2019/11/03(日) - 00:38
激坂コッペンベルグを組み込んだDVVフェルゼクリンゲン・トロフェー開幕戦。トーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング)を下したエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)が早くも今季10勝目を達成した。
UCIワールドカップとスーパープレスティージュに続き、欧州シクロクロス三大シリーズ戦の一つ、DVVフェルゼクリンゲン・トロフェーが開幕した。今年は2月8日の最終戦まで合計8戦で争われ、その幕開けとなるのが「欧州サーキットの中で最も過酷なコース」と言われる名物レース「コッペンベルグクロス」だ。
その名の通りフランドルクラシックでお馴染みの石畳激坂コッペンベルグ(距離500m/最大勾配22%)が毎周回登場し、それ以外にも休みどころの無いアップダウンとオフキャンバーが連続する。特に今年は雨によってコースが湿り気を帯び、キャンバー区間や石畳は超スリッピーなものへと変貌を遂げた。
欧州遠征中の竹之内悠(東洋フレーム)も参戦し、会場に日の丸が翻った男子レース。スタート直後のコッペンベルグを先頭でクリアしたのは連勝街道邁進中のエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)で、ここにトーンの弟タイス・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)が食らいついてレースが動き出した。
先頭を飛ばすイゼルビッドには、アールツに代わりイギリス王者トーマス・ピッドコック(トリニティレーシング)がパックを組み徐々に3位以降を引き離していく。力強いペダリングで突き進むイゼルビッドはピッドコックを引き離して独走態勢に入ったものの、全7周回中の5周目にコッペンベルグの麓でチェーンを落としストップ。トラブルを復旧してレースに戻ったが、このタイムロスは再びピッドコックが先頭復帰するには十分なものだった。
「あれは自分の判断ミスが招いたトラブル。チェーンに泥が乗ってドロップしてしまった。もっと早いタイミングでバイク交換をしておくべきだった」と振り返るイゼルビッドは、追いついてきたピッドコックと共に再び先頭グループを形成する。するとこの6周目に、泥の下りキャンバー区間を攻め抜いたピッドコックがリードを奪う。両者の差は一時5秒程にまで広がったが、最終周回突入前のコッペンベルグでイゼルビッドが合流に成功。最終周回の鐘を聞いた直後、「リードされた時もパニックにならず、逆に闘争心に火がついた」と言うイゼルビッドがカウンターアタックを繰り出した。
登りと平坦をパワフルに突き進み、テクニカルな下り区間でも大きなほころびを見せなかったイゼルビッド。ピッドコックは徐々に離されながらも追走を続けたが、キャンバー区間で大きく後輪を滑らせて勝負あり。リードを30秒弱にまで広げ、最後のコッペンベルグを登りきったイゼルビッドが今季メジャーレース負けなしの10勝目を達成した。
3位には、トーン・アールツを終盤にパスしたマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)。竹之内はマイナス2ラップの19位で過酷なレースを終えている。
全4周回で争われた女子レースでは、序盤からヤラ・カステライン(オランダ、777)が圧倒的な走りを披露した。イタリア王者エヴァ・リヒナー(イタリア、クレアフィン・フリスタッズ)と共に先頭に立つと、リヒナーを置き去りにして独走を開始。中盤戦を過ぎて欧州王者でチームメイトのアンマリー・ワースト(オランダ、777)が追走したが、カステラインは一度も合流を許すことがなかった。
ワーストの追走を11秒差で抑えたカステラインがフィニッシュし、3位には同じくチームメイトのアリーチェマリア・アルツィッフィ(イタリア、777)が入り、選手3名を擁し戦う777チームが1-2-3勝利を達成した。非欧州勢の中ではケイトリン・キオー(アメリカ、キャノンデールp/bシクロクロスワールド.com)が最上位となる5位でフィニッシュしている。
UCIワールドカップとスーパープレスティージュに続き、欧州シクロクロス三大シリーズ戦の一つ、DVVフェルゼクリンゲン・トロフェーが開幕した。今年は2月8日の最終戦まで合計8戦で争われ、その幕開けとなるのが「欧州サーキットの中で最も過酷なコース」と言われる名物レース「コッペンベルグクロス」だ。
その名の通りフランドルクラシックでお馴染みの石畳激坂コッペンベルグ(距離500m/最大勾配22%)が毎周回登場し、それ以外にも休みどころの無いアップダウンとオフキャンバーが連続する。特に今年は雨によってコースが湿り気を帯び、キャンバー区間や石畳は超スリッピーなものへと変貌を遂げた。
欧州遠征中の竹之内悠(東洋フレーム)も参戦し、会場に日の丸が翻った男子レース。スタート直後のコッペンベルグを先頭でクリアしたのは連勝街道邁進中のエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)で、ここにトーンの弟タイス・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)が食らいついてレースが動き出した。
