冴え渡るスプリント力でマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)がジロ・ローザ最終ステージを制覇し、今大会勝利数を4に。アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)が総合成績、ポイント賞、山岳賞を総ナメにし、途中のアタック合戦に加わった與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)も4度目のジロを完走した。



全身ピンクでコーディネートしたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)全身ピンクでコーディネートしたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos最終ステージに挑む與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)最終ステージに挑む與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ) (c)CorVos


ここまで10日間続いた女子ロードレースの最高峰、ジロ・ローザ(UCIウィメンズワールドツアー)もいよいよ最終日。サン・ヴィート・アル・タリアメントからウディネに向かう120kmのコースはそのほとんどが平坦だが、終盤に小高い丘と言って差し支えない3級山岳(登坂距離700m/平均勾配6.5%)と、登坂フィニッシュが用意されていることがアクセント。

個人総合成績、山岳賞、そしてポイント賞で首位に立つアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)を先頭に、122名がフィニッシュへ向けてスタートを切った。

ミッチェルトン・スコットがコントロールを行うメイン集団から飛び出したのは14名。ロッテ・コペツキー(ベルギー、ロット・スーダル)や、一昨日逃げ切りを決めたエリザベス・バンクス(イギリス、ビグラプロサイクリング)らも逃げに加わったものの、大人数でのエスケープを嫌った集団によって引き戻される。続いて飛び出したアリーチェ・ガスパリーニ(イタリア、ユーロターゲット・ビアンキ・ビクトリア)も1分以上のリードを得ることは叶わず、50km以上を残して吸収された。

続いて與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)とバンクスが飛び出したものの決まらず、続いたチームメイトのロミー・カスパー(ドイツ、アレ・チポッリーニ)とアンナ・プリフタ(ポーランド、トレック・セガフレード)が1分程度のリードを得る。しかしマリアンヌ・フォス(オランダ)の勝利を狙うCCC・リブがメイン集団を牽引し、モビスターがペースアップしたため、残り15kmで二人の逃げに終止符が打たれた。

フィニッシュへの石畳勾配を駆け上がるマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)らフィニッシュへの石畳勾配を駆け上がるマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)ら (c)CorVos
後続を大きく引き離してフィニッシュするマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)後続を大きく引き離してフィニッシュするマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) (c)CorVos
ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ)とロッテ・コペツキー(ベルギー、ロット・スーダル)の追撃は届かずルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ)とロッテ・コペツキー(ベルギー、ロット・スーダル)の追撃は届かず (c)CorVosジロ・ローザ連覇を決めたアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンスサイクリング)ジロ・ローザ連覇を決めたアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンスサイクリング) (c)CorVos


終盤の登坂区間でオード・ビアニック(フランス、モビスター)が独走に持ち込んだが、ウディネ市街地に突入する残り1kmで飲み込まれる。細かいターンを経て、フィニッシュラインが引かれた石畳登坂が始まると、好位置に付けていたフォスが勢いよく最終コーナーを抜けてそのままスプリントを開始する。爆発的な加速にカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)やルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ)は距離を詰められず、フィニッシュ手前までもがき抜いたフォスがステージ4勝目を達成。ペースを落とし、21番手でフィニッシュしたファンフルーテンが2年連続のジロ・ローザ制覇を成し遂げた。

「また総合優勝できるなんて本当にクール。特に昨年よりも調子よく感じていたのでなおさら。今日はチームメンバー全員が私の周りでサポートをしてくれたこともあってリラックスできていた。昨年がジロ初勝利で、今年も優勝できたことは本当にスペシャルなこと。チームとして100%の準備を重ね、今回の勝利はその結果が実ったもの。ワンデーレースは自分の力だけで勝つことなくはないけれど、ステージレースはそうじゃない。だからこそマリアローザは特別で、美しい存在」と、2度目の総合優勝を収めたファンフルーテンは語っている。

今大会ステージ4勝目を挙げたマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ)今大会ステージ4勝目を挙げたマリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) (c)CorVos
総合表彰台。ミッチェルトン・スコットがワンスリー、オランダ勢がワンツー勝利を飾った総合表彰台。ミッチェルトン・スコットがワンスリー、オランダ勢がワンツー勝利を飾った (c)CorVos
また、與那嶺はステージ81位、総合74位で4年連続となるジロ・ローザを完走している。


ジロ・ローザ2019第10ステージ結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) 2:51:45
2位 ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ) 0:01
3位 ロッテ・コペツキー(ベルギー、ロット・スーダル)
4位 ソラヤ・パラディン(イタリア、アレ・チポッリーニ) 0:04
5位 カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)
6位 アシュレー・ムールマン(南アフリカ、CCC・リブ) 0:06
7位 エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) 0:07
8位 デミ・フォラーイング(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク) 0:09
9位 ラサ・レレイヴィテ(リトアニア、アロミタリア・ヴァイアノ)
10位 アリアンナ・フィダンツァ(イタリア、ユーロターゲット・ビアンキ・ビクトリア) 0:10
個人総合成績
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 25:01:41
2位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンスサイクリング) 3:45
3位 アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 6:55
4位 アシュレー・ムールマン(南アフリカ、CCC・リブ) 7:54
5位 カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) 7:57
6位 ルシンダ・ブラント(オランダ、サンウェブ) 8:01
7位 ケイティ・ホール(アメリカ、ブールスドルマンスサイクリング) 8:16
8位 エリザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) 8:19
9位 ソラヤ・パラディン(イタリア、アレ・チポッリーニ) 9:13
10位 エリカ・マグナルディ(イタリア、WNT・ロータープロサイクリング) 9:31
ポイント賞
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 74pts
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、CCC・リブ) 68pts
3位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、ブールスドルマンスサイクリング) 54pts
山岳賞
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 47pts
2位 ソフィー・デブイスト(ベルギー、パークホテル・ファルケンブルク) 29pts
3位 アマンダ・スプラット(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 22pts
ヤングライダー賞
1位 ジュリエット・ラボウ(フランス、サンウェブ) 25:11:32
2位 パウラ・パティノ(コロンビア、モビスター) 7:50
3位 エヴィタ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) 10:36
チーム総合成績
1位 WNT・ロータープロサイクリング 74:31:45
2位 ミッチェルトン・スコット 0:21
3位 キャニオン・スラム 12:52
text:So.Isobe
photo:CorVos

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