2018/12/08(土) - 15:26
12月8日、滋賀県高島市のマキノ高原でシクロクロス全日本選手権の男女マスターズ、男女U17、シングルスピードの部が開催。男子マスターズ40〜44歳の部で筧五郎(56サイクル)が4連覇を果たし、川村誠(スクミズマシンワークス)がシングルスピードを制した。
12月8日と9日に滋賀県高島市のマキノ高原で開催されるシクロクロス全日本選手権。同会場での日本一決定戦開催は史上3回目。8日(土曜日)に年齢別のマスターズカテゴリーとU17、シングルスピードの部が開催された。スキー場の斜面を利用したコースは2週間前に開催された関西シクロクロスとほぼ同じレイアウトで、陽気に包まれた2週間前とは異なり、高速で流れる雲に合わせて晴れと雨を繰り返す「マキノらしい」天気。最高気温は6度ほどまでしか上がらず、時折みぞれや雪も空に舞った。
今シーズン、好天続きだった国内シクロクロスシーン。すっかりドライコンディション慣れしていた選手たちを待っていたのは芝の下から姿を現わす泥だった。さらに冷たい雨や跳ね上げる泥水を全身に浴びながら低温のコンディションを走らなければならないため、ジャージやインナー、グローブ選びが走りに大きく影響することに。
通常『40歳以上』のくくりで一まとめになっている男子マスターズが全日本選手権では『40〜44歳』『45〜49歳』『50〜54歳』『55〜59歳』『60〜64歳』『65歳以上』に細分化される。その中でもっとも『若い』カテゴリーである『40〜44歳』でこれまで3連覇を果たしているのは筧五郎(56サイクル)。苦手とするスタートでミスして後方に埋もれながらも、筧は1周目に早くも先頭に立った。
例年すぐに独走に持ち込む筧だが、今年はCM1のJCXランキング首位の石川正道(ChampionSystemJapanTestTeam)がそれに待ったをかける。「どこまで付いていけるのかということを考えて序盤から積極的に走ろうと決めていました」という石川がテクニカルなセクションで先頭を奪うシーンも。
しかしやがて筧がパワーで石川を振り切って独走を開始する。単独2番手となった石川は「やはりフィジカルには差があって、結局は筧さんに置いていかれてしまいました。でも下りのテクニックなど、可能性を感じたことは収穫でした」と語る。両者のタイム差は周回を追うごとに広がり続け、最終的に筧が2分07秒差をつけてフィニッシュした。「全日本選手権は失敗したら取り返しがつかないレース。苦手なスタートで失敗して埋もれてしまいました。石川選手が離れてからはピットに入ってくれた圭ちゃん(元全日本チャンピオンの辻浦圭一さん)から具体的に走り方の指示を受けながら、淡々と走った」と語る43歳の筧が同カテゴリー4連覇を果たした。
「これでもマスターズ世界選手権では1周につきトップと1分の差を付けられてしまう。そんな世界の凄いレベルを見てしまったので、そこで得た衝撃からもっと強くならないといけないと思いました」と、全日本チャンピオンジャージに袖を通した筧。「世界選手権で勝つことを目標にするには、全日本選手権は通過点でしかない。今日も2分差ではなく4分差で勝つとか、日本で圧倒的に勝たないといけないと思っていました。世界選手権の50歳や55歳以上のカテゴリーまで長い目で見据えて、狙っていきたいです。バイクコントロールを学ぶことができるシクロクロスは楽しいです」。
一つ上の『45〜49歳』カテゴリーでは小橋洋二(ドM組合/ビババイクスジャパン)、島本誠(TEAMNEXTSTAGE)、水竹真一(ココペリガーニグー)が序盤から三つ巴の接戦を繰り広げた。抜きつ抜かれつ、アタックとカウンターアタックの攻防は最終周回に入っても続き、島本を振り切った小橋が勝利。「1年間この全日本選手権を見据えて走ってきましたが、まだチャンピオンジャージを獲得したという実感がわかない」と小橋は語る。
藤井修(きゅうべえsports)と大河内二郎(シルクロード)という関西勢を振り切った羽鳥和重(Cycleclub3UP)が『50〜54歳』カテゴリーで勝利。『55〜59歳』カテゴリーは中谷聡(北陸ドロタボウ)、『60〜64歳』カテゴリーは吉中和彦(EuroWorks)、『65歳以上』カテゴリーは茅野利秀(スワコレーシング)がそれぞれ勝利している。2名の出走となった『女子マスターズ』は児玉和代(sfiDARECRIT JAPAN)が圧勝した。U17カテゴリーでは村上裕二郎(松山工業高校)が男子レースの、渡部春雅(駒澤大学高等学校)が女子レースの全日本チャンピオンに輝いている。
