スリッピーな泥に覆われたナミュール要塞でのUCIシクロクロスワールドカップ第6戦。テクニックとパワーで圧倒したマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が今季17勝目を飾った。



オフキャンバー区間で先頭を奪うマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)オフキャンバー区間で先頭を奪うマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) photo:CorVos
クリスマスから年末年始のホリデーシーズンにかけて、ほぼ2日おきにビッグレースが連続する欧州シクロクロスカレンダー。その皮切りとなるシクロクロスワールドカップ第6戦の舞台は、数々のロードレースで使用されているベルギーはワロン地方のナミュール城塞だ。

絶え間なく高低差の大きなアップダウンや、斜面を横切る滑りやすいオフキャンバー、担ぎセクションが連続するコースには雨が降り、舗装路を除くほぼ全面が滑りやすい泥に覆われた。

欧州遠征後半戦をスタートさせた竹之内悠(東洋フレーム)、宇都宮シクロクロスで勝利を分け合ったスティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)とフェリペ・オルツ(スペイン、DELIKIA - GINESTAR)も顔を揃えたこのレースは、ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス)の好スタートで幕開ける。

スタートダッシュを決めたローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス)は8位にスタートダッシュを決めたローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス)は8位に photo:CorVos淡々とポジションを上げるワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム)淡々とポジションを上げるワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム) photo:CorVos

スリッピーなコースではいたるところでスリップダウンが続出スリッピーなコースではいたるところでスリップダウンが続出 photo:CorVos
向かう所敵なし状態のマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が3番手で駆け出した一方、ユンボ・ビスマ加入を表明した世界王者ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム)はペダルキャッチをミスし、隊列中盤からの追い上げる展開に。世界王者は「スタートに集中するあまりミスしてしまった。ランニングのために取り付けたスパイクピンを滑らせてしまった」と振り返っている。

先頭グループはファンデルポールやワールドカップリーダーのトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)を含む6名となり、やがてアールツの加速によって3名(ファンデルポール、アールツ、マイケル・ファントーレンハウト)に絞られる。すると、ペダリングすることさえ困難なオフキャンバーで加速したファンデルポールが一気に先頭を奪った。

「足の具合もよかったし、遂にやってきた泥コンディションを楽しむことができた」と言うファンデルポールの走りはまさに圧倒的。ファステストラップを叩き出しながら進む欧州王者は、スリップダウンするアールツや、3周目にして2番手グループまで上がってきたヴァンアールトを尻目に独走をキープ。スリッピーな泥に数度タイヤを取られながらも、その勢いは止まるところを知らなかった。

圧倒的なペースで独走するマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)圧倒的なペースで独走するマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) photo:CorVos
深い泥に埋もれた担ぎ上げ区間深い泥に埋もれた担ぎ上げ区間 photo:CorVosウイリーでフィニッシュラインを切ったマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)ウイリーでフィニッシュラインを切ったマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) photo:CorVos


猛烈なプッシュを続けるヴァンアールトに対し、まずはテクニカル区間のリズムが悪いアールツが遅れ、ファントーレンハウトも追従できず。バイクトラブルによって後退したファントーレンハウトをアールツが抜き去ったことで表彰台メンバーが選び出された。

独走となってから30分以上ハイペースを維持したファンデルポールが今季17勝目を達成。「このコンディションでは、自分のペースを超えた途端にミスを起こしてしまう。だからリードが安全圏に到達するまでは非常に難しいレースだった」と欧州王者は言う。

UCIシクロクロスワールドカップ2018-2019第6戦表彰台UCIシクロクロスワールドカップ2018-2019第6戦表彰台 photo:CorVos
「ずっと追い上げる展開が続いたけれど、例えスタートでミスせずとも優勝は無理だった」と、ファンデルポールの走りを讃えたのは、またしても2位に終わったヴァンアールト。「でも、今の自分の目標はステップアップすること。それで言えば十分満足できる結果だった」とコメントしている。

またこの日、竹之内は61位、男子U23に出場した梶鉄輝はDNFに終わっている。


UCIシクロクロスワールドカップ2018-2019第6戦結果
1位 マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) 1:03:37
2位 ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム) 1:04:41
3位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)1:05:27
4位 ヨリス・ニューウィンハイス(オランダ、サンウェブデヴェロップメント) 1:05:39
5位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) 1:05:58
6位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) 1:07:00
7位 マルセル・マイセン(ドイツ、コレンドン・サーカス) 1:07:07
8位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) 1:07:15
9位 ジャンニ・ヴェルメールシュ(ベルギー、ステイラーツ777) 1:07:18
10位 ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) 1:07:27
61位 竹之内悠(東洋フレーム) Lap
text:So.Isobe
photo:CorVos

最新ニュース(全ジャンル)

リクセン&カウル 定番マウントシステムと扱いやすさが魅力のバイクパッキングシステム Gakuto Fujiwara 2024/11/28(木) - 16:00
新製品情報2025