冷たい雨が降るマヨルカ島北部の山岳地帯で再びオールラウンダーが衝突。前日の覇者ブッフマンや世界王者バルベルデを振り切り、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が独走勝利を飾った。
マヨルカ島北部の山岳地帯を走る photo:CorVos
トロフェオ・セッラデトラムンタナ photo:Challenge Mallorca前日に続いてチャレンジマヨルカ第3戦トロフェオ・セッラデトラムンタナの舞台はマヨルカ島北部の山岳地帯。ソレルからデイアまでの179.3kmコースには合計6つのカテゴリー山岳が詰め込まれており、終盤にかけて2級山岳フェメニア峠(全長11.8km/平均勾配4%)と2級山岳プイグマヨール(全長5km/平均勾配5.3%)、3級山岳ブレダ峠(全長4.5km/平均勾配4.8%)が連続する。
獲得標高差が3,400mに達する本格山岳レースは、気温10度以下、風が強く雨や雹が降る過酷なコンディションに。逃げグループを形成したニコラ・コンチ(イタリア、トレック・セガフレード)ら3名は、ロット・スーダルが牽引するメイン集団によって残り46km地点で早くも吸収された。
2級山岳フェメニア峠で本命は動かず、この日の最高地点である2級山岳プイグマヨールに向かってアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がアタック。残り33km地点で加速した世界チャンピオンの動きに被せる形で、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がカウンターアタックを繰り出した。
雨が降る中、山岳をこなすティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)ら photo:CorVos
攻撃に出るティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
前日に独走勝利を飾ったブッフマンが再び独走。そのまま2級山岳プイグマヨールの山頂を独走で通過したブッフマンを追ったのはウェレンスとベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー)、セルジオ・イギータ(コロンビア、フンダシオンエウスカディ)の3名。下りをかっ飛ばしたウェレンスは残り12km地点で先頭ブッフマンに追いついた(ヘルマンスは脱落)。
後方ではバルベルデがカウンターアタックを繰り返したが、先頭グループとのタイム差は30秒以上。こうして迎えた最後の3級山岳ブレダ峠で先頭からイギータが脱落し、ウェレンスがアタックしてブッフマンをふるい落とした。ウェレンスのペースはフィニッシュ手前の登りに差し掛かっても落ちず、ブッフマンに14秒差、追走グループから飛び出したバルベルデに1分02秒差をつけて独走勝利した。
独走勝利を飾ったティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) photo:CorVos
チャレンジマヨルカ初日に5位、2日目に2位という安定した成績を残していたウェレンスが3日目に勝利。ウェレンスはほぼ同じコースレイアウトで行われているトロフェオ・セッラデトラムンタナで3年連続優勝を飾った。「今日はスタート直後から登りと下りを繰り返すレイアウトだったので、タフな展開にするためにロット・スーダルがイニシアチブを取ることにした。危険な動きを全て吸収して、常に状況をコントロール下に置いたんだ。風が吹く箇所ではチーム全体でペースを上げて集団を粉砕。そしてプイグマヨールで単独でアタックしてブッフマンを追いかけた。濡れた下り区間を攻めた結果、ついてこれたには一人(イギータ)だけ。何度も走ったことのある道だったので、その予備知識が役に立った。ブッフマンは脚が攣りかけていたので、迷うことなく勝負に出た」。冷たい雨が降り続いたタフなステージを制したウェレンスは語る。
ウェレンスは昨年ブエルタ・ア・アンダルシア総合優勝、パリ〜ニース総合5位、アムステル・ゴールド・レース6位、ラ・フレーシュ・ワロンヌ7位、ジロ・デ・イタリアでステージ1勝。今年もアルデンヌクラシックやツール・ド・フランスに向けて調子を上げていく。「次戦は初出場のエトワール・ド・べセージュ(2月7日〜10日)。横風が拭くことで有名なレースだけど、最終日のタイムトライアルをしっかり走って総合優勝を狙いたい」。
ウェレンスやバルベルデを始め山岳系の選手たちはチャレンジマヨルカ最終日のトロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマを欠場する。スプリンター向きの最終レースはマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)やアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)らによる集団スプリントに持ち込まれるだろう。別府史之はジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)とともにスプリントを狙う。
3位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、優勝ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)、2位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos


