2018/11/01(木) - 10:05
2019年5月11日から6月2日まで開催される第102回ジロ・デ・イタリアのコース詳細が発表された。初日と最終日を含め、個人タイムトライアルが3つ登場。獲得標高差が5,700mに達するステージなど、山頂フィニッシュが合計5つ設定された過酷な『山岳コース』が用意された。
ミラノで開催されたコースプレゼンテーションで明らかにされたジロのコース全貌。事前の発表通り開幕地はボローニャで、そこからイタリア半島を南下後に北上。アルプスとドロミテの山岳を経てヴェローナで閉幕を迎える。イスラエルで開幕を迎えた2018年とは異なり、第9ステージに登場するサンマリノを除いてほぼイタリア国内に限定。ステージが概ね数珠繋ぎとなっているため、飛行機を使用するような長距離の移動は含まない。
初日はボローニャを見下ろす丘の上にあるサンルーカ聖母教会に向かう個人タイムトライアル。残り2.1kmを切ってから平均勾配9.7%/最大勾配16%/高低差204mの参道を駆け上がる。この山岳タイムトライアルで最初のマリアローザ着用者が決まる。イタリア半島を南下する翌日からの4日間はスプリンター向きだが、2019年は平地番長がマリアローザを着るチャンスはなさそうだ。
大会最南端の第6ステージは残り13km地点にGPM(カテゴリー山岳)が設定されたパンチャー向きのコースレイアウト。第7ステージは、300人以上の犠牲者を出した大地震から10年を迎える丘の上のラクイラにフィニッシュする。大会最長クラス235kmの第8ステージは後半にかけてマルケ州の丘陵地帯を通過するため、単純な集団スプリントにはならないだろう。
休息日前の第9ステージは、アドリア海を見下ろすサンマリノ共和国にフィニッシュする34.7kmの個人タイムトライアル。スタートから徐々に高度を上げていき、後半の12.2kmで高低差549m/平均勾配4.5%を駆け上がる。なお、第102回大会には3つのタイムトライアルが設定されているが、チームタイムトライアルは設定されていない。
開幕地ボローニャと同じエミリアロマーニャ州まで戻ってきたジロは、休息日明けからアルプスを目指す。驚くほど真っ平らな2ステージをこなした後、ピエモンテ州を走る第12ステージで本格的な山岳が登場。フィニッシュ地点ピネローロのムーロ・ディ・プリンチピダカヤ(最大勾配20%)をこなしてから、標高1248mのGPMモントーゾ(距離8.9km/平均勾配9.4%)にアタック。平野まで下ってから、再びプリンチピダカヤの激坂をこなしてフィニッシュを迎える。しかしこれはまだジロ山岳の序章に過ぎない。何しろ残る9ステージのうち5ステージが山頂フィニッシュであり、後半にかけて密度の濃い山岳決戦が待っている。
GPMリース峠とGPMピアン・デル・ルーポを越えてから、標高2,247mのセッル湖まで駆け上がる第13ステージは大会有数の難易度。最後のGPMチェレソーレ・レアーレ(距離20.3km/平均勾配5.9%)は後半にかけて10%を刻む厳しさ。その美しい山岳風景にも注目したい。そして、131kmという短い距離に獲得標高差4,000mの登りが詰め込まれた第14ステージの破壊力は抜群。ヴァッレダオスタ州らしい急峻な4つのGPMを越え、モンテビアンコ(モンブラン)のロープウェイ乗り場にフィニッシュ。最後のGPMサンカルロ峠は距離10.5km/平均勾配9.8%/最大勾配15%という厳しさだ。
アルプスに別れを告げ、ロンバルディア平原を東に向かう第15ステージは大会最長237kmコース。大都市ミラノをかすめて山岳地帯に入ると、そこから先は『落ち葉のクラシック』ことイル・ロンバルディアのコースをなぞる。マドンナ・デル・ギザッロ、コルマ・ディ・ソルマーノ(激坂区間は回避)、チヴィリオ、サンフェルモというGPMを越えてコモにフィニッシュ。このクラシックレーサー向きの危険なステージを終えると最後の休息日を迎える。
ジロの最終週は決まって過酷だ。第16ステージは226kmという長い距離に獲得標高差5,700mというボリューム満点の山岳が詰め込まれたクイーンステージ。中盤にかけて標高2,618mの『チーマコッピ(大会最高地点)』ガヴィア峠(距離16.5km/平均勾配8%)が佇んでおり、そこからさらにGPMモルティローロ峠(距離12.8km/平均勾配10.1%)を駆け上がる。最後はポンテ・ディ・レーニョに向かって緩やかに登るだけだが、ガヴィア峠とモルティローロ峠のコンビが総合成績に大打撃を与えるだろう。
オーストリア国境に近い南チロル地方を走る第17ステージも4つのGPMが設定され、標高1,635mのGPMアンテルセルヴァ(距離9.6km/平均勾配5.5%)にフィニッシュする侮れない難易度。ポー平原を走る平坦ステージを挟んで、第19ステージは標高1,478mのGPMサンマルティーノ・ディ・カストロッツァ(距離13.6km/平均勾配5.6%)の山頂フィニッシュが待っている。
