2018/08/14(火) - 09:41
8月13日にオランダで第14回ビンクバンク・ツアー(UCIワールドツアー)が開幕した。7日間のステージレースの初日は落車が頻発し、巻き込まれた新城幸也(バーレーン・メリダ)は肘を骨折。雨の集団スプリントで21歳のファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップフロアーズ)が勝利した。
出走サインを済ませた新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:CorVos
ビンクバンク・ツアー2018第1ステージ photo:CorVos1948年から開催されていた「ツール・デ・ペイ・バ(ツアー・オブ・オランダ)」の伝統を引き継ぎ、2005年のUCIプロツアー発足に伴ってエネコ・ツアーに名称が改められた同大会。2017年にオランダ・アムステルダムのオンライン手数料割引証券業者ビンクバンクがタイトルスポンサーにつき、ビンクバンク・ツアーとして開催されている。
レースの舞台となるのはオランダとベルギーの2カ国で、初日はオランダ北部の平野を走る177.3km。ヘーレンフェーンからボルスファルトまでの平坦コースの大部分は海抜0mもしくはそれ以下で、獲得標高差は200mほどしかない。完全にスプリンター向きの1日は雨によって落車が頻発する荒れた展開となった。
レース序盤に落車した新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:CorVos
ロットNLユンボやクイックステップフロアーズがメイン集団を牽引 photo:CorVos
マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、バーレーン・メリダ)を含む6名の逃げ photo:CorVos
マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、バーレーン・メリダ)ら6名が序盤から逃げグループを形成したものの、集団先頭に陣取ったフレッシュなスプリンターチームがタイム差の拡大を阻止。3分30秒まで広がったタイム差を淡々と詰めながら、降りしきる雨の中をボルスファルトの周回コースへと向かった。
クイックステップフロアーズやロットNLユンボ、ミッチェルトン・スコットの集団牽引によって、逃げグループは残り13km地点で吸収される。終盤は雨が止んだものの、路面は乾くことなくたっぷりと濡れた状態。落車が頻発したボルスファルトの周回コースを1周目44.4km/h、2周目46.7km/h、3周目48.5km/hで駆け抜けた大集団がスプリント体制でフィニッシュに突っ込んでいく。残り3kmからフィニッシュラインまでの平均スピードは59.5km/hに達している。
どのチームも完璧なリードアウトトレインを組むことができず、フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップフロアーズ)に引き連れられて混沌とした集団から抜け出たヤコブセンがスプリントを開始する。別ラインから加速したカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)や、後方から追撃したマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がヤコブセンに並びかけるも、先頭を譲ることなくハンドルを投げたヤコブセンが先着した。
落車後も集団内で走り続ける新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:CorVos
終盤にかけて落車が相次いで発生する photo:CorVos
ハンドルを投げ込むカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)、ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップフロアーズ) photo:CorVos
チーム1年目の21歳ヤコブセンがビッグスプリンターたちを撃破。今シーズンのノケレコールス、シュヘルデプライス、ツール・ド・フィヨルド第1ステージで勝利しているネオプロがクイックステップフロアーズにシーズン54勝目をもたらした。「トップ10に入ったスプリンターの名前を見ると、これがキャリア最大の勝利だと言える。シュヘルデプライスの勝利よりも価値があるように思える。今日はチームの作戦通りにレースを進め、最後はセネシャルに連れられて残り250mから完璧な形でスプリントに持ち込めた」と、リーダージャージに袖を通したヤコブセンは語る。
オランダの先輩スプリンターにあたるディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)はステージ6位。ツール・ド・フランスでステージ2勝を飾った4歳年上のフルーネウェーヘンについてヤコブセンは「ディランは世界最高のスプリンターであり、自分はそのレベルには達していない。まだまだ自分は『速めのスクーター』であり、彼のような『ハーレーのエンジン』を持ち合わせていない。これからチームメイトのために働きながら、スプリンターとして成長していきたい」と語っている。
レース序盤の落車に巻き込まれた新城幸也(バーレーン・メリダ)はステージ優勝者と同タイムの144位でフィニッシュ。しかしレース後のX線検査で肘の骨折が判明している。チームドクターの判断でこの第1ステージをもってレースを去ることが決まった。怪我の詳細がわかり次第、改めてお伝えします。
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レースの舞台となるのはオランダとベルギーの2カ国で、初日はオランダ北部の平野を走る177.3km。ヘーレンフェーンからボルスファルトまでの平坦コースの大部分は海抜0mもしくはそれ以下で、獲得標高差は200mほどしかない。完全にスプリンター向きの1日は雨によって落車が頻発する荒れた展開となった。
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マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、バーレーン・メリダ)ら6名が序盤から逃げグループを形成したものの、集団先頭に陣取ったフレッシュなスプリンターチームがタイム差の拡大を阻止。3分30秒まで広がったタイム差を淡々と詰めながら、降りしきる雨の中をボルスファルトの周回コースへと向かった。
