2010/04/20(火) - 16:16
「北のクラシック」で大活躍したサクソバンクは、その勢いを「アルデンヌ・クラシック」に繋げたい考え。アムステル・ゴールドレースでサクソバンクは再びチームとして存在感を見せつけ、フランク・シュレク(ルクセンブルク)が6位に。続く2戦で更なる活躍を誓うシュレク兄弟の兄フランクに、グレゴー・ブラウンが訊いた。
「いいレースだったと思う。でも勝負は最後のカウベルグで決まった」。優勝者フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)から遅れること7秒、6番手でカウベルグを上り切ったフランクは、息を整えながらそう語った。
「今日はサクソバンクのチームメイトたちが一日中コントロールを担っていた。チームとして素晴らしいパフォーマンスを発揮出来たと思う。そして終盤にアンディと僕がアタック。なかなかクールな光景だった。2人ともその走りには満足している」。
「確かに表彰台にも上れない結果になったけど、何も後悔していることなんて無い。ただ少し運が足りなかったんだ。とにかく素晴らしいレースだった」。
ゴールの21km手前に位置するアイゼルボスウェグで、有力選手の中から最初にアタックを仕掛けたのはアシスト役のアンディだ。弟の先行により自ら動く必要が無くなったフランクは、ジルベールを始めとするライバルたちを徹底的にマーク。力をセーブしながら6名の有力グループに入ることに成功した。
後続集団が追いついてレースがフリダシに戻ると、今度はゴール15km手前のケウテンベルグでフランクが自らアタック。これに追いついたのはジルベール、ダミアーノ・クネゴ(ランプレ)、セルゲイ・イワノフ(カチューシャ)。ここからイワノフのチームメイトであるアレクサンドル・コロブネフ(カチューシャ)が単独アタックを成功させた。
「コロブネフを追走する4人(フランク、クネゴ、ジルベール、イワノフ)は協調体制を築けなかった。チームメイトが逃げている理由でイワノフは先頭交代を拒否。後続集団にアンディが残っていたから、自分も追走グループを牽く必要が無かった。それらの牽制が重なって、後続集団に追いつかれてしまったんだ」。
「難しい判断だった。そのまま4人でのスプリント勝負に持ち込まれていれば、ジルベールとクネゴに負けていただろう。でも表彰台には上れたはずだ」。
フランクはカウベルグをジルベールから7秒遅れで上り切り、257.8kmのレースを締めくくった。アンディは17秒遅れでレースを終えている。
2人は次のフレーシュ・ワロンヌとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに向けて準備万端。フランクは「このアムステルで、次の2戦に向けて大きな自信を得たよ。少なくともどちらかで優勝出来ると確信している。それを今日証明することが出来た」と自信満々のコメントを残している。
昨年のリエージュで、アンディはラスト18km地点に位置する平均勾配9.9%のラ・ロッシュ・オ・フォーコンでアタックを成功させ、先行していたジルベールを抜き去って独走。追走グループを1分以上引き離す圧倒的な走りで優勝した。
「アンディは今年も強い」。最後にフランクは他チームにそう警告した。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos, Kei Tsuji
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
「いいレースだったと思う。でも勝負は最後のカウベルグで決まった」。優勝者フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)から遅れること7秒、6番手でカウベルグを上り切ったフランクは、息を整えながらそう語った。
「今日はサクソバンクのチームメイトたちが一日中コントロールを担っていた。チームとして素晴らしいパフォーマンスを発揮出来たと思う。そして終盤にアンディと僕がアタック。なかなかクールな光景だった。2人ともその走りには満足している」。
「確かに表彰台にも上れない結果になったけど、何も後悔していることなんて無い。ただ少し運が足りなかったんだ。とにかく素晴らしいレースだった」。
ゴールの21km手前に位置するアイゼルボスウェグで、有力選手の中から最初にアタックを仕掛けたのはアシスト役のアンディだ。弟の先行により自ら動く必要が無くなったフランクは、ジルベールを始めとするライバルたちを徹底的にマーク。力をセーブしながら6名の有力グループに入ることに成功した。
後続集団が追いついてレースがフリダシに戻ると、今度はゴール15km手前のケウテンベルグでフランクが自らアタック。これに追いついたのはジルベール、ダミアーノ・クネゴ(ランプレ)、セルゲイ・イワノフ(カチューシャ)。ここからイワノフのチームメイトであるアレクサンドル・コロブネフ(カチューシャ)が単独アタックを成功させた。
「コロブネフを追走する4人(フランク、クネゴ、ジルベール、イワノフ)は協調体制を築けなかった。チームメイトが逃げている理由でイワノフは先頭交代を拒否。後続集団にアンディが残っていたから、自分も追走グループを牽く必要が無かった。それらの牽制が重なって、後続集団に追いつかれてしまったんだ」。
「難しい判断だった。そのまま4人でのスプリント勝負に持ち込まれていれば、ジルベールとクネゴに負けていただろう。でも表彰台には上れたはずだ」。
フランクはカウベルグをジルベールから7秒遅れで上り切り、257.8kmのレースを締めくくった。アンディは17秒遅れでレースを終えている。
2人は次のフレーシュ・ワロンヌとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュに向けて準備万端。フランクは「このアムステルで、次の2戦に向けて大きな自信を得たよ。少なくともどちらかで優勝出来ると確信している。それを今日証明することが出来た」と自信満々のコメントを残している。
昨年のリエージュで、アンディはラスト18km地点に位置する平均勾配9.9%のラ・ロッシュ・オ・フォーコンでアタックを成功させ、先行していたジルベールを抜き去って独走。追走グループを1分以上引き離す圧倒的な走りで優勝した。
「アンディは今年も強い」。最後にフランクは他チームにそう警告した。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos, Kei Tsuji
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。