2019/06/30(日) - 00:18
富士スピードウェイでの全日本選手権ロード2日目。男子U23は、最後のホームストレートで仕掛けた武山晃輔(チーム右京)が初優勝。僅差の2位に沢田桂太郎、3位に今村駿介(共にチームブリヂストンサイクリング)が入った。
朝からコース上に濃霧が立ち込めた全日本ロード2日目。午前中に予定された男子U23はスタート時間を1時間遅らせて午前9時スタート、4周減の10.8km×11周の計119km、最初の1周はパレードとして2周目からリアルスタートに変更された。
リアルスタート直後からアタックが繰り返されるが、タイム差が広がる前に吸収されていく。2周目のダンロップコーナーで、メイン集団後方で落車が発生。これに昨年2位の松田祥位(EQADS)が巻き込まれる。松田は再スタートするが、集団に復帰できずタイムアウトとなってしまう。
その後は昨年優勝の石上優大(AVC AIX EN PROVENCE)、今村駿介、沢田桂太郎(共にチームブリヂストンサイクリング)らが集団前方で積極的に動くが、決定的な動きには繋がらない。集団は人数を減らしながら周回を重ねる。
レース終盤、小野寛斗(早稲田大学)が単独で抜け出して8周目に入る。メイン集団との差は1分近くまで開いたところで、今村、武山晃輔(チーム右京)らを含む5人が追走。9周目に小野に追いつく。しかしメイン集団も差を詰め、先行する6人を吸収して勝負を振り出しに戻す。
その後は散発的な飛び出しがあるものの決定的な動きにつながらないまま最終周回の11周目に入る。1人の飛び出しを残り1kmを前に集団が吸収し、そのままホームストレートへ。
ロングスパートを仕掛けた武山に対し、「動くと予想してマークしていた」と言う沢田が反応。急に降り出した大雨の中、フィニッシュライン上で2人がハンドルを投げ合う。勝ったのは武山。僅差で敗れた沢田が表情を歪めた。
日本大学4年の武山は、大学の自転車部での活動と平行して2018年からチーム右京に所属し、国内外のUCIレースに出場する。これまで2016年のいわて国体ロードレース、2017年の大学選手権ロードレースとインカレロードで優勝。大学4年間ずっと狙っていたという全日本ロードのタイトルを今年手にした。
奇しくも、上位3名は大学と並行してUCIコンチネンタルチームに所属する選手となった。2位沢田は日本大学、3位今村は中央大学。ジャージは違うが、結果として日大のワン・ツーとなった。
男子U23優勝 武山晃輔(チーム右京)コメント
「毎回怪我をしたり体調悪かったりしたんですけど、今年は万全のいい流れで来ていて、獲れるぞと言う根拠のある自信を持って臨んで、しっかり勝つことが出来たので嬉しいです。
コースはイメージしていたよりは走ってるだけでも辛い、脚にくると言う印象でした。集団にいても前の10人20人くらいしかアドバンテージがない感じで、後ろは常にインターバルかかってる感じだったので、逃げられたらなと思っていました。そのタイミングで残り3周くらいに一瞬逃げて今村を含む5〜6人で回れたんですが、結局逃してもらえず、基本的にはずっと集団にいて展開していました。逃げたいと言う思いを持ちつつもうまく展開を作っていくことが出来ず、後半は無理なのかなと諦め半分な気持ちもありました。
ただ、勝ってる時は自分が攻めてる時なので、最後は自分の力を出し切るだけと飛び出しました。その時の今村選手の反応が最初良くなかったので、調子に乗って踏んだところまでは良かったんですけど、直線に入ったらもう脚がきつくて。スローパンクしてるんじゃないかなと思うくらいタイヤが回らない感覚もありつつ、差されるんじゃないかと言う不安もありながら、どうにか踏めるだけ踏み切って、1位でゴールラインを通過することが出来ました。今回はU23の中での優勝と言うことで、上を見れば長い道のりがこの先に待っているので、エリートでも活躍出来る選手になっていきたいと思います」
2位 沢田桂太郎(チームブリヂストンサイクリング)コメント
「レース中はチームメイトの今村と協調しながら、渡邉歩選手や石上優大選手など、国内外の強い選手達の動きを見ながら動いていました。ただ、基本的には自分からは脚を使わないように、大きな逃げを作らないよう意識して走ってました。
最後はまとめてスプリントに持ち込もうと思ったんですけど、案の定武山が飛び出して。すぐ反応することはできたんですけど、一瞬差が開いてしまって、最後追い込みきれずに2位と言う結果に終わってしまいました。U23はあと1年残っているので、来年は全日本と、日大の方ではインカレのタイトルを狙いに行きたいと思っています」
3位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)コメント
「一昨日TTで勝って、力があることがわかって自信がついてきたので、今度はどれだけ自分の力がロードで出せて、また勝ちを狙っていけるのかと言うのを自分の中で確認しようと思って今日は走りました。
前日には珍しくロードレースの夢を見るくらいこのレースにいつの間にか賭けていたんですけど、最後は一発の出し切る力を残すことができず、3位と言う結果になってしまい、悔しい気持ちでいっぱいです。
チームブリヂストンサイクリングはチーム内の選手たちが強いので、まず先輩方に追いつけるように、いずれエリートの全日本タイトルを獲れるように、他のロードレースでもしっかり走れるように、頑張りたいと思います」
朝からコース上に濃霧が立ち込めた全日本ロード2日目。午前中に予定された男子U23はスタート時間を1時間遅らせて午前9時スタート、4周減の10.8km×11周の計119km、最初の1周はパレードとして2周目からリアルスタートに変更された。
リアルスタート直後からアタックが繰り返されるが、タイム差が広がる前に吸収されていく。2周目のダンロップコーナーで、メイン集団後方で落車が発生。これに昨年2位の松田祥位(EQADS)が巻き込まれる。松田は再スタートするが、集団に復帰できずタイムアウトとなってしまう。
