2019/08/07(水) - 18:28
8月3日と4日の2日間に渡り、今年のJBCFトラックシリーズ最終戦となる「第50回 JBCF 全日本トラックチャンピオンシップ」が長野県松本市の美鈴湖自転車競技場で開催された。女子3km個人パーシュートで山本さくら(CIEL BLEU KANOYA)が3分50秒431で実業団新記録を更新。男子チーム・パーシュートではTRACK TEAM AISANが従来記録を5秒上回る4分15秒339の実業団新記録で優勝した。
大会1日目は午後1時半からのレース。競技開始時には見えていた青空が分厚い雲で覆われ始めると、遠くで雷鳴が鳴り始めて競技は一時中断。再開後は雷鳴も遠く離れ、競技終了時には再び晴れ間が広がった。大会2日目は朝から炎天下でのレース。時折通り過ぎる雲が影を落とすものの、すぐに強い日差しが戻る1日となった。
標高1000mにある美鈴湖自転車競技場は、好記録が出やすい高速バンクと言われている。初日は競技中断時に降った雨粒と湿気により「走路の重さ」を感じる選手が多く、新記録達成を見ることはできなかった。一方、2日目は炎天下のレースとなり、猛暑の中ではあったが、2種目の実業団記録が誕生した。
男子4km個人パーシュート
10組18名で行われたレースは、途中雷による中断をはさんで行われた。9組目に出走した渡邊正光(群馬グリフィン)が4分35秒835で、6月に開催されたJBCF東日本トラックに引き続き優勝した。
渡邊正光コメント
今回は前半少し突っ込み過ぎたのでですが、練習だと思ってベストタイムを狙って、結果的にベストが出たので良かったです。今後は全日本選手権等を狙い、しっかり調整していきます。
大会1日目は午後1時半からのレース。競技開始時には見えていた青空が分厚い雲で覆われ始めると、遠くで雷鳴が鳴り始めて競技は一時中断。再開後は雷鳴も遠く離れ、競技終了時には再び晴れ間が広がった。大会2日目は朝から炎天下でのレース。時折通り過ぎる雲が影を落とすものの、すぐに強い日差しが戻る1日となった。
標高1000mにある美鈴湖自転車競技場は、好記録が出やすい高速バンクと言われている。初日は競技中断時に降った雨粒と湿気により「走路の重さ」を感じる選手が多く、新記録達成を見ることはできなかった。一方、2日目は炎天下のレースとなり、猛暑の中ではあったが、2種目の実業団記録が誕生した。
男子4km個人パーシュート
10組18名で行われたレースは、途中雷による中断をはさんで行われた。9組目に出走した渡邊正光(群馬グリフィン)が4分35秒835で、6月に開催されたJBCF東日本トラックに引き続き優勝した。
渡邊正光コメント
今回は前半少し突っ込み過ぎたのでですが、練習だと思ってベストタイムを狙って、結果的にベストが出たので良かったです。今後は全日本選手権等を狙い、しっかり調整していきます。
男子4km個人パーシュート 結果
1位 | 渡邊正光(群馬グリフィン) | 4分35秒835 |
2位 | 大前翔(TRACK TEAM AISAN) | 4分36秒395 |
3位 | 原田裕成(CIEL BLEU KANOYA) | 4分40秒320 |
女子500mタイムトライアル
36秒台の戦いとなった女子の500mタイムトライアル。全日本選手権者の山口真未(エクストリームつくば)のタイムを0.07秒上回った山本さくら(CIEL BLEU KANOYA)が優勝した。
山本さくらコメント
出産後のベストタイムが出せて、自分も成長しているなと感じました。山口選手はいつも美鈴湖で35秒台を出していたのに今回は36秒台で、自分にもチャンスがあるかなとリラックスして臨みました。ただ、スタート直後から脚が棒のようで優勝できるとは思わなかったです。正直嬉しいです。
今回初めてレースに娘を連れて来たが、思った以上に大変で…夜も自分のケアはあまりできないですね。これからは一緒にレースに出かけることも増えるので、今回は良い練習になりました。
女子500mタイムトライアル 結果
1位 | 山本さくら(CIEL BLEU KANOYA) | 36秒191 |
2位 | 山口真未(エクストリームつくば) | 36秒242 |
3位 | 小坂知子(岩井商会レーシング) | 36秒639 |
男子1kmタイムトライアル 結果
1位 | 眞杉匠(じてんしゃの杜) | 1分05秒142 |
2位 | 渡邊正光(群馬グリフィン) | 1分05秒468 |
3位 | 堀江省吾(イナーメ信濃山形-EFT) | 1分05秒715 |
