2010/05/13(木) - 00:33
2年前のアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)がそうだったように、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・ドイモ)が大穴で今年のジロ・デ・イタリアの勝者となるかもしれない。
現地入りしているジャーナリスト、グレゴー・ブラウンが「イタリアの若大将」ニーバリと、リクイガスのザナッタ監督に聞いた。
※コメントはチームタイムトライアルを走る前のもの。
チーム・リクイガスはジロの始まるわずか5日前に25歳のイタリア人を招集。2008年のコンタドールの場合とよく似ている。
コンタドールはジロでの勝利の前年、ツール・ド・フランスでも勝利を収めているが、ニーバリは去年ツール・ド・フランスで7位とステージレースでの可能性を証明した。
オランダのステージを終えて総合成績はトップからたった8秒差、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チーム・スカイ)やチームメイトのイヴァン・バッソよりも好成績である。
真のキャプテンはこれまでと同じようにイヴァン(バッソ)だよ。彼はこの冬からずっとジロに向けてトレーニングを積んできたんだ。そこにいくと僕は滑り込みだ」とニーバリは言う。
「ジロは僕のスケジュールには入っていなかったし、準備もできていない。調べていないから山岳ステージの詳細だって知らないんだ。(第8ステージの)キアンチァーノ・テルメ~テルミニッロのステージを終えてから、総合成績を狙うかステージ優勝を狙うかを考える」。
オーガナイザーであるRCSスポーツは2008年、コンタドール率いるチームアスタナを、レース開催の約1週間前になって招待。レース前は休暇を取っていたコンタドールだが、第10ステージのウルビーノ(個人)TTですでに好タイムを出し、そのまま総合優勝へと持っていった。
アスタナはツール・ド・フランスへこそ招待されなかったものの、コンタドールは同年、プエルタ・ア・エスパーニャをも制した。
「コンタドールのような前例もあることだし、今年のジロ・デ・イタリアの勝者となることを望んでいるさ」ステファノ・ザナッタ監督(リクイガス)は語った。
「こういう選手たちは休暇中だからといって、自転車の乗り方を忘れてしまうわけじゃない。コンタドールにしろ、ヴィンチェンツォにしろ、何日かリラックスしようって時にさえトレーニングに出かけるんだ。まあ、いくつかのステージではリズムが崩れるかもしれないけれど、勝てそうとなったらジロ・デ・イタリアの勝利に向けてチームはサポートするよ」。
リクイガスはイヴァン・バッソとフランコ・ペッリツォッティをダブル・エースに据え、ツール・ド・フランスではバッソとともにニーバリとロマン・クロイツィゲルが戦いをリードする予定だった。しかし、バイオロジカルパスポートの血液データに基づく検査結果により、UCI(国際自転車競技連盟)がペッリツォッティの懲戒手続きを求めたため、リクイガスは急遽ニーバリにジロへの出場を要請したのだ。
「キャプテンはイヴァン(バッソ)。ジロに向けてもっとも準備が整っている」とザナッタ監督は続けた。「ヴィンチェンツォも足ができていることを見せてくれれば、その次のオプションではある。様子がつかめるまではペッリツォッティの予定だったセカンド・キャプテンとしてやってもらうよ」。
ザナッタ監督によれば、チームはニーバリのジロ・デ・イタリアからの回復ぶりを見ながらツール・ド・フランスへの出場予定を調整をすることになる。しかし、目下ニーバリは依然としてツール・ド・フランスにおける3本柱の一人として出場予定だ。
ザナッタ監督は言う「勝利の可能性に賭けることにして、ニーバリがこのジロにエネルギーをものすごくつぎ込んだ、という場合のみ、もしかしたらツールを走る余力がないってことになるかも知れないね」。
ニーバリが付け加える。「僕らはジロを走っているんだから、このレースに集中したいんだ。ツールも走りたい。もともと僕のプログラムに入っているんだからね」。
