2010/03/16(火) - 20:41
ベルギーチャンピオンのトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)は、ミラノ〜サンレモにおける最大のライバルとしてアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)を挙げた。ティレーノ〜アドリアティコでステージ優勝を飾ったボーネンに、グレゴー・ブラウンが訊いた。
「バッラン、彼はすでにトップコンディションだ。誰も気付いていないかも知れないけど、バッランはミラノ〜サンレモに向けて準備が整っている」。
これまでボーネンは名立たるビッグレースで勝利を収めて来た。ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、ロード世界選手権、そしてツール・ド・フランスのステージ6勝。そのキャリアに足りていないもの、それがミラノ〜サンレモだ。
「いつもと同じモチヴェーションでサンレモに挑む。調子は良いし、トップコンディションに近いと思う。難しいレースではあるけど、今年もタイトル獲得を狙う気持ちに変わりはない」。
2006年大会、ボーネンはチームメイトのフィリッポ・ポッツァート(イタリア)が逃げ切る姿を見ながらゴールした。2007年大会はオスカル・フレイレ(スペイン)とアラン・デーヴィス(オーストラリア)の後ろでゴール。ティレーノ〜アドリアティコに出場したのボーネンは、フレイレとデーヴィスらとバトルを繰り広げ、第2ステージで優勝を収めた。
「今年のレースシーンは予想とは少し違う。チームHTC・コロンビアが毎ステージ、スタートからゴールまでレースをコントロールすると選手みんなが想像していたんだ。でもカヴェンディッシュの調子が良くないから、チームHTC・コロンビアが力を発揮していない。少し不思議な感じがする」。
「ミラノ〜サンレモは、レ・マニエの上りで本格的に闘いが始まる。どのチームもハードな展開に持ち込もうと集団を牽くだろう。チプレッサやポッジオの上りで生き残って集団スプリントに絡むのは決して簡単なことじゃないよ。サンレモに関しては、レースがどのように展開するのか予想しにくいんだ」。
2005年大会で優勝しているアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)も優勝候補の一人。ペタッキはトレーニング中に落車し、顎を5針縫う怪我を負った。しかしレースまでに回復する時間は充分にある。
「ペタッキはどんなコンディションなのか計り知れない。ティレーノ〜アドリアティコの2日前に落車したから、大会中は無理な走りをしていなかった。でもスプリントで危険な存在であることに変わりはない。そしてコンディションが低迷しているとは言え、カヴェンディッシュも侮れない。昨年彼はベストコンディションではなかったのに優勝した。まだレース開催まで時間があるので、彼がしっかり調子を上げる可能性もある」。
ミラノ〜サンレモ第101回大会は3月20日、イタリア北部を舞台に開催される。今年も真価を問われる時がやってきた。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
「バッラン、彼はすでにトップコンディションだ。誰も気付いていないかも知れないけど、バッランはミラノ〜サンレモに向けて準備が整っている」。
これまでボーネンは名立たるビッグレースで勝利を収めて来た。ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、ロード世界選手権、そしてツール・ド・フランスのステージ6勝。そのキャリアに足りていないもの、それがミラノ〜サンレモだ。
「いつもと同じモチヴェーションでサンレモに挑む。調子は良いし、トップコンディションに近いと思う。難しいレースではあるけど、今年もタイトル獲得を狙う気持ちに変わりはない」。
2006年大会、ボーネンはチームメイトのフィリッポ・ポッツァート(イタリア)が逃げ切る姿を見ながらゴールした。2007年大会はオスカル・フレイレ(スペイン)とアラン・デーヴィス(オーストラリア)の後ろでゴール。ティレーノ〜アドリアティコに出場したのボーネンは、フレイレとデーヴィスらとバトルを繰り広げ、第2ステージで優勝を収めた。
「今年のレースシーンは予想とは少し違う。チームHTC・コロンビアが毎ステージ、スタートからゴールまでレースをコントロールすると選手みんなが想像していたんだ。でもカヴェンディッシュの調子が良くないから、チームHTC・コロンビアが力を発揮していない。少し不思議な感じがする」。
「ミラノ〜サンレモは、レ・マニエの上りで本格的に闘いが始まる。どのチームもハードな展開に持ち込もうと集団を牽くだろう。チプレッサやポッジオの上りで生き残って集団スプリントに絡むのは決して簡単なことじゃないよ。サンレモに関しては、レースがどのように展開するのか予想しにくいんだ」。
2005年大会で優勝しているアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)も優勝候補の一人。ペタッキはトレーニング中に落車し、顎を5針縫う怪我を負った。しかしレースまでに回復する時間は充分にある。
「ペタッキはどんなコンディションなのか計り知れない。ティレーノ〜アドリアティコの2日前に落車したから、大会中は無理な走りをしていなかった。でもスプリントで危険な存在であることに変わりはない。そしてコンディションが低迷しているとは言え、カヴェンディッシュも侮れない。昨年彼はベストコンディションではなかったのに優勝した。まだレース開催まで時間があるので、彼がしっかり調子を上げる可能性もある」。
ミラノ〜サンレモ第101回大会は3月20日、イタリア北部を舞台に開催される。今年も真価を問われる時がやってきた。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。