2019/02/24(日) - 13:52
国内レースシーズン開幕を目前に控えた2月23日(土)、宇都宮ブリッツェンは本拠地の宇都宮市内でチームプレゼンテーションとメディア向けの記者会見を開いた。多くのファンが集まって盛り上がった「栗村神父」の動画と合わせてレポート。
チームプレゼンテーションに先立って行われた記者会見には、宇都宮ブリッツェンの2019年メンバーと共に、清水監督、廣瀬GM、運営会社であるサイクルスポーツマネジメントの柿沼社長が出席。前監督の栗村修氏の司会進行で進められた。
2019年の体制発表はすでに昨年12月に発表済みであるため、この記者会見ではチーム・選手の目標や今シーズンのレース予定などに時間が割かれた。
東京オリンピック代表選手の輩出を目標に
今年のチームスローガンは「Be STRONG(強くあれ)」。昨年の国内レースシーンで圧倒的な強さを見せたが、もっと強いブリッツェンを見せたいという想いを込めている。
今シーズンも、3月16日のJプロツアー開幕戦「修善寺ロードレース」から11月のツール・ド・おきなわまで、Jプロツアーと国内UCIレースをメインに出場する。清水監督は「昨年に比べるとレースの無い期間が短く、8名の選手で戦うには厳しくなることが予想されるが、更なるステップアップの1年になるようにしたい」と、今シーズンについて話した。
チーム目標として掲げたのは、「個人目標の達成」と「オリンピック選手輩出」だ。2020年東京オリンピック代表選考については、JCF(日本自転車競技連盟)がすでに発表している通り、今年1月から来年5月までのレースが選考対象期間となっており、代表争いはすでに始まっている。清水監督は「昨年チーム創設10周年を迎え、これまで支えてきてくださった栃木県や宇都宮市の皆さんへの恩返しとして、チームからオリンピック代表を輩出したい」という想いを語った。
代表選考については、選考期間中に獲得したUCIポイントを元に、JCF独自の係数をかけたポイントによるランキングで決定される。係数は登りの厳しいオリンピックコースと同様なレースほど高い一方、全日本選手権やアジア選手権などは低めに設定されている。国内レースメインのブリッツェンにはかなりハードルが高いように思えるが、「2016年に増田選手が獲得したUCIポイントは、新城幸也選手、別府史之選手に続く3番目に多かったので、国内レースメインでの活動でも決して不利ではないと考えている」と、清水監督は力説した。
それを受けて増田成幸は「オリンピック代表になるために出場するUCIレースでひとつでも多くのUCIポイントを稼げるようにしたい。ここまで良い準備が出来て調子も良いと感じているが、落車で台無しにしてきたことも多々あったので、そうならないようにしたい」と、今年の目標を語った。
宇都宮ブリッツエンが「ズイフト」に参戦
一方で新たな試みも発表された。ワフー(wahoo)からサイクルトレーナー「キッカー(KICKR)」の提供を受け、ネットワーク上でバーチャルライドができる「ズイフト」で、ブリッツェン全選手がアカウントを取得して活用していく。トレーニングだけでなく、2024年のパリ・オリンピックでの種目化が見込まれる「Eスポーツ」への展開も視野に入れるという。ズイフト上ではブリッツェン選手のアバターを今後設定し、全日本選手権などにも参戦する予定だという。
また、次の10年の活動概念として「グローカルビジョン」を掲げ、世界で認められるチームを目指す。「グローカル」とは、「グローバル」と「ローカル」をかけ合わせた言葉。柿沼社長は「成績だけでなく、チーム運営や選手育成などを含め、世界に認められるものを次の10年で造っていく。その中で、宇都宮市、栃木県、ひいては日本が、ブリッツェンを通じて世界に向けて夢を描ける対象となれるようにしていきたい」と、説明した。
今年も大盛況のチームプレゼンテーションパーティー
さて、記者会見の後はファンを集めてのチームプレゼンテーションパーティー。今年のメンバーとジャージの一般向けのお披露目はこれが初めてとあって、多くのブリッツェンサポーターが集まった。
会場となった結婚式場にちなみ、結婚式的な余興も。リボンに通した結婚指輪を参列者がリレーして新郎新婦に届けるゲームがあるが、指輪をホイールに置き換えて参加者がリレーし、最後にフレームに組み付けて完成させるというもの。若干手間取りながらも前輪と後輪が会場を一周するようにして選手の元に届けられ、最後は増田選手と鈴木譲選手がメリダに組み付けて今年のマシンを完成させた。
そしてイベントの大トリは選手たちに今年の抱負を語ってもらう、栗村修さん扮する「ベルギーから来た謎の神父」による「誓いの言葉」。ブリッツェンの前監督でもあった栗村さんが、各選手に今年成し遂げてほしい目標を挙げ、それを誓ってもらうという神聖な儀式(?)が執り行われ、会場は爆笑に包まれた。その愉快な様子は動画でどうぞ。
最後は、この日をもってGMを退任する廣瀬さんが閉会の挨拶。JBCF(日本実業団自転車競技連盟)の理事職に専念するため宇都宮ブリッツェンを離れることになるが、創設当初からの想いがかけ巡ったのか言葉に詰まる場面も。そしてパーティー参加者一人一人を選手達がお見送りしてお開きとなった。
