2019/10/11(金) - 14:30
マヴィックのホイールラインアップに加わった「COMETE PRO CARBON UST DISC」をインプレッション。優れた空力性能を発揮する64mmのディープリムを採用した、長距離巡航にも最適な剛性感に調整されたNonSLモデルを紹介しよう。
マヴィック COMETE PRO CARBON UST DISC (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
2017年にデビューしたロードUSTホイールによってチューブレス旋風を巻き起こし、一躍注目を集めたマヴィック。ホイールラインアップはリムハイトごとにKSYRIUM、COSMIC、COMETEの3シリーズを中心としたモデルで展開されており、国内でも幅広いレベルのライダーに愛用されている。その中でも今回インプレッションを行ったのは2020モデルで追加された「COMETE PRO CARBON UST DISC」だ。
マヴィックのカーボンホイールは高剛性でレース向きに作られた”SL”モデルと、硬さを抑えエンデュランス用途に最適化した”NonSL”モデルの2種類で展開されており、今作はNonSLに当たるホイールである。2モデルともにリムは共通ながら、ハブとスポーク素材&組み方を変えることでそれぞれの用途に合った剛性感に仕上げている。
薄く扁平したエアロバテッドスポークを使い前後とも24本で組み上げる
チューブレスバルブがガタつかずきちんと固定されるデザイン
ディスクローターはセンターロック方式、ハブフランジ径は小さめでスポークを長めにとったデザイン
NonSLのディスクブレーキモデルではリアは両サイドとも2クロス組み
後輪をマヴィック独自のイソパルス(ドライブ側ラジアル、反ドライブ側2クロス)で組んだSLに対し、NonSLは両側2クロスとし耐久性と剛性のバランスを取る。加えてフランジ径の小さいハブを使用することでスポークを長めに取り硬さを抑えるよう工夫している。
また、スポーク自体もSLグレードはエアロと剛性に優れた楕円形の断面形状だが、NonSLは薄く扁平したエアロバテッド形状で、しなやかさを重視。これらの設計により脚当たりのほど良い剛性感に仕立て、ロングライドにも最適なエンデュランスレーシングな性能を獲得している。
スポークはスチール製のストレートプルタイプ、フロント/リアともに24本組みだ。ハブボディはアルミニウム製でフリーにはインスタントドライブ360を採用。細かいノッチでギアが噛み合うことでロスのないパワー伝達性を発揮してくれる。
エアロなNACAリムプロファイルを採用した64mmハイトのディープリム
エアロホイールのCOMETEシリーズに特徴的な、迫力のあるディープリムは64mmハイトの設定。空力性能に優れたNACAリムプロファイルを採用しており、丸みを帯びた形状によって横風もスムーズに受け流しつつハイスピード巡航を可能にするエアロダイナミクスを発揮する。
リム内幅19mmのワイド設計で推奨タイヤサイズは25~32mm。マヴィックのチューブレスシステムであるロードUST対応で、標準でチューブレスタイヤのYKSION PRO UST(25mm)がアセンブルされる。シーラント剤やリムテープ、チューブレスバルブなども装備されており、購入から即チューブレス仕様で走り出せるパッケージとなっている。価格は22万円(税抜)だ。
― インプレッション
「空気の抜け感が抜群に良い、平坦巡航が楽しいホイール」藤澤優(ワイズロード上野アサゾー店)
「空気の抜け感が抜群に良い、平坦巡航が楽しいホイール」藤澤優(ワイズロード上野アサゾー店)
64mmもハイトがあるディープリムとあって空気がスムーズに流れてくれる感覚が強く、スッと気持ちよく前に進んでくれる走りを見せてくれます。30km/h以上の速度域でもまだまだ上げていけますし、ディープリムらしくスピードの維持も楽ですね。見た目の迫力もそうですし、走っているとゴオォーっと音が響く感じも気分を上げてくれると思います。
一般的にハイトが高いホイールはスポークも短くなり硬くなりがちですが、これはNonSLとあって程よい剛性感ですね。かといってパワーを掛けた時にたわむ感覚もなく、バイクを左右に振ってもしっかりと進んでくれますし、下りのコーナーでヨレることもありません。SLと乗り比べれば反応性など違いは感じるのでしょうが、一般サイクリスト目線で言えばNonSLで全く不満はありませんね。
「程よい剛性感でロングライドやトライアスロンなど長距離ライドにも最適」
ディープリムによる重量の重さは若干ありますが、チューブレスタイヤの転がりが抜群に良いので、登りでも全然いけるなっていうのが正直な感想です。激坂じゃなければ特に重さが気になることもないのかなと。5Bar前後の低い空気圧で運用できるチューブレスタイヤはクッション性も高く、その点もホイールの硬さを和らげて乗り心地や足当たりの良さを生み出している要因かと思います。ロードUSTの素晴らしさを改めて思い知らされますね。
得意とするのはやはり平坦での一定速度の巡航ですね。30~35km/hで気持ち良くペーシングする走りに最適かと。サイクリングロードを流したり、速度の上げ下げが少ないロングライドやトライアスロンにぴったりのホイールではないでしょうか。丸一日走るようなシーンだと軽くてオールラウンドなCOSMICの方が負担は少ないかもしれませんが、巡航性においてはCOMETEの方が全然上ですね。
今回試乗したウィリエールのZeroSLRなど、細身の軽量系バイクに合わせたシルエットも個人的には好みですね。軽量バイクの弱点を補う意味でCOMETEを選択するのはかなりアリだと思います。リム面のロゴがないシンプルなデザインによってリムハイトもより際立つものになったかなと。迫力ある見た目だけで購入を決めても損はない性能を持っていますし、ディープリム好きならぜひ選択肢に入れてほしいホイールです。
マヴィック COMETE PRO CARBON UST DISC (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
マヴィック COMETE PRO CARBON UST DISC
タイヤタイプ:ロードチューブレスレディ
リム素材:3Kカーボンファイバー
リムプロファイル:高さ64mm、内幅19mm
スポーク:F24/R24 スチール
ハブ:インスタントドライブ360、シールドカートリッジベアリング
重量:1,840g(F855g、R985g)
付属タイヤ:マヴィック YKSION PRO UST 25mm
価格:220,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
藤澤優(ワイズロード上野アサゾー店) 藤澤優(ワイズロード上野アサゾー店)
大学時代に浅田顕監督の元で経験を積んだ後、スペインへ遠征し2年半ほど本場ヨーロッパのロードレースに挑戦。トップ選手らとしのぎを削った経験を活かし、トレーニングやレース機材のアドバイスを得意とする。現在はワイズロードの中でも最もロードに特化した「上野アサゾー店」の店長を務める。店内に所狭しと並んだ3万~4万点ものパーツを管理し、スモールパーツからマニアックな製品まであらゆるロードレーサーのニーズを満たすラインアップを揃える。
ワイズロード上野アサゾー店
CWレコメンドショップページ
ウェア協力:イザドア
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO

