ダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)の劇的な逃げ切り勝利が決まったジロ第18ステージのコメント集。逃げメンバーや、僅かに届かなかったスプリンター勢、最後の勝負に挑む総合勢らの言葉をピックアップ。



ステージ優勝:ダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)

ステージ優勝を飾ったダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)ステージ優勝を飾ったダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) photo:Kei Tsuji
チームをアピールすることが自分の役目。長時間アピールすることに加えて今日はステージ優勝することができた。自分の身に起きたことが信じられない。このジロでは何キロも逃げ続けてきた。逃げ切りなんて起こらないと思いながらも、今日こうして逃げ切ったんだ。一緒に逃げた2人に感謝したい。出来るだけ落ち着いて終盤に挑み、出来るだけ待ってから全開でスプリントしたんだ。そこからフィニッシュまで振り返らなかった。本当に信じられないし、人生の夢がかなった気分だ。

共に逃げたミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF)

平坦ステージを逃げるダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)ら3名平坦ステージを逃げるダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)ら3名 photo:CorVos
ものすごく後悔している。ジロのステージ優勝にあそこまで迫ったことは初めてのことだった。自分には2つの選択肢があった。負けるか勝つかというリスクだ。自分は選んだのは2番目。事前情報ではデンツが強く、スプリントになればチーマ。デンツが仕掛けた時に反応することに躊躇はなかった。メイン集団も迫ってきていたので"これはぎりぎりの勝負になる"と分かっていたし、躊躇うことは致命傷に繋がる。後ろからチーマにやられると分かっていたけれど、本能に従って動いたんだ。ゴール300m手前でリードしているなんて、とても美しい瞬間だった。

ステージ2位:パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

ステージ優勝には届かなかったものの、マリアチクラミーノを奪還して笑顔のパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)ステージ優勝には届かなかったものの、マリアチクラミーノを奪還して笑顔のパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
タイトな戦いになるだろうと思っていた。チームメイトは1日中精一杯働いてくれたので、2位という結果はあまりにも悔しかった。でもマリアチクラミーノを取り返せたと気づいた時は、僕にとってもチームにとっても素晴らしい瞬間だった。でもまだ手に収めたわけじゃない。これから生き残ることが大切な難関ステージがまだ3つも残っている。でも今はマリアチクラミーノが嬉しい。全力で守っていきたい。

ステージ3位:シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)

パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)を振り切ったダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)を振り切ったダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) photo:Kei Tsuji
例え逃げを捉えられなかったとしても3位という結果は悪いものじゃない。結果に満足しているよ。もうジロは最終週に入っているけれど、それでも自分のスプリントは良かった。ここまでのジロはかなりタフ。チームは最初ガビリアのスプリントのために働き、コンティとポランツェがマリアローザを着用したことで大きく戦略が変わった。大変だったけれど、この経験は向上心を持つ選手として一つのステップになった。今回の結果は自分の目標に対して自信となってくれる。

マリアチクラミーノを失ったアルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)

またしても勝つことができなかった。本当に残念だ。自分のスプリントができなかったし、結果にも満足できていない。マリアチクラミーノを失ってしまったことも残念だ。このためにチームとして全力を尽くしてきたのに。

マリアローザ:リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)

マリアローザを着て2連続山頂フィニッシュに挑むリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)マリアローザを着て2連続山頂フィニッシュに挑むリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) photo:Kei Tsuji
コースプロフィール的にはイージーに見えたものの、逃げが決まるまでの序盤は非常に激しい展開だったし、最終盤も緊張感が高くストレスフルだった。今大切なことは、今日も好調のままステージを終えることができたということと、チームの誰もが落車やメカトラ、身体の違和感なく終えることができたこと。明日は試練の1日。今は残る3日間のどれもが重要だと捉えている。そして何よりも上手く乗り越えられると思っているんだ。集中してレースに挑み、ベストを尽くしてマリアローザを獲りたい。

総合2位:ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

これから2日間の山岳ステージがあり、さらにヴェローナでの個人TTも控えている。(ここまで走ってきた選手の)エネルギーは少ない状態。僕が失うものは何もなく、精神的にもとても落ち着いている。明日は登りだがそこまで厳しくない。土曜日のステージが勝負を分けることになるだろう。

総合3位:プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)

いつもより柔らかい表情で登場したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)いつもより柔らかい表情で登場したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) photo:Kei Tsuji
序盤はとにかくスピーディーな展開で厳しいものだった。逃げが決まってからは落ち着いたものの、それでも集中力を切らしてはならない。ここから最終日まではずっと緊張感の高い状態が続くだろう。調子自体は良くなってきている。まだクラッシュの影響が残っているけれど、チームとして何も諦めてはいない。最終日まで全力で戦っていく。

text:So.Isobe

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