2010/05/13(木) - 09:10
5月12日、ジロ第4ステージがサヴィリアーノ〜クーネオのチームタイムトライアルで行われ、33kmのコースをリクイガスが最速で駆けステージ優勝に輝いた。マリアローザはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)の手に渡った。
大荒れのオランダラウンドを終え、一日の休息日を挟んでイタリア入りしたジロ・デ・イタリア2010。アイスランド火山噴火の影響で飛行機の発着が危ぶまれたが、選手たちは無事イタリア入りした。
イタリア初日の洗礼は33kmのチームタイムトライアル。距離こそ短いものの、ここまで秒差の総合争いが繰り広げられていただけに、マリアローザの行方に注目が集まった。
優勝候補に上げられていたのは、第1ステージのTTを制したブラッドレー・ウィギンズ(イギリス)擁するチームスカイと、やはりTTスペシャリストのデーヴィット・ミラー(イギリス)を中心とするガーミン・トランジションズ。ともにTTに強い選手で編成された大本命。
雨模様のサヴィリアーノを最初にスタートして行ったのはコフィディス。以降、5分刻みで続々とチームがスタートして行く。チーム総合成績が下位の順からスタートしていくルールの中で、4番目にスタートしたのは第2ステージでマリアローザを着たカデル・エヴァンス(オーストラリア)率いるBMCレーシング。
BMCはエヴァンスを中心に好走し、37分58秒の暫定トップタイムでゴール。新城幸也(日本)のBboxブイグテレコムは38分56秒でゴール。最終的に17位となった。新城はゴール手前で惜しくも千切れたがチームのローテーションに粘りの走りで貢献した。
なかなかBMCレーシングのタイムを破るチームが現れない中、ついに更新したのはカチューシャ。中間計測地点でも暫定トップタイムを出す力走を見せ、37分4秒と大幅にタイムを更新して暫定首位に。
そしてカチューシャに続いてスタートを切ったチームスカイが下馬評通りの強さを見せつける。
スタート直後にパンクでクリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)を失うトラブルこそあったものの、イギリスチャンピオンのブラッドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)を中心とした安定した走りで36分50秒のタイムでトップに立つ。
期待されたガーミン・トランジションズは伸びず、37分26秒の暫定5位に沈んだ。これにより、1秒差でマリアローザを追っていたデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・トランジションズ)の総合首位はならず。
カルロス・サストレ(スペイン)擁するサーヴェロ・テストチームは好走し、37分15秒の暫定3位につける。一方でマリアローザと同タイムの総合2位につけるリッチー・ポルト(オーストラリア)擁するサクソバンクは統率された走りを見せたもののタイムを伸ばせず、暫定8位でゴール。
サクソバンク以上にチームが統率された走りを見せたのがリクイガス・ドイモだ。終盤まで9人全てのチームメイトでローテーションするという脅威の走りを見せ、総合を狙うチームながら安定した走りでチームスカイのタイムを13秒更新し、暫定トップに躍り出る。
ステージ優勝、そしてマリアローザの行方は最終のアスタナの走り次第に。アスタナはマリアローザのヴィノクロフと、ウクライナTTチャンピオンのアンドレー・グリブコを中心にペースを組み立てるが、人数が徐々に減少していく。
ゴールまでラスト1kmを残して5人でたどりつくも、5番目のゴラツド・スタンゲリ(スロベニア)がちぎれてしまい、遅れて間隔をあけたままゴールラインへ。それに対してヴィノクロフが激昂する場面も見られたが、アスタナは37分15秒にまとめる。これは5位のタイムだ。
この瞬間、リクイガス・ドイモのステージ優勝と、これまで総合4位につけていたニーバリのマリアローザが決定した。
チームのエース、イヴァン・バッソは総合2位に、アシストのヴァレリオ・アニョーリも総合3位にジャンプアップを果たし、新人賞を獲得。リクイガスが最高の形でステージを終えた。
この日を終えて、ヴィノクロフが33秒遅れの総合6位、カルペツが39秒遅れの7位、エヴァンスが1分59秒遅れの27位、サストレが2分13秒遅れの32位、スカルポーニが2分35秒遅れの38位、ガルゼッリが2分49秒遅れの41位、クネゴが3分45秒遅れの44位、ウィギンズが4分36秒遅れの50位に総合狙いの選手たちはそれぞれつけている。
ジロ・デ・イタリア2010第4ステージ順位
1位 リクイガス・ドイモ 36'37"
2位 チームスカイ +13"
3位 チームHTCコロンビア +21"
4位 カチューシャ +27"
5位 アスタナ +38"
6位 サーヴェロ・テストチーム +38"
7位 オメガファーマ・ロット +46"
8位 ガーミン・トランジションズ +49"
9位 サクソバンク +50"
10位 チームミルラム +57"
個人総合成績
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) 10h44'00"
2位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) +13"
3位 ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、リクイガス) +20"
4位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTCコロンビア) +26"
5位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTCコロンビア) +26"
6位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +33"
7位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ) +39"
8位 リッチー・ポルト(サクソバンク、オーストラリア) +45"
9位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・トランジションズ) +45"
10位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +59"
134位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +11'50"
ポイント賞 マリアロッサ
グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
山岳賞 マリアヴェルデ
ポール・ヴォス(ドイツ、チームミルラム)
新人賞 マリアビアンカ
ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、リクイガス)
チーム総合成績
リクイガス・ドイモ
敢闘賞