その名の通り変速機能のないシングルスピードバイクに限定したシングルスピードの部では、翌日の男子エリートレースにも出場する川村誠(スクミズマシンワークス)が下位に1分42秒差をつけて圧勝。2位争いのスプリントは、接戦の末に茨城シクロクロスオーガナイザーの影山善明(オンザロード)が鈴木将を下して先着している。
翌日の9日(日曜日)には男子エリート、女子エリート、男子U23、男子ジュニアの4レースが開催。当日は最高気温は6度ほどまでしか上がらず、一日中冷たい雨が降る予報が出ている。土曜日以上にテクニックとパワーを要求する泥コースが全日本チャンピオンを決める。
12月8日と9日に滋賀県高島市のマキノ高原で開催されるシクロクロス全日本選手権。同会場での日本一決定戦開催は史上3回目。8日(土曜日)に年齢別のマスターズカテゴリーとU17、シングルスピードの部が開催された。スキー場の斜面を利用したコースは2週間前に開催された関西シクロクロスとほぼ同じレイアウトで、陽気に包まれた2週間前とは異なり、高速で流れる雲に合わせて晴れと雨を繰り返す「マキノらしい」天気。最高気温は6度ほどまでしか上がらず、時折みぞれや雪も空に舞った。
今シーズン、好天続きだった国内シクロクロスシーン。すっかりドライコンディション慣れしていた選手たちを待っていたのは芝の下から姿を現わす泥だった。さらに冷たい雨や跳ね上げる泥水を全身に浴びながら低温のコンディションを走らなければならないため、ジャージやインナー、グローブ選びが走りに大きく影響することに。
通常『40歳以上』のくくりで一まとめになっている男子マスターズが全日本選手権では『40〜44歳』『45〜49歳』『50〜54歳』『55〜59歳』『60〜64歳』『65歳以上』に細分化される。その中でもっとも『若い』カテゴリーである『40〜44歳』でこれまで3連覇を果たしているのは筧五郎(56サイクル)。苦手とするスタートでミスして後方に埋もれながらも、筧は1周目に早くも先頭に立った。
例年すぐに独走に持ち込む筧だが、今年はCM1のJCXランキング首位の石川正道(ChampionSystemJapanTestTeam)がそれに待ったをかける。「どこまで付いていけるのかということを考えて序盤から積極的に走ろうと決めていました」という石川がテクニカルなセクションで先頭を奪うシーンも。
しかしやがて筧がパワーで石川を振り切って独走を開始する。単独2番手となった石川は「やはりフィジカルには差があって、結局は筧さんに置いていかれてしまいました。でも下りのテクニックなど、可能性を感じたことは収穫でした」と語る。両者のタイム差は周回を追うごとに広がり続け、最終的に筧が2分07秒差をつけてフィニッシュした。「全日本選手権は失敗したら取り返しがつかないレース。苦手なスタートで失敗して埋もれてしまいました。石川選手が離れてからはピットに入ってくれた圭ちゃん(元全日本チャンピオンの辻浦圭一さん)から具体的に走り方の指示を受けながら、淡々と走った」と語る43歳の筧が同カテゴリー4連覇を果たした。
「これでもマスターズ世界選手権では1周につきトップと1分の差を付けられてしまう。そんな世界の凄いレベルを見てしまったので、そこで得た衝撃からもっと強くならないといけないと思いました」と、全日本チャンピオンジャージに袖を通した筧。「世界選手権で勝つことを目標にするには、全日本選手権は通過点でしかない。今日も2分差ではなく4分差で勝つとか、日本で圧倒的に勝たないといけないと思っていました。世界選手権の50歳や55歳以上のカテゴリーまで長い目で見据えて、狙っていきたいです。バイクコントロールを学ぶことができるシクロクロスは楽しいです」。
