2019/12/09(月) - 13:21
高低差のある砂を上り下りする名物レース「スーパープレスティージュ・ゾンホーヴェン」でトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)が勝利。砂を得意とするローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)を下して今季2勝目を射止めた。
年末に向けてフルスロットルで突き進む欧州シクロクロスカレンダー。12月8日に開催されたスーパープレスティージュ第5戦の舞台は、深い砂に覆われた欧州サーキットでも随一の難関コースと言われるゾンホーヴェン。ジェットコースターのような砂下りと登り返しを特徴とする超人気イベントだ。
この日は絶対的な強さを誇る世界王者マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)や、好調ティム・メルリエ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ)は毎年恒例の自主トレーニングキャンプに参加しているため未出走。しかし、2度世界選手権を制しているゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)が参加するなど話題には事欠かない。
60分間の男子エリートレースではエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)がホールショットを奪い、すぐさまベルギー王者トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)と、前日のIKOシクロクロス・エッセンで勝利しているクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・バロワーズ)が先頭を奪う。砂を得意とするローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)も加わり、圧倒的なスピードで砂を駆け下りる様子に数万人の観戦客から大声援が送られる。
中盤までスウィーク、アールツ、ヘルマンス、イゼルビッド、トーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング)らが先頭グループを組み、断続的なアタックと分断、合流を繰り返しながら距離を消化していく。すると全10周回中の5周目、登り返しの180度ターンを含む砂区間で、アールツの背後でピッドコックが足をついてしまう。3番手以降の選手も煽りを食らったことでアールツが労せずして大きなリードを稼ぎ出した。
独走状態になったアールツはハイペースを刻んだが、2位グループから抜け出したスウィークが3周回に渡る追走の末に合流。勝負は2名による一騎打ちに持ち込まれた。
最終周回に入ってアールツが積極的にペースアップを行う中、2番手スウィークは高速状態から進入する砂下り区間の入り口で前輪を取られて激しく前転する痛恨のミス。怪我無く復帰したスウィークだったが、ここで生まれた差はあまりにも大きく、アールツが10月19日に開催されたスーパープレスティージュに続く、今シーズン2度目の3大シクロクロスシリーズ勝利を射止めた。
「安心したよ。スウィークとの一騎打ちは厳しい戦いだったから。砂の下り区間はミスが発生しやすいので先頭で入らないといけないと分かっていた。勝利が嬉しいし、勝利が必要だった。ここでトレーニング周期を終え、ヨーロッパ選手権と世界選手権に向けた調整に入るつもりだ」とアールツはコメントを残している。
女子レースはこの日も最強オランダ勢がレースを支配した。U23世界王者のインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ)がホールショットを奪い、セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)やアンマリー・ワースト(オランダ、777)がここに合流。世界王者サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)は序盤こそ積極的なレース運びで先頭グループを率いたが次第に遅れ、下り区間では車輪を取られて転倒するなど精彩を欠いた。
野辺山クロスの優勝経験を持つアリーチェマリア・アルツィッフィ(イタリア、777)が加わった先頭グループは後半戦まで一かたまりのまま進み、5周目(全6周回)の砂登坂区間を乗車でクリアしたワーストとアルバラードが抜け出す。好調ぶりを維持している二人のペースに3位以降は大きく引き離された。
鍔迫り合いを続けるワーストとアルバラードは、決定的な差を付けることなくランデブーのままホームストレートへ。2番手からスプリントを開始し、アルバラードを抜き去ったワーストが先着。DVVトロフェー・フランドリアンクロスに続く今季6勝目を収めている。
年末に向けてフルスロットルで突き進む欧州シクロクロスカレンダー。12月8日に開催されたスーパープレスティージュ第5戦の舞台は、深い砂に覆われた欧州サーキットでも随一の難関コースと言われるゾンホーヴェン。ジェットコースターのような砂下りと登り返しを特徴とする超人気イベントだ。
この日は絶対的な強さを誇る世界王者マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)や、好調ティム・メルリエ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ)は毎年恒例の自主トレーニングキャンプに参加しているため未出走。しかし、2度世界選手権を制しているゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)が参加するなど話題には事欠かない。
60分間の男子エリートレースではエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)がホールショットを奪い、すぐさまベルギー王者トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)と、前日のIKOシクロクロス・エッセンで勝利しているクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・バロワーズ)が先頭を奪う。砂を得意とするローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)も加わり、圧倒的なスピードで砂を駆け下りる様子に数万人の観戦客から大声援が送られる。
