4月1日、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)がKBCデパンヌ3日間レース(UCI2.HC)第3aステージの集団スプリントを制し、今シーズン初勝利。ステージ6位のルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)がリーダージャージを着て最終ステージに挑むことになった。

逃げグループに入ったイェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス)逃げグループに入ったイェンス・ケウケレール(ベルギー、コフィディス) photo:Cor VosKBCデパンヌ3日間レースの最終日は、午前中に第3aステージ(ロードレース)、午後に第3bステージ(個人タイムトライアル)が行なわれる。第3aステージは、ベルギー西部、北海近くの平野部を走る112kmのロードレース。上りが設定されないフルフラットなコースレイアウトで、石畳区間も数カ所設定されている。

快晴に恵まれたこの日、序盤からニコ・エークホウト(ベルギー、アンポスト・ショーンケリー)やボビー・トラクセル(オランダ、ヴァカンソレイユ)ら5名が逃げる展開。しかしレース距離の短さも影響して、タイム差は1分以上に広がらなかった。

メイン集団を牽くステイン・デヴォルデル(ベルギー、クイックステップ)メイン集団を牽くステイン・デヴォルデル(ベルギー、クイックステップ) photo:Cor Vosメイン集団はリーダージャージ擁するアックア・エ・サポーネとガーミン・トランジションズがコントロール。エークホウトらが最後まで諦めずに逃げ続けたが、ゴールまで余裕を持って逃げは吸収された。

ゴール前ではヴァカンソレイユやカチューシャが積極的に集団を牽き、ラスト200mの最終コーナーを抜けるとファラーとロベルト・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ)がスプリントを開始。石畳が敷かれた最終ストレートで、スプリンターたちがバイクを抑え込みながら闘いを繰り広げた。

スプリントで競り合うタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)とロベルト・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ)スプリントで競り合うタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)とロベルト・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ) photo:Cor Vos少し先行したファラーとワグナーには、遅れてロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)やケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)が対抗したが届かず、ワグナーを僅差で破ったファラーが先頭でゴールラインを駆け抜けた。

「勝利を掴むことが出来て清々しい気分だ。シーズン初勝利はいつでも最高な気分になる。2日間のハードなステージの後にもかかわらず、チームメイトたちは身を粉にする走りでスプリント勝負に持ち込んでくれた。この勝利でガーミン・トランジションズに追い風が吹けば良いと思う」。今シーズンここまで何度もスプリントで上位に絡みながらも、勝利に見放されていたファラーが、念願の初勝利を飾った。

ステージ6位に入ったパオリーニはリーダージャージをキープ。しかしTTスペシャリストとして知られるアンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)がタイム差無しの2位、デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・トランジションズ)が12秒遅れの総合4位につけており、午後の個人タイムトライアルでパオリーニが総合リードを守り切るのは難しい状況だ。ステージ優勝を飾ったファラーも「午後にはタイムトライアルが残されている」と、ミラーの総合逆転に期待を寄せている。

選手コメントはチーム公式サイトより。

KBCデパンヌ3日間レース2010第3aステージ結果
1位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)     2h31'30"
2位 ロベルト・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ)
3位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
5位 ウィルデ・シェフデ(ベルギー、ベランダス・ヴィレムス)
6位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
7位 ワウテル・ウェイラント(ベルギー、クイックステップ)
8位 ステファン・ファンダイク(オランダ、ベランダス・ヴィレムス)
9位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ)
10位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)

個人総合成績
1位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)     12h01'40"
2位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
3位 フレデリック・アモリソン(ベルギー、ランドバウクレジット)      +09"
4位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・トランジションズ)     +12"
5位 セバスティアン・テュルゴー(フランス、Bboxブイグテレコム)    +1'30"
6位 イェンス・モーリス(オランダ、ヴァカンソレイユ)          +1'37"
7位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ)            +2'15"
8位 ニコライ・トルソーフ(ロシア、カチューシャ)
9位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、リクイガス)         +2'18"
10位 ヘイデン・ロールストン(ニュージーランド、チームHTC・コロンビア)+2'21"

ポイント賞
ルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)

山岳賞
フローリス・フーシンニン(オランダ、スキル・シマノ)

チーム総合成績
ヴァカンソレイユ

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos