2019/05/27(月) - 16:16
今年のツアー・オブ・ジャパンで活躍した日本人選手、個人総合7位の石橋学(チームブリヂストンサイクリング)。東京ステージ優勝の窪木一茂(チームチームブリヂストンサイクリング)、個人総合8位の小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)のコメントを紹介する。
個人総合7位 石橋学(チームブリヂストンサイクリング)
ハードなレースとなった伊豆ステージを9位で生き残り、日本人最上位の個人総合7位の結果を残した石橋学。2.1クラスになってからは、2013年に6位になった西薗良太(当時チャンピオンシステム・プロサインクリング)に次ぐ結果。8ステージとなってからは最高位だ。東京ステージスタート前に話を聞いた。
「伊豆のレースでは最初から厳しい展開になったので、総合上位勢の動きに任せ、人数が減って楽に回せるようになったので足を溜めることが出来ました。レース後半はペースが上がって人数が絞られてきて、個人総合で自分より上の順位の人達が後ろに残っていることがわかったので、タイム差を稼げるように自分がいる集団が止まらないようにと思って走りました。
登りのあるコースとか、ハードなレースは自分の得意なところですが、インターバルがかかるようなところは苦手なので、そこはチームメイトがカバーしてくれて自分の良さを発揮できるところまで温存してくれました。それがうまくハマってこの結果に結びついたと思っています。
ツアー・オブ・ジャパンはチームとして重要なレースなので、このレースを意識したスケジュールを組み、10日ほどの高地合宿をこなして臨みました。高地合宿は昨年個人的にやって効果を感じたので、チームに提案してやることにしました。今回もその効果が出たと思いますし、やって良かったと思います。
今回はプロツアーチームなど上位チームが来ないので混戦になって激しい展開になる分、いろんな人にチャンスがあると予想していました。そこで自分がチャンスを掴めたことは良かったと思います。
自分の個人総合と窪木(一茂)さんのステージ優勝をチームの目標として臨みました。今日(東京ステージ)もチャンスが残っているので、結果を残せたら最高になると思います」
東京ステージ優勝 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
最終ステージ、混戦のスプリント勝負を制したのは窪木一茂。後続に大きく差をつけ、発射台となった孫崎大樹が早々にガッツポーズしたほどの圧勝だった。南信州ステージではポイント賞ジャージを手放し、前日の伊豆ステージでは落車に巻き込まれる不運が続いたが、それらを帳消しにする勝利だった。
「実は南信州ステージで最後まで残れなかったことを引きずっていて、あそこで残ってスプリントしていればポイント賞ジャージを着て東京ステージを走れたと思うので、本当に残念です。
なかなか優勝出来なかったので、勝ったらなんて言おうかと考えていました。どこかのタイミングで「俺は日本人だ!!」って外国人選手に言ってやろうと思っていたんですけれど、圧倒的に勝てたのでその熱い感情が落ち着いてしまいましたね。
今日のレースは他の選手の動きは見ずに自分の走りに集中していました。むしろ他の選手が自分の動きを見てマークしていました。だから自分のペースでスプリントに入れので、勝利につながったと思います。
自分はトラック競技メインとなるのでロードレースに出る機会は減ると思いますが、若手選手に自分の知恵や走り方を教えて、チームとして1つでも多くの勝ち星を挙げられるようにしていきたいですね」
個人総合8位 小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)
ツアー・オブ・ジャパン初出場ながら、個人総合トップ10以内の結果を残した小林海。大会期間中は毎日のレースの感想をつぶやくツイッターが話題になった。所属チームのジョッティ・ヴィクトリア・パロマーも初出場だったが、南信州ステージで優勝したフェデリコ・ズルロがポイント賞を獲得するなど活躍を見せた。
「毎日緊張と多少の不安と共にスタートしていました。個人総合トップ10以内とステージ優勝を目標にスタートしたので、個人総合8位という結果でそのうちのひとつは達成できました。満足はしていないけれど、ホッとしています。ステージでは伊豆がキツかったですね。いなべもすごくキツかったですが、伊豆はもっとでした。楽しむことは出来なかったけれど、いい8日間になりました。
昨年の12月から、チームとツアー・オブ・ジャパンを走るという話をした時から、しっかり結果を出せるようにと思って落ち着いてやってきました。チームもそれを理解してくれて、シーズン序盤にコンディションが上がらなくても急かすこともなく、信頼してくれていました。それも今回の結果を出せた要因だと思っています。
