テルプストラがディレクトエネルジーへ　相次ぐビッグネームの移籍を総まとめ

2019年シーズンに向けて各チームが新たに加入する選手を発表している。特徴はBMCレーシングを離脱する選手が相次いでいることと、フランスのUCIプロコンチームが積極的に補強を行っていること。新たにニキ・テルプストラ（オランダ）がディレクトエネルジーに移籍することが決まった。

---

移籍市場の鍵を握るBMCレーシング photo:Kei Tsuji
UCI（国際自転車競技連盟）が定める情報解禁日の8月1日以降、続々と選手たちの移籍情報が発表されている。2019年シーズンに向けた大きなトピックは、解散の危機を迎えていたBMCレーシングが大量に選手を放出すること。ティージェイ・ヴァンガーデレン（アメリカ）やローハン・デニス（オーストラリア）、シュテファン・キュング（スイス）といった主力選手がそれぞれEFエデュケーションファースト・ドラパック、バーレーン・メリダ、グルパマFDJへの移籍を決めている。サイモン・ゲランス（オーストラリア）は引退。トレック・セガフレード入りが有力視されているリッチー・ポート（オーストラリア）の正式な移籍先は未発表だ。

BMCレーシングのライセンスを引き継ぎ、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート（ベルギー）を中心に構成されるCCCチーム（名称未定）は新たにサイモン・ゲシュケ（ドイツ）やセルジュ・パウェルス（ベルギー）の獲得を発表。ポーランド色が強くなる新体制チームは、2018年でチームスカイとの契約が切れるツール・ド・フランス覇者ゲラント・トーマス（イギリス）の獲得にも興味を示している。

ロンド・ファン・フラーンデレンを制したニキ・テルプストラ（オランダ、クイックステップフロアーズ） photo:Makoto.AYANO

2014年のパリ〜ルーベと2018年のロンド・ファン・フラーンデレンを制しているニキ・テルプストラ（オランダ）が8年間所属したクイックステップフロアーズを離れてディレクトエネルジーに移籍することが大きなトピック。UCIワールドツアーライセンス獲得を目指すフランスチームにとっては超大型補強であり、ライセンス獲得を逃した場合でも「北のクラシック」のワイルドカード獲得に繋がると見られる。

ディレクトエネルジーに限らずフランスのUCIプロコンチネンタルチームは補強に積極的で、フォルトゥネオ・サムシックがアンドレ・グライペル（ドイツ）を、ヴィタルコンセプトがピエール・ロラン（フランス）やアルテュール・ヴィショ（フランス）の獲得を発表。ツール・ド・フランスのワイルドカード争いは2019年も熾烈なものになりそうだ。

バーレーン・メリダやディメンションデータも選手の獲得に積極的。デニスやダミアーノ・カルーゾ（イタリア）、ディラン・トゥーンス（ベルギー）をBMCレーシングから引き抜いたバーレーン・メリダは、他にもフィル・バウハウス（ドイツ）やマルセル・シーベルグ（ドイツ）といったスプリンター系選手を補強。ディメンションデータはミケル・ヴァルグレン（デンマーク）とロマン・クロイツィゲル（チェコ）という2人のアムステルゴールドレース覇者を獲得している。

text:Kei.Tsuji