2019/03/03(日) - 09:29
フランドルクラシック開幕戦オンループ・ヘットニュースブラッドで、独走に持ち込んだゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)が初勝利。與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)が出場した女子レースの模様と共にレポート。
ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベまで約一ヶ月続くフランドルクラシックシーズンが、オンループ・ヘットニュースブラッドで幕開けた。
ヨーロッパでのUCIワールドツアー初戦担う本レースのスタート地点、ヘントに集結したのは別府史之(トレック・セガフレード)を含む25チーム173名の選手たち。気温12℃と例年よりも暖かながら、天候はフランドルクラシックの過酷さを象徴するかのような雨交じり。13の登坂区間と12箇所のパヴェを含む200kmコースに向け、屈強なクラシックハンターたちがスタートを切った。
この日は逃げを狙う単発的なアタックが続き、アレックス・ハウズ(アメリカ、EFエデュケーションファースト)とローイ・ヤンス(ベルギー、コレンドン・サーカス)、トム・ヴィルトゲン(ルクセンブルク、ワロニー・ブリュッセル)、そしてトム・デヴリーント(ワンティ・グループゴベール)という4名が逃げを打つ。
一時9分近いリードを築いた4名だったものの、中盤に入るとエース級選手を揃えるドゥクーニンク・クイックステップや、グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー)をエースとするCCCチームなどの牽引、そしてディレクトエネルジーらのペースアップによってタイム差は縮小の一途を辿る。
すると、昨年と同じく第4登坂のレベルグ(距離950m/平均勾配4.2%/最大勾配13.8%)でメイン集団に動きが生じた。クリストフ・ラポルテ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)の加速をきっかけに、21名という大きな追走グループが形成。オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)やイェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル)、ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、モビスター)、マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、2014・15年覇者のイアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)、元U23世界王者スヴェンエリック・ビストラム(オルウェー、UAEチームエミレーツ)など、優勝候補も含まれる大グループはメイン集団に対して一時40秒ほどのリードを得たものの、特に展開をもたらすことなく第6登坂のファルケンベルグ(距離540m/平均勾配8.1%/最大勾配12.8%)で引き戻されている。
登坂や急カーブのたびに伸び縮みを繰り返すメイン集団では、残り51km地点の緩い登り勾配の石畳「ケルクゲン」でフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がジャブを打つ。ここに本命ファンアーフェルマートと元CX世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)らが反応するも流れは繋がらず、逃げメンバーを飲み込みながら次なる動きに向けペースアップしていった。
フィニッシュまで43kmを残した第8登坂モーレンベルグ(距離463m/平均勾配7%/最大勾配14.2%)で、ユンボ・ヴィズマが組織的なペースアップに出たことで集団が分裂。ファンアーフェルマートやスタナード、ナーセン、欧州王者マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)、ティシュ・ベノートとティム・ウェレンス(共にベルギー、ロット・スーダル)、スティバルとイブ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)らを含む17名の精鋭グループが生まれた。
17名は、乗り遅れたセップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト)や、ニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクトエネルジー)などの追走を振り払いながら、残り35km地点のレベルグ(距離950m/平均勾配4.2%/最大勾配13.8%)など勝負所をクリア。この中で調子の上がり切っていないファンアールトは遅れがちとなり、最終的についていくことができなかった。
