2019/09/29(日) - 16:01
世界最大規模の自転車ショー「ユーロバイク」のブースレポート第11弾。クラッシュを検知して居場所やSOS信号を発信する新システムを披露したABUS、革新的なチューブレスチューブラーを発表したチャレンジを始め、アルゴン18、プラクシスワークス、フィードバックスポーツをピックアップしてお届け。
ABUS クラッシュを検知するセンサーをヘルメットに搭載「QUINテクノロジー」
ユーロバイク開催国ドイツのブランドとして一際大きなブースを構えたABUS。セキュリティ関連のプロダクトを各種手掛けており堅牢性に優れた自転車用ロックは世界中から高い評価を受ける。U字ロックや折りたたみできるブレードタイプのロック、チェーン/ワイヤーロックなど自転車を盗難から守る多種多様な製品が並んだ。
近年はよりインテリジェンスなロックが登場しており、振動を感知してアラームが鳴るもの、登録したスマートフォンが近づいたり離れたりすると自動で施錠&解錠を行うものなども開発。E-BIKE向けとしてオートバイ用にも使えるより堅牢性の高い重厚感あるロックを提案していた。
ヘルメットにはライダーの安全性を確保する最新の「QUINテクノロジー」を搭載したモデルを各種リリース。クラッシュを検知するセンサーをヘルメットに装着しており、アプリと連携させることで、万が一落車して負傷した際でもあらかじめ登録しておいた相手に自分の居場所やSOS信号を送ることができる。ロードヘルメットで2種、オフロードヘルメットで2種登場予定だ。
アルゴン18 GALLIUMシリーズ登場15周年を祝う記念モデル
アルゴン18を代表するレーシングモデル、GALLIUMシリーズが登場したのは遡ること2005年。今年で15周年となるアニバーサリーイヤーを記念し、スペシャルデザインの「GALLIUM PRO DISC」が登場した。近年アルゴン18がメインカラーに採用しているシルバーと、初期のGALLIUMで採用していたブラックの2色をグラデーションとしその歴史を表現。トップチューブには15周年を表すアイコンもあしらわれる。
エンデュランスロードのKRYPTONシリーズは、マイナーアップデートを加えた「KRYPTON PRO」を追加。カーボンレイアップを見直すことでフレーム重量870gという軽量性を獲得するとともに、横剛性は維持することで高いパワー伝達性を発揮する乗り味に。新たにケーブルフル内装可能なステム&コラム設計とすることで空力性能も高めている。
アスタナによってレース投入された新型のTTバイク「E-118 PRO」も展示された。ディスクブレーキ専用で開発を行ったモデルであり、ケーブルに完全内装やワイドなタイヤクリアランスの確保など最新のスペックを備える。加えて重量が重くなりがちなディスクブレーキバイクにも関わらず、従来モデルと比較してシステム全体で250gの軽量化も実現しているのだという。
チャレンジ ハンドメイドのチューブレスレディとチューブレスチューブラーがデビュー
このユーロバイクで2種類の新型チューブレスタイヤをデビューさせたチャレンジ。今まで廉価グレードのチューブレスレディはラインアップしていたものの、新たなETRTOそしてISO規格が定められたこのタイミングで、最上級グレードとなるハンドメイドのモデルを投入してきた流れだ。
チューブレスレディタイヤは空気漏れを防ぐためのコーティングを内側に施し、かつ耐パンク層を挿入することでラフな路面でも安心して走れる作りに。ロードタイヤはそれぞれ幅とパターンが異なる「Strada」「Paris Roubaix」「Strada Bianca」の3モデルが、グラベルタイヤも同様に「Strada Bianca」「Almanzo」「Gravel Grinder」がラインアップする。
文字通りインナーチューブをなくし、ラテックスライナーを内側に融着させ空気を保持するチューブレスチューブラーも登場。既存のチューブラーホイールでもチューブレスによる乗り心地の向上を体感できるはず。ハンドメイドモデルはいずれも濃いイエローサイドが特徴的で、コットンケーシングによってしなやかで快適性の高い乗り味を実現している。
プラクシスワークス チェーンリングが第2世代へとアップデートし性能を向上
