2019/08/24(土) - 20:13
マイヨロホ争いに加えてブエルタ・ア・エスパーニャを盛り上げるのが3賞ジャージの争い。ポイント賞の「プントス」、山岳賞「モンターニャ」、そして新たに加わったヤングライダー賞「ビアンコ」の仕組みと有力候補を紹介します。
マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)
プントスはスペイン語でポイントの意味。主にスプリンターを対象にしたポイント賞ジャージだ。ステージ上位15名と、中間スプリントポイント上位3名に与えられるポイントの積算により争われる。2009年にジャージカラーがツール・ド・フランスと同じグリーンに変更。ジャージスポンサーは2015年からツールのマイヨヴェールと同じ「シュコダ」が務めている。
獲得ポイントはステージ1位で25ポイント、2位20ポイント、3位16ポイント・・・15位1ポイント。中間スプリントポイントでは1位4ポイント、2位2ポイント、3位1ポイント。ツールとは異なり、平坦ステージでも山岳ステージでも同ポイントが与えられる。そのためスプリンターだけではなく、総合上位のオールラウンダーもポイント賞ランキングの上位に名を連ねる。
ロードステージの半数近くが山頂フィニッシュであり、平坦ステージの数の少なさはピュアスプリンターの数の少なさに比例する。どのチームも大柄でマッチョなスプリンターではなく、比較的登りもこなせる軽量で俊敏なスプリンターをメンバー入りさせている。
直前のビンクバンクツアーで開幕スプリント3連勝を飾ったサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)は現在最も勢いに乗っているスプリンター。シーズン11勝を飾っているアイルランドチャンピオンはジロ・デ・イタリアでステージ3勝を飾っており、そのスピードが初出場のブエルタでも炸裂するだろう。
ジロ・デ・イタリアでステージ1勝を飾りながらも、膝の故障によりツール・ド・フランスを欠場したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)もブエルタ初出場。ステージ通算10勝を飾っているジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)の他、若手のファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)やフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)、マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)らがスプリントに挑む。
ピュアスプリンターが脱落するような登りを含むステージではエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)らに出番が回ってくる。パンチャー系選手として、フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)やエンリコ・バッタリーン(イタリア、カチューシャ・アルペシン)向きの丘陵ステージが多く設定されているのもブエルタの特徴。そしてもちろん、過去に3回ポイント賞を獲得しているアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がマイヨプントスの最有力候補だ。
ブエルタ歴代ポイント賞獲得者
2018年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2017年 クリストファー・フルーム(イギリス)
2016年 ファビオ・フェリーネ(イタリア)
2015年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2014年 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ)
2013年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2012年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2011年 バウク・モレマ(オランダ)
2010年 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
2009年 アンドレ・グライペル(ドイツ)
2008年 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー)
2007年 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)
2006年 トル・フースホフト(ノルウェー)
2005年 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)
2004年 エリック・ツァベル(ドイツ)
2003年 エリック・ツァベル(ドイツ)
2002年 エリック・ツァベル(ドイツ)
2001年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
2000年 ロベルト・エラス(スペイン)
1999年 フランク・ファンデンブロック(ベルギー)
1998年 ファブリツィオ・グイディ(イタリア)
1997年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1996年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1995年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1994年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1993年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1992年 ジャモリディネ・アブドヤパロフ(ウズベキスタン)
1991年 ウーヴェ・ラーブ(ドイツ)
1990年 ウーヴェ・ラーブ(ドイツ)
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
モンターニャはスペイン語でマウンテンの意味。山岳の頂上通過順位に基づいて与えられるポイントの積算で争われる。ジャージデザインは青い水玉模様で、ジャージスポンサーは国営宝くじの「ロテリアス・イ・アプエスタス・デル・エスタド」。
