大分市で開催される「OITAサイクルフェス!!!2019」が、「おおいた いこいの道クリテリウム」で開幕。レースは後半に先行した8名の集団が逃げ切り、今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が優勝。2位に椿大志(キナンサイクリングチーム)、3位に窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が入った。40℃越えの中行われたクリテリウムをレポート。


チームプレゼンテーションで登壇したVC福岡に声援が飛ぶチームプレゼンテーションで登壇したVC福岡に声援が飛ぶ photo:Satoru Kato連覇を狙う黒枝咲哉(シマノレーシング)絹代さんの問いにおどけてみせる連覇を狙う黒枝咲哉(シマノレーシング)絹代さんの問いにおどけてみせる photo:Satoru Kato

10日、11日の2日間に渡り開催される「OITAサイクルフェス!!!2019」。初日はJR大分駅前に伸びる「大分いこいの道」周辺に設定された1周1kmのコースを使用して「おおいた いこいの道クリテリウム」が行われる。Jプロツアーとして開催されてきたクリテリウムが昨年からUCIカレンダーに載る公認レースに昇格。翌日のUCI1.2クラスのロードレース「おおいたアーバンクラシック」に出場するチームと選手がほぼそのまま出場する前哨戦として行われる。

今年も市民パレードを走った佐藤樹一郎大分市長今年も市民パレードを走った佐藤樹一郎大分市長 photo:Satoru Katoスタート5分前を告げるラウンドガールスタート5分前を告げるラウンドガール photo:Satoru Kato

おおいた いこいの道クリテリウムのスタートラインに勢揃いした選手達おおいた いこいの道クリテリウムのスタートラインに勢揃いした選手達 photo:Satoru Kato
台風が近づいている影響か、強めの風が吹き続けるものの、朝から真夏の陽差しが照りつける1日。この日の大分市の最高気温は33.4℃だったものの、コース周辺では温度計が40℃を越えていたという。正午すぎ、30周30kmのレースがスタートした。

レース序盤に形成された5名の先頭集団レース序盤に形成された5名の先頭集団 photo:Satoru Kato
マンションが並ぶ大分駅南側を駆け抜ける集団マンションが並ぶ大分駅南側を駆け抜ける集団 photo:Satoru Katoレース中盤に飛び出した今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)と小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)レース中盤に飛び出した今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)と小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato

スタート直後から集団のペースが上がり、その中から阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)吉岡直哉(チーム右京)、今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)椿大志(キナンサイクリングチーム)、ザッカリア・アクロン・ハキーム(チーム・サプラ・サイクリング)の5名が先行する。メイン集団との差は7秒前後まで広がるものの、シマノレーシングのコントロールもあって10周目に吸収される。その直後、10周目終了時に設定された中間スプリント賞を取りに今村が再度飛び出す。そこに小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が追いつき、2名の逃げ集団が新たに形成される。メイン集団との差は10秒から15秒と開いてレースは後半へ。

バナナを持って応援する女子高生達バナナを持って応援する女子高生達 photo:Satoru Kato逃げる今村駿介と小野寺玲を単独で追走するニコラス・ディニズ(X-スピード・ユナイテッド・コンチネンタル)逃げる今村駿介と小野寺玲を単独で追走するニコラス・ディニズ(X-スピード・ユナイテッド・コンチネンタル) photo:Satoru Kato

レース終盤、8名まで増えた先頭集団レース終盤、8名まで増えた先頭集団 photo:Satoru Kato
17周目、ニコラス・ディニズ(X-スピード・ユナイテッド・コンチネンタル)が単独で追走を開始して18周目に合流。さらに内間康平(チーム右京)、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)、イーヴァン・バートニク(X-スピード・ユナイテッド・コンチネンタル)、小森亮平(マトリックスパワータグ)、序盤に逃げていた椿が合流し、逃げ集団は8人まで増える。

