2019/07/26(金) - 09:17
コロンビア勢が巻き返しを見せたガリビエ登場のクイーンステージ。「ようやく自分の走りができた」と言うナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)、山岳賞首位に立ったロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)、そして遅れながらもマイヨジョーヌを堅守したジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)らのコメントを紹介します。
ステージ優勝 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
独走でガリビエ峠頂上へと向かうナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Makoto.AYANO
今朝の時点では逃げグループに入って、ミケル(ランダ)をアシストする作戦だった。狙い通り逃げグループに入ってイゾアール峠をクリア。そのまま逃げグループで走り続け、ステージ優勝のチャンスが巡ってきたんだ。とは言え状況は複雑で、アンドレイ・アマドールが全てのアタックを封じてくれた。ガリビエ峠では他の選手の疲れが見えたので、正しいタイミングでアタックしたんだ。
何ヶ月にも及ぶ準備がこの勝利で報われた気分。この勝利をチームメイトと家族、コロンビアに捧げたい。クライマーのために用意された今日のような大きなステージで勝つのは特別な気持ち。ピレネー突入前の落車から回復するのに時間がかかったけど、標高のあるアルプスの峠でようやく自分の走りができた。
ステージ優勝を飾ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Luca Bettini
ステージ2位&マイヨアポワ ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
2番手で超級山岳ガリビエ峠を登るロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) photo:Makoto.AYANO
自分を再発見することに努めた。ツール・ド・フランスが凄い速さで進む中、自分はどこかに取り残されていた。ピレネーで思うような走りができず、アルプスでようやく目を覚ます時が来た。
ティム・ウェレンスは尊敬し合う仲なんだ。逃げグループの中で登りの前に彼と言葉を交わして、山岳賞争いの一騎打ちになることを確認しあった。これからはマイヨアポワを守るために走る。明日からの2ステージでも積極的な走りをしたい。
ステージ3位 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)
最初の2時間は激しいアタック合戦が続いた。イゾアール峠ではあまり調子が良くないと感じたけど、ガリビエ峠で監督の指示でアタックした。5回ほどアタックしてイェーツが脱落するのを見て少しモチベーションが上がった。でもやっぱり標高が2,400mを超えたところで、キンタナのアタックには付いていけなかった。頂上手前の5kmをロマン・バルデと走ったけど、もう脚には力が残っていなかった。とても厳しいステージの最後に3位に入ったことに満足している。
総合2位 エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)
マイヨジョーヌ集団からアタックして抜け出したエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) photo:Makoto.AYANO
コロンビアにとって美しい1日になった。コロンビアのロードレースの発展に大きく貢献してきたナイロ・キンタナの勝利を嬉しく思う。
今日はG(ゲラント・トーマス)の指示でレースを活性化させるためにアタックした。彼に調子を聞かれたので調子がとても良いと答えたら、レースを動かすためにアタックするように言われた。アラフィリップとのタイムを挽回することができたし、チームにとって良い結果になったと思う。
精神的なものなのかもしれないけど、標高が上がってますます調子が良くなっている。ガリビエ峠の頂上手前8kmは標高2,000m以上だったけど、とても調子は良かった。頂上手前3kmはタイムトライアルのように全開だった。
今日の作戦は成功したけど、明日も明後日も厳しい山岳ステージ。浮き足立つことなく、引き続き落ち着いて戦わないといけない。明日もまた今日のように良い走りができればと思う。
マイヨジョーヌ ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
超級山岳ガリビエ峠でゲラント・トーマスらに遅れをとるジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO
全てを失う可能性があるステージだったけど、落ち着いて走ることができた。ガリビエ峠の頂上でジェルを補給し、10秒間ほどリカバリーしてから下りを攻めた。リスクを負いながらも集中して、落車しないことだけに注意しながら下った。限界ギリギリだったけどライバルたちに追いつけて良かったよ。
山岳では全力を尽くしたし、明日も明後日も全力を尽くす。この国が沸いていることを理解しているし、期待度はとても大きい。自分にできることは全力を尽くすことだけ。決して諦めることなく戦い続けたい。
マイヨジョーヌを守ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Luca Bettini
総合3位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)
ガリビエ峠でのアタックでアラフィリップを脱落させたゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) photo:Makoto.AYANO
もっとハードな展開を望んでいたけど、そこまでペースが上がりきっていなかった。だからまずはエガンがアタックして、ライバルたちがペースを上げる展開に持ち込みたかった。でもエンリク・マスはテンポで上っていたし、変わらずペースは上がらなかったんだ。だからライバルたちの様子を伺うために自分もアタックした。結果的に、エガンがライバルたちからタイムを奪う結果になった。
今日はとても調子が良かった。明日も明後日も大きなレースが待っている。今日は大きなタイム差が生まれにくいレイアウトで、アラフィリップをふるい落とすのは難しいと思っていた。でも間違いなく今日の疲労が明日からの走りに影響すると思う。
総合4位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
ゲラント・トーマスのアタックを追うステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) photo:Makoto.AYANO
3つの長い峠を結んだ厳しいステージ。終盤の失速を恐れて、誰もが早めのアタックを躊躇していた。そこまで調子が良いとは言えない状態だったけど生き延びた。良い形でステージを乗り切ることができたと思う。ガリビエ峠の下りでアラフィリップが追い付いてきてからは、先行するベルナルとのタイム差を詰めることに専念した。リスクを負いすぎることなく攻めたよ。
総合5位 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
