Jプロツアー第13戦となる「チームタイムトライアルチャンピオンシップ」が、渡良瀬遊水地で開催された。台風が接近し徐々に風が強くなる中、最後にスタートしたチームブリヂストンサイクリングが18分48秒66のトップタイムで優勝した。


台風が接近しているとは思えない青空が広がった渡良瀬遊水地台風が接近しているとは思えない青空が広がった渡良瀬遊水地 photo:Satoru Kato
昨年Jプロツアーに復活したチームタイムトライアルは、チャンピオンシップ大会として今年2回目の開催。国内では数少ないトップカテゴリーでのチームタイムトライアルの大会だ。

昨年同様に個人タイムトライアルチャンピオンシップと併せて2日間開催の予定だったが、台風の接近により会場となる渡良瀬遊水地の水位上昇が予想されることから、7月28日(日)に予定されていた個人タイムトライアルは全て中止。7月27日(土)のチームタイムトライアルのみ開催された。

強風を利用してカイトボードやウィンドサーフィンを楽しむ人達が多数強風を利用してカイトボードやウィンドサーフィンを楽しむ人達が多数 photo:Satoru Kato雨の予報が出ていたものの、朝から青空が広がって夏の日差しが照りつける1日。会場に近い栃木県佐野市や群馬県館林市では34℃の最高気温を記録。会場でも午前中に30℃を超える気温を記録する暑さとなった。さらに台風の接近により強風が吹き続け、時間の経過と共に徐々に強くなる中でのレースとなった。

今回はJプロツアー14チームと、JPT特別指定選手チームを加えた15チームが出走。6つのグループに分けて2分間隔でスタートし、1周5.3kmのコースを3周する計16kmを1チーム6人で走る。3番目にフィニッシュした選手のタイムがチームのタイムとなるため、最小3人での出走となる。

4位 JPT特別指定選手チーム 19分26秒524位 JPT特別指定選手チーム 19分26秒52 photo:Satoru Kato
最初にスタートしたJPT特別指定選手チーム。蠣崎優仁、平井光介、松田祥位ら5人のチームは、20分を切る19分26秒をマークして暫定トップに立つ。同じ第1組でスタートした東京ヴェントスが19分55秒を出して暫定2位につけるが、その後は20分台のチームが並んでいく。

5位 東京ヴェントス 19分55秒515位 東京ヴェントス 19分55秒51 photo:Satoru Kato6位 那須ブラーゼン 19分56秒236位 那須ブラーゼン 19分56秒23 photo:Satoru Kato

昨年優勝の宇都宮ブリッツェンは3位 5人でスタートし、最終周回は3人に昨年優勝の宇都宮ブリッツェンは3位 5人でスタートし、最終周回は3人に photo:Satoru Kato
スタート順後半に入り、第4組で走った那須ブラーゼンが19分56秒で暫定3位につける。そして第5組でスタートした昨年優勝の宇都宮ブリッツェンが、中間タイムで大きく上回るペースを見せる。増田成幸と岡篤志の2人をナショナルチームの海外遠征で欠き、1人少ない5人での出走にも関わらず18分58秒をマークしてトップタイムを塗り替える。

2位 マトリックスパワータグ 18分52秒972位 マトリックスパワータグ 18分52秒97 photo:Satoru Kato
「トラック班」を揃えたチームブリヂストンサイクリングが優勝「トラック班」を揃えたチームブリヂストンサイクリングが優勝 photo:Satoru Kato
最終の第6組でスタートしたのは、昨年2位のマトリックスパワータグと、昨年3位のチームブリヂストンサイクリング。風が強くなる中、宇都宮ブリッツェンのタイムを上回るペースで走行。両チーム共最後は3人になりながらもタイムは落ちず、マトリックスパワータグが6秒上回る18分52秒、チームブリヂストンサイクリングがさらに4秒上回る18分48秒を出して優勝した。

表彰式表彰式 photo:Satoru Kato大会前には山梨県の境川のトラックで練習して臨んだというチームブリヂストンサイクリング。橋本英也は「チームとしてこの1戦は外せないと考えていた」と言う。「最後は4人になる予定だったが、練習より速いペースだったことと、風の強さもあって3人になってしまった。特にコース途中にある水門の付近は風が遮られる部分と強くなる部分が急激に変化する場所なので、ちょっと危なかった」とレースを振り返る。

今回は窪木一茂と今村駿介の2人が不在だったものの、橋本や近谷涼、沢田桂太郎ら「トラック班」が力を見せた。「他のチームもメンバーを欠いてる中、選手層の厚さを見せられたと思う。今チームランキングトップにいるが、後半戦に入ったらチーム総合優勝を決めてしまえるような強さを見せたい。僕自身は競輪で8月1日から3日の岡山で走ることになったので、勝てるように走りたい」と語った。
Jプロツアー第13戦 チームタイムトライアルチャンピオンシップ 結果(16km)
1位 チームブリヂストンサイクリング(黒枝・孫崎、徳田、近谷、橋本、沢田) 18分48秒66(50.71km/h)
2位 マトリックスパワータグ(ホセ・佐野・アイラン・小森・安原・狩野) 18分52秒97
3位 宇都宮ブリッツェン(鈴木譲・阿部・小坂・掘・小野寺) 18分58秒28
4位 JPT特別指定選手チーム(小笠原・蠣崎・平井・松田・湯浅) 19分26秒52
5位 東京ヴェントス(高木・伊藤・野宮・藤田・海野・長田) 19分55秒51
6位 那須ブラーゼン(飯野・下島・樋口・中村・西尾憲人・西尾勇人) 19分56秒23
text&photo:Satoru Kato

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