するとフィニッシュまで30km、コーナーで車輪を滑らせたベノートが単独落車し、あおりを受けた後続との間隔が開いた瞬間に、フォッセンホール(距離1268m/平均勾配3.6%/最大勾配9%)を利用してファンアーフェルマートがアタック。ゴールド一色のカスタムペイントバイクに乗るリオ五輪金メダリストをフォローできたのは、スティバルとウェレンス、ツアー・オブ・オマーン覇者アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)、ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)という5名のみ。6名が得た15秒リードは最大勾配19.8%を誇るミュール・カペルミュール(距離475m/平均勾配9.3%)でも縮まることがなく、逃げ切りに向けての青信号が灯った。
カペルミュールの最大勾配付近でオスが遅れたものの、協調体制を維持する5名の勢いは緩まない。最後の登坂ボスベルグ(距離980m/平均勾配5.8%/最大勾配11%)ではファンアーフェルマートがアタックしたが決まらず、追走グループとの差を30秒以上に広げつつフィニッシュまでの距離を減らしていく。
先頭グループ内の勝負が始まったのは、残り3km付近からだった。若干の牽制状態から中央分離帯を利用してウェレンスがアタックしたが決まらず、カウンターでスティバルが先行。「ウェレンスを引き戻したことで脚を消耗し、クラシックレース特有の駆け引きに飲み込まれてしまった」と言う優勝候補筆頭のファンアーフェルマートは追うことができず、他メンバーもお見合い状態で脚を止めてしまう。一瞬の牽制状態を利用したスティバルは一気にリードを生み出した。
「スプリントを待っていたけど不意にチャンスが訪れた。アタックしてからの2kmは全力だったよ」と言うスティバルの勢いは圧倒的だった。力強いペダリングを維持し、完全に勢いを失った後続4名を振り切ってフィニッシュへ。33歳の元シクロクロス世界王者が、キャリア初のフランドルクラシック勝利をこのオンループで達成した。
「ついに石畳クラシックで勝つことができた!最高の気分だよ。体調も良かったしチームが自分に任せてくれたことも大きかった。色々なことが噛み合って生まれた結果に満足しているよ」と言うスティバル。これまでストラーデ・ビアンケ(2015年)やツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャでのステージ優勝はあれど、フランドル系レースはパリ〜ルーベの2位止まり(2017年、2015年)だった。
「(向かい風の)昨年とは違い、今年は中盤から追い風が吹いていたことが味方した。モーレンベルグから本当の勝負が始まり、そこからはミュールやボスベルグでも協調体制を維持できた。全員が”このまま逃げ切れる”と信じて走っていたんだ。個人的にもモチベーションを高く臨んできたし、オフシーズンのトレーニングも上手くいった。チームカーのスティールス監督からは”皆が信じているから頑張れ!”と言われていたことも力になった。全員が臨機応変に戦い、状況に応じてエースが代わるこのチームの方針は唯一無二。ウルフパック(狼の群れ)という呼び名そのものだし、それこそ僕らが成功している理由なんだ」。
元世界王者ブラークが女子レースで独走勝利 與那嶺は走りに手応え
男子レースと同タイミングで開催された女子レースには、欧州シーズンインの與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)も参戦。距離こそ122kmと短いが、終盤にミュール・カペルミュールやボスベルグが詰め込まれるタフレイアウトは変わらない。中盤を過ぎて急速に絞り込みがかかる中、與那嶺はクロエ・ホスキング(オーストラリア)のアシストに徹した。
最終盤に積極策に出たのは屈強なメンバーを揃えるブールス・ドルマンス サイクリングチームだった。中盤の落車で2名を失ったものの、世界王者アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)や元世界王者シャンタル・ブラーク(オランダ、ブールス・ドルマンス サイクリングチーム)が波状攻撃。カペルミュールの激坂区間で抜け出し、続くボスベルグでリードを広げたブラークが独走勝利を飾った。
與那嶺は石畳区間でも好位置をキープしたが、優勝争いの動きで遅れ、追走集団を率いて1分25秒遅れの30位でフィニッシュ。補給に課題を残すものの、走りには手応えを感じているという。以下は本人によるレポート。レースの模様はフル動画で確認することができる。
「ヨーロッパシーズンが始まりました!初戦、フランダースクラシックシリーズのオンループ。カペルミュールを登ります。石畳、短く鋭い登り坂、細い道、そして観客の熱狂。今シーズンが始まったと実感しました。
チームは一昨年の優勝者クロエを軸に戦いを組み立てました。
スタートから激しく出入りが掛かり、路面からの振動もきつく最初は少しきついかなと感じました。そうでした今、女子のプロトンは緩まず、速いのです。男子に追いついてしまうため、レース開始1時間後、10分ほどのニュートラル休憩がありました。
石畳をこなし、登りをこなし、中盤以降はしっかりと身体が動き始めました。昨年と比べて3kgのダイエットの効果は大きく、ミッチェルトンのアネミエク、ボーエルのブラーク、アンナの攻撃にも反応が出来ます。