各社の完成車にクランクが採用されることが増え、サードパーティながら優れた変速性能で高い評価を得ているプラクシスワークス。今回チェーンリングにアップデートが加わり第2世代へと進化した。「LEVATIME 2」となった今作は剛性と軽量性を強化しており、上位モデルではより細かな切削加工を施すことで重量を削減している。
また、さらなる変速性能の強化のためチェーンリング裏側のシフトピンの形状と配置を改良。チェーンがクロスするようなギアチョイスでもスムーズに変速できるよう設計されている。加えてスパイダーアームのデザインも若干変更されており、裏側を大きく切削することで軽量化を果たしている。これらのチェーンリングはシマノ/スラム/カンパニョーロの10&11速コンポーネントと互換性を持つ。
カーボンクランクを合わせたトップモデル「ZAYANTE CARBON」、チェーンリングの切削加工を行わず価格を抑えた「ZAYANTE CARBON-S」、アルミクランクモデルの「ALBA X」で展開。ダイレクトマウント方式のためフロントシングルでの運用も手軽に行える。スピンドルは独自の「M30」規格を採用しているため、専用BBと合わせて導入してほしい。
フィードバックスポーツ ホイールメンテナンススタンドがディスクブレーキ対応に
ワールドチームにも採用されるワークスタンドやラックなどをラインアップしているフィードバックスポーツは、最新のホイールメンテナンススタンドをアピール。振れ取りに活用するものだが、新たにディスクローターの歪みもチェックできる機構が備わっている。クイックリリース/スルーアクスル関係なくホイールを装着できる他、アーム部分のみ取り外してワークスタンドと合体させることも可能だ。
個人的に気になったのはスタンド類。アームがタイヤを保持し車体を押し込むだけで自立する「RAKK」や、クランクのスピンドル軸に差し込んで立てておける「SCORPION」はバイクのブレーキタイプに関係なく使用可能。ディスクロードとなり従来のスタンドが使用できないという悩みを解消してくれる製品だ。
コンパクトに折りたため持ち運びもしやすいトレーナー台は国内でも人気商品。展開しても省スペースで済むため特にレース会場でのアップに最適だ。プロメカニックも使用する高精度な工具類、手軽にトルク管理できる小型のトルクレンチ、ドライブトレインのメンテナンスで役立つチェーンキーパーなども要チェック製品だ。
text&photo:Yuto.Murata
ABUS クラッシュを検知するセンサーをヘルメットに搭載「QUINテクノロジー」
ユーロバイク開催国ドイツのブランドとして一際大きなブースを構えたABUS。セキュリティ関連のプロダクトを各種手掛けており堅牢性に優れた自転車用ロックは世界中から高い評価を受ける。U字ロックや折りたたみできるブレードタイプのロック、チェーン/ワイヤーロックなど自転車を盗難から守る多種多様な製品が並んだ。
近年はよりインテリジェンスなロックが登場しており、振動を感知してアラームが鳴るもの、登録したスマートフォンが近づいたり離れたりすると自動で施錠&解錠を行うものなども開発。E-BIKE向けとしてオートバイ用にも使えるより堅牢性の高い重厚感あるロックを提案していた。
ヘルメットにはライダーの安全性を確保する最新の「QUINテクノロジー」を搭載したモデルを各種リリース。クラッシュを検知するセンサーをヘルメットに装着しており、アプリと連携させることで、万が一落車して負傷した際でもあらかじめ登録しておいた相手に自分の居場所やSOS信号を送ることができる。ロードヘルメットで2種、オフロードヘルメットで2種登場予定だ。
アルゴン18 GALLIUMシリーズ登場15周年を祝う記念モデル
アルゴン18を代表するレーシングモデル、GALLIUMシリーズが登場したのは遡ること2005年。今年で15周年となるアニバーサリーイヤーを記念し、スペシャルデザインの「GALLIUM PRO DISC」が登場した。近年アルゴン18がメインカラーに採用しているシルバーと、初期のGALLIUMで採用していたブラックの2色をグラデーションとしその歴史を表現。トップチューブには15周年を表すアイコンもあしらわれる。
エンデュランスロードのKRYPTONシリーズは、マイナーアップデートを加えた「KRYPTON PRO」を追加。カーボンレイアップを見直すことでフレーム重量870gという軽量性を獲得するとともに、横剛性は維持することで高いパワー伝達性を発揮する乗り味に。新たにケーブルフル内装可能なステム&コラム設計とすることで空力性能も高めている。