チームも強いメンバーで勝ちにいくということを話していたので、ズルロも(リカルド)スタキオッティも今年勝っているので、ツアー・オブ・ジャパンでも勝てると思っていました。毎日逃げに乗って、登りに入ったら僕やズッロが動いて、中継見てくれた人や現地にお金かけて見に来てくれた人に面白いレースを見てもらえたと思います。ズルロが勝った南信州では僕が動く予定ではなかったけれど、応援してくれる人がいると我慢できなくなっちゃうので(笑)。日本で走る機会があまり無いので、僕も良いところを見せたかったので本当にすごく嬉しかったです。
この後は、ツール・ド・熊野と全日本選手権を走って、7月、8月はしっかり休ませてもらい、9月、10月の連戦に備えます。イタリアで僕向きのアップダウンのあるワンデーレースに出場する予定です。そこで結果を残したいですね」
個人総合10位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
富士山ステージで4位に入り、個人総合トップ3が見えていた増田。しかし翌日の伊豆ステージで不運な落車に巻き込まれ、一度はメイン集団に復帰したものの落車のダメージは大きく、順位を落とす結果となってしまった。最終ステージの出走も危ぶまれたがメイン集団内でフィニッシュし、個人総合10位で終えた。東京ステージ終了後、囲み取材に応じた。
「終わってホッとしています。昨日スタートするまでは完璧なプランでしたが、トラブルに巻き込まれてタイムを失うのもレースなので、諦めずにゴールしました。今日は痛み止めを飲んで走りましたが、耐えて完走したので、自分よく頑張ったなと思います。
昨日のレース後は、特に意識したわけではないけれど、あまり暗くならないようにと思って、今日のレースに切り替えてみんなでスプリントに向けてやっていこうとミーティングで話しました。チームの雰囲気は最高でした。みんなプロフェッショナルに自分の仕事をしてくれて、特に今回は僕が個人総合を狙うことをチームの目標としてきて、みんな自由に走れる機会が無かったけれど、それでもしっかりそれぞれの仕事をこなして助けてくれました。
だからこそ、託された自分が諦めたら全て終わってしまうので、自分自身このレースにかけて仕上げてきたので、こんなところで投げ出せない、そう思って昨日(伊豆ステージ)は走りました。
明日(5月27日)に精密検査を受けますが、多分どこか(骨が)折れていると思います。昨年京都ステージで落車した時よりも体は動くので、それよりは良いのかなと希望的観測で思っています。全日本選手権は検査の結果次第で決めます。劇的に良くなることは無いと思うので、今はまだ出場するのかはわからないです。でもしっかりリハビリして必ず帰ってきて強い自分を見せたいと思うので期待していてください」
text:Satoru Kato
個人総合7位 石橋学(チームブリヂストンサイクリング)
ハードなレースとなった伊豆ステージを9位で生き残り、日本人最上位の個人総合7位の結果を残した石橋学。2.1クラスになってからは、2013年に6位になった西薗良太(当時チャンピオンシステム・プロサインクリング)に次ぐ結果。8ステージとなってからは最高位だ。東京ステージスタート前に話を聞いた。
「伊豆のレースでは最初から厳しい展開になったので、総合上位勢の動きに任せ、人数が減って楽に回せるようになったので足を溜めることが出来ました。レース後半はペースが上がって人数が絞られてきて、個人総合で自分より上の順位の人達が後ろに残っていることがわかったので、タイム差を稼げるように自分がいる集団が止まらないようにと思って走りました。
登りのあるコースとか、ハードなレースは自分の得意なところですが、インターバルがかかるようなところは苦手なので、そこはチームメイトがカバーしてくれて自分の良さを発揮できるところまで温存してくれました。それがうまくハマってこの結果に結びついたと思っています。
ツアー・オブ・ジャパンはチームとして重要なレースなので、このレースを意識したスケジュールを組み、10日ほどの高地合宿をこなして臨みました。高地合宿は昨年個人的にやって効果を感じたので、チームに提案してやることにしました。今回もその効果が出たと思いますし、やって良かったと思います。
今回はプロツアーチームなど上位チームが来ないので混戦になって激しい展開になる分、いろんな人にチャンスがあると予想していました。そこで自分がチャンスを掴めたことは良かったと思います。
自分の個人総合と窪木(一茂)さんのステージ優勝をチームの目標として臨みました。今日(東京ステージ)もチャンスが残っているので、結果を残せたら最高になると思います」
東京ステージ優勝 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
最終ステージ、混戦のスプリント勝負を制したのは窪木一茂。後続に大きく差をつけ、発射台となった孫崎大樹が早々にガッツポーズしたほどの圧勝だった。南信州ステージではポイント賞ジャージを手放し、前日の伊豆ステージでは落車に巻き込まれる不運が続いたが、それらを帳消しにする勝利だった。