2017年にデビューしたロードUSTホイールによってチューブレス旋風を巻き起こし、一躍注目を集めたマヴィック。ホイールラインアップはリムハイトごとにKSYRIUM、COSMIC、COMETEの3シリーズを中心としたモデルで展開されており、国内でも幅広いレベルのライダーに愛用されている。その中でも今回インプレッションを行ったのは2020モデルで追加された「COMETE PRO CARBON UST DISC」だ。
マヴィックのカーボンホイールは高剛性でレース向きに作られた”SL”モデルと、硬さを抑えエンデュランス用途に最適化した”NonSL”モデルの2種類で展開されており、今作はNonSLに当たるホイールである。2モデルともにリムは共通ながら、ハブとスポーク素材&組み方を変えることでそれぞれの用途に合った剛性感に仕上げている。




後輪をマヴィック独自のイソパルス(ドライブ側ラジアル、反ドライブ側2クロス)で組んだSLに対し、NonSLは両側2クロスとし耐久性と剛性のバランスを取る。加えてフランジ径の小さいハブを使用することでスポークを長めに取り硬さを抑えるよう工夫している。
また、スポーク自体もSLグレードはエアロと剛性に優れた楕円形の断面形状だが、NonSLは薄く扁平したエアロバテッド形状で、しなやかさを重視。これらの設計により脚当たりのほど良い剛性感に仕立て、ロングライドにも最適なエンデュランスレーシングな性能を獲得している。
スポークはスチール製のストレートプルタイプ、フロント/リアともに24本組みだ。ハブボディはアルミニウム製でフリーにはインスタントドライブ360を採用。細かいノッチでギアが噛み合うことでロスのないパワー伝達性を発揮してくれる。

