3Tから独創的なスパイダーデザインを採用した超軽量カーボンクランク「TORNO LTD」が登場。エアロ性能を追求したプレミアムなフルカーボンモデルとして、フロントシングルロードバイクの空力性能を更に高めるハイパフォーマンスな製品に仕上がる。



3T TORNO LTD3T TORNO LTD photo:Makoto.AYANO
ハンドル、ステム、シートピラーといったサイクルパーツを手がけるイタリアンブランド3T。近年はグラベルロードのEXPLORO、エアロロードのSTRADAという独創的な2種類のバイクフレームをリリース。エアロオールロードと1×ディスクエアロロードという新たな分野に切り込んだ前衛的な開発にも力を注ぐ。

エアロを重視した製品開発を進める中で、今年新作として登場したのが1×ドライブ専用の超軽量カーボンクランク「TORNO LTD」である。2016年に合併したドイツのカーボンスペシャリスト企業であるTHM-Carbonesとの共同開発により生まれた意欲的なプロダクトだ。

台形のスパイダーアームは優れたパワー伝達効率を実現台形のスパイダーアームは優れたパワー伝達効率を実現
最も特徴的なのはエアロダイナミクスを追求したフォルム。フロントシングルロードバイクの利点の一つであるクランク周りの整流効果を更に高めるため、独自のスパイダーデザインや前方投影面積を最小限に抑えたエアロデザイン採用している。

印象的な台形のスパイダーアームはクランクアームと一体成型され、高いエアロ性能と剛性を両立。そこにウルフトゥース社製の専用ナローワイドチェーンリングをセットすることで、肉抜きのない一枚板のようなルックスとなり優れた空力性能とパワー伝達性を実現している。

クランクアームにイタリアントリコロールをさり気なく配置クランクアームにイタリアントリコロールをさり気なく配置 ナイフのような薄く鋭いクランクアームは優れたエアロ性能を持つナイフのような薄く鋭いクランクアームは優れたエアロ性能を持つ
クランクシャフトまでフルカーボンで作り出されるクランクシャフトまでフルカーボンで作り出される


クランクアームも幅12mmという薄いスタイルとし、かつチェーンリングが1枚のみとなったフロントシングル専用の狭いQファクターによって風を受ける面積を減らした点もポイントだ(Qファクターは142mm)。

クランクシャフトはチェーンリング側のアームとカーボンで一体成形される。軽量と剛性を両立したプレミアムな構成はカーボンスペシャリストのTHM-Carbonesの技術力が光る部分だ。BBはBB386EVO、BB30、Pressfit30、シマノPressfit、BBright、ITA、BSAなど各種規格に対応する。

チェーンリングはウルフトゥース社製の専用ナローワイドギアだチェーンリングはウルフトゥース社製の専用ナローワイドギアだ
特徴的な造形となっているチェーンリング裏側。アルミ削り出しの痕跡が見える特徴的な造形となっているチェーンリング裏側。アルミ削り出しの痕跡が見える クランクキャップのねじはトルクスタイプクランクキャップのねじはトルクスタイプ


製造はTHM-Carbones社の自社工場で職人の手によりハンドメイドで生産される。カーボンシートを手作業で1枚1枚重ねていくことで、非常に高い品質を誇る。なおTORNO LTDはTHMクラビクラクランクに次いで世界第2位(2018年現在)の330gという軽さを誇るという。国内展開のクランク長は170mmのみで、チェーンリングとBBは別売りのため注意してほしい。価格は170,000円(税抜)。

チェーンリングはナローワイドギアの雄、ウルフトゥース社製の専用品「TORNO CHAINRING」を用意。チェーン落ちに配慮されるとともに、アルミ削り出しによって高い剛性と耐久性を有する。歯数は36T(79g)、40T(89g)、44T(110g)の3種類をラインアップし、価格は18,000円(税抜)だ。

ドイツのカーボンスペシャリストブランド、THM-Carbonesとの共同開発ドイツのカーボンスペシャリストブランド、THM-Carbonesとの共同開発


3T TORNO LTD
クランク長:170mm
重量:330g(クランク長172.5mm、チェーンリング除く)
Qファクター:142mm
チェーンライン:47mm(142mmのリアアクスルと組み合わせ1×に最適化)
内クランク幅:118mm
最大許容総重量(ライダー+自転車+荷物):110kg
価格:170,000円(税抜)

3T TORNO CHAINRING
歯数:36T(79g)、40T(89g)、44T(110g)
価格:18,000円(税抜)

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