息詰まる接戦のハンマーチェイス　ユンボ・ヴィズマが初のハンマーシリーズ勝利

ハンマーシリーズ・スタヴァンゲル最終日のハンマーチェイスで、首位発進のユンボ・ヴィズマが先頭を譲らず総合優勝。8番手スタートのCCCチームが最速タイムを叩き出し総合5位にジャンプアップした。

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サンウェブとの差を維持したまま逃げるユンボ・ヴィズマ (c)CorVos
総合10位と健闘を見せたリワル・レディーネス (c)CorVos3日間にわたって行われたハンマーシリーズを締めくくるのはハンマーチェイス。前日までのハンマークライムとハンマースプリントの成績によって決められた順番でスタートするチームタイムトライアル方式のレースで、下位のチームが上位のチームをその名の通りチェイスする（追う）。第1グループ（1〜8位決定戦）を先頭でフィニッシュしたチームがハンマーシリーズ・スタヴァンゲルの優勝に輝く。

総合優勝に関係しない第2グループ（下位8チーム）の中の戦いは、1番手スタートのUAEチームエミレーツと2番手リワル・レディーネス、3番手EFエデュケーションファーストによる三つ巴となり、登りをマイペースでこなし、下りと平坦を踏む作戦を選んだEFエデュケーションファーストが先頭フィニッシュしている。

2019年ハンマーシリーズ初戦の優勝を決める第1グループはユンボ・ヴィズマを先頭にスタート。フルーネウェーヘン、ヴィンゲゴー、エーンクホーン、ヤンセン、テウニッセンという布陣で挑んだユンボ・ヴィズマと、34秒後にスタートしたサンウェブ（アンデルセン、アルント、ペデルセン、ストーラー、ワルシャイド）はハイペースを維持しながら一定間隔で進み、徐々に後続チームを引き離していく。

30秒先のユンボ・ヴィズマを追いかけるサンウェブ (c)CorVos序盤のパンクと待機が響いたミッチェルトン・スコット (c)CorVos

5名のままフィニッシュラインに飛び込むユンボ・ヴィズマ (c)CorVos
3番手スタートのミッチェルトン・スコットは牽引役のアレクサンダー・エドモンソン（オーストラリア）がパンクに見舞われ、合流を待ったことでドゥクーニンク・クイックステップがパス。さらに後方からチームイネオスや、この日最速タイムを刻んだCCCチームが迫ったことで、終盤に掛けて4チームによる3位争いが白熱した。

先頭ユンボ・ヴィズマと2番手サンウェブの実力は最後まで拮抗した。タイム差30秒、距離にして450mほどの差は最終周回に入っても詰まらず、最後まで5名のまま走りきったユンボ・ヴィズマは追いつかれることなくフィニッシュ。終盤に1名を切り離してペースアップしたサンウェブの追撃は届かず17秒差で2番手となった。

チームイネオスとCCCチーム、ドゥクーニンク・クイックステップが連なってフィニッシュ (c)CorVos
CCCチームがハンマーチェイスの勝利を喜ぶ (c)CorVosハンマーシリーズ初勝利を遂げたユンボ・ヴィズマ (c)CorVos


4チームによる3位争いはミッチェルトン・スコットが若干リードする状態となり、チームイネオスとドゥクーニンク・クイックステップ、CCCチームがひと塊りになってせめぎ合う。ミッチェルトン・スコットのフィニッシュ数秒後、集団の前方を抑えたイネオスが4位、CCCチームが5位、ドゥクーニンク・クイックステップが6位フィニッシュとなった。

ユンボ・ヴィズマがハンマーシリーズ初の優勝。「すごく楽しかった。タフなハンマーチェイスだったが、最後まで先頭を譲らずフィニッシュできた。ツールに向けての良いトレーニングにもなった」と語るのはフルーネウェーヘン。ユンボ・ヴィズマは100ポイントを獲得し、シリーズランキングを首位発進んしている。

このハンマーチェイスで最速タイムを叩き出したのは総合5位で終えたCCCチーム。トレック・セガフレードが苦戦した一方、リワル・レディーネスはワールドツアー勢に食い込み総合10位で3日間の戦いを終えている。

ユンボ・ヴィズマが優勝記念プレートを打ち付ける (c)CorVos