エアロホイールのCOMETEシリーズに特徴的な、迫力のあるディープリムは64mmハイトの設定。空力性能に優れたNACAリムプロファイルを採用しており、丸みを帯びた形状によって横風もスムーズに受け流しつつハイスピード巡航を可能にするエアロダイナミクスを発揮する。
リム内幅19mmのワイド設計で推奨タイヤサイズは25~32mm。マヴィックのチューブレスシステムであるロードUST対応で、標準でチューブレスタイヤのYKSION PRO UST(25mm)がアセンブルされる。シーラント剤やリムテープ、チューブレスバルブなども装備されており、購入から即チューブレス仕様で走り出せるパッケージとなっている。価格は22万円(税抜)だ。
― インプレッション
「空気の抜け感が抜群に良い、平坦巡航が楽しいホイール」藤澤優(ワイズロード上野アサゾー店)

64mmもハイトがあるディープリムとあって空気がスムーズに流れてくれる感覚が強く、スッと気持ちよく前に進んでくれる走りを見せてくれます。30km/h以上の速度域でもまだまだ上げていけますし、ディープリムらしくスピードの維持も楽ですね。見た目の迫力もそうですし、走っているとゴオォーっと音が響く感じも気分を上げてくれると思います。
一般的にハイトが高いホイールはスポークも短くなり硬くなりがちですが、これはNonSLとあって程よい剛性感ですね。かといってパワーを掛けた時にたわむ感覚もなく、バイクを左右に振ってもしっかりと進んでくれますし、下りのコーナーでヨレることもありません。SLと乗り比べれば反応性など違いは感じるのでしょうが、一般サイクリスト目線で言えばNonSLで全く不満はありませんね。

ディープリムによる重量の重さは若干ありますが、チューブレスタイヤの転がりが抜群に良いので、登りでも全然いけるなっていうのが正直な感想です。激坂じゃなければ特に重さが気になることもないのかなと。5Bar前後の低い空気圧で運用できるチューブレスタイヤはクッション性も高く、その点もホイールの硬さを和らげて乗り心地や足当たりの良さを生み出している要因かと思います。ロードUSTの素晴らしさを改めて思い知らされますね。
得意とするのはやはり平坦での一定速度の巡航ですね。30~35km/hで気持ち良くペーシングする走りに最適かと。サイクリングロードを流したり、速度の上げ下げが少ないロングライドやトライアスロンにぴったりのホイールではないでしょうか。丸一日走るようなシーンだと軽くてオールラウンドなCOSMICの方が負担は少ないかもしれませんが、巡航性においてはCOMETEの方が全然上ですね。
今回試乗したウィリエールのZeroSLRなど、細身の軽量系バイクに合わせたシルエットも個人的には好みですね。軽量バイクの弱点を補う意味でCOMETEを選択するのはかなりアリだと思います。リム面のロゴがないシンプルなデザインによってリムハイトもより際立つものになったかなと。迫力ある見た目だけで購入を決めても損はない性能を持っていますし、ディープリム好きならぜひ選択肢に入れてほしいホイールです。

マヴィック COMETE PRO CARBON UST DISC
タイヤタイプ:ロードチューブレスレディ
リム素材:3Kカーボンファイバー
リムプロファイル:高さ64mm、内幅19mm
スポーク:F24/R24 スチール
ハブ:インスタントドライブ360、シールドカートリッジベアリング
重量:1,840g(F855g、R985g)
付属タイヤ:マヴィック YKSION PRO UST 25mm
価格:220,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール

大学時代に浅田顕監督の元で経験を積んだ後、スペインへ遠征し2年半ほど本場ヨーロッパのロードレースに挑戦。トップ選手らとしのぎを削った経験を活かし、トレーニングやレース機材のアドバイスを得意とする。現在はワイズロードの中でも最もロードに特化した「上野アサゾー店」の店長を務める。店内に所狭しと並んだ3万~4万点ものパーツを管理し、スモールパーツからマニアックな製品まであらゆるロードレーサーのニーズを満たすラインアップを揃える。
ワイズロード上野アサゾー店
CWレコメンドショップページ
ウェア協力:イザドア
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
リンク
Amazon.co.jp
GARMIN(ガーミン) ランニング トライアスロン用GPSウォッチ ForeAthlete 945 Blue 音楽再生機能 心拍 歩数 防水【日本正規品】
ガーミン(GARMIN)
¥ 76,780
GARMIN(ガーミン) ランニングウォッチ 時計 GPS ライフログ ForeAthlete 230J ブラック×ホワイト 【日本正規品】 FA230J 371787
ガーミン(GARMIN)
¥ 19,800