梶鉄輝も参戦したスーパープレスティージュ第5戦ゾンホーヴェン。1周目から独走したマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が今季15勝目を掴んだ。



数万人もの大観衆が詰め掛けたゾンホーヴェンの砂コース数万人もの大観衆が詰め掛けたゾンホーヴェンの砂コース (c)CorVos
およそ2週間の休息期間を挟み、ビッグレースが集中する年末年始に向け再び動き出した欧州シクロクロスカレンダー。前日に開催されたDVV第4戦「シュヘルデクロス」から場所を移し、スーパープレスティージュ第5戦が開催された。

舞台となったゾンホーヴェンは、深い砂に覆われた欧州サーキットでも随一の難関コース。ジェットコースターのような砂下りと登り返しを特徴とし、毎年数万人の観戦客を集める超人気イベントだ。この日は前日夜からの雪がコースサイドに残り、コース上の砂を重く湿らせた。

序盤にはティム・メルリエ(ベルギー、クレラン・シャルル)が先頭に立ったものの、連勝街道驀進中のマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)を従えた兄デーヴィッドが先頭に。チームメイトでバニーホップの名手トム・メーウセン(ベルギー)も続き、コレンドン・サーカス勢が砂に苦戦する後続を引き離していった。

長い登坂区間を走るマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)長い登坂区間を走るマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) (c)CorVos
ヴァンアールト、ファンデルハール、アールツが2位グループを組むヴァンアールト、ファンデルハール、アールツが2位グループを組む (c)CorVos応援団の声援を受けて突き進むマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)応援団の声援を受けて突き進むマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) (c)CorVos


すると1周回完了を待たずにファンデルポールが独走態勢に入った。「兄があんなに速くペーシングするとは予想外で、僕が先頭を代わって後ろを見たら誰もいなくなっていた」と言う欧州王者が一気にリードを稼ぎ出す。スタートで埋もれた世界王者ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム)はリズムを刻めず、ライバルの独走をやすやす許してしまう。

ヴァンアールトと砂のテクニックに長けるトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)、そしてラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)が2位グループを作り、徐々にファンデルハールは脱落。残る二人は終盤まで激しく争いながら進んだが、残り2周でアールツのチェーンが噛み込みストップ。これによって表彰台メンバーの順位が決まった。

急勾配の担ぎ上げを走る選手たち。隣は高速ダウンヒル区間急勾配の担ぎ上げを走る選手たち。隣は高速ダウンヒル区間 (c)CorVos
前輪を取られる深い高速砂下り前輪を取られる深い高速砂下り (c)CorVos砂下りで前転したクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア)砂下りで前転したクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、テレネット・フィデア) (c)CorVos

今季15勝目を飾ったマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)今季15勝目を飾ったマチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) (c)CorVos
砂区間で前転するなど「最終盤は集中力を保つのが難しかった」と振り返るファンデルポールだが、すでに築いていたリードを活かして独走勝利。今期15勝目で、スーパープレスティージュでは開幕5連勝。「みんなが(スヴェン)ネイスが数年前に達成した完全勝利について話しているけど、僕はできるだけ勝ち星を重ねたいんだ。このまま調子を崩すことなく世界選手権までキープしていきたい」と語っている。

「今日はこれ以上マチューに対してできることはなかった。全員で2位争いをしている間、彼は別のレースをしていたんだ。でも(彼の走りも)永遠に続くことなんて何も無いんだ。諦めずに戦い続けたい」と2位に甘んじたヴァンアールトは語っている。

またこの日、欧州遠征中の梶鉄輝はマイナス7ラップ、スターライト幕張や野辺山シクロクロス、関西シクロクロスマキノに出場したギャリー・ミルバーン(オーストラリア、MAAP・ENVE)はマイナス5ラップでレースを終えている。

スーパープレスティージュ2018-2019第5戦表彰台スーパープレスティージュ2018-2019第5戦表彰台 (c)CorVos
スーパープレスティージュ2018-2019第5戦結果
1位 マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) 1h00'33"
2位 ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、チベル・セボンオフロードチーム) +43"
3位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +1'35"
4位 ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) +2'03"
5位 イェンス・アダムス(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) +2'22"
6位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) +2'24"
7位 ヨリス・ニューウィンハイス(オランダ、サンウェブデヴェロップメント) +2'28"
8位 ジャンニ・ヴェルメールシュ(ベルギー、ステイラーツ777) +2'48"
9位 トム・メーウセン(ベルギー、コレンドン・サーカス) +2'53"
10位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) +3'09"
44位 梶鉄輝 -7Laps
text:So.Isobe
photo:CorVos

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