クロエの位置をフォローしながら石畳の厳しいセクションでも先頭で通過ができました。そして登りでもしっかりと反応ができ、チームが後手に回らないようにアタックのチェックに入ります。
カペルミュールに向かう最後のセクションでは15名ほどの先頭集団に乗りこのままセレクションを超えればと考えましたが、後方も全力で追走し、カペルミュール直前で吸収。
ここまで元気よく動けたのですが、クラシックレースは補給を取るタイミングが非常に少なく(常にレースが動いているので取るのが大変なのです)カペルミュールに至る登りで少しエネルギー切れを感じ優勝候補の動きには反応が出来ず。登りでしっかり走れただけに勿体無い。武井コーチと決めていた補給頻度は改善しなければです。
7名の先頭集団に対し、私達のチームはクロエも乗れず、仕事の時間。ゴールに向けて追走ローテーションを行い、なんとかキャッチアップ。流石に私は力尽きました。
そのままゴールへなだれ込み、2位集団でゴール。オンループで2位集団でゴール。うーん。あと一歩です。
ヨーロッパシーズン初戦。オフトレーニングの効果をしっかり感じ、昨年と比べて遥かに走れる自分がいました。ダイエットを継続して行い、筋力トレーニングも継続した効果を感じます。補給の頻度と武井コーチから言われた「動きすぎる」これを改善し、今年は結果を出したいです。そして手応えも感じています。明日は本当はレースはセレクションを断っていたのですがチームに緊急事態があり、ベルギークラシックUCI1.1の連戦です。」
ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベまで約一ヶ月続くフランドルクラシックシーズンが、オンループ・ヘットニュースブラッドで幕開けた。
ヨーロッパでのUCIワールドツアー初戦担う本レースのスタート地点、ヘントに集結したのは別府史之(トレック・セガフレード)を含む25チーム173名の選手たち。気温12℃と例年よりも暖かながら、天候はフランドルクラシックの過酷さを象徴するかのような雨交じり。13の登坂区間と12箇所のパヴェを含む200kmコースに向け、屈強なクラシックハンターたちがスタートを切った。
この日は逃げを狙う単発的なアタックが続き、アレックス・ハウズ(アメリカ、EFエデュケーションファースト)とローイ・ヤンス(ベルギー、コレンドン・サーカス)、トム・ヴィルトゲン(ルクセンブルク、ワロニー・ブリュッセル)、そしてトム・デヴリーント(ワンティ・グループゴベール)という4名が逃げを打つ。
一時9分近いリードを築いた4名だったものの、中盤に入るとエース級選手を揃えるドゥクーニンク・クイックステップや、グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー)をエースとするCCCチームなどの牽引、そしてディレクトエネルジーらのペースアップによってタイム差は縮小の一途を辿る。
すると、昨年と同じく第4登坂のレベルグ(距離950m/平均勾配4.2%/最大勾配13.8%)でメイン集団に動きが生じた。クリストフ・ラポルテ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)の加速をきっかけに、21名という大きな追走グループが形成。オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)やイェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル)、ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、モビスター)、マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、2014・15年覇者のイアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)、元U23世界王者スヴェンエリック・ビストラム(オルウェー、UAEチームエミレーツ)など、優勝候補も含まれる大グループはメイン集団に対して一時40秒ほどのリードを得たものの、特に展開をもたらすことなく第6登坂のファルケンベルグ(距離540m/平均勾配8.1%/最大勾配12.8%)で引き戻されている。
登坂や急カーブのたびに伸び縮みを繰り返すメイン集団では、残り51km地点の緩い登り勾配の石畳「ケルクゲン」でフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がジャブを打つ。ここに本命ファンアーフェルマートと元CX世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)らが反応するも流れは繋がらず、逃げメンバーを飲み込みながら次なる動きに向けペースアップしていった。
フィニッシュまで43kmを残した第8登坂モーレンベルグ(距離463m/平均勾配7%/最大勾配14.2%)で、ユンボ・ヴィズマが組織的なペースアップに出たことで集団が分裂。ファンアーフェルマートやスタナード、ナーセン、欧州王者マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)、ティシュ・ベノートとティム・ウェレンス(共にベルギー、ロット・スーダル)、スティバルとイブ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)らを含む17名の精鋭グループが生まれた。
