2018/11/17(土) - 20:50
Raphaスーパークロス野辺山初日のエリートレースで、幕張に続いてスクゥイッド・スクァッド勢が席巻。アンソニー・クラークとサミエル・ルーネルズ(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド)がそれぞれ独走勝利を飾ってみせた。
エリート男子:ヘケレを振り切ったクラークが独走勝利
Raphaスーパークロス野辺山の大トリを飾るのは、男子エリートレース。国内CXカレンダー中最もステイタスの高い野辺山だけにフルメンバーの国内トップレーサーと、国内UCIレースを巡業中のアンソニー・クラーク(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド)とギャリー・ミルバーン(オーストラリア、MAAP)、そして昨年大会1日目に勝利したエミール・ヘケレ(チェコ、スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ)を加えた総勢97名がスタートラインに並んだ。
60分間のレースは先週のスターライト幕張と同じく横山航太(シマノレーシング)の好スタートで動き出す。例年のレイアウトと比べて2分割された舗装路登りを終える頃には絶好調アンソニー・クラーク(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド)が先頭に立ち、エミール・ヘケレ(チェコ、スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ)や前田公平と織田聖(共に弱虫ペダルサイクリングチーム)、そしてギャリー・ミルバーン(オーストラリア、MAAP)ら先頭パックを率いていった。
2周目に入るとアンソニーが刻むハイペースによって先頭グループが割れ、追従できたのはヘケレのみだった。国内勢で唯一追走した前田は「呼吸が上がりきって付き切れしてしまった」と遅れ、ミルバーンと織田が入った追走グループに加わり体制の立て直しを図った。
暖かな陽気が砂埃舞うスリッピーなドライコンディションを作り上げ、レースは全体的にハイスピードな展開で進んだ。これに足元をすくわれたのは3位グループに入っていた織田で、バギーコースでの落車による脚の傷とブレーキレバー破損を負いながらもトップ10をキープし、最終的に6位に入る力を見せつける。
追走グループには全日本王者小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)や沢田時(チームブリヂストンサイクリング)が追いつき、膨れ上がる人数を嫌うようにミルバーンがアタックするも、息を吹き返した前田らの追走によって吸収。この流れの中で最終的に生き残ったのは前田と小坂、そしてミルバーンで、3名は最終周回まで鍔迫り合いを続けた。
先頭では集中した表情のクラークが積極的に攻め続けた末、落車も関係してヘケレを振り落とすことに成功した。「石が浮いたところで僕を抜かそうとしたエミールがクラッシュ。ここから半周ほど全力アタックしてリードを稼ぐことができたので、後はその差をキープすることに務めた」と、クラークは勝負が別れたポイントについて振り返っている。
そうして生まれた差は約10秒。僅かな差ではあったものの、スピーディーに進行するレースにおいて、二人の順位を決めるには十分だった。「単独に持ち込んでからは全てのパワーセクションで可能な限り強くスプリントした」というクラークは、最終的にリードを30秒まで広げ、先週のスターライト幕張に続く連勝を達成。「とにかくアンソニーが強かった。コースも彼向きだったし今日は2位で十分」と言うヘケレが2位、3位グループ内ではパンクに見舞われたミルバーンが遅れ、最終ストレートで小坂を捲り上げた前田が先着。日本人最上位を確保した。
「また勝てるとは思わなかった。とにかくまた勝てて本当にハッピーだよ。チームや息子、そして僕を応援してくれる全ての人や日本のファンに感謝したい」と語るクラーク。幕張、野辺山と2周連続で披露した圧倒的な力は、UCI1クラスとして開催されるDay2でも発揮されそうだ。
エリート女子:ルーネルズが独走勝利、今井はクラッシュ
アメリカと日本、総勢30名がスタートしたエリート女子レースは、スクゥイッド・スクァッドのチームリーダーを務めるエミリー・カチョレック(アメリカ)が好スタートを切る。ここにサミエル・ルーネルズ(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド)と全日本王者の今井美穂(Co2 Bicycle)が続き、今季好調の松本璃奈(TEAM SCOTT)が合流して4名の先頭グループが形成された。
すると今年の全日本選手権で初めて取り入れられた溝をジャンプでクリアする今井が一気に先頭を奪い、追いかけたルーネルズがカチョレックと松本を切り離してレースが進んだ。今井とルーネルズが先頭グループを組んで進んだ4周目、「飛ぼうと思えば飛べるけれど、自信が無いので降車を選んだ」と言うルーネルズの背後で今井が大クラッシュしてしまう。顔面から着地した今井は大きな怪我なく再びレースを続行したものの、25秒以上開いた差は縮まらなかった。
ライバルの予期せぬ失速を味方につけたルーネルズは、そのまま危なげなく独走勝利。クラークと同じくスターライト幕張に続く国内UCIレース2連勝を飾ってみせた。その後方、2位には今井、3位には松本を舗装路の登りで切り離したカチョレックが入り、またしてもスクゥイッド勢が全員表彰台を射止める活躍をみせた。
エリート男子:ヘケレを振り切ったクラークが独走勝利
Raphaスーパークロス野辺山の大トリを飾るのは、男子エリートレース。国内CXカレンダー中最もステイタスの高い野辺山だけにフルメンバーの国内トップレーサーと、国内UCIレースを巡業中のアンソニー・クラーク(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド)とギャリー・ミルバーン(オーストラリア、MAAP)、そして昨年大会1日目に勝利したエミール・ヘケレ(チェコ、スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ)を加えた総勢97名がスタートラインに並んだ。
60分間のレースは先週のスターライト幕張と同じく横山航太(シマノレーシング)の好スタートで動き出す。例年のレイアウトと比べて2分割された舗装路登りを終える頃には絶好調アンソニー・クラーク(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド)が先頭に立ち、エミール・ヘケレ(チェコ、スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ)や前田公平と織田聖(共に弱虫ペダルサイクリングチーム)、そしてギャリー・ミルバーン(オーストラリア、MAAP)ら先頭パックを率いていった。