「実は南信州ステージで最後まで残れなかったことを引きずっていて、あそこで残ってスプリントしていればポイント賞ジャージを着て東京ステージを走れたと思うので、本当に残念です。
なかなか優勝出来なかったので、勝ったらなんて言おうかと考えていました。どこかのタイミングで「俺は日本人だ!!」って外国人選手に言ってやろうと思っていたんですけれど、圧倒的に勝てたのでその熱い感情が落ち着いてしまいましたね。
今日のレースは他の選手の動きは見ずに自分の走りに集中していました。むしろ他の選手が自分の動きを見てマークしていました。だから自分のペースでスプリントに入れので、勝利につながったと思います。
自分はトラック競技メインとなるのでロードレースに出る機会は減ると思いますが、若手選手に自分の知恵や走り方を教えて、チームとして1つでも多くの勝ち星を挙げられるようにしていきたいですね」
個人総合8位 小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)
ツアー・オブ・ジャパン初出場ながら、個人総合トップ10以内の結果を残した小林海。大会期間中は毎日のレースの感想をつぶやくツイッターが話題になった。所属チームのジョッティ・ヴィクトリア・パロマーも初出場だったが、南信州ステージで優勝したフェデリコ・ズルロがポイント賞を獲得するなど活躍を見せた。
「毎日緊張と多少の不安と共にスタートしていました。個人総合トップ10以内とステージ優勝を目標にスタートしたので、個人総合8位という結果でそのうちのひとつは達成できました。満足はしていないけれど、ホッとしています。ステージでは伊豆がキツかったですね。いなべもすごくキツかったですが、伊豆はもっとでした。楽しむことは出来なかったけれど、いい8日間になりました。
昨年の12月から、チームとツアー・オブ・ジャパンを走るという話をした時から、しっかり結果を出せるようにと思って落ち着いてやってきました。チームもそれを理解してくれて、シーズン序盤にコンディションが上がらなくても急かすこともなく、信頼してくれていました。それも今回の結果を出せた要因だと思っています。
チームも強いメンバーで勝ちにいくということを話していたので、ズルロも(リカルド)スタキオッティも今年勝っているので、ツアー・オブ・ジャパンでも勝てると思っていました。毎日逃げに乗って、登りに入ったら僕やズッロが動いて、中継見てくれた人や現地にお金かけて見に来てくれた人に面白いレースを見てもらえたと思います。ズルロが勝った南信州では僕が動く予定ではなかったけれど、応援してくれる人がいると我慢できなくなっちゃうので(笑)。日本で走る機会があまり無いので、僕も良いところを見せたかったので本当にすごく嬉しかったです。
この後は、ツール・ド・熊野と全日本選手権を走って、7月、8月はしっかり休ませてもらい、9月、10月の連戦に備えます。イタリアで僕向きのアップダウンのあるワンデーレースに出場する予定です。そこで結果を残したいですね」
個人総合10位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
富士山ステージで4位に入り、個人総合トップ3が見えていた増田。しかし翌日の伊豆ステージで不運な落車に巻き込まれ、一度はメイン集団に復帰したものの落車のダメージは大きく、順位を落とす結果となってしまった。最終ステージの出走も危ぶまれたがメイン集団内でフィニッシュし、個人総合10位で終えた。東京ステージ終了後、囲み取材に応じた。
「終わってホッとしています。昨日スタートするまでは完璧なプランでしたが、トラブルに巻き込まれてタイムを失うのもレースなので、諦めずにゴールしました。今日は痛み止めを飲んで走りましたが、耐えて完走したので、自分よく頑張ったなと思います。
昨日のレース後は、特に意識したわけではないけれど、あまり暗くならないようにと思って、今日のレースに切り替えてみんなでスプリントに向けてやっていこうとミーティングで話しました。チームの雰囲気は最高でした。みんなプロフェッショナルに自分の仕事をしてくれて、特に今回は僕が個人総合を狙うことをチームの目標としてきて、みんな自由に走れる機会が無かったけれど、それでもしっかりそれぞれの仕事をこなして助けてくれました。
だからこそ、託された自分が諦めたら全て終わってしまうので、自分自身このレースにかけて仕上げてきたので、こんなところで投げ出せない、そう思って昨日(伊豆ステージ)は走りました。
明日(5月27日)に精密検査を受けますが、多分どこか(骨が)折れていると思います。昨年京都ステージで落車した時よりも体は動くので、それよりは良いのかなと希望的観測で思っています。全日本選手権は検査の結果次第で決めます。劇的に良くなることは無いと思うので、今はまだ出場するのかはわからないです。でもしっかりリハビリして必ず帰ってきて強い自分を見せたいと思うので期待していてください」
text:Satoru Kato
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