2010/04/17(土) - 11:38
2010年4月16日に行なわれたツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)第6ステージで、再び土井雪広(日本、スキル・シマノ)がアタック。再び強豪選手たちに肩を並べる走りを見せた土井だったが、結果的に山岳アタックはどれも吸収。アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)が集団スプリントで4勝目をマークした。
1級と2級のカテゴリー山岳が設定された第6ステージ。この日も土井雪広は序盤のアタックに反応し、5名の逃げグループに入った。
しかし土井は総合で2分46秒遅れの6位のため、リーダージャージ擁するISD・ネーリはスピードを弱めずに追走。同じ逃げグループに入ったのはチームメイトのフレデリク・ウィルマン(ノルウェー、スキル・シマノ)やクリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス)ら。土井は監督の指示でメイン集団に戻った。
土井の後退で4名に絞られた逃げグループは、メイン集団から4分30秒のリードを稼ぎ出して最初の2級山岳をクリア。このまま4名が逃げ、メイン集団が後半に追い上げる展開に持ち込まれると予想されたが、ここからコフィディスの攻撃が始まった。
次の1級山岳(ゴール67km手前)までの区間でまずはアマエル・モワナール(フランス、コフィディス)がアタックを仕掛け、続いてダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)がアタック。これにはリーダージャージを着るジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)や総合2位タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)、そして土井が食らいつく。
モンクティエはアタックを繰り返したがヴィスコンティは遅れない。土井も有力グループの中で走り、1級山岳をクリアした。
先頭ではウィルマンとケルヌの2人が飛び出した状態に。これを5分遅れでISD・ネーリがコントロールする20名ほどのメイン集団が追う展開。1級山岳で遅れていたアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)がこの集団に合流したため、チームHTC・コロンビアも集団牽引に加わった。
ゴールまで40kmを残してタイム差は3分52秒、20kmで2分40秒、15kmで1分58秒、10kmで1分30秒。協力して逃げ続けるウィルマンとケルヌを、チームHTC・コロンビアが猛烈な勢いで追い上げる。ラスト5kmでタイム差43秒。ラスト1kmを切ると、すぐ後方に集団が迫った。
諦めずにアタックしたケルヌが独走に持ち込み、メイン集団からはリーダージャージのヴィスコンティがロングスパートを仕掛けてケルヌに合流。しかしヴィスコンティは徐々に失速し、スプリントで先行したマヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)の後方から飛び出したグライペルが先頭に。力強いスプリントを見せたポイント賞ジャージの大男が、この日も先頭でゴールを駆け抜けた。
グライペルは今大会ステージ4勝目。スプリント勝負では敵無しの強さを見せている。しかもこの日はライバルスプリンターたちが山岳で苦戦する中、遅れながらもペース走で集団に復帰する粘り強さを見せた。
今シーズン10勝目を飾ったグライペル。チームに帯同しているヤン・シャフラート監督も、グライペルの走りに驚いている様子だ。「正直言うと、今日は前半に山岳が設定されていたから、集団スプリントに持ち込まれるとは思っていなかった。最後は我々の働きで何とか逃げを吸収。チーム全体が、特に若い選手たちの働きが素晴らしかった」。
土井はメイン集団内の19位でゴール。山岳で遅れないばかりか、自ら動く積極的な走りで総合6位をキープしている。
土井は自身のブログの中で「今日もアタック!総合6位なのにアタック!またユキが逃げてるの?って集団ではみんなの笑いものだよ。1級山岳でのモンクティエのアタックは強烈だった。彼のスピードは何なんだろう??アタックについていってからは、心臓が胸を突き破って出てくるんじゃないかっていうぐらい追い込んだ。あと2日だ。流石に疲れてる…。(総合6位を)守れるかな…。」とコメントしている。
ツアー・オブ・ターキーは残り2ステージ。翌第7ステージはゴール80km手前に2級山岳が設定された今大会最後の山岳ステージだ。
レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ツアー・オブ・ターキー2010第6ステージ
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) 5h01'22"
2位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、リクイガス)
3位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
4位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)
5位 レネ・ハーゼルバッハー(オーストリア、フォアアールベルク・コラテック)
6位 オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ)
7位 アダム・シニコ(ポーランド、CCCポルサット・ポルコウィチェ)
8位 ジャイロ・エルメティ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
9位 ユベール・シュワブ(スイス、フォアアールベルク・コラテック)
10位 カーレ・クリット(エストニア、コフィディス)
19位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
個人総合成績
1位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) 26h08'30"
2位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア) +16"
3位 ダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス) +27"
4位 ジャンパオロ・ケウラ(イタリア、フットオン・セルヴェット) +48"
5位 クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック) +1'42"
6位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) +2'46"
7位 オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ) +3'42"
8位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) +4'20"
9位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス) +4'59"
10位 クリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス) +5'07"
ポイント賞
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) 53pts
22位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) 12pts
山岳賞
1位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス) 21pts