これまで多くの山岳スペシャリストを輩出してきたクライマー大国スペイン。今年で開催74回目を迎えるブエルタで、実に49回にわたってスペイン人選手が山岳賞を獲得している。そのうち23回はスペイン人選手が山岳賞ランキングのトップスリーを独占している。
獲得ポイントは「シーマ・アルベルトフェルナンデス」に指定された第16ステージの超級山岳ラ・クビーリャ峠先頭通過で20ポイント。 超級山岳に指定された第9ステージのラ・ガリーナ峠と第13ステージのロス・マチュコスの先頭通過で15ポイント。以下、1級山岳(16カ所)先頭通過で10ポイント、2級山岳(14カ所)5ポイント、3級山岳(24カ所)3ポイント。
山岳賞争いは本命の総合争いの展開に左右されるため候補をズバリ言い当てにくい。どれだけ山岳に強いクライマーでも、チーム内に総合狙いのオールラウンダーがいる場合は自由な動きが許されないのだ。ポイント賞同様、狙わずとも総合上位の選手の名前が山岳賞上位に並ぶ可能性が高い。
2018年は連日逃げたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が山岳賞を獲得。全グランツール出場のデヘントが再びスペインの山岳ステージで逃げに乗るだろう。絶対的なエースやスプリンターのいないチームのため、デヘントには自由な動きが許されていると見られる。
2015年から2年連続で山岳賞に輝いたオマール・フライレ(スペイン、アスタナ)や、ブエルタの逃げの代名詞ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)、ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)、ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)といった選手たちも山岳賞ランキングの上位に名前を連ねるだろう。
ブエルタ歴代山岳賞獲得者
2018年 トーマス・デヘント(ベルギー)
2017年 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア)
2016年 オマール・フライレ(スペイン)
2015年 オマール・フライレ(スペイン)
2014年 ルイスレオン・サンチェス(スペイン)
2013年 ニコラ・エデ(フランス)
2012年 サイモン・クラーク(オーストラリア)
2011年 ダヴィ・モンクティエ(フランス)
2010年 ダヴィ・モンクティエ(フランス)
2009年 ダヴィ・モンクティエ(フランス)
2008年 ダヴィ・モンクティエ(フランス)
2007年 デニス・メンショフ(ロシア)
2006年 エゴイ・マルティネス(スペイン)
2005年 ホアキン・ロドリゲス(スペイン)
2004年 フェリックス・カルデナス(コロンビア)
2003年 フェリックス・カルデナス(コロンビア)
2002年 アイトール・オサ(スペイン)
2001年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
2000年 カルロス・サストレ(スペイン)
1999年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
1998年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
1997年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
1996年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1995年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1994年 リュク・ルブラン(フランス)
1993年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1992年 カルロス・エルナンデス(スペイン)
1991年 ルイス・エレラ(コロンビア)
1990年 マルティン・ファルファン(コロンビア)
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1970年に初登場し、2度のブランクを経て2002年から一貫して採用されてきたコンビナーダ賞(複合賞)がブエルタから姿を消す。グランツールの中で唯一ブエルタだけがコンビナーダ賞を採用してきたが、他のジロとツールと同様にヤングライダー賞(新人賞)を新たに採用した。ジャージはコンビナーダ賞と同じ真っ白なデザインで、ジャージスポンサーは「フェニエ・エネルジア社」。実は2017年からヤングライダー賞は存在していたが、ジャージは設定されていなかった。
いわば将来のマイヨロホ候補が着用することになる若手の総合リーダージャージ。対象となるのは1994年1月1日以降に誕生した選手で、176名のうち52名がヤングライダー賞の対象となる。
マイヨロホ候補でもあるミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)やタオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス)が狙わずともマイヨブランコを手にする可能性が高い。ロペスはジャージ設定前の2017年にブエルタのヤングライダー賞に輝いている。
他にもタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)やマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)、ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)といった若手オールラウンダーがヤングライダー賞対象選手。EFエデュケーションファーストはセルジオ・イギータ(コロンビア)、ダニエル・マルティネス(コロンビア)、ヒュー・カーシー(イギリス)という若手を揃えている。
平坦ステージでの活躍が期待されるスプリンターのフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)やファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)らが大会前半にマイヨブランコを着ることになるだろう。
ブエルタ歴代ヤングライダー賞獲得者
2018年 エンリク・マス(スペイン)