女子3km個人パーシュート
5名での戦いとなった本種目。最終組でスタートした山本さくら(CIEL BLEU KANOYA)が3分50秒431の実業団新記録を出して優勝した。2位には中村文香(チームローマン)。晴天の美鈴湖という好条件に序盤から突っ込み過ぎて大失敗だったとレース後にコメントした野崎桃世(Team 自転車処 風輪)が3位に入った。
山本さくらコメント
1位は嬉しいですが、タイムは最低でも50秒を切ろうと思っていました。昨日のレース(女子500mTT)も含めて、脚を回すのにロスが多かったと思います。これ以上にギアをかけることは難しいと思うので、これからは技術面が課題。今後はトラック練習を増やして改善できるように頑張ります。
女子3km個人パーシュート 結果
1位 | 山本さくら(CIEL BLEU KANOYA) | 3分50秒431(実業団新) | |
2位 | 中村文香(チームローマン) | 4分06秒749 | |
3位 | 野崎桃世(Team 自転車処 風輪) | 4分07秒308 | |
女子ジュニア・ユース2km個人パーシュート 結果 | |||
1位 | 船橋星来(日本体育大学桜華高等学校) | 2分43秒759 |
男子4kmチーム・パーシュート
TRACK TEAM AISAN(愛三工業レーシングチームのトラックレース出場時の登録名)が、実業団新記録を出して優勝した。同じ組で走った東京ヴェントスを追い抜くペースで周回。本来なら追い抜き成立でレース終了となるが、タイムレースのため4kmを走行。愛三工業レーシングチームが2017年に出した実業団記録4分20秒727を、5秒以上更新する4分15秒339を出して優勝した。
表彰式では渡邊がインタビューに答え、「前回もここ美鈴湖で4分20秒台を出しましたが、その時とはメンバーが違うし、この日もぶっつけ本番に近かった。この状況でこのタイムを出せたことは良かったと思う」と語った。また同チームの草場は「大学時代もチーム・パーシュートに出ていたので、ぶっつけ本番でも感覚的には普通に走れました。先輩方もインカレの同種目で優勝経験がある方達なので、今回のタイムを出すことができたのかなと思います」とコメントした。
男子4kmチーム・パーシュート 結果
1位 | TRACK TEAM AISAN(大前・岡本・草場・渡邊) | 4分15秒339(実業団新) |
2位 | 東京ヴェントス(伊藤・小野寺・高木・藤田) | 4分31秒684 |
3位 | イナーメ信濃山形-EFT(岡・岩佐・増田・渡邉) | 4分35秒716 |
男子ポイント・レース
序盤からCIEL BLEU KANOYAの原田裕成と冨尾大地が積極的に動く。最初のポイント周回は原田が1位通過、その後冨尾が単独先行して1位通過5点を重ねる。そこに、原田、大前翔(TRACK TEAM AISAN)、渡邊翔太郎(TRACK TEAM AISAN)が合流し、4名の編隊がメイン集団を追い込んでラップ。さらに原田と大前が2回目のラップに成功する。レース終盤に入ると、再び原田と冨尾が先行し、冨尾が1位でフィニッシュして10点を獲得。2位の原田が6点を加算した。この結果、序盤から着実にポイントを重ねた原田が優勝、2位には大前、3位に冨尾が入った。
原田裕成コメント
昨日の個人パーシュート3位の悔しさもあって、それを晴らすために今日は狙っていました。TRACK TEAM AISANも人数を揃えていて、レース前から展開は見えていたので、後手踏まないように積極的にレースを進めました。冨尾選手との動きは阿吽の呼吸です。序盤に冨尾選手が単独先行して疲れていたので、そこはフォローしながら、レースを通して協調して立ち回れたのが良かったです。
男子ポイント・レース(30km) 結果
1位 | 原田裕成(CIEL BLEU KANOYA) | 79P |
2位 | 大前翔(TRACK TEAM AISAN) | 59P |
3位 | 冨尾大地(CIEL BLEU KANOYA) | 51P |
スクラッチ
男子スクラッチは20名が出場。序盤からTRACK TEAM AISANの岡本隼と住吉宏太の2名を含む5人が先行。その集団がラップに成功すると、メイン集団から冨尾大地(CIEL BLEU KANOYA)が飛び出し、渡邊翔太郎(TRACK TEAM AISAN)が追従し、この2名も集団をラップする。終盤に入ると脚を貯めていた渡邊が満を持して飛び出し、その後ろを冨尾が追う展開に。冨尾の追走を振り切った渡邊が独走で優勝を飾った。