一つ上の『45〜49歳』カテゴリーでは小橋洋二(ドM組合/ビババイクスジャパン)、島本誠(TEAMNEXTSTAGE)、水竹真一(ココペリガーニグー)が序盤から三つ巴の接戦を繰り広げた。抜きつ抜かれつ、アタックとカウンターアタックの攻防は最終周回に入っても続き、島本を振り切った小橋が勝利。「1年間この全日本選手権を見据えて走ってきましたが、まだチャンピオンジャージを獲得したという実感がわかない」と小橋は語る。
藤井修(きゅうべえsports)と大河内二郎(シルクロード)という関西勢を振り切った羽鳥和重(Cycleclub3UP)が『50〜54歳』カテゴリーで勝利。『55〜59歳』カテゴリーは中谷聡(北陸ドロタボウ)、『60〜64歳』カテゴリーは吉中和彦(EuroWorks)、『65歳以上』カテゴリーは茅野利秀(スワコレーシング)がそれぞれ勝利している。2名の出走となった『女子マスターズ』は児玉和代(sfiDARECRIT JAPAN)が圧勝した。U17カテゴリーでは村上裕二郎(松山工業高校)が男子レースの、渡部春雅(駒澤大学高等学校)が女子レースの全日本チャンピオンに輝いている。
その名の通り変速機能のないシングルスピードバイクに限定したシングルスピードの部では、翌日の男子エリートレースにも出場する川村誠(スクミズマシンワークス)が下位に1分42秒差をつけて圧勝。2位争いのスプリントは、接戦の末に茨城シクロクロスオーガナイザーの影山善明(オンザロード)が鈴木将を下して先着している。
翌日の9日(日曜日)には男子エリート、女子エリート、男子U23、男子ジュニアの4レースが開催。当日は最高気温は6度ほどまでしか上がらず、一日中冷たい雨が降る予報が出ている。土曜日以上にテクニックとパワーを要求する泥コースが全日本チャンピオンを決める。
男子マスターズ 40-44
1位 | 筧五郎(56サイクル) | 0:42:47 |
2位 | 石川正道(ChampionSystemJapanTestTeam) | 0:02:07 |
3位 | 齋藤健一(エルドラード東北) | 0:03:08 |
男子マスターズ 45-49
1位 | 小橋洋二(ドM組合/ビババイクスジャパン) | 0:44:48 |
2位 | 島本誠(TEAMNEXTSTAGE) | 0:00:03 |
3位 | 水竹真一(ココペリガーニグー) | 0:00:27 |
男子マスターズ 50-54
1位 | 羽鳥和重(Cycleclub3UP) | 0:45:48 |
2位 | 藤井修(きゅうべえsports) | 0:00:27 |
3位 | 大河内二郎(シルクロード) | 0:00:42 |
男子マスターズ 55-59
1位 | 中谷聡(北陸ドロタボウ) | 0:31:06 |
2位 | 生越康之(MaxSpeed97) | 0:01:46 |
3位 | 久下弘樹(エキップ昴) | 0:01:48 |
男子マスターズ 60-64
1位 | 吉中和彦(EuroWorks) | 0:32:05 |
2位 | 松井正通(TOYOFRAME) | 0:00:26 |
3位 | 奥村憲央(ユーロワークス) | 0:00:51 |
男子マスターズ 65+
1位 | 茅野利秀(スワコレーシング) | 0:37:13 |
2位 | 松岡伸二(ボナペティ) | -1Lap |
女子マスターズ
1位 | 児玉和代(sfiDARECRIT JAPAN) | 0:28:44 |
2位 | 清水朱美(北陸ドロタボウ) | 0:02:15 |
男子 U17
1位 | 村上裕二郎(松山工業高校) | 0:33:59 |
2位 | 副島達海(Limitedteam846) | 0:02:46 |
3位 | 綾野尋(cycleclub3UP) | 0:05:19 |
女子 U17
1位 | 渡部春雅(駒澤大学高等学校) | 0:32:14 |
2位 | 中島瞳(LimitedTeam846/KURE) | 0:02:32 |
3位 | 大蔵こころ(ボンシャンス・ユース) | 0:04:13 |
男子シングルスピード
1位 | 川村誠(スクミズマシンワークス) | 0:42:31 |
2位 | 影山善明(オンザロード) | 0:01:42 |
3位 | 鈴木将 | 0:01:44 |
text&photo:Kei Tsuji
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