17名は、乗り遅れたセップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト)や、ニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクトエネルジー)などの追走を振り払いながら、残り35km地点のレベルグ(距離950m/平均勾配4.2%/最大勾配13.8%)など勝負所をクリア。この中で調子の上がり切っていないファンアールトは遅れがちとなり、最終的についていくことができなかった。
するとフィニッシュまで30km、コーナーで車輪を滑らせたベノートが単独落車し、あおりを受けた後続との間隔が開いた瞬間に、フォッセンホール(距離1268m/平均勾配3.6%/最大勾配9%)を利用してファンアーフェルマートがアタック。ゴールド一色のカスタムペイントバイクに乗るリオ五輪金メダリストをフォローできたのは、スティバルとウェレンス、ツアー・オブ・オマーン覇者アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)、ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)という5名のみ。6名が得た15秒リードは最大勾配19.8%を誇るミュール・カペルミュール(距離475m/平均勾配9.3%)でも縮まることがなく、逃げ切りに向けての青信号が灯った。
カペルミュールの最大勾配付近でオスが遅れたものの、協調体制を維持する5名の勢いは緩まない。最後の登坂ボスベルグ(距離980m/平均勾配5.8%/最大勾配11%)ではファンアーフェルマートがアタックしたが決まらず、追走グループとの差を30秒以上に広げつつフィニッシュまでの距離を減らしていく。
先頭グループ内の勝負が始まったのは、残り3km付近からだった。若干の牽制状態から中央分離帯を利用してウェレンスがアタックしたが決まらず、カウンターでスティバルが先行。「ウェレンスを引き戻したことで脚を消耗し、クラシックレース特有の駆け引きに飲み込まれてしまった」と言う優勝候補筆頭のファンアーフェルマートは追うことができず、他メンバーもお見合い状態で脚を止めてしまう。一瞬の牽制状態を利用したスティバルは一気にリードを生み出した。
「スプリントを待っていたけど不意にチャンスが訪れた。アタックしてからの2kmは全力だったよ」と言うスティバルの勢いは圧倒的だった。力強いペダリングを維持し、完全に勢いを失った後続4名を振り切ってフィニッシュへ。33歳の元シクロクロス世界王者が、キャリア初のフランドルクラシック勝利をこのオンループで達成した。
「ついに石畳クラシックで勝つことができた!最高の気分だよ。体調も良かったしチームが自分に任せてくれたことも大きかった。色々なことが噛み合って生まれた結果に満足しているよ」と言うスティバル。これまでストラーデ・ビアンケ(2015年)やツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャでのステージ優勝はあれど、フランドル系レースはパリ〜ルーベの2位止まり(2017年、2015年)だった。
「(向かい風の)昨年とは違い、今年は中盤から追い風が吹いていたことが味方した。モーレンベルグから本当の勝負が始まり、そこからはミュールやボスベルグでも協調体制を維持できた。全員が”このまま逃げ切れる”と信じて走っていたんだ。個人的にもモチベーションを高く臨んできたし、オフシーズンのトレーニングも上手くいった。チームカーのスティールス監督からは”皆が信じているから頑張れ!”と言われていたことも力になった。全員が臨機応変に戦い、状況に応じてエースが代わるこのチームの方針は唯一無二。ウルフパック(狼の群れ)という呼び名そのものだし、それこそ僕らが成功している理由なんだ」。
元世界王者ブラークが女子レースで独走勝利 與那嶺は走りに手応え
男子レースと同タイミングで開催された女子レースには、欧州シーズンインの與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)も参戦。距離こそ122kmと短いが、終盤にミュール・カペルミュールやボスベルグが詰め込まれるタフレイアウトは変わらない。中盤を過ぎて急速に絞り込みがかかる中、與那嶺はクロエ・ホスキング(オーストラリア)のアシストに徹した。
最終盤に積極策に出たのは屈強なメンバーを揃えるブールス・ドルマンス サイクリングチームだった。中盤の落車で2名を失ったものの、世界王者アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)や元世界王者シャンタル・ブラーク(オランダ、ブールス・ドルマンス サイクリングチーム)が波状攻撃。カペルミュールの激坂区間で抜け出し、続くボスベルグでリードを広げたブラークが独走勝利を飾った。
