2019/09/07(土) - 22:33
ツール・ド・北海道の第2ステージが帯広市から北見市までの171.8kmで行われ、6名の集団が逃げ切ってスティーヴン・バセットがステージ優勝。石橋学が2位に入った。4分差をフィニッシュ500m前で数秒差に迫る完璧な集団コントロールに守られたフィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が総合首位を維持した。
ツール・ド・北海道2日目は、大雪山系の南に位置する帯広市から北上し、北海道北東部に位置する北見市までの171.8km。コースのおよそ中間点にある標高1137mの1級山岳・三国峠を越え、さらに標高1040mの2級山岳・石北峠を越える今大会のクイーンステージだ。
第1ステージ終盤の単独逃げ切りにより、2位に29秒差をつけて個人総合首位に立つフィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ 以下NIPPO)。10秒未満の秒差の争いとなることが多いツール・ド・北海道では大差と言えるマージンを稼ぎ出した。この差を守りにいくのか、さらに攻めるのかが注目された。
朝から雨が断続的に降り続ける帯広市。スタート直前にやんだものの、路面の轍(わだち)に雨水が残る。しかしレースが北上していくと陽が差しはじめ、朝は霧が立ちこめていたという三国峠は視界が開けた状態になった。
ばんえい競馬の帯広競馬場をスタート。帯広市郊外でリアルスタートが切られると、アタック合戦の中から岡本隼(愛三工業レーシングチーム)スティーブン・バセット(ワイルドライフジェネレーシション・プロサイクリングP/BMAXXIS)を含む4人が抜け出す。さらに増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、石橋学(チームブリヂストンサイクリング)、木村圭佑(シマノレーシングチーム)を含む5名が追走集団を形成。「イーブンペースで追っていたら前との差が開いてしまった」と石橋が言うように、時間をかけながらも30kmを過ぎたところで先頭集団に合流する。
最大で4分30秒差まで開いたメイン集団は、リーダージャージを着るザッカンティのNIPPOが5人全員でコントロール。70kmを過ぎて三国峠への登りに入ると、2分40秒まで差を詰めてくる。
一方9人となった先頭集団では、三国峠の頂上を石橋が先頭で通過。その後125.9km地点の石北峠に向かう登りでバラけ、石橋、増田、ロビー・ハッカー(チーム右京)、セバスチャン・バーウィック(セントジョージコンチネンタル・サイクリングチーム)の4名が先行する。石橋が再び頂上を先頭通過して下りに入ると、遅れていたバセットとライアン・カヴァナー(セントジョージコンチネンタル・サイクリング)の2名が追いつき、6名の先頭集団が再構成される。
下りきってなおNIPPOがコントロールするメイン集団は、先頭集団との差を2分以内に詰める。残り30kmを切るとキナンサイクリングチームとマトリックスパワータグが加勢。トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)やフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が牽引し、残り10kmを切ったところで1分未満まで差を縮める。
残り500mの左直角コーナーに先頭集団の6名が現れ、直後にメイン集団が続く。しかしロングスパートを仕掛けたバセットがひとり抜け出した状態。スプリントする後続をよそに、数十mを残してガッツポーズを繰り出す余裕を見せた。バセットより先に仕掛けたと言う石橋が2位。メイン集団は8秒差でフィニッシュし、ザッカンティは総合首位を守った。
優勝したバセットは今年のアメリカ選手権2位.4月にはUCI2.2クラスのステージレースで総合優勝している実力の持ち主。表彰式でバセットは、「僕の曽祖父は1930年代に日本からアメリカに渡ってきた。僕のルーツのある日本で勝てて本当に嬉しい」と語った。
2位の石橋は「タイム差がついてしまっていたので今日は自由に攻撃して、可能なら総合順位のジャンプアップもしたいと考えていた。同じように考えていたブリッツェンの増田さんも乗ってきて、良いメンバーの追走に乗れたと思った。
山岳賞を2回取ったが、誰も取る気がなさそうだったので最初の三国峠を先頭通過し、次の石北峠も取れるものならと先頭通過した。下りで6人になって、このまま行こうという雰囲気だったのでローテーションを回していたが、ラスト2kmあたりから牽制が始まった。そこでアタックしたら後ろが止まって、カウンターでバセット選手が行っても誰も追わなかったので、自分もそのまま踏み続けて2位に入った。
ステージレースでUCIポイント圏内でフィニッシュしたことは今まであまりないので、予想外の結果で嬉しい。明日も今日のような走りをしたい」と、コメントした。
第1ステージ同様に一時は4分以上の差がついたが、フィニッシュ直前までに数秒差に詰めるというNIPPOの完璧な集団コントロールによりザッカンティの総合首位を守った。
明日の第3ステージはホットスポット2回を経て2級山岳の北見峠を越える182km。コースの難易度は第2ステージまでより低くなるとは言え、勝負は下駄をはくまでわからない。
ツール・ド・北海道2日目は、大雪山系の南に位置する帯広市から北上し、北海道北東部に位置する北見市までの171.8km。コースのおよそ中間点にある標高1137mの1級山岳・三国峠を越え、さらに標高1040mの2級山岳・石北峠を越える今大会のクイーンステージだ。
第1ステージ終盤の単独逃げ切りにより、2位に29秒差をつけて個人総合首位に立つフィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ 以下NIPPO)。10秒未満の秒差の争いとなることが多いツール・ド・北海道では大差と言えるマージンを稼ぎ出した。この差を守りにいくのか、さらに攻めるのかが注目された。
朝から雨が断続的に降り続ける帯広市。スタート直前にやんだものの、路面の轍(わだち)に雨水が残る。しかしレースが北上していくと陽が差しはじめ、朝は霧が立ちこめていたという三国峠は視界が開けた状態になった。
ばんえい競馬の帯広競馬場をスタート。帯広市郊外でリアルスタートが切られると、アタック合戦の中から岡本隼(愛三工業レーシングチーム)スティーブン・バセット(ワイルドライフジェネレーシション・プロサイクリングP/BMAXXIS)を含む4人が抜け出す。さらに増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、石橋学(チームブリヂストンサイクリング)、木村圭佑(シマノレーシングチーム)を含む5名が追走集団を形成。「イーブンペースで追っていたら前との差が開いてしまった」と石橋が言うように、時間をかけながらも30kmを過ぎたところで先頭集団に合流する。
