Jプロツアーの「南魚沼ロードレース」が開催され、JプロツアーとJエリートツアーのチームによるプレーオフは松田祥位(EQADS)が優勝。3位までをEQADSが独占した。



JPT6チームとJET5チームによるプレーオフレースJPT6チームとJET5チームによるプレーオフレース photo:Satoru Kato
Jプロツアーで初めて開催される「プレーオフ」。今年のJプロツアー全22戦中、第21戦までのチームランキングで16位以下の6チームと、 Jエリートツアー(E1)のチームランキング上位5チームが出場し、上位5チームが来年のJプロツアー追加選考チームとなる。

今回のプレーオフに出場したチームは以下の通り。
プレーオフ出場チーム
Jプロツアーチーム Jエリートツアーチーム(E1)
eNShareエルドラード アーティファクトレーシングチーム
シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム 湾岸サイクリングユナイテッッド
ACQUA TAMA EURO-WORKS ブラウ・ブリッツェン
群馬グリフィン FORCE
EQADS イナーメ信濃山形-EFT
ウォークライド・バイク
会場は新潟県南魚沼市の三国川ダム周回コース。フィニッシュ前2kmは一気に100m以上の高低差を登る1周12kmを8周する98kmのレースで行われた。

台風が接近しているとは思えないような青空が朝から広がり、新潟県内ほぼ全域で30度以上の真夏日を記録。会場周辺も10月とは思えないほどの暑さの中でのレースとなった。

スタート直後、石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)がアタックスタート直後、石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)がアタック photo:Satoru Katoレース序盤に形成された5人の逃げ集団レース序盤に形成された5人の逃げ集団 photo:Satoru Kato

レースは1周目から動いた。リアルスタート直後、ネクストイエロージャージを着る石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)が飛び出すも、数kmで吸収。入れ替わるように5人の先頭集団が形成される。メンバーは、群馬グリフィンの狩野智也と宇田川陽平、シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチームの徳田鍛造と森崎英登、EQADSの蠣崎優仁。

5周目に形成された6人の先頭集団5周目に形成された6人の先頭集団 photo:Satoru Kato残り2周で飛び出した松田祥位(EQADS)が独走残り2周で飛び出した松田祥位(EQADS)が独走 photo:Satoru Kato

後続との差は最大で1分以上に開くが、2周目から3周目に13人の追走集団が形成されると、差は一気に縮まる。4周目に追走集団が先行する5人を吸収すると、登り区間で徳田がペースアップ。これに宇田川、小野寺慶(ブラウ・ブリッツェン)、松田祥位、宇賀隆貴、渡邉歩(以上EQADS)が追従して6人の先頭集団が形成される。後続集団はほぼバラバラになり、追走の動きもまとまらないことから、1分以上の差が開く。

2周を逃げ切って優勝した松田祥位(EQADS)2周を逃げ切って優勝した松田祥位(EQADS) photo:Satoru Kato
唯一残ったJETチームの小野寺慶(ブラウ・ブリッツェン)が5位唯一残ったJETチームの小野寺慶(ブラウ・ブリッツェン)が5位 photo:Satoru KatoJPTプレーオフ 表彰式 EQADSが3位までを独占JPTプレーオフ 表彰式 EQADSが3位までを独占 photo:Satoru Kato]

先行した6人での勝負が濃厚になった6周目終盤、登り区間でするすると松田が前に出るとそのまま単独で先行。この動きには誰も反応せず、一気に30秒以上の差が開く。松田はそのまま残り2周を独走。最終的には2位以下に1分35秒もの大差をつけて逃げ切った。2位に宇賀、3位に渡邉が入り、EQADSが3位までを独占。4位に宇田川、5位にJエリートツアーチームで唯一先頭集団に残った小野寺慶(ブラウ・ブリッツェン)が入った。

「このコースを見て足勝負だと思ったので、前に残っていくのを基本に終盤を独走する作戦でいきました。残り2周で仕掛けましたが、もう少し集団の中にいても良かったと思うのですが、じれったくなって行ってしまいました」とレースを振り返る松田。世界選手権から帰ってきたばかりだが「話にならないくらいボロボロな結果でした。刺激にはなったけれど、こんなんじゃダメだと思いました。どんなレースでも最大限の力を出して、日々成長出来ればと思います」と、語った。

このレースの結果により、EQADS、群馬グリフィン、eNShare-エルドラード、シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム、ウォークライド・バイクの5チームが、来季Jプロツアー追加選考チームとなった。終わってみれば、Jプロツアーチームが上位を閉める結果となった。

Jエリートツアーの選手で完走したのは、6位の小野寺慶(ブラウ・ブリッツェン)と、13位の雑賀大輔(湾岸サイクリングユナイテッド)の2人のみ。出走54人、完走16人というサバイバルレースだったとは言え、初のプレーオフはJプロツアーとJエリートツアーに大きな差があることを示した。
南魚沼ロードレース プレーオフ 結果(98km)
1位 松田祥位(EQADS) 2時間40分1秒
2位 宇賀隆貴(EQADS) +1分35秒
3位 渡邉 歩(EQADS) +1分59秒
4位 宇田川陽平(群馬グリフィン) +2分16秒
5位 小野寺慶(ブラウ・ブリッツェン) +2分28秒
6位 徳田鍛造(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム) +3分36秒
プレーオフ 団体成績
1位 EQADS 340p
2位 群馬グリフィン 111p
3位 eNShare-エルドラード 110p
4位 シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシング 66p
5位 ウォークライド・バイク 61p
6位 ブラウ・ブリッツェン 57p
その他レース

F ほぼ全レース距離を独走で逃げ切った唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)F ほぼ全レース距離を独走で逃げ切った唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru KatoE1 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ)が優勝E1 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ)が優勝 photo:Satoru Kato


text&photo:Satoru Kato

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