ベルナルとトーマスを追うティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) photo:Kei Tsuji
平均的な結果に終わった。リードを奪うことができないこんな日もある。今日の目標は総合上位の選手たちから遅れないこと。とても強力なエガン・ベルナルには付いていくことができなかった。トーマスも大きなアタックを繰り出したけど頂上までに捕まえることができた。明日からは2つの山頂フィニッシュが続く。今日よりももっと多くのことが起こるはず。明日はもっと良い感触で走りたい。
text:Kei.Tsuji
ステージ優勝 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
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今朝の時点では逃げグループに入って、ミケル(ランダ)をアシストする作戦だった。狙い通り逃げグループに入ってイゾアール峠をクリア。そのまま逃げグループで走り続け、ステージ優勝のチャンスが巡ってきたんだ。とは言え状況は複雑で、アンドレイ・アマドールが全てのアタックを封じてくれた。ガリビエ峠では他の選手の疲れが見えたので、正しいタイミングでアタックしたんだ。
何ヶ月にも及ぶ準備がこの勝利で報われた気分。この勝利をチームメイトと家族、コロンビアに捧げたい。クライマーのために用意された今日のような大きなステージで勝つのは特別な気持ち。ピレネー突入前の落車から回復するのに時間がかかったけど、標高のあるアルプスの峠でようやく自分の走りができた。
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ステージ2位&マイヨアポワ ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
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自分を再発見することに努めた。ツール・ド・フランスが凄い速さで進む中、自分はどこかに取り残されていた。ピレネーで思うような走りができず、アルプスでようやく目を覚ます時が来た。
ティム・ウェレンスは尊敬し合う仲なんだ。逃げグループの中で登りの前に彼と言葉を交わして、山岳賞争いの一騎打ちになることを確認しあった。これからはマイヨアポワを守るために走る。明日からの2ステージでも積極的な走りをしたい。
ステージ3位 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)
最初の2時間は激しいアタック合戦が続いた。イゾアール峠ではあまり調子が良くないと感じたけど、ガリビエ峠で監督の指示でアタックした。5回ほどアタックしてイェーツが脱落するのを見て少しモチベーションが上がった。でもやっぱり標高が2,400mを超えたところで、キンタナのアタックには付いていけなかった。頂上手前の5kmをロマン・バルデと走ったけど、もう脚には力が残っていなかった。とても厳しいステージの最後に3位に入ったことに満足している。
総合2位 エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)
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コロンビアにとって美しい1日になった。コロンビアのロードレースの発展に大きく貢献してきたナイロ・キンタナの勝利を嬉しく思う。
今日はG(ゲラント・トーマス)の指示でレースを活性化させるためにアタックした。彼に調子を聞かれたので調子がとても良いと答えたら、レースを動かすためにアタックするように言われた。アラフィリップとのタイムを挽回することができたし、チームにとって良い結果になったと思う。
精神的なものなのかもしれないけど、標高が上がってますます調子が良くなっている。ガリビエ峠の頂上手前8kmは標高2,000m以上だったけど、とても調子は良かった。頂上手前3kmはタイムトライアルのように全開だった。
今日の作戦は成功したけど、明日も明後日も厳しい山岳ステージ。浮き足立つことなく、引き続き落ち着いて戦わないといけない。明日もまた今日のように良い走りができればと思う。
マイヨジョーヌ ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
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全てを失う可能性があるステージだったけど、落ち着いて走ることができた。ガリビエ峠の頂上でジェルを補給し、10秒間ほどリカバリーしてから下りを攻めた。リスクを負いながらも集中して、落車しないことだけに注意しながら下った。限界ギリギリだったけどライバルたちに追いつけて良かったよ。
山岳では全力を尽くしたし、明日も明後日も全力を尽くす。この国が沸いていることを理解しているし、期待度はとても大きい。自分にできることは全力を尽くすことだけ。決して諦めることなく戦い続けたい。
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総合3位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)
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もっとハードな展開を望んでいたけど、そこまでペースが上がりきっていなかった。だからまずはエガンがアタックして、ライバルたちがペースを上げる展開に持ち込みたかった。でもエンリク・マスはテンポで上っていたし、変わらずペースは上がらなかったんだ。だからライバルたちの様子を伺うために自分もアタックした。結果的に、エガンがライバルたちからタイムを奪う結果になった。
今日はとても調子が良かった。明日も明後日も大きなレースが待っている。今日は大きなタイム差が生まれにくいレイアウトで、アラフィリップをふるい落とすのは難しいと思っていた。でも間違いなく今日の疲労が明日からの走りに影響すると思う。
総合4位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
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3つの長い峠を結んだ厳しいステージ。終盤の失速を恐れて、誰もが早めのアタックを躊躇していた。そこまで調子が良いとは言えない状態だったけど生き延びた。良い形でステージを乗り切ることができたと思う。ガリビエ峠の下りでアラフィリップが追い付いてきてからは、先行するベルナルとのタイム差を詰めることに専念した。リスクを負いすぎることなく攻めたよ。
総合5位 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
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平均的な結果に終わった。リードを奪うことができないこんな日もある。今日の目標は総合上位の選手たちから遅れないこと。とても強力なエガン・ベルナルには付いていくことができなかった。トーマスも大きなアタックを繰り出したけど頂上までに捕まえることができた。明日からは2つの山頂フィニッシュが続く。今日よりももっと多くのことが起こるはず。明日はもっと良い感触で走りたい。
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