アスタナによってレース投入された新型のTTバイク「E-118 PRO」も展示された。ディスクブレーキ専用で開発を行ったモデルであり、ケーブルに完全内装やワイドなタイヤクリアランスの確保など最新のスペックを備える。加えて重量が重くなりがちなディスクブレーキバイクにも関わらず、従来モデルと比較してシステム全体で250gの軽量化も実現しているのだという。
チャレンジ ハンドメイドのチューブレスレディとチューブレスチューブラーがデビュー
このユーロバイクで2種類の新型チューブレスタイヤをデビューさせたチャレンジ。今まで廉価グレードのチューブレスレディはラインアップしていたものの、新たなETRTOそしてISO規格が定められたこのタイミングで、最上級グレードとなるハンドメイドのモデルを投入してきた流れだ。
チューブレスレディタイヤは空気漏れを防ぐためのコーティングを内側に施し、かつ耐パンク層を挿入することでラフな路面でも安心して走れる作りに。ロードタイヤはそれぞれ幅とパターンが異なる「Strada」「Paris Roubaix」「Strada Bianca」の3モデルが、グラベルタイヤも同様に「Strada Bianca」「Almanzo」「Gravel Grinder」がラインアップする。
文字通りインナーチューブをなくし、ラテックスライナーを内側に融着させ空気を保持するチューブレスチューブラーも登場。既存のチューブラーホイールでもチューブレスによる乗り心地の向上を体感できるはず。ハンドメイドモデルはいずれも濃いイエローサイドが特徴的で、コットンケーシングによってしなやかで快適性の高い乗り味を実現している。
プラクシスワークス チェーンリングが第2世代へとアップデートし性能を向上
各社の完成車にクランクが採用されることが増え、サードパーティながら優れた変速性能で高い評価を得ているプラクシスワークス。今回チェーンリングにアップデートが加わり第2世代へと進化した。「LEVATIME 2」となった今作は剛性と軽量性を強化しており、上位モデルではより細かな切削加工を施すことで重量を削減している。
また、さらなる変速性能の強化のためチェーンリング裏側のシフトピンの形状と配置を改良。チェーンがクロスするようなギアチョイスでもスムーズに変速できるよう設計されている。加えてスパイダーアームのデザインも若干変更されており、裏側を大きく切削することで軽量化を果たしている。これらのチェーンリングはシマノ/スラム/カンパニョーロの10&11速コンポーネントと互換性を持つ。
カーボンクランクを合わせたトップモデル「ZAYANTE CARBON」、チェーンリングの切削加工を行わず価格を抑えた「ZAYANTE CARBON-S」、アルミクランクモデルの「ALBA X」で展開。ダイレクトマウント方式のためフロントシングルでの運用も手軽に行える。スピンドルは独自の「M30」規格を採用しているため、専用BBと合わせて導入してほしい。
フィードバックスポーツ ホイールメンテナンススタンドがディスクブレーキ対応に
ワールドチームにも採用されるワークスタンドやラックなどをラインアップしているフィードバックスポーツは、最新のホイールメンテナンススタンドをアピール。振れ取りに活用するものだが、新たにディスクローターの歪みもチェックできる機構が備わっている。クイックリリース/スルーアクスル関係なくホイールを装着できる他、アーム部分のみ取り外してワークスタンドと合体させることも可能だ。
個人的に気になったのはスタンド類。アームがタイヤを保持し車体を押し込むだけで自立する「RAKK」や、クランクのスピンドル軸に差し込んで立てておける「SCORPION」はバイクのブレーキタイプに関係なく使用可能。ディスクロードとなり従来のスタンドが使用できないという悩みを解消してくれる製品だ。
コンパクトに折りたため持ち運びもしやすいトレーナー台は国内でも人気商品。展開しても省スペースで済むため特にレース会場でのアップに最適だ。プロメカニックも使用する高精度な工具類、手軽にトルク管理できる小型のトルクレンチ、ドライブトレインのメンテナンスで役立つチェーンキーパーなども要チェック製品だ。
text&photo:Yuto.Murata
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