渡邊翔太郎コメント
TRACK TEAM AISANから3名出場し、自分以外の2名が前半から動いてくれたおかげで、後半まで自分の脚を貯めることができました。残り4周からスパートして独走できたのはチームメイトのおかげなので、チームの勝利ですね。
スクラッチ 結果
男子 10km | 女子 6km | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 渡邊翔太郎(TRACK TEAM AISAN) | 11分59秒451 | 石中葵(Team ZERO UNO FRONTIER) | 10分25秒987 |
2位 | 冨尾大地(CIEL BLEU KANOYA) | 城戸綾子(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) | ||
3位 | 岡本隼(TRACK TEAM AISAN) |
ケイリン
男子は草場啓吾(TRACK TEAM AISAN)が出場。先行する草場を堀江省吾(イナーメ信濃山形-EFT)と末廣快理(同志社大学)が追い込む展開に。最後はハンドルの投げ合いを制した草場が優勝した。
草場啓吾コメント
ペーサーの離脱後にイン側が空いていたので飛び込んでみましたが、外から被せられてしまいました。これではまずいと一旦最後尾まで下がり、残り1周と1/4でダッシュして自分のペースに持ち込めたのが勝因です。得意のスピードを活かせたので良かったと思います。
NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネとのトレーニー(練習生)契約し、大分でのUCIレース後に出発します。最初のレースはチェコ・サイクリングツアーになる予定です。4日間のステージレースでチームTT の後に山岳ステージが続き、厳しいレースになると思います。最近はトラックで高強度の刺激を入れているので、欧州でも持ち味のスピードが活かせたら良いと思っています。
女子は車列最後尾に位置していた山口真未(エクストリームつくば)が第2コーナーまでに先行する全員を抜き去り、そのままロングスプリントで大差をつけて優勝した。
山口真未コメント
ジャンと同時にダッシュすることはレース前から決めていました。後ろから行きたかったのですが、くじ引きで2番目を引いてしまい、前方からダッシュするしかないなと思っていました。
レースになると小林選手が前に出てくれたので、最後尾から一気に駆け出せたのが良かったです。
昨日のレース(女子500mTTで2位)では(山本)さくら選手に負けてしまって悔しかったので、今日は自信を取り戻せるレースができました。次はジャパントラックカップです。ナショナルチームの2人や海外勢とどこまで戦えるか、挑んでいきたいと思います。
ケイリン 結果
男子 10km | 女子 6km | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 草場啓吾(TRACK TEAM AISAN) | 11秒023 | 山口真未(エクストリームつくば) | 12秒097 |
2位 | 堀江省吾(イナーメ信濃山形-EFT) | 小林莉子(岩井商会レーシング) | ||
3位 | 末廣快理(同志社大学) | 大坂智加(Team ZERO UNO FRONTIER) |
男子スプリント 結果
1位 | 菅田和宏(岩井商会レーシング) | 10秒470(予選時) |
2位 | 伊藤信(岩井商会レーシング) | 10秒441(予選時) |
3位 | 山中貴雄(岩井商会レーシング) | 10秒681(予選時) |
チームスプリント 結果
男子 333.33m×3 | 女子 333.33m×2 | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 岩井商会レーシングA(小阪・小林) | 48秒114 | 岩井商会レーシングA(小谷・藤井・山中) | 1分03秒470 |
2位 | 岩井商会レーシングB(高橋・中嶋) | 49秒196 | 同志社大学(島・末廣・道城) | 1分03秒695 |
3位 | Team ZERO UNO FRONTIER(石中・大坂) | 52秒462 | 岩井商会レーシングB(伊藤・菅田・畑段) | 1分03秒704 |
text&photo:Kensaku SAKAI
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