2019/04/29(月) - 15:32
Jプロツアー第4戦の「東日本ロードクラシック群馬大会」が開催され、映像判定に持ち込まれるほどの僅差のスプリント勝負を岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が制して優勝。個人総合首位のプロリーダージャージを獲得した。同日開催のユース(JYT)、27日開催の女子とエリート各クラスタも併せてレポート。
2日後に平成最終日を控えた4月28日、群馬サイクルスポーツセンターで平成最後のJプロツアーが開催された。前回の「西日本ロードクラシック広島大会(以下広島大会)」に続き、レースグレード最上位の「プラチナ」に指定される大会だ。
広島大会同様、大会は27日との2日間開催だが、27日は女子のFクラスタとE1、E2、E3の各クラスタが行われ、28日はJプロツアーとE3、ユースツアー(JYT)が行われた。
開幕戦からここまで連勝してきたマトリックスパワータグは、スペインのレース遠征のためプロリーダージャージのオールイス・アルベルト・アウラールとホセ・ビセンテ・トリビオが欠場。ツール・ド・とちぎ
での負傷によりアイラン・フェルナンデスは前戦広島より長期欠場中となり、今回は日本人選手メインでの参戦。対する宇都宮ブリッツェンは増田成幸、チームブリヂストンサイクリングは窪木一茂をアジア選手権のため欠く中、平成最後のJプロツアーがスタートした。
天候は晴れ。気温は14℃前後まで上昇したものの、初夏の陽気だった広島大会と比べると10℃も低い中でのレースとなった。
岡篤志が今季Jプロツアー初優勝 リーダージャージを獲得
群馬サイクルスポーツセンターの6kmサーキットを25周する150kmのレース。1周目から3名の逃げ集団が形成される。メンバーは、湊諒(シマノレーシング)、村田雄耶(弱虫ペダルサイクリングチーム)、伊藤舜紀(東京ヴェントス)。メイン集団は宇都宮ブリッツェン、チームブリヂストンサイクリング、キナンサイクリングチームがコントロールし、3周目には2分差まで開く。散発的に追走を試みる飛び出しが発生するものの、3人の逃げ集団とメイン集団の構図のままレースは進行する。
レース後半に入ると、メイン集団は徐々に差を詰め始める。18周目、差が1分を切ったところで、紺野元汰(イナーメ信濃山形)が単独でブリッジをかけて逃げ集団に合流。伊藤が遅れて3人になるも、逃げ続ける。しかし19周目にはメイン集団が直後に迫る。吸収直前、入部正太朗(シマノレーシング)のカウンターアタックに湊と村田が追従するも新たな逃げにはならず、集団はひとつになって終盤に向かう。
残り5周となる20周目、石橋学(チームブリヂストンサイクリング)が集団を縦に伸ばし、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)が登りで再三アタックを繰り返す。しかし勝負を決める決定的な動きにはならないまま最終周回へ。最後の心臓破りの登りで木村圭佑(シマノレーシング)がアタックするも決まらず、集団のまま残り1kmのバックストレートに現れる。
残り100m、チームブリヂストンサイクリングのトラック班メンバーが隊列を組んで必勝体制。そのアウト側に大きく振った岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が伸び、フィニッシュライン上でならびかける。その直後、岡、沢田桂太郎、今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)がお互いの顔を見合わせる。数分後、映像判定に持ち込まれるほど僅差の勝負は岡の優勝が確定。この結果、個人総合首位となり、リーダージャージも獲得した。
「序盤から勝てる選手を逃がそうという作戦でしたが、それほど強力ではない逃げが決まって、吸収したタイミングも遅かったので集団のみんながフレッシュな状態で来てしまった。ここから抜け出すのは難しいと思ってスプリント勝負になると考えていた。
ブリヂストンのトラック選手達が残って最後は5人くらいで列車を組まれて厳しいなと思っていたが、その後ろに(鈴木)龍さんが位置取りしてつけてくれた。残り100mを切ってブリヂストンが前に3人残っていたので、3位まで取られたと思いましたが、フィニッシュ直前の登りで一気に失速したので、ハンドルを投げにいった。でも自分が勝ったのかは正直わからなかった。2位と1位は大きな違いなので、勝てて本当に良かった」と、レースを振り返る岡。
「今回はマトリックスパワータグの主力メンバーがいなかったので、今後はベストメンバーが揃ったところで勝てるように準備していかないといけない。油断することなくこの後も続けていきたい」と、気を引き締めた。