最終山岳決戦の舞台となるのが、ヴェネト州とトレンティーノ=アルトアディジェ州にまたがる山岳地帯。第20ステージにはチーマカンポ、マンゲン峠、ロッレ峠という3つのGPMが連続して登場。これら登坂距離20kmクラスの難関山岳を越えてから、GPMモンテアヴェーナ(距離13.5km/平均勾配6.3%/最大勾配16%)にアタック。獲得標高差5,000mのこの難関山岳ステージでクライマーが最後の攻撃を仕掛ける。
最終日はヴェローナを走る15.6kmの個人タイムトライアル。中盤にかけて距離4.5km/平均勾配4.6%の緩やかな登りをこなし、市内を走ってローマ時代の円形闘技場『アレーナ』でフィナーレを迎える。3週間の距離は3,518.5kmで、3つの個人タイムトライアルを含みながらも先日発表されたツール・ド・フランスの3,460kmを上回る。総獲得標高差はジロとして平均的な46,500mだが、1週目が比較的イージーな設定のため、逆に3週目にかけて巨大な山岳ステージが詰め込まれているのが特徴。例年以上に『山がちな』コースがマリアローザを選び出す。
ミラノで開催されたコースプレゼンテーションで明らかにされたジロのコース全貌。事前の発表通り開幕地はボローニャで、そこからイタリア半島を南下後に北上。アルプスとドロミテの山岳を経てヴェローナで閉幕を迎える。イスラエルで開幕を迎えた2018年とは異なり、第9ステージに登場するサンマリノを除いてほぼイタリア国内に限定。ステージが概ね数珠繋ぎとなっているため、飛行機を使用するような長距離の移動は含まない。
初日はボローニャを見下ろす丘の上にあるサンルーカ聖母教会に向かう個人タイムトライアル。残り2.1kmを切ってから平均勾配9.7%/最大勾配16%/高低差204mの参道を駆け上がる。この山岳タイムトライアルで最初のマリアローザ着用者が決まる。イタリア半島を南下する翌日からの4日間はスプリンター向きだが、2019年は平地番長がマリアローザを着るチャンスはなさそうだ。
大会最南端の第6ステージは残り13km地点にGPM(カテゴリー山岳)が設定されたパンチャー向きのコースレイアウト。第7ステージは、300人以上の犠牲者を出した大地震から10年を迎える丘の上のラクイラにフィニッシュする。大会最長クラス235kmの第8ステージは後半にかけてマルケ州の丘陵地帯を通過するため、単純な集団スプリントにはならないだろう。
休息日前の第9ステージは、アドリア海を見下ろすサンマリノ共和国にフィニッシュする34.7kmの個人タイムトライアル。スタートから徐々に高度を上げていき、後半の12.2kmで高低差549m/平均勾配4.5%を駆け上がる。なお、第102回大会には3つのタイムトライアルが設定されているが、チームタイムトライアルは設定されていない。
開幕地ボローニャと同じエミリアロマーニャ州まで戻ってきたジロは、休息日明けからアルプスを目指す。驚くほど真っ平らな2ステージをこなした後、ピエモンテ州を走る第12ステージで本格的な山岳が登場。フィニッシュ地点ピネローロのムーロ・ディ・プリンチピダカヤ(最大勾配20%)をこなしてから、標高1248mのGPMモントーゾ(距離8.9km/平均勾配9.4%)にアタック。平野まで下ってから、再びプリンチピダカヤの激坂をこなしてフィニッシュを迎える。しかしこれはまだジロ山岳の序章に過ぎない。何しろ残る9ステージのうち5ステージが山頂フィニッシュであり、後半にかけて密度の濃い山岳決戦が待っている。
GPMリース峠とGPMピアン・デル・ルーポを越えてから、標高2,247mのセッル湖まで駆け上がる第13ステージは大会有数の難易度。最後のGPMチェレソーレ・レアーレ(距離20.3km/平均勾配5.9%)は後半にかけて10%を刻む厳しさ。その美しい山岳風景にも注目したい。そして、131kmという短い距離に獲得標高差4,000mの登りが詰め込まれた第14ステージの破壊力は抜群。ヴァッレダオスタ州らしい急峻な4つのGPMを越え、モンテビアンコ(モンブラン)のロープウェイ乗り場にフィニッシュ。最後のGPMサンカルロ峠は距離10.5km/平均勾配9.8%/最大勾配15%という厳しさだ。
アルプスに別れを告げ、ロンバルディア平原を東に向かう第15ステージは大会最長237kmコース。大都市ミラノをかすめて山岳地帯に入ると、そこから先は『落ち葉のクラシック』ことイル・ロンバルディアのコースをなぞる。マドンナ・デル・ギザッロ、コルマ・ディ・ソルマーノ(激坂区間は回避)、チヴィリオ、サンフェルモというGPMを越えてコモにフィニッシュ。このクラシックレーサー向きの危険なステージを終えると最後の休息日を迎える。
ジロの最終週は決まって過酷だ。第16ステージは226kmという長い距離に獲得標高差5,700mというボリューム満点の山岳が詰め込まれたクイーンステージ。中盤にかけて標高2,618mの『チーマコッピ(大会最高地点)』ガヴィア峠(距離16.5km/平均勾配8%)が佇んでおり、そこからさらにGPMモルティローロ峠(距離12.8km/平均勾配10.1%)を駆け上がる。最後はポンテ・ディ・レーニョに向かって緩やかに登るだけだが、ガヴィア峠とモルティローロ峠のコンビが総合成績に大打撃を与えるだろう。