最大で4分30秒差まで開いたメイン集団は、リーダージャージを着るザッカンティのNIPPOが5人全員でコントロール。70kmを過ぎて三国峠への登りに入ると、2分40秒まで差を詰めてくる。
一方9人となった先頭集団では、三国峠の頂上を石橋が先頭で通過。その後125.9km地点の石北峠に向かう登りでバラけ、石橋、増田、ロビー・ハッカー(チーム右京)、セバスチャン・バーウィック(セントジョージコンチネンタル・サイクリングチーム)の4名が先行する。石橋が再び頂上を先頭通過して下りに入ると、遅れていたバセットとライアン・カヴァナー(セントジョージコンチネンタル・サイクリング)の2名が追いつき、6名の先頭集団が再構成される。
下りきってなおNIPPOがコントロールするメイン集団は、先頭集団との差を2分以内に詰める。残り30kmを切るとキナンサイクリングチームとマトリックスパワータグが加勢。トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)やフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が牽引し、残り10kmを切ったところで1分未満まで差を縮める。
残り500mの左直角コーナーに先頭集団の6名が現れ、直後にメイン集団が続く。しかしロングスパートを仕掛けたバセットがひとり抜け出した状態。スプリントする後続をよそに、数十mを残してガッツポーズを繰り出す余裕を見せた。バセットより先に仕掛けたと言う石橋が2位。メイン集団は8秒差でフィニッシュし、ザッカンティは総合首位を守った。
優勝したバセットは今年のアメリカ選手権2位.4月にはUCI2.2クラスのステージレースで総合優勝している実力の持ち主。表彰式でバセットは、「僕の曽祖父は1930年代に日本からアメリカに渡ってきた。僕のルーツのある日本で勝てて本当に嬉しい」と語った。
2位の石橋は「タイム差がついてしまっていたので今日は自由に攻撃して、可能なら総合順位のジャンプアップもしたいと考えていた。同じように考えていたブリッツェンの増田さんも乗ってきて、良いメンバーの追走に乗れたと思った。
山岳賞を2回取ったが、誰も取る気がなさそうだったので最初の三国峠を先頭通過し、次の石北峠も取れるものならと先頭通過した。下りで6人になって、このまま行こうという雰囲気だったのでローテーションを回していたが、ラスト2kmあたりから牽制が始まった。そこでアタックしたら後ろが止まって、カウンターでバセット選手が行っても誰も追わなかったので、自分もそのまま踏み続けて2位に入った。
ステージレースでUCIポイント圏内でフィニッシュしたことは今まであまりないので、予想外の結果で嬉しい。明日も今日のような走りをしたい」と、コメントした。
第1ステージ同様に一時は4分以上の差がついたが、フィニッシュ直前までに数秒差に詰めるというNIPPOの完璧な集団コントロールによりザッカンティの総合首位を守った。
明日の第3ステージはホットスポット2回を経て2級山岳の北見峠を越える182km。コースの難易度は第2ステージまでより低くなるとは言え、勝負は下駄をはくまでわからない。
ツール・ド・北海道2019 第2ステージ 帯広市-北見市 結果(171.8km)
1位 | スティーブン・バセット(アメリカ、ワイルドライフジェネレーションプロサイクリングP/B MAXXIS) | 4時間29分59秒 |
2位 | 石橋 学(チームブリヂストンサイクリング) | +6秒 |
3位 | ライアン・ガヴァナー(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) | +7秒 |
4位 | ロビー・ハッカー(オーストラリア、チーム右京) | +8秒 |
5位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) | |
6位 | セバスティアン・バーウィック(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル・サイクリングチーム) | |
7位 | クレイグ・ウィギンス(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル・サイクリングチーム) | |
8位 | レイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京) | |
9位 | ファンホセ・ロバト・デル・ヴァレ(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | |
10位 | 孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング) |
個人総合時間順位(第2ステージ終了時)
1位 | フィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 8時間27分30秒 |
2位 | サミュエル・クローム(オーストラリア、チーム右京) | +29秒 |
3位 | ヌル・アミル・ファルクディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ INC. TSG サイクリングチーム) | +31秒 |
4位 | 山本元喜(キナンサイクリングチーム) | +35秒 |
5位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(スペイン、マトリックスパワータグ) | |
6位 | 徳田 優(チームブリヂストンサイクリング) |
ポイント賞(第2ステージ終了時)
1位 | スティーブン・バセット(アメリカ、ワイルドライフジェネレーションプロサイクリングP/B MAXXIS) | 26p |
2位 | フィリッポ・ザッカンティ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 25p |
3位 | サミュエル・クローム(オーストラリア、チーム右京) | 20p |
山岳賞(第2ステージ終了時)
1位 | ジョアン・ボウ・カンパニー(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | 23p |
2位 | 山本元喜(キナンサイクリングチーム) | 19p |
3位 | 石橋 学(チームブリヂストンサイクリング) | 17p |
チーム総合成績(第2ステージ終了時)
1位 | NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ | 25時間25分10秒 |
2位 | チーム右京 | +1分31秒 |
3位 | キナンサイクリングチーム |
text&photo:Satoru Kato
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