アウト側有利な群馬サイクルスポーツセンター
群馬サイクルスポーツセンターのフィニッシュライン前50mは、ゆるやかな右カーブの登り。実はアウト側の方が傾斜が若干ゆるく、スピードが伸びる。昨年もアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)と窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)がスプリントで争ったが、アウト側のフェルナンデスが勝っている。他のクラスタでもアウト側を走った選手が勝っている例が多く、スプリントの際の攻略ポイントだ。
2日後に平成最終日を控えた4月28日、群馬サイクルスポーツセンターで平成最後のJプロツアーが開催された。前回の「西日本ロードクラシック広島大会(以下広島大会)」に続き、レースグレード最上位の「プラチナ」に指定される大会だ。
広島大会同様、大会は27日との2日間開催だが、27日は女子のFクラスタとE1、E2、E3の各クラスタが行われ、28日はJプロツアーとE3、ユースツアー(JYT)が行われた。
開幕戦からここまで連勝してきたマトリックスパワータグは、スペインのレース遠征のためプロリーダージャージのオールイス・アルベルト・アウラールとホセ・ビセンテ・トリビオが欠場。ツール・ド・とちぎ
での負傷によりアイラン・フェルナンデスは前戦広島より長期欠場中となり、今回は日本人選手メインでの参戦。対する宇都宮ブリッツェンは増田成幸、チームブリヂストンサイクリングは窪木一茂をアジア選手権のため欠く中、平成最後のJプロツアーがスタートした。
天候は晴れ。気温は14℃前後まで上昇したものの、初夏の陽気だった広島大会と比べると10℃も低い中でのレースとなった。
岡篤志が今季Jプロツアー初優勝 リーダージャージを獲得
群馬サイクルスポーツセンターの6kmサーキットを25周する150kmのレース。1周目から3名の逃げ集団が形成される。メンバーは、湊諒(シマノレーシング)、村田雄耶(弱虫ペダルサイクリングチーム)、伊藤舜紀(東京ヴェントス)。メイン集団は宇都宮ブリッツェン、チームブリヂストンサイクリング、キナンサイクリングチームがコントロールし、3周目には2分差まで開く。散発的に追走を試みる飛び出しが発生するものの、3人の逃げ集団とメイン集団の構図のままレースは進行する。
レース後半に入ると、メイン集団は徐々に差を詰め始める。18周目、差が1分を切ったところで、紺野元汰(イナーメ信濃山形)が単独でブリッジをかけて逃げ集団に合流。伊藤が遅れて3人になるも、逃げ続ける。しかし19周目にはメイン集団が直後に迫る。吸収直前、入部正太朗(シマノレーシング)のカウンターアタックに湊と村田が追従するも新たな逃げにはならず、集団はひとつになって終盤に向かう。
残り5周となる20周目、石橋学(チームブリヂストンサイクリング)が集団を縦に伸ばし、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)が登りで再三アタックを繰り返す。しかし勝負を決める決定的な動きにはならないまま最終周回へ。最後の心臓破りの登りで木村圭佑(シマノレーシング)がアタックするも決まらず、集団のまま残り1kmのバックストレートに現れる。
残り100m、チームブリヂストンサイクリングのトラック班メンバーが隊列を組んで必勝体制。そのアウト側に大きく振った岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が伸び、フィニッシュライン上でならびかける。その直後、岡、沢田桂太郎、今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)がお互いの顔を見合わせる。数分後、映像判定に持ち込まれるほど僅差の勝負は岡の優勝が確定。この結果、個人総合首位となり、リーダージャージも獲得した。
「序盤から勝てる選手を逃がそうという作戦でしたが、それほど強力ではない逃げが決まって、吸収したタイミングも遅かったので集団のみんながフレッシュな状態で来てしまった。ここから抜け出すのは難しいと思ってスプリント勝負になると考えていた。
ブリヂストンのトラック選手達が残って最後は5人くらいで列車を組まれて厳しいなと思っていたが、その後ろに(鈴木)龍さんが位置取りしてつけてくれた。残り100mを切ってブリヂストンが前に3人残っていたので、3位まで取られたと思いましたが、フィニッシュ直前の登りで一気に失速したので、ハンドルを投げにいった。でも自分が勝ったのかは正直わからなかった。2位と1位は大きな違いなので、勝てて本当に良かった」と、レースを振り返る岡。