中盤までスウィーク、アールツ、ヘルマンス、イゼルビッド、トーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング)らが先頭グループを組み、断続的なアタックと分断、合流を繰り返しながら距離を消化していく。すると全10周回中の5周目、登り返しの180度ターンを含む砂区間で、アールツの背後でピッドコックが足をついてしまう。3番手以降の選手も煽りを食らったことでアールツが労せずして大きなリードを稼ぎ出した。
独走状態になったアールツはハイペースを刻んだが、2位グループから抜け出したスウィークが3周回に渡る追走の末に合流。勝負は2名による一騎打ちに持ち込まれた。
最終周回に入ってアールツが積極的にペースアップを行う中、2番手スウィークは高速状態から進入する砂下り区間の入り口で前輪を取られて激しく前転する痛恨のミス。怪我無く復帰したスウィークだったが、ここで生まれた差はあまりにも大きく、アールツが10月19日に開催されたスーパープレスティージュに続く、今シーズン2度目の3大シクロクロスシリーズ勝利を射止めた。
「安心したよ。スウィークとの一騎打ちは厳しい戦いだったから。砂の下り区間はミスが発生しやすいので先頭で入らないといけないと分かっていた。勝利が嬉しいし、勝利が必要だった。ここでトレーニング周期を終え、ヨーロッパ選手権と世界選手権に向けた調整に入るつもりだ」とアールツはコメントを残している。
女子レースはこの日も最強オランダ勢がレースを支配した。U23世界王者のインゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ)がホールショットを奪い、セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)やアンマリー・ワースト(オランダ、777)がここに合流。世界王者サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン)は序盤こそ積極的なレース運びで先頭グループを率いたが次第に遅れ、下り区間では車輪を取られて転倒するなど精彩を欠いた。
野辺山クロスの優勝経験を持つアリーチェマリア・アルツィッフィ(イタリア、777)が加わった先頭グループは後半戦まで一かたまりのまま進み、5周目(全6周回)の砂登坂区間を乗車でクリアしたワーストとアルバラードが抜け出す。好調ぶりを維持している二人のペースに3位以降は大きく引き離された。
鍔迫り合いを続けるワーストとアルバラードは、決定的な差を付けることなくランデブーのままホームストレートへ。2番手からスプリントを開始し、アルバラードを抜き去ったワーストが先着。DVVトロフェー・フランドリアンクロスに続く今季6勝目を収めている。
男子エリートレース結果
1位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 59:15 |
2位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | +0:28 |
3位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | +0:34 |
4位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | +0:42 |
5位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ) | +0:45 |
6位 | コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・バロワーズ) | +0:46 |
7位 | トーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング) | +1:07 |
8位 | イェンス・アダムス(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | +1:31 |
9位 | デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | +2:02 |
10位 | マルセル・マイセン(ドイツ、コレンドン・サーカス) | +2:11 |
女子レース結果
1位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | 43:20 |
2位 | セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス) | +0:01 |
3位 | ヤラ・カステライン(オランダ、777) | +0:09 |
4位 | アリーチェマリア・アルツィッフィ(イタリア、777) | +0:20 |
5位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ) | +0:32 |
6位 | サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン) | +0:55 |
7位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ) | +1:17 |
8位 | マノン・バッカー(オランダ、エクスペルサ・プロCX) | +1:22 |
9位 | ラウラ・フェルドンショット(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | +1:38 |
10位 | エレン・ファンロイ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | +1:50 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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