與那嶺は石畳区間でも好位置をキープしたが、優勝争いの動きで遅れ、追走集団を率いて1分25秒遅れの30位でフィニッシュ。補給に課題を残すものの、走りには手応えを感じているという。以下は本人によるレポート。レースの模様はフル動画で確認することができる。
「ヨーロッパシーズンが始まりました!初戦、フランダースクラシックシリーズのオンループ。カペルミュールを登ります。石畳、短く鋭い登り坂、細い道、そして観客の熱狂。今シーズンが始まったと実感しました。
チームは一昨年の優勝者クロエを軸に戦いを組み立てました。
スタートから激しく出入りが掛かり、路面からの振動もきつく最初は少しきついかなと感じました。そうでした今、女子のプロトンは緩まず、速いのです。男子に追いついてしまうため、レース開始1時間後、10分ほどのニュートラル休憩がありました。
石畳をこなし、登りをこなし、中盤以降はしっかりと身体が動き始めました。昨年と比べて3kgのダイエットの効果は大きく、ミッチェルトンのアネミエク、ボーエルのブラーク、アンナの攻撃にも反応が出来ます。
クロエの位置をフォローしながら石畳の厳しいセクションでも先頭で通過ができました。そして登りでもしっかりと反応ができ、チームが後手に回らないようにアタックのチェックに入ります。
カペルミュールに向かう最後のセクションでは15名ほどの先頭集団に乗りこのままセレクションを超えればと考えましたが、後方も全力で追走し、カペルミュール直前で吸収。
ここまで元気よく動けたのですが、クラシックレースは補給を取るタイミングが非常に少なく(常にレースが動いているので取るのが大変なのです)カペルミュールに至る登りで少しエネルギー切れを感じ優勝候補の動きには反応が出来ず。登りでしっかり走れただけに勿体無い。武井コーチと決めていた補給頻度は改善しなければです。
7名の先頭集団に対し、私達のチームはクロエも乗れず、仕事の時間。ゴールに向けて追走ローテーションを行い、なんとかキャッチアップ。流石に私は力尽きました。
そのままゴールへなだれ込み、2位集団でゴール。オンループで2位集団でゴール。うーん。あと一歩です。
ヨーロッパシーズン初戦。オフトレーニングの効果をしっかり感じ、昨年と比べて遥かに走れる自分がいました。ダイエットを継続して行い、筋力トレーニングも継続した効果を感じます。補給の頻度と武井コーチから言われた「動きすぎる」これを改善し、今年は結果を出したいです。そして手応えも感じています。明日は本当はレースはセレクションを断っていたのですがチームに緊急事態があり、ベルギークラシックUCI1.1の連戦です。」
オンループ・ヘットニュースブラッド2019結果
1位 | ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4h53'17" |
2位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | +09" |
3位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
4位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | |
5位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | |
6位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
8位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) | |
10位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール・ラモンディアール) | |
DNF | 別府史之(トレック・セガフレード) |
女子レース結果
1位 | シャンタル・ブラーク(オランダ、ブールス・ドルマンス サイクリングチーム) | 3h20'58" |
2位 | マルタ・バスティアネッリ(イタリア、ヴィルトゥサイクリングチーム) | +1'09" |
3位 | ジップ・ファンデンボス(オランダ、ブールス・ドルマンス サイクリングチーム) | |
4位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) | |
5位 | アレクシス・ライアン(アメリカ、キャニオン・スラムレーシング) | |
6位 | ジャンヌ・コレファール(オランダ、CCC・リブ) | |
7位 | オウド・ビャニック(フランス、モビスター) | |
8位 | ソフィー・デブイスト(ベルギー、パークホテル・ファルケンブルク) | |
9位 | クリスティーナ・シッガールド(デンマーク、ヴィルトゥサイクリングチーム) | |
10位 | フロールテ・マカイ(オランダ、サンウェブ) | |
30位 | 與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ) | +1'25" |
text:So.Isobe
photo:CorVos
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