2017年 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)
text:Kei Tsuji
マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)
プントスはスペイン語でポイントの意味。主にスプリンターを対象にしたポイント賞ジャージだ。ステージ上位15名と、中間スプリントポイント上位3名に与えられるポイントの積算により争われる。2009年にジャージカラーがツール・ド・フランスと同じグリーンに変更。ジャージスポンサーは2015年からツールのマイヨヴェールと同じ「シュコダ」が務めている。
獲得ポイントはステージ1位で25ポイント、2位20ポイント、3位16ポイント・・・15位1ポイント。中間スプリントポイントでは1位4ポイント、2位2ポイント、3位1ポイント。ツールとは異なり、平坦ステージでも山岳ステージでも同ポイントが与えられる。そのためスプリンターだけではなく、総合上位のオールラウンダーもポイント賞ランキングの上位に名を連ねる。
ロードステージの半数近くが山頂フィニッシュであり、平坦ステージの数の少なさはピュアスプリンターの数の少なさに比例する。どのチームも大柄でマッチョなスプリンターではなく、比較的登りもこなせる軽量で俊敏なスプリンターをメンバー入りさせている。
直前のビンクバンクツアーで開幕スプリント3連勝を飾ったサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)は現在最も勢いに乗っているスプリンター。シーズン11勝を飾っているアイルランドチャンピオンはジロ・デ・イタリアでステージ3勝を飾っており、そのスピードが初出場のブエルタでも炸裂するだろう。
ジロ・デ・イタリアでステージ1勝を飾りながらも、膝の故障によりツール・ド・フランスを欠場したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)もブエルタ初出場。ステージ通算10勝を飾っているジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)の他、若手のファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)やフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)、マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ)らがスプリントに挑む。
ピュアスプリンターが脱落するような登りを含むステージではエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)らに出番が回ってくる。パンチャー系選手として、フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)やエンリコ・バッタリーン(イタリア、カチューシャ・アルペシン)向きの丘陵ステージが多く設定されているのもブエルタの特徴。そしてもちろん、過去に3回ポイント賞を獲得しているアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がマイヨプントスの最有力候補だ。
ブエルタ歴代ポイント賞獲得者
2018年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2017年 クリストファー・フルーム(イギリス)
2016年 ファビオ・フェリーネ(イタリア)
2015年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2014年 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ)
2013年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2012年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
2011年 バウク・モレマ(オランダ)
2010年 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
2009年 アンドレ・グライペル(ドイツ)
2008年 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー)
2007年 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)
2006年 トル・フースホフト(ノルウェー)
2005年 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)
2004年 エリック・ツァベル(ドイツ)
2003年 エリック・ツァベル(ドイツ)
2002年 エリック・ツァベル(ドイツ)
2001年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
2000年 ロベルト・エラス(スペイン)
1999年 フランク・ファンデンブロック(ベルギー)
1998年 ファブリツィオ・グイディ(イタリア)
1997年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1996年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1995年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1994年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1993年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1992年 ジャモリディネ・アブドヤパロフ(ウズベキスタン)
1991年 ウーヴェ・ラーブ(ドイツ)
1990年 ウーヴェ・ラーブ(ドイツ)
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
モンターニャはスペイン語でマウンテンの意味。山岳の頂上通過順位に基づいて与えられるポイントの積算で争われる。ジャージデザインは青い水玉模様で、ジャージスポンサーは国営宝くじの「ロテリアス・イ・アプエスタス・デル・エスタド」。
