2010/04/06(火) - 03:07
春を告げるロードレース、今年で第35回を迎えるチャレンジサイクルロードレースが4月4日に行われ、最後の坂で抜け出した綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)が優勝。アンダーは嶌田義明(ブリヂストン・エスポワール)が2連覇を達成した。
すでに国内ロードレースは始まっているが、やはりこの大会はシーズン開幕を感じさせる一番のレースだ。上りと下りしかない5kmサーキットだが、過去に名勝負を繰り広げ、そしてリザルトの歴代各クラス優勝者には名選手の名がずらりと並ぶ。
そこに今年、綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)の名が初めて記されることになった。
アウターギアを踏み倒した綾部
12周60kmのエリートクラスは100人がスタート。ちょうどツアー・オブ・タイランド開催中でコンチネンタルチームなどの主なメンバーが不在だが、マトリックスからは向川尚樹と新加入の真鍋和幸・山下貴宏が、ブリッツェンは長沼隆行と辻善光が、愛三は昨年2位の綾部が出場。各選手の仕上がり具合が注目された。
上りでペースアップするがその中心は長沼、辻、真鍋、金子友也(ブリヂストン・エスポワール)、丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)、森本誠(イナーメ・アイランド信濃山形)ら。
8周目に長沼がアタック、差を20秒にまで広げる。後続はマトリックスやクラブチーム勢が追走し、2周弱で吸収する。
ペースの緩急があり、先頭集団は15人にまで絞られる。
最終周回、秀峰亭への上りで丸山が抜け出す。そして綾部がアウターギアで一気にアタックして先頭に立つ。後方からは真鍋もアタックして丸山に合流、さらに単独2番手へ。
綾部は独走で差を広げて見事このレース初優勝。2位には真鍋が入り、3位争いの集団は向川を先頭にゴール。
優勝の綾部は「やっと勝てました。最後は前の丸山選手を抜いて後を見たら集団が離れていたのでそのまま逃げました。今日はマークされていると思ったので、落ち着いて走りました。ツール・ド・台湾のあとに気管支を痛めていたので調子がいいとはいえない状態でした」
「自分もいい歳になってきたので活躍しないといけないし、若い選手も育てないといけないですね。チーム全体が強くなってアジアツアーなどで頑張れればと思います」と語る。
西谷泰治のランカウイステージ優勝や盛一大の世界戦スクラッチ銅メダルなどに加え、チームは幸先良いシーズンスタートだ。
マトリックスは参加3選手が全員入賞と、能力の高さを見せた。今回は不参加だったが、電撃加入した元シマノの阿部良之やほかの選手が加われば大きな存在感のあるチームになる。「平地ステージでも集団をバラバラにするような、こういうチームを作りたかった」と安原監督が言う言葉はすぐに実現するだろう。
片山が圧勝、2位はインカレチャンピオンの明珍
4周20kmの女子は、序盤から積極的に走った片山梨絵(SPECIALIZED)が2周目にアタックして独走、そのまま逃げ切り優勝。2位には昨年のインカレロード覇者、明珍裕子(朝日大学)が3周目から抜け出して独走ゴール。積極的な走りで3位以下の実力者らを置き去りにした走りは評価できるものだ。明珍は今シーズンが大いに期待できる。
嶌田が2連覇で今季2勝目
8周40kmのアンダー23クラスは146人がスタート。ブリヂストン勢、澤田賢匠(マトリックスパワータグ・コラテック)、平塚吉光(シマノレーシング)らが積極的にレースを展開する。数人の逃げができるが1周以内に吸収される展開が続く。
そして終盤、嶌田義明(ブリヂストン・エスポワール)と地元出身でこのコースを知り尽くす平塚の2人が先頭に。ゴールは平塚が先行するが嶌田がこれをかわして優勝。
後続は集団ゴールで、日本大学に入学した雨宮正樹が、先行した入部正太朗(早稲田大学)をかわして3位に。
ブリヂストン勢のチームワークと嶌田の能力の高さを見せ付けた。嶌田はこの大会で2連覇。今季は熊谷ロードに続いて2勝目で好調だ。平塚はこれに単独で挑み、結果は2位だが確実に強くなった走りを見せた。