text: Gregor Brown
photo: Kei Tsuji, Cor Vos, Makoto.AYANO
translation: Yuko.Yamawaki
現地入りしているジャーナリスト、グレゴー・ブラウンが「イタリアの若大将」ニーバリと、リクイガスのザナッタ監督に聞いた。
※コメントはチームタイムトライアルを走る前のもの。
チーム・リクイガスはジロの始まるわずか5日前に25歳のイタリア人を招集。2008年のコンタドールの場合とよく似ている。
コンタドールはジロでの勝利の前年、ツール・ド・フランスでも勝利を収めているが、ニーバリは去年ツール・ド・フランスで7位とステージレースでの可能性を証明した。
オランダのステージを終えて総合成績はトップからたった8秒差、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チーム・スカイ)やチームメイトのイヴァン・バッソよりも好成績である。
真のキャプテンはこれまでと同じようにイヴァン(バッソ)だよ。彼はこの冬からずっとジロに向けてトレーニングを積んできたんだ。そこにいくと僕は滑り込みだ」とニーバリは言う。
「ジロは僕のスケジュールには入っていなかったし、準備もできていない。調べていないから山岳ステージの詳細だって知らないんだ。(第8ステージの)キアンチァーノ・テルメ~テルミニッロのステージを終えてから、総合成績を狙うかステージ優勝を狙うかを考える」。
オーガナイザーであるRCSスポーツは2008年、コンタドール率いるチームアスタナを、レース開催の約1週間前になって招待。レース前は休暇を取っていたコンタドールだが、第10ステージのウルビーノ(個人)TTですでに好タイムを出し、そのまま総合優勝へと持っていった。
アスタナはツール・ド・フランスへこそ招待されなかったものの、コンタドールは同年、プエルタ・ア・エスパーニャをも制した。
「コンタドールのような前例もあることだし、今年のジロ・デ・イタリアの勝者となることを望んでいるさ」ステファノ・ザナッタ監督(リクイガス)は語った。
「こういう選手たちは休暇中だからといって、自転車の乗り方を忘れてしまうわけじゃない。コンタドールにしろ、ヴィンチェンツォにしろ、何日かリラックスしようって時にさえトレーニングに出かけるんだ。まあ、いくつかのステージではリズムが崩れるかもしれないけれど、勝てそうとなったらジロ・デ・イタリアの勝利に向けてチームはサポートするよ」。
リクイガスはイヴァン・バッソとフランコ・ペッリツォッティをダブル・エースに据え、ツール・ド・フランスではバッソとともにニーバリとロマン・クロイツィゲルが戦いをリードする予定だった。しかし、バイオロジカルパスポートの血液データに基づく検査結果により、UCI(国際自転車競技連盟)がペッリツォッティの懲戒手続きを求めたため、リクイガスは急遽ニーバリにジロへの出場を要請したのだ。
「キャプテンはイヴァン(バッソ)。ジロに向けてもっとも準備が整っている」とザナッタ監督は続けた。「ヴィンチェンツォも足ができていることを見せてくれれば、その次のオプションではある。様子がつかめるまではペッリツォッティの予定だったセカンド・キャプテンとしてやってもらうよ」。
ザナッタ監督によれば、チームはニーバリのジロ・デ・イタリアからの回復ぶりを見ながらツール・ド・フランスへの出場予定を調整をすることになる。しかし、目下ニーバリは依然としてツール・ド・フランスにおける3本柱の一人として出場予定だ。
ザナッタ監督は言う「勝利の可能性に賭けることにして、ニーバリがこのジロにエネルギーをものすごくつぎ込んだ、という場合のみ、もしかしたらツールを走る余力がないってことになるかも知れないね」。
ニーバリが付け加える。「僕らはジロを走っているんだから、このレースに集中したいんだ。ツールも走りたい。もともと僕のプログラムに入っているんだからね」。
text: Gregor Brown
photo: Kei Tsuji, Cor Vos, Makoto.AYANO
translation: Yuko.Yamawaki