text:photo:Satoru Kato
movie:Makoto AYANO
チームプレゼンテーションに先立って行われた記者会見には、宇都宮ブリッツェンの2019年メンバーと共に、清水監督、廣瀬GM、運営会社であるサイクルスポーツマネジメントの柿沼社長が出席。前監督の栗村修氏の司会進行で進められた。
2019年の体制発表はすでに昨年12月に発表済みであるため、この記者会見ではチーム・選手の目標や今シーズンのレース予定などに時間が割かれた。
東京オリンピック代表選手の輩出を目標に
今年のチームスローガンは「Be STRONG(強くあれ)」。昨年の国内レースシーンで圧倒的な強さを見せたが、もっと強いブリッツェンを見せたいという想いを込めている。
今シーズンも、3月16日のJプロツアー開幕戦「修善寺ロードレース」から11月のツール・ド・おきなわまで、Jプロツアーと国内UCIレースをメインに出場する。清水監督は「昨年に比べるとレースの無い期間が短く、8名の選手で戦うには厳しくなることが予想されるが、更なるステップアップの1年になるようにしたい」と、今シーズンについて話した。
チーム目標として掲げたのは、「個人目標の達成」と「オリンピック選手輩出」だ。2020年東京オリンピック代表選考については、JCF(日本自転車競技連盟)がすでに発表している通り、今年1月から来年5月までのレースが選考対象期間となっており、代表争いはすでに始まっている。清水監督は「昨年チーム創設10周年を迎え、これまで支えてきてくださった栃木県や宇都宮市の皆さんへの恩返しとして、チームからオリンピック代表を輩出したい」という想いを語った。
代表選考については、選考期間中に獲得したUCIポイントを元に、JCF独自の係数をかけたポイントによるランキングで決定される。係数は登りの厳しいオリンピックコースと同様なレースほど高い一方、全日本選手権やアジア選手権などは低めに設定されている。国内レースメインのブリッツェンにはかなりハードルが高いように思えるが、「2016年に増田選手が獲得したUCIポイントは、新城幸也選手、別府史之選手に続く3番目に多かったので、国内レースメインでの活動でも決して不利ではないと考えている」と、清水監督は力説した。
それを受けて増田成幸は「オリンピック代表になるために出場するUCIレースでひとつでも多くのUCIポイントを稼げるようにしたい。ここまで良い準備が出来て調子も良いと感じているが、落車で台無しにしてきたことも多々あったので、そうならないようにしたい」と、今年の目標を語った。
宇都宮ブリッツエンが「ズイフト」に参戦
一方で新たな試みも発表された。ワフー(wahoo)からサイクルトレーナー「キッカー(KICKR)」の提供を受け、ネットワーク上でバーチャルライドができる「ズイフト」で、ブリッツェン全選手がアカウントを取得して活用していく。トレーニングだけでなく、2024年のパリ・オリンピックでの種目化が見込まれる「Eスポーツ」への展開も視野に入れるという。ズイフト上ではブリッツェン選手のアバターを今後設定し、全日本選手権などにも参戦する予定だという。
また、次の10年の活動概念として「グローカルビジョン」を掲げ、世界で認められるチームを目指す。「グローカル」とは、「グローバル」と「ローカル」をかけ合わせた言葉。柿沼社長は「成績だけでなく、チーム運営や選手育成などを含め、世界に認められるものを次の10年で造っていく。その中で、宇都宮市、栃木県、ひいては日本が、ブリッツェンを通じて世界に向けて夢を描ける対象となれるようにしていきたい」と、説明した。
今年も大盛況のチームプレゼンテーションパーティー
さて、記者会見の後はファンを集めてのチームプレゼンテーションパーティー。今年のメンバーとジャージの一般向けのお披露目はこれが初めてとあって、多くのブリッツェンサポーターが集まった。
会場となった結婚式場にちなみ、結婚式的な余興も。リボンに通した結婚指輪を参列者がリレーして新郎新婦に届けるゲームがあるが、指輪をホイールに置き換えて参加者がリレーし、最後にフレームに組み付けて完成させるというもの。若干手間取りながらも前輪と後輪が会場を一周するようにして選手の元に届けられ、最後は増田選手と鈴木譲選手がメリダに組み付けて今年のマシンを完成させた。
そしてイベントの大トリは選手たちに今年の抱負を語ってもらう、栗村修さん扮する「ベルギーから来た謎の神父」による「誓いの言葉」。ブリッツェンの前監督でもあった栗村さんが、各選手に今年成し遂げてほしい目標を挙げ、それを誓ってもらうという神聖な儀式(?)が執り行われ、会場は爆笑に包まれた。その愉快な様子は動画でどうぞ。
最後は、この日をもってGMを退任する廣瀬さんが閉会の挨拶。JBCF(日本実業団自転車競技連盟)の理事職に専念するため宇都宮ブリッツェンを離れることになるが、創設当初からの想いがかけ巡ったのか言葉に詰まる場面も。そしてパーティー参加者一人一人を選手達がお見送りしてお開きとなった。
text:photo:Satoru Kato
movie:Makoto AYANO
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