4位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) 10pts
チーム総合成績
ISD・ネーリ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
1級と2級のカテゴリー山岳が設定された第6ステージ。この日も土井雪広は序盤のアタックに反応し、5名の逃げグループに入った。
しかし土井は総合で2分46秒遅れの6位のため、リーダージャージ擁するISD・ネーリはスピードを弱めずに追走。同じ逃げグループに入ったのはチームメイトのフレデリク・ウィルマン(ノルウェー、スキル・シマノ)やクリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス)ら。土井は監督の指示でメイン集団に戻った。
土井の後退で4名に絞られた逃げグループは、メイン集団から4分30秒のリードを稼ぎ出して最初の2級山岳をクリア。このまま4名が逃げ、メイン集団が後半に追い上げる展開に持ち込まれると予想されたが、ここからコフィディスの攻撃が始まった。
次の1級山岳(ゴール67km手前)までの区間でまずはアマエル・モワナール(フランス、コフィディス)がアタックを仕掛け、続いてダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)がアタック。これにはリーダージャージを着るジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)や総合2位タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)、そして土井が食らいつく。
モンクティエはアタックを繰り返したがヴィスコンティは遅れない。土井も有力グループの中で走り、1級山岳をクリアした。
先頭ではウィルマンとケルヌの2人が飛び出した状態に。これを5分遅れでISD・ネーリがコントロールする20名ほどのメイン集団が追う展開。1級山岳で遅れていたアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)がこの集団に合流したため、チームHTC・コロンビアも集団牽引に加わった。
ゴールまで40kmを残してタイム差は3分52秒、20kmで2分40秒、15kmで1分58秒、10kmで1分30秒。協力して逃げ続けるウィルマンとケルヌを、チームHTC・コロンビアが猛烈な勢いで追い上げる。ラスト5kmでタイム差43秒。ラスト1kmを切ると、すぐ後方に集団が迫った。
諦めずにアタックしたケルヌが独走に持ち込み、メイン集団からはリーダージャージのヴィスコンティがロングスパートを仕掛けてケルヌに合流。しかしヴィスコンティは徐々に失速し、スプリントで先行したマヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)の後方から飛び出したグライペルが先頭に。力強いスプリントを見せたポイント賞ジャージの大男が、この日も先頭でゴールを駆け抜けた。
グライペルは今大会ステージ4勝目。スプリント勝負では敵無しの強さを見せている。しかもこの日はライバルスプリンターたちが山岳で苦戦する中、遅れながらもペース走で集団に復帰する粘り強さを見せた。
今シーズン10勝目を飾ったグライペル。チームに帯同しているヤン・シャフラート監督も、グライペルの走りに驚いている様子だ。「正直言うと、今日は前半に山岳が設定されていたから、集団スプリントに持ち込まれるとは思っていなかった。最後は我々の働きで何とか逃げを吸収。チーム全体が、特に若い選手たちの働きが素晴らしかった」。
土井はメイン集団内の19位でゴール。山岳で遅れないばかりか、自ら動く積極的な走りで総合6位をキープしている。
土井は自身のブログの中で「今日もアタック!総合6位なのにアタック!またユキが逃げてるの?って集団ではみんなの笑いものだよ。1級山岳でのモンクティエのアタックは強烈だった。彼のスピードは何なんだろう??アタックについていってからは、心臓が胸を突き破って出てくるんじゃないかっていうぐらい追い込んだ。あと2日だ。流石に疲れてる…。(総合6位を)守れるかな…。」とコメントしている。
ツアー・オブ・ターキーは残り2ステージ。翌第7ステージはゴール80km手前に2級山岳が設定された今大会最後の山岳ステージだ。
レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ツアー・オブ・ターキー2010第6ステージ
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) 5h01'22"
2位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、リクイガス)
3位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
4位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)
5位 レネ・ハーゼルバッハー(オーストリア、フォアアールベルク・コラテック)
6位 オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ)
7位 アダム・シニコ(ポーランド、CCCポルサット・ポルコウィチェ)
8位 ジャイロ・エルメティ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
9位 ユベール・シュワブ(スイス、フォアアールベルク・コラテック)
10位 カーレ・クリット(エストニア、コフィディス)
19位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
個人総合成績
1位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) 26h08'30"
2位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア) +16"
3位 ダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス) +27"
4位 ジャンパオロ・ケウラ(イタリア、フットオン・セルヴェット) +48"
5位 クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック) +1'42"
6位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) +2'46"
7位 オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ) +3'42"
8位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) +4'20"
9位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス) +4'59"
10位 クリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス) +5'07"
ポイント賞
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) 53pts
22位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) 12pts
山岳賞
1位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス) 21pts
4位 土井雪広(日本、スキル・シマノ) 10pts
チーム総合成績
ISD・ネーリ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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