その後は昨年優勝の石上優大(AVC AIX EN PROVENCE)、今村駿介、沢田桂太郎(共にチームブリヂストンサイクリング)らが集団前方で積極的に動くが、決定的な動きには繋がらない。集団は人数を減らしながら周回を重ねる。
レース終盤、小野寛斗(早稲田大学)が単独で抜け出して8周目に入る。メイン集団との差は1分近くまで開いたところで、今村、武山晃輔(チーム右京)らを含む5人が追走。9周目に小野に追いつく。しかしメイン集団も差を詰め、先行する6人を吸収して勝負を振り出しに戻す。
その後は散発的な飛び出しがあるものの決定的な動きにつながらないまま最終周回の11周目に入る。1人の飛び出しを残り1kmを前に集団が吸収し、そのままホームストレートへ。
ロングスパートを仕掛けた武山に対し、「動くと予想してマークしていた」と言う沢田が反応。急に降り出した大雨の中、フィニッシュライン上で2人がハンドルを投げ合う。勝ったのは武山。僅差で敗れた沢田が表情を歪めた。
日本大学4年の武山は、大学の自転車部での活動と平行して2018年からチーム右京に所属し、国内外のUCIレースに出場する。これまで2016年のいわて国体ロードレース、2017年の大学選手権ロードレースとインカレロードで優勝。大学4年間ずっと狙っていたという全日本ロードのタイトルを今年手にした。
奇しくも、上位3名は大学と並行してUCIコンチネンタルチームに所属する選手となった。2位沢田は日本大学、3位今村は中央大学。ジャージは違うが、結果として日大のワン・ツーとなった。
男子U23優勝 武山晃輔(チーム右京)コメント
「毎回怪我をしたり体調悪かったりしたんですけど、今年は万全のいい流れで来ていて、獲れるぞと言う根拠のある自信を持って臨んで、しっかり勝つことが出来たので嬉しいです。
コースはイメージしていたよりは走ってるだけでも辛い、脚にくると言う印象でした。集団にいても前の10人20人くらいしかアドバンテージがない感じで、後ろは常にインターバルかかってる感じだったので、逃げられたらなと思っていました。そのタイミングで残り3周くらいに一瞬逃げて今村を含む5〜6人で回れたんですが、結局逃してもらえず、基本的にはずっと集団にいて展開していました。逃げたいと言う思いを持ちつつもうまく展開を作っていくことが出来ず、後半は無理なのかなと諦め半分な気持ちもありました。
ただ、勝ってる時は自分が攻めてる時なので、最後は自分の力を出し切るだけと飛び出しました。その時の今村選手の反応が最初良くなかったので、調子に乗って踏んだところまでは良かったんですけど、直線に入ったらもう脚がきつくて。スローパンクしてるんじゃないかなと思うくらいタイヤが回らない感覚もありつつ、差されるんじゃないかと言う不安もありながら、どうにか踏めるだけ踏み切って、1位でゴールラインを通過することが出来ました。今回はU23の中での優勝と言うことで、上を見れば長い道のりがこの先に待っているので、エリートでも活躍出来る選手になっていきたいと思います」
2位 沢田桂太郎(チームブリヂストンサイクリング)コメント
「レース中はチームメイトの今村と協調しながら、渡邉歩選手や石上優大選手など、国内外の強い選手達の動きを見ながら動いていました。ただ、基本的には自分からは脚を使わないように、大きな逃げを作らないよう意識して走ってました。
最後はまとめてスプリントに持ち込もうと思ったんですけど、案の定武山が飛び出して。すぐ反応することはできたんですけど、一瞬差が開いてしまって、最後追い込みきれずに2位と言う結果に終わってしまいました。U23はあと1年残っているので、来年は全日本と、日大の方ではインカレのタイトルを狙いに行きたいと思っています」
3位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)コメント
「一昨日TTで勝って、力があることがわかって自信がついてきたので、今度はどれだけ自分の力がロードで出せて、また勝ちを狙っていけるのかと言うのを自分の中で確認しようと思って今日は走りました。
前日には珍しくロードレースの夢を見るくらいこのレースにいつの間にか賭けていたんですけど、最後は一発の出し切る力を残すことができず、3位と言う結果になってしまい、悔しい気持ちでいっぱいです。
チームブリヂストンサイクリングはチーム内の選手たちが強いので、まず先輩方に追いつけるように、いずれエリートの全日本タイトルを獲れるように、他のロードレースでもしっかり走れるように、頑張りたいと思います」
男子U23 結果(10.8kmx11周=119km)
1位 | 武山晃輔(チーム右京) | 3時間7分33秒 |
2位 | 沢田桂太郎(チームブリヂストンサイクリング) | |
3位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | +8秒 |
4位 | 花田聖誠(Team Uerasia - IRC TIRE) | |
5位 | 石原悠希(インタープロサイクリングアカデミー) | |
6位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | |
7位 | 小出樹(京都産業大学) | |
8位 | 片桐東次郎(日本大学) | +11秒 |
9位 | 石上優大(AVC AIX EN PROVENCE) | +13秒 |
10位 | 中村魁斗(那須ブラーゼン) | +14秒 |
text&photo: Satoru KATO, Yuichiro HOSODA, Makoto AYANO
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