3月7日、ツール・ド・ランカウイはマレーシアの首都クアラルンプールで最終日を迎えた。市街地周回コースで繰り広げられた最後のスプリントを制したのはスチュアート・ショウ(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)。前日の優勝者ホセ・ルハノ(ベネズエラ、ISD・ネーリ)が総合優勝に輝いた。

選手たちを見下ろすのは高さ452mのペトロナスツインタワー選手たちを見下ろすのは高さ452mのペトロナスツインタワー photo:Yufta Omata首都クアラルンプールの周回コースに終着するランカウイ最終ステージ。クアラルンプール北部のクアラ・クブ・バルをスタートし、2つの4級山岳を経て首都中心部の周回コースに突入する。最後は6.5kmの周回コースを6周してフィナーレを迎える。

注目は最終スプリントバトルの他にも、地元のアヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)がポイント賞トップを守り抜けるか、そして前日に同ポイントでルハノに奪われた山岳賞ジャージをピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)が取り戻せるか。

総合リーダーのルハノ擁するISD・ネーリが集団をコントロール総合リーダーのルハノ擁するISD・ネーリが集団をコントロール photo:Yufta Omataハイスピードな展開で幕開けたレースは、山岳賞奪回を目指すドラパック・ポルシェが徹底的に集団をコントロールし、アタックを全て封じ込めて進んで行く。チームメイトに支えられたマクドナルドは41km地点の4級山岳を先頭で通過し、山岳賞トップの座を取り返した。

やがて集団からはガーデル・ミズバニ(イラン、タブリス・ペトロケミカル)ら6名が抜け出したが、ISD・ネーリがコントロールするメイン集団から1分25秒のリードを稼ぐのがやっと。クアラルンプールの周回コースに入るとタイム差は縮小し、ゴールまで2周半を残して逃げは吸収された。

最終スプリントバトルを制したスチュアート・ショウ(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)最終スプリントバトルを制したスチュアート・ショウ(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ) photo:Yufta Omataその後も単発的なアタックは掛かったが、最終スプリントを狙うフットオン・セルヴェットやチームジェイコ・スキンズが集団を一つにまとめてゴールへ。ダタラン・ムルデカ(独立広場)前で繰り広げられたスプリント勝負で、真っ赤なジャージを着るショウが手を挙げた。

オーストラリアのドラパック・ポルシェは今大会ステージ初優勝。同時にマクドナルドの山岳賞奪回にも成功しており、最高の形で7週間のレースを締めくくった。

各賞ジャージ受賞者、山岳賞マクドナルド(ドラパック)、総合優勝ルハノ(ISD)、ポイント賞マナン(クムサン・ジンセン・アジア)、アジアンライダー賞ゴン(ソウルサイクリング)各賞ジャージ受賞者、山岳賞マクドナルド(ドラパック)、総合優勝ルハノ(ISD)、ポイント賞マナン(クムサン・ジンセン・アジア)、アジアンライダー賞ゴン(ソウルサイクリング) photo:Yufta Omata開幕2ステージで怒濤の連勝を飾ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ)がステージ14位に沈んだため、ステージ4位のマナンがポイント賞トップの座を守り抜くことに成功している。西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)は12位で最終ステージを終えた。

総合上位陣は順当に先頭集団でゴールラインを駆け抜け、クアラルンプールの凱旋走行を楽しんだルハノが総合優勝を達成。前日のゲンティンステージで大健闘した総合2位のゴン・ヒュソク(韓国、ソウルサイクリング)がアジアンライダー賞に輝いた。

スチュアート・ショウ(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)
「このランカウイはチームメイトのアシストとして出場していた。今日も実はラスト15kmまでピーター(マクドナルド)らのためにボトルを運んでいたんだ。ゴールスプリントではアディク(オスマン)の牽引役だったのに、途中で彼を見失ってしまった。でも好位置につけていたのでそのままスプリントすると、予想以上に脚が回った。ドラパック・ポルシェにとって良い一日になったよ!」

レース展開はレース公式サイト、選手コメントは現地情報より。


ツール・ド・ランカウイ2010第7ステージ結果
1位 スチュアート・ショウ(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)     3h01'00"
2位 ビダル・セリス(スペイン、フットオン・セルヴェット)
3位 レネ・ハーゼルバッハー(オーストリア、フォアアールベルク・コラテック)
4位 アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)
5位 ルスラン・トルバエフ(カザフスタン、カザフスタンチーム)
6位 トビアス・エルラー(ドイツ、タブリス・ペトロケミカル)
7位 アレックス・キャンデラリオ(アメリカ、ケリーベネフィット)
8位 ピエルパオロ・デネーリ(イタリア、ISD・ネーリ)
9位 ホセイン・ナテギ(イラン、アサド大学チーム)
10位 リチャード・ラング(オーストラリア、チームジェイコ・スキンズ) 
12位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)
35位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム) 
57位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
58位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)
61位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)                +28"
75位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)                +58"
76位 五十嵐丈士(日本、クムサン・ジンセン・アジア)

個人総合成績
1位 ホセ・ルハノ(ベネズエラ、ISD・ネーリ)               24h07'58"
2位 ゴン・ヒュソク(韓国、ソウルサイクリング)               +2'07"
3位 ホセイン・アスカリ(イラン、タブリス・ペトロケミカル)         +2'39"
4位 ピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)     +3'21"
5位 アミール・ザルガリ(イラン、アサド大学チーム)             +4'13"
6位 マルクス・アイベッガー(オーストリア、フットオン・セルヴェット)    +4'54"
7位 アレクサンドル・シュシェモイン(カザフスタン、カザフスタンチーム)
8位 マティアス・ブランドル(オーストリア、フットオン・セルヴェット)    +4'58"
9位 ガーデル・ミズバニ(イラン、タブリス・ペトロケミカル)         +5'10"
10位 アハド・カゼミ(イラン、タブリス・ペトロケミカル)          +5'46"
27位 別府匠(日本、愛三工業レーシングチーム)               +10'04"
33位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)              +11'44"
56位 品川真寛(日本、愛三工業レーシングチーム)              +17'10"
59位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)              +18'09"
63位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)              +18'54"
77位 五十嵐丈士(日本、クムサン・ジンセン・アジア)            +21'16"
88位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)               +25'28"

アジアンライダー賞
ゴン・ヒュソク(韓国、ソウルサイクリング)

ポイント賞
アヌアル・マナン(マレーシア、クムサン・ジンセン・アジア)

山岳賞
ピーター・マクドナルド(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)

チーム総合成績
タブリス・ペトロケミカル

アジアチーム総合成績
タブリス・ペトロケミカル

text:Kei Tsuji
photo:Yufta Omata, www.ltdl.com.my

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