「今回はマトリックスパワータグの主力メンバーがいなかったので、今後はベストメンバーが揃ったところで勝てるように準備していかないといけない。油断することなくこの後も続けていきたい」と、気を引き締めた。
アウト側有利な群馬サイクルスポーツセンター
群馬サイクルスポーツセンターのフィニッシュライン前50mは、ゆるやかな右カーブの登り。実はアウト側の方が傾斜が若干ゆるく、スピードが伸びる。昨年もアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)と窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)がスプリントで争ったが、アウト側のフェルナンデスが勝っている。他のクラスタでもアウト側を走った選手が勝っている例が多く、スプリントの際の攻略ポイントだ。
Jプロツアー第4戦 東日本ロードクラシック群馬大会 結果(150km)
1位 | 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) | 3時間51分20秒 |
2位 | 沢田桂太郎(チームブリヂストンサイクリング) | +0秒 |
3位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | +0秒 |
4位 | 黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング) | +0秒 |
5位 | 鈴木 龍(宇都宮ブリッツェン) | +0秒 |
6位 | 大久保陣(キナンサイクリングチーム) | +0秒 |
敢闘賞 村田雄耶(弱虫ペダルサイクリングチーム)
中間スプリントポイント
10周回完了時 湊諒(シマノレーシング)
15周回完了時 村田雄耶(弱虫ペダルサイクリングチーム)
20周回完了時 入部正太朗(シマノレーシング)
Jプロツアーリーダー 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 沢田桂太郎(チームブリヂストンサイクリング)
Fクラスタ(女子) 吉川美穂が優勝
27日に行われた女子のFクラスタは6周36kmで行われた。
前戦の西日本ロードクラシックで優勝した望月美和子(フィッツ)が、レース序盤から登り区間でペースアップして人数を絞っていく。後半に入ると、フェミニンリーダージャージの伊藤優以(Team ZERO UNO FRONTIER)、チャレンジロード優勝の大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING)らが前に出てペースアップしていく。
レース途中から降り始めた雪が激しくなってきた残り2周、望月が単独アタックして10秒ほど先行。これを伊藤が追走して追いつき、2人が先行して最終周回に入る。しかしその直後に伊藤が落車して遅れ、望月は後続の7名と合流して先頭集団を形成する。その後新たなアタックはないままスプリント勝負に持ち込まれ、吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE)が優勝した。
フェミニンリーダージャージは伊藤が維持した。
中間スプリントポイント
10周回完了時 湊諒(シマノレーシング)
15周回完了時 村田雄耶(弱虫ペダルサイクリングチーム)
20周回完了時 入部正太朗(シマノレーシング)
Jプロツアーリーダー 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 沢田桂太郎(チームブリヂストンサイクリング)
Fクラスタ(女子) 吉川美穂が優勝
27日に行われた女子のFクラスタは6周36kmで行われた。
前戦の西日本ロードクラシックで優勝した望月美和子(フィッツ)が、レース序盤から登り区間でペースアップして人数を絞っていく。後半に入ると、フェミニンリーダージャージの伊藤優以(Team ZERO UNO FRONTIER)、チャレンジロード優勝の大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING)らが前に出てペースアップしていく。