これまで多くの山岳スペシャリストを輩出してきたクライマー大国スペイン。今年で開催74回目を迎えるブエルタで、実に49回にわたってスペイン人選手が山岳賞を獲得している。そのうち23回はスペイン人選手が山岳賞ランキングのトップスリーを独占している。
獲得ポイントは「シーマ・アルベルトフェルナンデス」に指定された第16ステージの超級山岳ラ・クビーリャ峠先頭通過で20ポイント。 超級山岳に指定された第9ステージのラ・ガリーナ峠と第13ステージのロス・マチュコスの先頭通過で15ポイント。以下、1級山岳(16カ所)先頭通過で10ポイント、2級山岳(14カ所)5ポイント、3級山岳(24カ所)3ポイント。
山岳賞争いは本命の総合争いの展開に左右されるため候補をズバリ言い当てにくい。どれだけ山岳に強いクライマーでも、チーム内に総合狙いのオールラウンダーがいる場合は自由な動きが許されないのだ。ポイント賞同様、狙わずとも総合上位の選手の名前が山岳賞上位に並ぶ可能性が高い。
2018年は連日逃げたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が山岳賞を獲得。全グランツール出場のデヘントが再びスペインの山岳ステージで逃げに乗るだろう。絶対的なエースやスプリンターのいないチームのため、デヘントには自由な動きが許されていると見られる。
2015年から2年連続で山岳賞に輝いたオマール・フライレ(スペイン、アスタナ)や、ブエルタの逃げの代名詞ルイス・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)、ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール)、ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)といった選手たちも山岳賞ランキングの上位に名前を連ねるだろう。
ブエルタ歴代山岳賞獲得者
2018年 トーマス・デヘント(ベルギー)
2017年 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア)
2016年 オマール・フライレ(スペイン)
2015年 オマール・フライレ(スペイン)
2014年 ルイスレオン・サンチェス(スペイン)
2013年 ニコラ・エデ(フランス)
2012年 サイモン・クラーク(オーストラリア)
2011年 ダヴィ・モンクティエ(フランス)
2010年 ダヴィ・モンクティエ(フランス)
2009年 ダヴィ・モンクティエ(フランス)
2008年 ダヴィ・モンクティエ(フランス)
2007年 デニス・メンショフ(ロシア)
2006年 エゴイ・マルティネス(スペイン)
2005年 ホアキン・ロドリゲス(スペイン)
2004年 フェリックス・カルデナス(コロンビア)
2003年 フェリックス・カルデナス(コロンビア)
2002年 アイトール・オサ(スペイン)
2001年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
2000年 カルロス・サストレ(スペイン)
1999年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
1998年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
1997年 ホセマリア・ヒメネス(スペイン)
1996年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1995年 ローラン・ジャラベール(フランス)
1994年 リュク・ルブラン(フランス)
1993年 トニー・ロミンゲル(スイス)
1992年 カルロス・エルナンデス(スペイン)
1991年 ルイス・エレラ(コロンビア)
1990年 マルティン・ファルファン(コロンビア)
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1970年に初登場し、2度のブランクを経て2002年から一貫して採用されてきたコンビナーダ賞(複合賞)がブエルタから姿を消す。グランツールの中で唯一ブエルタだけがコンビナーダ賞を採用してきたが、他のジロとツールと同様にヤングライダー賞(新人賞)を新たに採用した。ジャージはコンビナーダ賞と同じ真っ白なデザインで、ジャージスポンサーは「フェニエ・エネルジア社」。実は2017年からヤングライダー賞は存在していたが、ジャージは設定されていなかった。
いわば将来のマイヨロホ候補が着用することになる若手の総合リーダージャージ。対象となるのは1994年1月1日以降に誕生した選手で、176名のうち52名がヤングライダー賞の対象となる。
マイヨロホ候補でもあるミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)やタオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チームイネオス)が狙わずともマイヨブランコを手にする可能性が高い。ロペスはジャージ設定前の2017年にブエルタのヤングライダー賞に輝いている。
他にもタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)やマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)、ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)といった若手オールラウンダーがヤングライダー賞対象選手。EFエデュケーションファーストはセルジオ・イギータ(コロンビア)、ダニエル・マルティネス(コロンビア)、ヒュー・カーシー(イギリス)という若手を揃えている。
平坦ステージでの活躍が期待されるスプリンターのフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)やファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)らが大会前半にマイヨブランコを着ることになるだろう。
ブエルタ歴代ヤングライダー賞獲得者
2018年 エンリク・マス(スペイン)
2017年 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)
text:Kei Tsuji
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