クイックステップフロアーズやロットNLユンボ、ミッチェルトン・スコットの集団牽引によって、逃げグループは残り13km地点で吸収される。終盤は雨が止んだものの、路面は乾くことなくたっぷりと濡れた状態。落車が頻発したボルスファルトの周回コースを1周目44.4km/h、2周目46.7km/h、3周目48.5km/hで駆け抜けた大集団がスプリント体制でフィニッシュに突っ込んでいく。残り3kmからフィニッシュラインまでの平均スピードは59.5km/hに達している。
どのチームも完璧なリードアウトトレインを組むことができず、フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップフロアーズ)に引き連れられて混沌とした集団から抜け出たヤコブセンがスプリントを開始する。別ラインから加速したカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)や、後方から追撃したマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がヤコブセンに並びかけるも、先頭を譲ることなくハンドルを投げたヤコブセンが先着した。
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チーム1年目の21歳ヤコブセンがビッグスプリンターたちを撃破。今シーズンのノケレコールス、シュヘルデプライス、ツール・ド・フィヨルド第1ステージで勝利しているネオプロがクイックステップフロアーズにシーズン54勝目をもたらした。「トップ10に入ったスプリンターの名前を見ると、これがキャリア最大の勝利だと言える。シュヘルデプライスの勝利よりも価値があるように思える。今日はチームの作戦通りにレースを進め、最後はセネシャルに連れられて残り250mから完璧な形でスプリントに持ち込めた」と、リーダージャージに袖を通したヤコブセンは語る。
オランダの先輩スプリンターにあたるディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)はステージ6位。ツール・ド・フランスでステージ2勝を飾った4歳年上のフルーネウェーヘンについてヤコブセンは「ディランは世界最高のスプリンターであり、自分はそのレベルには達していない。まだまだ自分は『速めのスクーター』であり、彼のような『ハーレーのエンジン』を持ち合わせていない。これからチームメイトのために働きながら、スプリンターとして成長していきたい」と語っている。
レース序盤の落車に巻き込まれた新城幸也(バーレーン・メリダ)はステージ優勝者と同タイムの144位でフィニッシュ。しかしレース後のX線検査で肘の骨折が判明している。チームドクターの判断でこの第1ステージをもってレースを去ることが決まった。怪我の詳細がわかり次第、改めてお伝えします。
ビンクバンク・ツアー2018第1ステージ結果
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップフロアーズ) | 4:01:00 |
2位 | マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | |
3位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
4位 | クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チームスカイ) | |
5位 | マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、サンウェブ) | |
6位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) | |
7位 | マッテーオ・ペルッキ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | ティモシー・デュポン(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) | |
9位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
10位 | リカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ) | |
144位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) |
個人総合成績
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップフロアーズ) | 4:00:50 |
2位 | マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:00:04 |
3位 | エルマー・レインダース(オランダ、ルームポット) | |
4位 | ドリス・デボント(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス) | |
5位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
6位 | マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | ディミトリ・ペイスケンス(ベルギー、WBアクアプロテクト) | |
8位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | |
9位 | トーマス・スプレンゲルス(ベルギー、スポートフラーンデレン) | |
10位 | クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チームスカイ) |
ポイント賞
チーム総合成績
1位 | クイックステップフロアーズ | 12:03:00 |
2位 | チームスカイ | |
3位 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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