2010/03/17(水) - 17:51
先日のボーネンのインタビュー記事でお伝えした通り、今週末イタリアで行なわれるミラノ〜サンレモにおいてアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)は優勝候補の一人だ。ボーネンが警戒する元世界チャンピオンのバッランに、グレゴー・ブラウンが訊いた。
「ミラノ〜サンレモでは、そのシーズンのビッグレースでまだ勝利を手にしていない選手が驚きの勝利を飾ることがよくある。だからボーネンは僕を優勝候補に挙げたのだと思うよ」。
バッランが所属するBMCレーシングチームの共同オーナーであり、チーム監督でもあるジム・オショウィッツ氏は「我々が最有力候補に挙げているのは、優勝候補にバッランを挙げたボーネンだ」と、逆にボーネンの動きを警戒する。
ランプレで6年間走ったバッランが、アメリカのBMCレーシングチームと2年契約を結んだのは2009年9月のこと。ランプレ時代にバッランはロード世界選手権、ロンド・ファン・フラーンデレン、そしてヴァッテンフォール・サイクラシックスで勝利を収めた。2009年はウィルス性の疾患により低迷したが、今シーズンはすでに調子の波を掴んでいる。
「先週は2日間体調を崩したけど今はもう問題ない。ティレーノ〜アドリアティコで少し疲労が貯まったけど、ミラノ〜サンレモに向けて素晴らしいコンディションが整った。ツアー・オブ・カタールとツアー・オブ・オマーンでも上り調子だったし、このティレーノの後はクラシックに向けて更にコンディションを上げたい」。
300km近い長距離を走破するミラノ〜サンレモは、どれだけ体力をロスすること無く終盤の上りに挑むかが重要なファクターだ。バッランはゴール6.2km手前に登場するポッジオの上りでアタックを成功させ、スプリンターチームを振り切った逃げグループでの勝負に持ち込みたい考え。バッランの他にも、フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)やフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)らも同じ考えのはずだ。
「カヴェンディッシュやペタッキのスプリントを阻止するため、僕のように上りでアタックして逃げグループを形成しようとする選手は他にも大勢いる。更に、僕にはジョージ・ヒンカピー(アメリカ)やマークス・ブルグハート(ドイツ)、カルステン・クローン(オランダ)と言った強力なチームメイトがいるんだ。ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ)も強敵になると思ったけど、彼はアンラッキーな落車の連続で欠場する」。
オショウィッツ監督率いるBMCレーシングチームは、ティレーノ〜アドリアティコ終了後にミラノ〜サンレモのコースを下見する。特に重点的にチェックするのはゴール前のコースレイアウト。チプレッサとポッジオの上り勾配やコーナーを徹底的に頭に叩き込む。
「バッランはティレーノ〜アドリアティコで自分のコンディションに自信を持ったようだ。まだ最高のコンディションでは無いにしても、調子はずっと上がり続けている。バッランはライバルを突き放す術を知っている。そして、ゴール前で勝利する脚がある」。オショウィッツ監督はアメリカチームのイタリア人にエースの座を託す。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
「ミラノ〜サンレモでは、そのシーズンのビッグレースでまだ勝利を手にしていない選手が驚きの勝利を飾ることがよくある。だからボーネンは僕を優勝候補に挙げたのだと思うよ」。
バッランが所属するBMCレーシングチームの共同オーナーであり、チーム監督でもあるジム・オショウィッツ氏は「我々が最有力候補に挙げているのは、優勝候補にバッランを挙げたボーネンだ」と、逆にボーネンの動きを警戒する。
ランプレで6年間走ったバッランが、アメリカのBMCレーシングチームと2年契約を結んだのは2009年9月のこと。ランプレ時代にバッランはロード世界選手権、ロンド・ファン・フラーンデレン、そしてヴァッテンフォール・サイクラシックスで勝利を収めた。2009年はウィルス性の疾患により低迷したが、今シーズンはすでに調子の波を掴んでいる。
「先週は2日間体調を崩したけど今はもう問題ない。ティレーノ〜アドリアティコで少し疲労が貯まったけど、ミラノ〜サンレモに向けて素晴らしいコンディションが整った。ツアー・オブ・カタールとツアー・オブ・オマーンでも上り調子だったし、このティレーノの後はクラシックに向けて更にコンディションを上げたい」。
300km近い長距離を走破するミラノ〜サンレモは、どれだけ体力をロスすること無く終盤の上りに挑むかが重要なファクターだ。バッランはゴール6.2km手前に登場するポッジオの上りでアタックを成功させ、スプリンターチームを振り切った逃げグループでの勝負に持ち込みたい考え。バッランの他にも、フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)やフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)らも同じ考えのはずだ。
「カヴェンディッシュやペタッキのスプリントを阻止するため、僕のように上りでアタックして逃げグループを形成しようとする選手は他にも大勢いる。更に、僕にはジョージ・ヒンカピー(アメリカ)やマークス・ブルグハート(ドイツ)、カルステン・クローン(オランダ)と言った強力なチームメイトがいるんだ。ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ)も強敵になると思ったけど、彼はアンラッキーな落車の連続で欠場する」。
オショウィッツ監督率いるBMCレーシングチームは、ティレーノ〜アドリアティコ終了後にミラノ〜サンレモのコースを下見する。特に重点的にチェックするのはゴール前のコースレイアウト。チプレッサとポッジオの上り勾配やコーナーを徹底的に頭に叩き込む。
「バッランはティレーノ〜アドリアティコで自分のコンディションに自信を持ったようだ。まだ最高のコンディションでは無いにしても、調子はずっと上がり続けている。バッランはライバルを突き放す術を知っている。そして、ゴール前で勝利する脚がある」。オショウィッツ監督はアメリカチームのイタリア人にエースの座を託す。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。