8周40kmのジュニアは、4周目から六峰亘、渡辺青慈(奈良北高校)、黒枝士揮(鹿屋体育大学)の3人が抜け出し、ゴールは六峰が渡辺を破って優勝。
8周40kmのマスターは、屋部佳伸(フィッツ)が序盤からレースを主導。矢部は最終周回に抜け出し独走、後方から大野二美雄(GRUPPO ACQUA TAMA)が迫るも逃げ切って優勝。
結果
A-E 60km
1位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)1時間42分16秒
2位 真鍋和幸(マトリックスパワータグ・コラテック)+10秒
3位 向川尚樹(マトリックスパワータグ・コラテック)+15秒
4位 岩島啓太(なるしまフレンド)
5位 山下貴宏(マトリックスパワータグ・コラテック)
6位 松田究(どうきゅう)
A-F 20km
1位 片山梨絵(SPECIALIZED)38分57秒
2位 明珍裕子(朝日大学)+30秒
3位 井上玲美(チームフォーカス)+54秒
4位 森田正美(チームブリヂストン・アンカー)
5位 星川恵利奈(湘南ベルマーレ)
6位 西加南子(LUMINARIA)
A-U 40km
1位 嶌田義明(ブリヂストン・エスポワール)1時間07分38秒
2位 平塚吉光(シマノレーシング)
3位 雨宮正樹(日本大学)+10秒
4位 入部正太朗(早稲田大学)
5位 平井栄一(ブリヂストン・エスポワール)
6位 小段亮(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
A-J 40km
1位 六峰亘 1時間09分31秒
2位 渡辺青慈(奈良北高校)
3位 山本隼(甲府工業高校)+23秒
4位 徳田鍛造(北桑田高校)+43秒
5位 谷尚樹(朝日大学)
6位 中井俊亮(榛生昇陽高校)+46秒
A-M 40km
1位 屋部佳伸(フィッツ)1時間09分52秒
2位 大野二美雄(GRUPPO ACQUA TAMA)
3位 鈴木和典(チーム オーベスト)+14秒
4位 浜頭恭(GRUPPO ACQUA TAMA)+30秒
5位 山本敬(Esperance Stage/WAVE ONE)+32秒
6位 追川雅弘(チーム オーベスト)+3分21秒
photo&text:高木秀彰
すでに国内ロードレースは始まっているが、やはりこの大会はシーズン開幕を感じさせる一番のレースだ。上りと下りしかない5kmサーキットだが、過去に名勝負を繰り広げ、そしてリザルトの歴代各クラス優勝者には名選手の名がずらりと並ぶ。
そこに今年、綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)の名が初めて記されることになった。
アウターギアを踏み倒した綾部
12周60kmのエリートクラスは100人がスタート。ちょうどツアー・オブ・タイランド開催中でコンチネンタルチームなどの主なメンバーが不在だが、マトリックスからは向川尚樹と新加入の真鍋和幸・山下貴宏が、ブリッツェンは長沼隆行と辻善光が、愛三は昨年2位の綾部が出場。各選手の仕上がり具合が注目された。
上りでペースアップするがその中心は長沼、辻、真鍋、金子友也(ブリヂストン・エスポワール)、丸山厚(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)、森本誠(イナーメ・アイランド信濃山形)ら。
8周目に長沼がアタック、差を20秒にまで広げる。後続はマトリックスやクラブチーム勢が追走し、2周弱で吸収する。
ペースの緩急があり、先頭集団は15人にまで絞られる。
最終周回、秀峰亭への上りで丸山が抜け出す。そして綾部がアウターギアで一気にアタックして先頭に立つ。後方からは真鍋もアタックして丸山に合流、さらに単独2番手へ。
綾部は独走で差を広げて見事このレース初優勝。2位には真鍋が入り、3位争いの集団は向川を先頭にゴール。
優勝の綾部は「やっと勝てました。最後は前の丸山選手を抜いて後を見たら集団が離れていたのでそのまま逃げました。今日はマークされていると思ったので、落ち着いて走りました。ツール・ド・台湾のあとに気管支を痛めていたので調子がいいとはいえない状態でした」
