2010年4月7日、ブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIプロツアー)の第3ステージが比較的難易度の低い山岳コースで行なわれ、フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)がスプリント勝利を収めた。僅差で勝利を逃したオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)が総合首位に立っている。

悪天候に見舞われたパイスバスコ第3ステージ悪天候に見舞われたパイスバスコ第3ステージ photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com内陸部のビアナからアムリオまでの187kmで行なわれた第3ステージ。標高1000mクラスのカテゴリー山岳が設定されているが、その難易度は比較的低い。この日もゴール手前には3級山岳が設定されている。

スタート直後の2級山岳アルデア峠で飛び出したのは、エゴイ・マルティネスとアラン・ペレス(ともにスペイン、エウスカルテル)、ミハエル・アルバジーニ(スイス、チームHTC・コロンビア)、エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)、イバン・マヨス(スペイン、フットオン・セルヴェット)、レミ・ディグレゴリオ(フランス、フランセーズデジュー)の6名。

この日最初のカテゴリー山岳で逃げグループを形成したエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)ら6名この日最初のカテゴリー山岳で逃げグループを形成したエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)ら6名 photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com地元エウスカルテルの選手を2名含んだこの逃げグループは、95km地点で最大4分25秒のリードを稼ぎ出した。メイン集団はリーダージャージ擁するケースデパーニュがコントロールし、後半にかけてラボバンクやランプレ、レディオシャックが先頭交代に合流。

逃げグループはペレスとマヨスを切り離しながら、ゴール16km手前に設定されたこの日最後の3級山岳マンデイカ峠を1分リードでクリア。スプリンターチームが牽くメイン集団の追撃に最後まで抵抗したが、先頭の4名はゴール3km手前で吸収。この日も集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。

ランプレやラボバンクも集団コントロールに合流ランプレやラボバンクも集団コントロールに合流 photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com積極的に集団をリードしたのはランプレで、チームメイトにサポートされたガヴァッツィが上り基調の最終ストレートで早めにスプリントを開始した。遅れてポイント賞ジャージを着るフレイレが応戦したが、一気に後続を引き離したガヴァッツィには届かない。フレイレを振り切ったガヴァッツィが勝利を収めた。

ガヴァッツィはジロ・ディ・サルデーニャ開幕ステージに続く今シーズン2勝目。スプリント力と短い上りの登坂力に長けた選手として知られ、ジャパンカップでは2007年に3位に入って表彰台。2008年にはダミアーノ・クネゴ(イタリア)を優勝に導く走りで5位に入っている。

スプリントで先行したフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)にオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)が迫るスプリントで先行したフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)にオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)が迫る photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com「ラスト500mの時点で集団前方にいることが何よりも重要だった。チームメイトのおかげで好位置をキープして、最終ストレートでスプリントを開始したんだ。これはキャリアの中で最高の勝利。本当にチームワークに助けられたよ」。プロツアーレース初勝利を飾ったガヴァッツィはガゼッタ紙のインタビューの中でそう語った。翌日からは総合狙いのクネゴを山岳でアシストする。

フレイレは2日連続ステージ2位に終わったが、この日はゴール前で集団が割れ、総合リーダーのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)を含む集団が2秒差でゴール。フレイレが総合リーダージャージを奪った。

この日もステージ優勝を逃したが、総合首位に立ったオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)この日もステージ優勝を逃したが、総合首位に立ったオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com翌第4ステージは今大会最難関の山岳ステージ。レース後半にかけて7つのカテゴリー山岳が連続して設定されており、しかも最後の1級山岳ウサルツァ峠(平均勾配8.4%)はゴールの僅か2km手前。このウサルツァ峠では総合狙いのオールラウンダーたちがアタックを繰り返すはずだ。

レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。


ブエルタ・アル・パイスバスコ2010第3ステージ結果
1位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)         4h49'52"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
3位 ピーター・ベリトス(スロバキア、チームHTC・コロンビア)
4位 アレクサンドル・ボチャロフ(ロシア、カチューシャ)
5位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
6位 ダヴィデ・ヴィガーノ(イタリア、チームスカイ)
7位 クリスティアン・クネース(ドイツ、チームミルラム)
8位 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)
9位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
10位 クリスティアン・コレン(スロベニア、リクイガス)

個人総合成績
1位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)             14h41'30"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)          +02"
3位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ)         +03"
4位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
5位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック)
6位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア)
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
8位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)
9位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)
10位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)

ポイント賞
オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)

山岳賞
ゴンサロ・ルブナル(スペイン、シャコベオ・ガリシア)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com

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