オーストリア国境に近い南チロル地方を走る第17ステージも4つのGPMが設定され、標高1,635mのGPMアンテルセルヴァ(距離9.6km/平均勾配5.5%)にフィニッシュする侮れない難易度。ポー平原を走る平坦ステージを挟んで、第19ステージは標高1,478mのGPMサンマルティーノ・ディ・カストロッツァ(距離13.6km/平均勾配5.6%)の山頂フィニッシュが待っている。
最終山岳決戦の舞台となるのが、ヴェネト州とトレンティーノ=アルトアディジェ州にまたがる山岳地帯。第20ステージにはチーマカンポ、マンゲン峠、ロッレ峠という3つのGPMが連続して登場。これら登坂距離20kmクラスの難関山岳を越えてから、GPMモンテアヴェーナ(距離13.5km/平均勾配6.3%/最大勾配16%)にアタック。獲得標高差5,000mのこの難関山岳ステージでクライマーが最後の攻撃を仕掛ける。
最終日はヴェローナを走る15.6kmの個人タイムトライアル。中盤にかけて距離4.5km/平均勾配4.6%の緩やかな登りをこなし、市内を走ってローマ時代の円形闘技場『アレーナ』でフィナーレを迎える。3週間の距離は3,518.5kmで、3つの個人タイムトライアルを含みながらも先日発表されたツール・ド・フランスの3,460kmを上回る。総獲得標高差はジロとして平均的な46,500mだが、1週目が比較的イージーな設定のため、逆に3週目にかけて巨大な山岳ステージが詰め込まれているのが特徴。例年以上に『山がちな』コースがマリアローザを選び出す。
ジロ・デ・イタリア2019ステージリスト
月日 | ステージ | スタート〜フィニッシュ | 距離 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
5月11日(土) | 第1ステージ | ボローニャ〜ボローニャ/サンルーカ | 8.2km(個人TT) | ☆☆☆ |
5月12日(日) | 第2ステージ | ボローニャ〜フチェッキオ | 200km | ☆☆☆ |
5月13日(月) | 第3ステージ | ヴィンチ〜オルベテッロ | 219km | ☆☆ |
5月14日(火) | 第4ステージ | オルベテッロ〜フラスカーティ | 228km | ☆☆ |
5月15日(水) | 第5ステージ | フラスカーティ〜テッラチーナ | 140km | ☆ |
5月16日(木) | 第6ステージ | カッシーノ〜サンジョヴァンニ・ロトンド | 233km | ☆☆☆ |
5月17日(金) | 第7ステージ | ヴァスト〜ラクイラ | 180km | ☆☆ |
5月18日(土) | 第8ステージ | トルトレート・リード〜ペーザロ | 235km | ☆☆☆ |
5月19日(日) | 第9ステージ | リッチオーネ〜サンマリノ | 34.7km(個人TT) | ☆☆☆☆ |
5月20日(月) | 休息日 | |||
5月21日(火) | 第10ステージ | ラヴェンナ〜モデナ | 147km | ☆ |
5月22日(水) | 第11ステージ | カルピ〜ノーヴィ・リグーレ | 206km | ☆ |
5月23日(木) | 第12ステージ | クネオ〜ピネローロ | 146km | ☆☆☆ |
5月24日(金) | 第13ステージ | ピネローロ〜チェレソーレ・レアーレ | 188km | ☆☆☆☆ |
5月25日(土) | 第14ステージ | サンヴィンセント〜クールマイユール | 131km | ☆☆☆☆☆ |
5月26日(日) | 第15ステージ | イヴレア〜コモ | 237km | ☆☆☆☆ |
5月27日(月) | 休息日 | |||
5月28日(火) | 第16ステージ | ローヴェレ〜ポンテ・ディ・レーニョ | 226km | ☆☆☆☆☆ |
5月29日(水) | 第17ステージ | コメッツァデューラ〜アンテルセルヴァ | 180km | ☆☆☆ |
5月30日(木) | 第18ステージ | ヴァルダオーラ〜サンタマリア・ディ・サーラ | 220km | ☆ |
5月31日(金) | 第19ステージ | トレヴィーゾ〜サンマルティーノ・ディ・カストロッツァ | 151km | ☆☆☆ |
6月1日(土) | 第20ステージ | フェルトレ〜クローチェ・ダウネ・モンテアヴェーナ | 193km | ☆☆☆☆☆ |
6月2日(日) | 第21ステージ | ヴェローナ〜ヴェローナ | 15.6km(個人TT) | ☆☆☆ |
text:Kei Tsuji
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