「自分もいい歳になってきたので活躍しないといけないし、若い選手も育てないといけないですね。チーム全体が強くなってアジアツアーなどで頑張れればと思います」と語る。
西谷泰治のランカウイステージ優勝や盛一大の世界戦スクラッチ銅メダルなどに加え、チームは幸先良いシーズンスタートだ。
マトリックスは参加3選手が全員入賞と、能力の高さを見せた。今回は不参加だったが、電撃加入した元シマノの阿部良之やほかの選手が加われば大きな存在感のあるチームになる。「平地ステージでも集団をバラバラにするような、こういうチームを作りたかった」と安原監督が言う言葉はすぐに実現するだろう。
片山が圧勝、2位はインカレチャンピオンの明珍
4周20kmの女子は、序盤から積極的に走った片山梨絵(SPECIALIZED)が2周目にアタックして独走、そのまま逃げ切り優勝。2位には昨年のインカレロード覇者、明珍裕子(朝日大学)が3周目から抜け出して独走ゴール。積極的な走りで3位以下の実力者らを置き去りにした走りは評価できるものだ。明珍は今シーズンが大いに期待できる。
嶌田が2連覇で今季2勝目
8周40kmのアンダー23クラスは146人がスタート。ブリヂストン勢、澤田賢匠(マトリックスパワータグ・コラテック)、平塚吉光(シマノレーシング)らが積極的にレースを展開する。数人の逃げができるが1周以内に吸収される展開が続く。
そして終盤、嶌田義明(ブリヂストン・エスポワール)と地元出身でこのコースを知り尽くす平塚の2人が先頭に。ゴールは平塚が先行するが嶌田がこれをかわして優勝。
後続は集団ゴールで、日本大学に入学した雨宮正樹が、先行した入部正太朗(早稲田大学)をかわして3位に。
ブリヂストン勢のチームワークと嶌田の能力の高さを見せ付けた。嶌田はこの大会で2連覇。今季は熊谷ロードに続いて2勝目で好調だ。平塚はこれに単独で挑み、結果は2位だが確実に強くなった走りを見せた。
8周40kmのジュニアは、4周目から六峰亘、渡辺青慈(奈良北高校)、黒枝士揮(鹿屋体育大学)の3人が抜け出し、ゴールは六峰が渡辺を破って優勝。
8周40kmのマスターは、屋部佳伸(フィッツ)が序盤からレースを主導。矢部は最終周回に抜け出し独走、後方から大野二美雄(GRUPPO ACQUA TAMA)が迫るも逃げ切って優勝。
結果
A-E 60km
1位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)1時間42分16秒
2位 真鍋和幸(マトリックスパワータグ・コラテック)+10秒
3位 向川尚樹(マトリックスパワータグ・コラテック)+15秒
4位 岩島啓太(なるしまフレンド)
5位 山下貴宏(マトリックスパワータグ・コラテック)
6位 松田究(どうきゅう)
A-F 20km
1位 片山梨絵(SPECIALIZED)38分57秒
2位 明珍裕子(朝日大学)+30秒
3位 井上玲美(チームフォーカス)+54秒
4位 森田正美(チームブリヂストン・アンカー)
5位 星川恵利奈(湘南ベルマーレ)
6位 西加南子(LUMINARIA)
A-U 40km
1位 嶌田義明(ブリヂストン・エスポワール)1時間07分38秒
2位 平塚吉光(シマノレーシング)
3位 雨宮正樹(日本大学)+10秒
4位 入部正太朗(早稲田大学)
5位 平井栄一(ブリヂストン・エスポワール)
6位 小段亮(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
A-J 40km
1位 六峰亘 1時間09分31秒
2位 渡辺青慈(奈良北高校)
3位 山本隼(甲府工業高校)+23秒
4位 徳田鍛造(北桑田高校)+43秒
5位 谷尚樹(朝日大学)
6位 中井俊亮(榛生昇陽高校)+46秒
A-M 40km
1位 屋部佳伸(フィッツ)1時間09分52秒
2位 大野二美雄(GRUPPO ACQUA TAMA)
3位 鈴木和典(チーム オーベスト)+14秒
4位 浜頭恭(GRUPPO ACQUA TAMA)+30秒
5位 山本敬(Esperance Stage/WAVE ONE)+32秒
6位 追川雅弘(チーム オーベスト)+3分21秒
photo&text:高木秀彰
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