2周目に入るとアンソニーが刻むハイペースによって先頭グループが割れ、追従できたのはヘケレのみだった。国内勢で唯一追走した前田は「呼吸が上がりきって付き切れしてしまった」と遅れ、ミルバーンと織田が入った追走グループに加わり体制の立て直しを図った。
暖かな陽気が砂埃舞うスリッピーなドライコンディションを作り上げ、レースは全体的にハイスピードな展開で進んだ。これに足元をすくわれたのは3位グループに入っていた織田で、バギーコースでの落車による脚の傷とブレーキレバー破損を負いながらもトップ10をキープし、最終的に6位に入る力を見せつける。
追走グループには全日本王者小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)や沢田時(チームブリヂストンサイクリング)が追いつき、膨れ上がる人数を嫌うようにミルバーンがアタックするも、息を吹き返した前田らの追走によって吸収。この流れの中で最終的に生き残ったのは前田と小坂、そしてミルバーンで、3名は最終周回まで鍔迫り合いを続けた。
先頭では集中した表情のクラークが積極的に攻め続けた末、落車も関係してヘケレを振り落とすことに成功した。「石が浮いたところで僕を抜かそうとしたエミールがクラッシュ。ここから半周ほど全力アタックしてリードを稼ぐことができたので、後はその差をキープすることに務めた」と、クラークは勝負が別れたポイントについて振り返っている。
そうして生まれた差は約10秒。僅かな差ではあったものの、スピーディーに進行するレースにおいて、二人の順位を決めるには十分だった。「単独に持ち込んでからは全てのパワーセクションで可能な限り強くスプリントした」というクラークは、最終的にリードを30秒まで広げ、先週のスターライト幕張に続く連勝を達成。「とにかくアンソニーが強かった。コースも彼向きだったし今日は2位で十分」と言うヘケレが2位、3位グループ内ではパンクに見舞われたミルバーンが遅れ、最終ストレートで小坂を捲り上げた前田が先着。日本人最上位を確保した。
「また勝てるとは思わなかった。とにかくまた勝てて本当にハッピーだよ。チームや息子、そして僕を応援してくれる全ての人や日本のファンに感謝したい」と語るクラーク。幕張、野辺山と2周連続で披露した圧倒的な力は、UCI1クラスとして開催されるDay2でも発揮されそうだ。
エリート女子:ルーネルズが独走勝利、今井はクラッシュ
アメリカと日本、総勢30名がスタートしたエリート女子レースは、スクゥイッド・スクァッドのチームリーダーを務めるエミリー・カチョレック(アメリカ)が好スタートを切る。ここにサミエル・ルーネルズ(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド)と全日本王者の今井美穂(Co2 Bicycle)が続き、今季好調の松本璃奈(TEAM SCOTT)が合流して4名の先頭グループが形成された。
すると今年の全日本選手権で初めて取り入れられた溝をジャンプでクリアする今井が一気に先頭を奪い、追いかけたルーネルズがカチョレックと松本を切り離してレースが進んだ。今井とルーネルズが先頭グループを組んで進んだ4周目、「飛ぼうと思えば飛べるけれど、自信が無いので降車を選んだ」と言うルーネルズの背後で今井が大クラッシュしてしまう。顔面から着地した今井は大きな怪我なく再びレースを続行したものの、25秒以上開いた差は縮まらなかった。
ライバルの予期せぬ失速を味方につけたルーネルズは、そのまま危なげなく独走勝利。クラークと同じくスターライト幕張に続く国内UCIレース2連勝を飾ってみせた。その後方、2位には今井、3位には松本を舗装路の登りで切り離したカチョレックが入り、またしてもスクゥイッド勢が全員表彰台を射止める活躍をみせた。
エリート男子結果
1位 | アンソニー・クラーク(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド) | 58’16” |
2位 | エミール・ヘケレ(チェコ、スティーブンスバイクス・エミリオスポーツ) | +29” |
3位 | 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +43” |
4位 | 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) | +44” |
5位 | ギャリー・ミルバーン(オーストラリア、MAAP) | +1’21” |
6位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +1’26” |
7位 | 丸山厚(Team RIDLEY) | +1’36” |
8位 | 沢田時(チームブリヂストンサイクリング) | +1’49” |
9位 | ケヴィン・ブラッドフォード(アメリカ) | +2’02” |
10位 | 横山航太(シマノレーシング) | +2’07” |
エリート女子
1位 | サミエル・ルーネルズ(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド) | 41’45” |
2位 | 今井美穂(Co2 Bicycle) | +27” |
3位 | エミリー・カチョレック(アメリカ、スクゥイッド・スクァッド) | +43” |
4位 | 松本璃奈(TEAM SCOTT) | +1’05” |
5位 | フィオナ・モーリス(オーストラリア、MAAP) | +1’29” |
6位 | 宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam) | +1’46” |
7位 | 西山みゆき(東洋フレーム) | +2’37” |
8位 | 福田咲絵(AX cyclocross team) | +3’03” |
9位 | 西形舞(TRCパナマレッズ) | +3’07” |
10位 | 平田千枝(ClubLa.sistaOffroadTeam) | +3’29” |
text:So.Isobe
photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc、Makoto.AYANO
photo:Kei Tsuji/nobeyamacyclocross.cc、Makoto.AYANO
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