レース途中から降り始めた雪が激しくなってきた残り2周、望月が単独アタックして10秒ほど先行。これを伊藤が追走して追いつき、2人が先行して最終周回に入る。しかしその直後に伊藤が落車して遅れ、望月は後続の7名と合流して先頭集団を形成する。その後新たなアタックはないままスプリント勝負に持ち込まれ、吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE)が優勝した。
フェミニンリーダージャージは伊藤が維持した。
Fクラスタ 結果(36km・27日開催)
1位 | 吉川美穂( Live GARDEN BICI STELLE) | 1時間5分48秒 |
2位 | 植竹海貴(Y's Road) | +0秒 |
3位 | 今井美穂(CO2bicycle) |
フェミニンリーダー 伊藤優以(Team ZERO UNO FRONTIER)
ユースツアー 永塩幸之介が優勝
Jプロツアーと同日に行われたユースツアーは6周36kmのレース。序盤からアタックが繰り返されるが、1周以上続くような長い逃げは発生しないままレース終盤へ。最後の心臓破りの登りでしかけた永塩幸之介(群馬グリフィンエリート)が抜け出し、そのまま逃げ切って優勝した。
永塩は、「今日はスイッチが入らずにずっと集団についていくようなレースをしていた。でも最後の心臓破りで前に出たら後ろが離れていったので、このまま行けると思った。群馬グリフィンの下部チームなので、Jプロツアーで走れるようになりたい」と、レースの振り返りと今後の目標を語った。
ユースツアー 永塩幸之介が優勝
Jプロツアーと同日に行われたユースツアーは6周36kmのレース。序盤からアタックが繰り返されるが、1周以上続くような長い逃げは発生しないままレース終盤へ。最後の心臓破りの登りでしかけた永塩幸之介(群馬グリフィンエリート)が抜け出し、そのまま逃げ切って優勝した。
永塩は、「今日はスイッチが入らずにずっと集団についていくようなレースをしていた。でも最後の心臓破りで前に出たら後ろが離れていったので、このまま行けると思った。群馬グリフィンの下部チームなので、Jプロツアーで走れるようになりたい」と、レースの振り返りと今後の目標を語った。
Yクラスタ 結果(36km・28日開催)
1位 | 永塩幸之介(群馬グリフィンエリート) | 55分53秒 |
2位 | 村山悠平(AVENTURA AIKO TOYO VICTORIA RACING) | +12秒 |
3位 | 東 優仁(VC福岡(エリート) | +12秒 |
E1 結果(90km・27日開催)
1位 | エンリック・ルバース(Yamanakako Cycling Formation) | 2時間18分53秒 |
2位 | 平井光介(EQADS) | +0秒 |
3位 | 井狩聖貴(BMレーシングZUNOW) | +1秒 |
4位 | 森崎英登(Yamanakako Cycling Formation) | |
5位 | 小林 亮(soleil de lest) | +2秒 |
6位 | 奥山太郎(Peach MAX) |
E2 結果(60km・27日開催)
1位 | 若月隆真(彩北ツブラーゼ) | 1時間37分18秒 |
2位 | 永塩孝之介(群馬グリフィンエリート) | +0秒 |
3位 | 西村 基(VENTOS FRECCIA) | +1秒 |
4位 | 狩野 敦(上毛レーシング) | +14秒 |
5位 | 猿田 匠(サイタマサイクルプロジェクト) | +15秒 |
6位 | 山本真也(TRC PANAMAREDS) |
E3 結果
27日・42km | 28日・54km | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 小村悠樹(kochel V.C. Sputnik) | 1時間6分31秒 | 新開隆人(那須ハイランドパークレーシングチーム) | 1時間26分12秒 |
2位 | 真保雅俊(那須ハイランドパークレーシングチーム) | +0秒 | 真保雅俊(那須ハイランドパークレーシングチーム) | +31秒 |
3位 | 斎藤啓太(天狗党) | 冨尾大地(CIEL BLEU KANOYA) | +32秒 | |
4位 | 舟山祥弘(A-Pad CYCLING TEAM) | 棈木関二(Champion System Japan Test Team | +33秒 | |
5位 | 辻野竜輝(AutoBahnGotemba) | 中村圭吾(バルバレーシングクラブ) | +1分2秒 | |
6位 | 酒井 駿(Team SHIDO) | 曽我啓一郎(Defardi) |
text&photo:Satoru Kato
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