ポール・ヴォス(ドイツ、ミルラム)
フーガ(逃げ)賞
リック・フレンス(オランダ、ラボバンク)
text:Yufta Omata
photo:Kei Tsuji
大荒れのオランダラウンドを終え、一日の休息日を挟んでイタリア入りしたジロ・デ・イタリア2010。アイスランド火山噴火の影響で飛行機の発着が危ぶまれたが、選手たちは無事イタリア入りした。
イタリア初日の洗礼は33kmのチームタイムトライアル。距離こそ短いものの、ここまで秒差の総合争いが繰り広げられていただけに、マリアローザの行方に注目が集まった。
優勝候補に上げられていたのは、第1ステージのTTを制したブラッドレー・ウィギンズ(イギリス)擁するチームスカイと、やはりTTスペシャリストのデーヴィット・ミラー(イギリス)を中心とするガーミン・トランジションズ。ともにTTに強い選手で編成された大本命。
雨模様のサヴィリアーノを最初にスタートして行ったのはコフィディス。以降、5分刻みで続々とチームがスタートして行く。チーム総合成績が下位の順からスタートしていくルールの中で、4番目にスタートしたのは第2ステージでマリアローザを着たカデル・エヴァンス(オーストラリア)率いるBMCレーシング。
BMCはエヴァンスを中心に好走し、37分58秒の暫定トップタイムでゴール。新城幸也(日本)のBboxブイグテレコムは38分56秒でゴール。最終的に17位となった。新城はゴール手前で惜しくも千切れたがチームのローテーションに粘りの走りで貢献した。
なかなかBMCレーシングのタイムを破るチームが現れない中、ついに更新したのはカチューシャ。中間計測地点でも暫定トップタイムを出す力走を見せ、37分4秒と大幅にタイムを更新して暫定首位に。
そしてカチューシャに続いてスタートを切ったチームスカイが下馬評通りの強さを見せつける。
スタート直後にパンクでクリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)を失うトラブルこそあったものの、イギリスチャンピオンのブラッドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)を中心とした安定した走りで36分50秒のタイムでトップに立つ。
期待されたガーミン・トランジションズは伸びず、37分26秒の暫定5位に沈んだ。これにより、1秒差でマリアローザを追っていたデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・トランジションズ)の総合首位はならず。
カルロス・サストレ(スペイン)擁するサーヴェロ・テストチームは好走し、37分15秒の暫定3位につける。一方でマリアローザと同タイムの総合2位につけるリッチー・ポルト(オーストラリア)擁するサクソバンクは統率された走りを見せたもののタイムを伸ばせず、暫定8位でゴール。
サクソバンク以上にチームが統率された走りを見せたのがリクイガス・ドイモだ。終盤まで9人全てのチームメイトでローテーションするという脅威の走りを見せ、総合を狙うチームながら安定した走りでチームスカイのタイムを13秒更新し、暫定トップに躍り出る。
ステージ優勝、そしてマリアローザの行方は最終のアスタナの走り次第に。アスタナはマリアローザのヴィノクロフと、ウクライナTTチャンピオンのアンドレー・グリブコを中心にペースを組み立てるが、人数が徐々に減少していく。
ゴールまでラスト1kmを残して5人でたどりつくも、5番目のゴラツド・スタンゲリ(スロベニア)がちぎれてしまい、遅れて間隔をあけたままゴールラインへ。それに対してヴィノクロフが激昂する場面も見られたが、アスタナは37分15秒にまとめる。これは5位のタイムだ。
この瞬間、リクイガス・ドイモのステージ優勝と、これまで総合4位につけていたニーバリのマリアローザが決定した。
チームのエース、イヴァン・バッソは総合2位に、アシストのヴァレリオ・アニョーリも総合3位にジャンプアップを果たし、新人賞を獲得。リクイガスが最高の形でステージを終えた。
この日を終えて、ヴィノクロフが33秒遅れの総合6位、カルペツが39秒遅れの7位、エヴァンスが1分59秒遅れの27位、サストレが2分13秒遅れの32位、スカルポーニが2分35秒遅れの38位、ガルゼッリが2分49秒遅れの41位、クネゴが3分45秒遅れの44位、ウィギンズが4分36秒遅れの50位に総合狙いの選手たちはそれぞれつけている。
ジロ・デ・イタリア2010第4ステージ順位
1位 リクイガス・ドイモ 36'37"
2位 チームスカイ +13"
3位 チームHTCコロンビア +21"
4位 カチューシャ +27"
5位 アスタナ +38"
6位 サーヴェロ・テストチーム +38"
7位 オメガファーマ・ロット +46"
8位 ガーミン・トランジションズ +49"
9位 サクソバンク +50"
10位 チームミルラム +57"
個人総合成績
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) 10h44'00"
2位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) +13"
3位 ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、リクイガス) +20"
4位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTCコロンビア) +26"
5位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTCコロンビア) +26"
6位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +33"
7位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ) +39"
8位 リッチー・ポルト(サクソバンク、オーストラリア) +45"
9位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・トランジションズ) +45"
10位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +59"
134位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +11'50"
ポイント賞 マリアロッサ
グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
山岳賞 マリアヴェルデ
ポール・ヴォス(ドイツ、チームミルラム)
新人賞 マリアビアンカ
ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、リクイガス)
チーム総合成績
リクイガス・ドイモ
敢闘賞
ポール・ヴォス(ドイツ、ミルラム)
フーガ(逃げ)賞
リック・フレンス(オランダ、ラボバンク)
text:Yufta Omata
photo:Kei Tsuji
フォトギャラリー