連覇を狙う黒枝咲哉を従えて集団コントロールをするシマノレーシングチーム連覇を狙う黒枝咲哉を従えて集団コントロールをするシマノレーシングチーム photo:Satoru Kato
メイン集団は黒枝咲哉に連覇させたいシマノレーシングがペースアップを図るが、協力するチームがなく枚数を減らしていく。横山航太、一丸尚伍が力尽き、木村圭佑と中井唯晶の2人が黒枝を従えて牽引するが、先行する8名との差は縮まらない。最終盤に入って愛三工業レーシングチームなどが前に出てくるも時すでに遅く、8名の逃げ切りが確定的となる。

両手を大きく広げてフィニッシュに飛び込んでくる今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)両手を大きく広げてフィニッシュに飛び込んでくる今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato
今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が優勝。後方で3位の窪木一茂もガッツポーズ今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が優勝。後方で3位の窪木一茂もガッツポーズ photo:Satoru Kato
ディニズが遅れて7人となった逃げ集団は最終周回へ。2人を残したチームブリヂストンサイクリングは、駅前のヘアピンコーナーの立ち上がりで窪木がペースアップ。「それにみんながついて行ったので後ろで足をしっかり溜めた」と言う今村が最終コーナーから仕掛けて先行。そのまま先頭でフィニッシュラインを越えた。今村の勝利をアシストした窪木が3位に入り、チームブリヂストンサイクリングは1-3フィニッシュを達成。大分初日を掌握した。

表彰式表彰式 photo:Satoru Kato中間スプリント賞は今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が3回、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が1回獲得中間スプリント賞は今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)が3回、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が1回獲得 photo:Satoru Kato

「逃げ切る予定ではなかった」と言う今村。「主導権を握りたいチームがせめぎあっていたので、集団でチームメイトが足を使わずに済むように序盤から飛び出した。自分も足をあまり使わないように回していたが、後ろとの差が一定だったので、うまく立ち回ってスプリントを取れるところは取っていった。

終盤に窪木さんがジャンプしてきて2人になり、このまま勝負する状況になったので勝つしかないと思っていた。もう1チーム(X-スピード・ユナイテッド・コンチネンタル)が2人いたけれど、スピードはこっちの方が上だから、どんな方法でも勝ちにいけると自信を持っていた。最後は僅差のスプリントに持ち込みたくなかったので、最終コーナーで開いていたイン側に入って全力で踏んで行った」と、レースを振り返る。

この大会直前まで窪木と共にオムニアムのUCIポイント獲得のために海外遠征をこなしてきた今村。「帰ってきてからロードトレーニングをずっとしていたのと、福岡出身なので九州の気候には慣れているので、今日の暑さは問題なかったです。明日のロードレース(おおいたアーバンクラシック)は、距離的にもコース的にも勝ちを狙えると思うので全力で行きたい」と、語った。

明日は大分スポーツ公園周辺の公道コースに場所を移し、「おおいたアーバンクラシック」が開催される。スタートは午前9時。真夏のUCIレースを制するのは誰か?


JBCF E1 表彰式JBCF E1 表彰式 photo:Satoru KatoJBCF E2 表彰式JBCF E2 表彰式 photo:Satoru Kato

JBCF E3 表彰式JBCF E3 表彰式 photo:Satoru Kato「我らワールド」に絹代さん、今中大介さん、ブラッキーさんを迎えてのトークショー「我らワールド」に絹代さん、今中大介さん、ブラッキーさんを迎えてのトークショー photo:Satoru Kato
おおいた いこいの道クリテリウム 結果(30km)
1位 今村駿介(日本、チームブリヂストンサイクリング) 41分30秒
2位 椿 大志(日本、キナンサイクリングチーム) +0秒
3位 窪木一茂(日本、チームブリヂストンサイクリング) +0秒
4位 イーヴァン・バートニク(カナダ、X-スピード・ユナイテッド・コンチネンタル) +0秒
5位 小野寺玲(日本、宇都宮ブリッツェン) +0秒
6位 内間康平(日本、チーム右京) +0秒
中間スプリント賞
10周回、15周回、25周回完了時 今村駿介(日本、チームブリヂストンサイクリング)
20周回完了時 小野寺玲(日本、宇都宮ブリッツェン)

text&photo:Satoru Kato

最新ニュース(全ジャンル)