そして総合を狙うチームとそれぞれ。選手もベテランから若手まで注目どころが目白押し。各チームを紹介しよう。
文末にスタートリストを添付する。
デローザ・スタックプラスチック
アイルランド登録のプロコンチネンタルチーム。その名のとおりデローザ社が若手や有力選手のために今年作ったチームだ。エース級はカレンダーから外れているがTOJ出場選手たちはすでに各レースで上位の成績を残している。平地に上りに活躍が見られる。
ラファコンドル・シャープ
イギリス登録のコンチネンタルチーム。すでに紹介したように3人はオーストラリア人で過去日本で結果を残している。現イギリスチャンピオンのクリスチャン・ハウス、スピードマンのザッカリ・デンプスター、ディーン・ダウニングらと、総合でのダレン・ラプソーンに注目。
チームジャイコ・スキンズ
オーストラリアのAISが支援するチームで昨年までのチームAISと実体は同じ。20歳前後の若い選手でまとめられ、特に今年のランカウイで2勝を挙げたマイケル・マシューズに注目。彼は今年のオセアニアロード&TTチャンピオンだ。チームは4名と少ないが、昨年は7ステージ中、驚異の5勝を挙げている。そこでマシューズはアシストとして動き、4位が3回、5位が2回と抜群の成績だ。未来のビッグスターを間近に見られるチャンスだ。
クムサン・ジンセン・アジア
ご存知福島晋一が立ち上げた韓国登録のコンチネンタルチーム。福島は04年大会で日本人唯一の総合優勝を果たしている。08年大会でも美濃ステージで優勝している。ボンシャンス出身の奈良基にも注目だ。韓国のほかタイ、シンガポールの選手が走り、その名のとおりアジアを横につなぐ国際的なチームだ。チームは日本の実業団登録もしているので、Jサイクルツアーでその姿が見られる機会も多いだろう。
マックスサクセススポーツ
中国登録のコンチネンタルチーム。上海に拠点を置き、ウェアメーカーのチャンピオンシステム社がスポンサーだ。21歳から26歳までの若手選手で構成される。最年長26歳のシュー・ガンは海外レース経験も豊富で今回もその走りに注目だ。
ルトゥア・サイクリングチーム
マレーシア登録のコンチネンタルチーム。昨年勝ちまくったキルシプーは離れたが、今年はオーストラリア選手2名を加えて参戦。元梅丹本舗のン・ヨンリもゼッケン51番で参戦する。
ホンコンチャイナチーム
香港ナショナルチームのエースとして、昨年奈良ステージで優勝したワン・カンポーが参加。ワン・カンポーは香港では誰もが知っている国民的なスター選手だ。街で普通に看板を見かけるほど。また来日経験の豊富なウー・キンサンも参加。赤いジャージが暴れまくるだろう。
カザフスタンナショナルチーム
ふじあざみラインのコースレコードを長くキープしていたアンドレイ・ミズロフが参加する。そしてジエンターエフ、ユマベコフ、シュセモインの3人は昨年もTOJに参加している。昨年のツール・ド・熊野では完全優勝を遂げたチーム、今年は上りに強いミズロフ中心に総合を狙う。なお昨年参加のイグリンスキーは、現在アスタナでジロに参戦中だ。
愛三工業レーシングチーム
今年もアジアツアーを中心に活動し、今年のランカウイで西谷泰治がステージ優勝したのは誰もが知るところ。TTチャンピオンの盛とともに最強のダブル全日本チャンピオンタッグでスピードレースに期待が持てる。特に西谷は上れるスピードマンなので、ステージだけでなく今年は総合でも期待できる。
ブリヂストン・アンカー
場面ごとに誰がエースでもおかしくない強力な布陣で臨む。筆頭は清水都貴だろう。上り、スピードともにこれほど高い次元で両立させている選手はほかにいない。飯島はアップダウンのコースまでカバーするスピードマン、そして日本の山岳王狩野が待っている。山本雅道はスプリントだけでなく登坂力も身につけ気になるところ。中堅の普久原、若手筆頭の伊丹と期待だ。
シマノレーシング
国内Jサイクルツアーでは若手中心の展開でも4連勝のシマノ。TOJはいよいよ成績重視で鈴木真理や野寺が前面に出てくる。2人ともスピードはもちろん登坂力も持ち合わせる。畑中にも同じことが言える。飯野・鈴木譲の強力なアシストと伊豆ステージ凱旋出場の平塚にも注目だ。
チームNIPPO
ニッポも誰がエースでも、区間優勝してもおかしくない布陣だ。なかでも宮澤は区間はもちろん総合優勝争いの筆頭だ。宮澤の強さはタフさと、上りも高い次元でこなすこと、そして抜群のレース勘にある。ガロッファロと増田は登坂力に、佐野も登坂力とタフな場面に強くその強力な走りは必見だ。
宇都宮ブリッツェン
栗村監督率いる地元密着型のチーム。辻で平坦ステージを、長沼で山岳ステージを狙う。長沼はスピードも備えており、総合に期待が持てる。Jサイクルツアー白浜クリテで見せた積極的な戦いは記憶に新しく、TOJでもその展開に期待したいところだ。
パールイズミ・スミタ・ラバネロ
東京のクラブチームだがTOJには多く出場してきた。鎌田は日本最強の社会人ステージレーサーだ。山岳ステージを中心に常に上位に食い込む走りは力強い。オールラウンドに力をつけている栂尾にも注目。08年度学生ロードシリーズチャンピオンの辻本の走りも期待だ。
マトリックスパワータグ
平坦型チームから今年一気にオールラウンド型へ変身したマトリックス。ベテランの真鍋に続いて阿部が加入して国内トップチームと肩を並べる。平地に強い向川、タフさのある山下、若手トップレベルの澤田、そして海外武者修行から帰国したばかりの涌本と見ごたえのある選手ばかり。涌本の成長ぶりを見たいところだ。
大学選抜ジャパン
学連選抜チームで、09年修善寺インカレロードチャンピオンの西薗を中心に、同2位高橋、個人ロードチャンピオンの木守らで臨む。1週間前の修善寺カップを制した西薗の山岳コースでの走りと総合成績が注目だ。
今年は国内チームが強力だ。そして今シーズン海外中心のためまだ国内でフルメンバーで戦っていない、ニッポ・愛三・ブリヂストンがどのような走りを見せるか注目だ。レース形態の変更もあいまって、今年はチャンスがあるどころか十分に複数が総合を狙える位置にある。
photo:Yufta.OMATA、Kei.TSUJI、高木秀彰 text:高木秀彰
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Communique01_StartList.pdf
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