獲得標高差が3,400mに達する本格山岳レースは、気温10度以下、風が強く雨や雹が降る過酷なコンディションに。逃げグループを形成したニコラ・コンチ(イタリア、トレック・セガフレード)ら3名は、ロット・スーダルが牽引するメイン集団によって残り46km地点で早くも吸収された。
2級山岳フェメニア峠で本命は動かず、この日の最高地点である2級山岳プイグマヨールに向かってアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がアタック。残り33km地点で加速した世界チャンピオンの動きに被せる形で、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がカウンターアタックを繰り出した。


前日に独走勝利を飾ったブッフマンが再び独走。そのまま2級山岳プイグマヨールの山頂を独走で通過したブッフマンを追ったのはウェレンスとベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー)、セルジオ・イギータ(コロンビア、フンダシオンエウスカディ)の3名。下りをかっ飛ばしたウェレンスは残り12km地点で先頭ブッフマンに追いついた(ヘルマンスは脱落)。
後方ではバルベルデがカウンターアタックを繰り返したが、先頭グループとのタイム差は30秒以上。こうして迎えた最後の3級山岳ブレダ峠で先頭からイギータが脱落し、ウェレンスがアタックしてブッフマンをふるい落とした。ウェレンスのペースはフィニッシュ手前の登りに差し掛かっても落ちず、ブッフマンに14秒差、追走グループから飛び出したバルベルデに1分02秒差をつけて独走勝利した。

チャレンジマヨルカ初日に5位、2日目に2位という安定した成績を残していたウェレンスが3日目に勝利。ウェレンスはほぼ同じコースレイアウトで行われているトロフェオ・セッラデトラムンタナで3年連続優勝を飾った。「今日はスタート直後から登りと下りを繰り返すレイアウトだったので、タフな展開にするためにロット・スーダルがイニシアチブを取ることにした。危険な動きを全て吸収して、常に状況をコントロール下に置いたんだ。風が吹く箇所ではチーム全体でペースを上げて集団を粉砕。そしてプイグマヨールで単独でアタックしてブッフマンを追いかけた。濡れた下り区間を攻めた結果、ついてこれたには一人(イギータ)だけ。何度も走ったことのある道だったので、その予備知識が役に立った。ブッフマンは脚が攣りかけていたので、迷うことなく勝負に出た」。冷たい雨が降り続いたタフなステージを制したウェレンスは語る。
ウェレンスは昨年ブエルタ・ア・アンダルシア総合優勝、パリ〜ニース総合5位、アムステル・ゴールド・レース6位、ラ・フレーシュ・ワロンヌ7位、ジロ・デ・イタリアでステージ1勝。今年もアルデンヌクラシックやツール・ド・フランスに向けて調子を上げていく。「次戦は初出場のエトワール・ド・べセージュ(2月7日〜10日)。横風が拭くことで有名なレースだけど、最終日のタイムトライアルをしっかり走って総合優勝を狙いたい」。
ウェレンスやバルベルデを始め山岳系の選手たちはチャレンジマヨルカ最終日のトロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマを欠場する。スプリンター向きの最終レースはマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)やアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)らによる集団スプリントに持ち込まれるだろう。別府史之はジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)とともにスプリントを狙う。

チャレンジマヨルカ2019 トロフェオ・セッラデトラムンタナ結果
1位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 4:00:40 |
2位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:14 |
3位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:01:02 |
4位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、フンダシオンエウスカディ) | 0:01:19 |
5位 | シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:33 |
6位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 0:01:46 |
7位 | ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) | |
8位 | ピーター・ウェーニング(オランダ、ルームポット・シャルル) | |
9位 | ホセ・ロハス(スペイン、モビスター) | 0:01:49 |
10位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) |
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