先頭を飛ばすイゼルビッドには、アールツに代わりイギリス王者トーマス・ピッドコック(トリニティレーシング)がパックを組み徐々に3位以降を引き離していく。力強いペダリングで突き進むイゼルビッドはピッドコックを引き離して独走態勢に入ったものの、全7周回中の5周目にコッペンベルグの麓でチェーンを落としストップ。トラブルを復旧してレースに戻ったが、このタイムロスは再びピッドコックが先頭復帰するには十分なものだった。
「あれは自分の判断ミスが招いたトラブル。チェーンに泥が乗ってドロップしてしまった。もっと早いタイミングでバイク交換をしておくべきだった」と振り返るイゼルビッドは、追いついてきたピッドコックと共に再び先頭グループを形成する。するとこの6周目に、泥の下りキャンバー区間を攻め抜いたピッドコックがリードを奪う。両者の差は一時5秒程にまで広がったが、最終周回突入前のコッペンベルグでイゼルビッドが合流に成功。最終周回の鐘を聞いた直後、「リードされた時もパニックにならず、逆に闘争心に火がついた」と言うイゼルビッドがカウンターアタックを繰り出した。
登りと平坦をパワフルに突き進み、テクニカルな下り区間でも大きなほころびを見せなかったイゼルビッド。ピッドコックは徐々に離されながらも追走を続けたが、キャンバー区間で大きく後輪を滑らせて勝負あり。リードを30秒弱にまで広げ、最後のコッペンベルグを登りきったイゼルビッドが今季メジャーレース負けなしの10勝目を達成した。
3位には、トーン・アールツを終盤にパスしたマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)。竹之内はマイナス2ラップの19位で過酷なレースを終えている。
全4周回で争われた女子レースでは、序盤からヤラ・カステライン(オランダ、777)が圧倒的な走りを披露した。イタリア王者エヴァ・リヒナー(イタリア、クレアフィン・フリスタッズ)と共に先頭に立つと、リヒナーを置き去りにして独走を開始。中盤戦を過ぎて欧州王者でチームメイトのアンマリー・ワースト(オランダ、777)が追走したが、カステラインは一度も合流を許すことがなかった。
ワーストの追走を11秒差で抑えたカステラインがフィニッシュし、3位には同じくチームメイトのアリーチェマリア・アルツィッフィ(イタリア、777)が入り、選手3名を擁し戦う777チームが1-2-3勝利を達成した。非欧州勢の中ではケイトリン・キオー(アメリカ、キャノンデールp/bシクロクロスワールド.com)が最上位となる5位でフィニッシュしている。
男子エリート結果
1位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 1:02:34 |
2位 | トーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング) | 0:00:28 |
3位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:01:27 |
4位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 0:01:56 |
5位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ) | 0:02:10 |
6位 | トム・メーウセン(ベルギー、コレンドン・サーカス) | 0:02:46 |
7位 | コルヌ・ファンケッセル(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 0:02:54 |
8位 | ティム・メルリエ(ベルギー、クレアフィン・フリスタッズ) | 0:03:13 |
9位 | イェンス・アダムス(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:03:27 |
10位 | ジム・アールノーツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 0:04:11 |
19位 | 竹之内悠(東洋フレーム) | -2Lap |
女子レース結果
1位 | ヤラ・カステライン(オランダ、777) | 0:42:35 |
2位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | 0:00:11 |
3位 | アリーチェマリア・アルツィッフィ(イタリア、777) | 0:00:42 |
4位 | エヴァ・リヒナー(イタリア、クレアフィン・フリスタッズ) | 0:00:46 |
5位 | ケイトリン・キオー(アメリカ、キャノンデールp/bシクロクロスワールド.com) | 0:01:21 |
6位 | セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス) | 0:01:33 |
7位 | アリシア・フランク(ベルギー、エクスプレサ・プロCX) | 0:01:59 |
8位 | エレン・ファンロイ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 0:02:06 |
9位 | アンナ・カイ(イギリス、エクスプレサ・プロCX) | 0:02:22 |
10位 | カタブランカ・ヴァス(ハンガリー) |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp