Jプロツアー第20戦「まえばしクリテリウム」が9月29日(土)群馬県前橋市で開催され、窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )が優勝。事実上2018シーズンの総合優勝を決めた。また、9月30日(日)に予定されていた「群馬CSCオータムロードレース・高木秀彰メモリアル」は、台風接近のためEクラスタのみの開催となった。
群馬県庁前に咲き誇るサルビアの花 photo:Satoru Kato
スタートするE1 後ろに見えるのは群馬県庁舎 photo:Satoru Kato
今年3回目の開催となるまえばしクリテリウムは、群馬県庁や前橋市役所などが立ち並ぶ前橋市中心部の公道に1周3.5kmの周回コースを設定して行われるレース。クランク状のコース両端をヘアピンの折り返しで往復するコースレイアウトで、高低差はない代わりにコース中間付近は道幅が狭くカーブが連続するテクニカルなセクションが含まれる。
ホセ・ビセンテ・トリビオと並走するフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
このレースには、マトリックスパワータグからフランシスコ・マンセボが急遽スポット参戦。2005年のツール・ド・フランスで総合4位のスペイン人選手の出場は、サプライズ好きの安原監督の計いで当日までチームメンバーにも知らされていなかったと言う。今回と南魚沼での最終戦をトライアルとして走り、来年以降については未定とのことだが、国内レースの盛り上げ役を期待したいところだ。
朝方まで降っていた雨は一時止み、路面は乾いた状態になっていた。しかしJプロツアーがスタートする午後を前に再び雨が降り始め、水しぶきが立つほどの中でのレースとなった。
波乱のレースを窪木一茂が制して総合優勝を決める
スタートラインに揃った地元チームの群馬グリフィン photo:Satoru Kato
レース序盤、優勝候補の3人が逃げる photo:Satoru Kato
マトリックスパワータグからスポット参戦のフランシスコ・マンセボが集団を牽引 photo:Satoru Kato
台風の接近による悪天候を考慮し、当初14周49kmの予定だったレースは、12周42kmに変更してスタートした。
1周目、入部正太朗(シマノレーシング)のアタックに窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)と小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が反応し、3人の逃げ集団が形成される。優勝候補3人の逃げに対し、メイン集団はマトリックスパワータグがコントロール。25秒前後の差を維持して周回を重ねていく。
6周目、窪木と小野寺が集団に戻り、入部がそのまま逃げ続け、集団との差は15秒前後まで詰まる。
集団から15秒ほどの差を維持して逃げ続ける入部正太朗(シマノレーシング) photo:Satoru Kato
7周目に発生した落車によりレースが中断 photo:Satoru Kato
先頭が7周目を終えて8周目に入ったところで、集団後方で起きた落車のためレースが中断。その後、それまでのレースをキャンセルとし、改めて5周17.5kmのレースとしてスタートすることが決定された。
再スタート後、入部正太朗と木村圭佑(シマノレーシング)が逃げる photo:Satoru Kato
レース終盤、宇都宮ブリッツェンが集団コントロールを開始 photo:Satoru Kato
本来であれば一斉スタートとなるが、選手間の計らいにより中断前に逃げていた入部が先行してスタート。それを追って木村圭佑(シマノレーシング)が単独追走して入部に合流する。シマノレーシング2人の逃げは、集団に10秒前後の差をつけて最終周回まで続く。メイン集団ではマトリックスパワータグに代わって宇都宮ブリッツェンがコントロールを開始。残り1km付近で逃げる2人を吸収する。
一瞬の隙をついた窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が優勝 photo:Satoru Kato
今季5勝目を挙げた窪木一茂とチームブリヂストンサイクリングのメンバー・スタッフ photo:Satoru Kato
フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)は18位 photo:Satoru Kato
集団でのスプリント勝負になるかと思われたが、最終コーナーを窪木が単独で立ち上がってくる。少し遅れて集団が現れるが、残り100mで窪木を追いきれない差がついていた。今年のツール・ド・フランス第7ステージで優勝したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)を彷彿とさせるウィニングポーズでフィニッシュした窪木は、チームメイトやスタッフと共に今季5勝目を喜んだ。大久保陣が3位に入り、チームブリヂストンサイクリングは1-3フィニッシュを達成した。
「落車で掘(孝明)がリタイアしてしまって、病院に運ばれてしまったのは予想外でした。明日のレースが中止ということもあったので、尚のこと優勝せねばという気持ちでした。スプリントのために最終コーナー前に自分のペースで前に出たら後ろが離れていたので、これはオイシイと思いました。後ろで(小野寺)玲とマトリックスがやり合ってもみくちゃになっていたみたいなので、先に出ていて良かったです。」と、レースを振り返る窪木。
ルビーレッドジャージは窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )、ピュアホワイトジャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru Kato最終戦の南魚沼はオムニアムの全日本選手権に出場するため欠場するが、この優勝で年間総合優勝を事実上決めた。「チームとしてはルビーレッドジャージを獲るよりも勝ち星を挙げることにこだわっていました。結果としてジャージを獲れて、スポンサーにもアピール出来たし、勝負に勝つことにこだわることが出来るようになってきたという自信がつきました。久々に1年を通してJプロツアーに参戦しましたが、外国人選手が増えてレベルも上がっているし、運営も良くなってきているのを感じます」と、語った。


今年3回目の開催となるまえばしクリテリウムは、群馬県庁や前橋市役所などが立ち並ぶ前橋市中心部の公道に1周3.5kmの周回コースを設定して行われるレース。クランク状のコース両端をヘアピンの折り返しで往復するコースレイアウトで、高低差はない代わりにコース中間付近は道幅が狭くカーブが連続するテクニカルなセクションが含まれる。

このレースには、マトリックスパワータグからフランシスコ・マンセボが急遽スポット参戦。2005年のツール・ド・フランスで総合4位のスペイン人選手の出場は、サプライズ好きの安原監督の計いで当日までチームメンバーにも知らされていなかったと言う。今回と南魚沼での最終戦をトライアルとして走り、来年以降については未定とのことだが、国内レースの盛り上げ役を期待したいところだ。
朝方まで降っていた雨は一時止み、路面は乾いた状態になっていた。しかしJプロツアーがスタートする午後を前に再び雨が降り始め、水しぶきが立つほどの中でのレースとなった。
波乱のレースを窪木一茂が制して総合優勝を決める



台風の接近による悪天候を考慮し、当初14周49kmの予定だったレースは、12周42kmに変更してスタートした。
1周目、入部正太朗(シマノレーシング)のアタックに窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)と小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が反応し、3人の逃げ集団が形成される。優勝候補3人の逃げに対し、メイン集団はマトリックスパワータグがコントロール。25秒前後の差を維持して周回を重ねていく。
6周目、窪木と小野寺が集団に戻り、入部がそのまま逃げ続け、集団との差は15秒前後まで詰まる。


先頭が7周目を終えて8周目に入ったところで、集団後方で起きた落車のためレースが中断。その後、それまでのレースをキャンセルとし、改めて5周17.5kmのレースとしてスタートすることが決定された。


本来であれば一斉スタートとなるが、選手間の計らいにより中断前に逃げていた入部が先行してスタート。それを追って木村圭佑(シマノレーシング)が単独追走して入部に合流する。シマノレーシング2人の逃げは、集団に10秒前後の差をつけて最終周回まで続く。メイン集団ではマトリックスパワータグに代わって宇都宮ブリッツェンがコントロールを開始。残り1km付近で逃げる2人を吸収する。



集団でのスプリント勝負になるかと思われたが、最終コーナーを窪木が単独で立ち上がってくる。少し遅れて集団が現れるが、残り100mで窪木を追いきれない差がついていた。今年のツール・ド・フランス第7ステージで優勝したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)を彷彿とさせるウィニングポーズでフィニッシュした窪木は、チームメイトやスタッフと共に今季5勝目を喜んだ。大久保陣が3位に入り、チームブリヂストンサイクリングは1-3フィニッシュを達成した。
「落車で掘(孝明)がリタイアしてしまって、病院に運ばれてしまったのは予想外でした。明日のレースが中止ということもあったので、尚のこと優勝せねばという気持ちでした。スプリントのために最終コーナー前に自分のペースで前に出たら後ろが離れていたので、これはオイシイと思いました。後ろで(小野寺)玲とマトリックスがやり合ってもみくちゃになっていたみたいなので、先に出ていて良かったです。」と、レースを振り返る窪木。

JBCFまえばしクリテリウム 結果(17.5km)
1位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング | 22分51秒 |
2位 | 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) | +1秒 |
3位 | 大久保陣(チームブリヂストンサイクリング ) | |
4位 | アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) | |
5位 | 横山航太(シマノレーシング) | |
6位 | 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) |
スプリント賞
窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )
入部正太朗(シマノレーシング)
木村圭佑(シマノレーシング)
第21戦群馬CSCオータムロードレースは中止
まえばしクリテリウムの翌日に群馬CSCで行われる予定だった「群馬CSCオータムロードレース」は、午前中に予定されていたE1、E2、E3のみ開催。午後から行われる予定だった女子のFクラスタとJプロツアーのレースは中止となった。Jプロツアーは昨年10月に急逝したフォトジャーナリストの故・高木秀彰氏のメモリアルレースとして開催される予定だったが、以降のレースで改めてメモリアルレースが開催される予定だ。
まえばしクリテリウムE1 武井 裕(アーティファクトレーシングチーム)が優勝 photo:Satoru Kato
群馬CSCオータムロードレースE1 紺野元汰(SBC Vertex Racing Team)が優勝 photo:Satoru Kato
E2優勝 井狩聖貴(BMレーシングZUNOW) photo:Satoru Kato
E3優勝 ジョン・タイサム(MIVRO) photo:Satoru Kato
窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )
入部正太朗(シマノレーシング)
木村圭佑(シマノレーシング)
第21戦群馬CSCオータムロードレースは中止
まえばしクリテリウムの翌日に群馬CSCで行われる予定だった「群馬CSCオータムロードレース」は、午前中に予定されていたE1、E2、E3のみ開催。午後から行われる予定だった女子のFクラスタとJプロツアーのレースは中止となった。Jプロツアーは昨年10月に急逝したフォトジャーナリストの故・高木秀彰氏のメモリアルレースとして開催される予定だったが、以降のレースで改めてメモリアルレースが開催される予定だ。




まえばしクリテリウム E1(17.5km)
1位 | 武井 裕(アーティファクトレーシングチーム) | 24分6秒 |
2位 | 藤田涼平(サイタマサイクルプロジェクト) | +0秒 |
3位 | 石橋利晃(湾岸サイクリングユナイテッド) | |
4位 | 雑賀大輔(湾岸サイクリングユナイテッド) | |
5位 | 畠山和也(ハヤサカサイクルレーシングチーム) | |
6位 | 八幡光哉(FORCE) |
群馬CSCオータムロードレース E1(60km)
1位 | 紺野元汰(SBC Vertex Racing Team) | 1時間32分6秒 |
2位 | 中里 仁(Rapha Cycling Club) | +0秒 |
3位 | 中川由人(SBC Vertex Racing Team) | |
4位 | 日野竜嘉(ボンシャンス) | |
5位 | 天春雄也(MAX SPEED 97) | |
6位 | 山田壮太郎(Team SHIDO) |
群馬オータムロードレース E2(42km)
1位 | 井狩聖貴(BMレーシングZUNOW) | 1時間6分31秒 |
2位 | 奥秋 篤(コムリン) | +0秒 |
3位 | 河村敦人(大福屋) | |
4位 | 大谷航也(HAMMER!!BROS) | |
5位 | 高橋史郎(サイタマサイクルプロジェクト) | |
6位 | 飯島康友(Honda栃木 JET) |
群馬オータムロードレース E3 (30km)
1位 | ジョン・タイサム(MIVRO) | 48分28秒 |
2位 | 石下翔太(ブラウ・ブリッツェン) | +0秒 |
3位 | 栗原佑弥(グランディヴェルレーシングチーム) | |
4位 | 町田龍士(パナソニックレーシング) | |
5位 | 物井 邑(夏草サイクリングチーム) | |
6位 | 大城 奨(フィッツ) |
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