2018/08/14(火) - 16:37
ツール・ド・フランスを走ったプロバイクを紹介する特集第7弾はカチューシャ・アルペシンのバイクたち。スラム/ZIPP系列製品を多数搭載したバイクにフォーカスを当てる。シマノDi2スイッチを取り付けたマルセル・キッテルのバイクも登場します。
イルヌール・ザカリン(ロシア)のULTIMATE CF SLX photo:Makoto.AYANO
マルセル・キッテル(ドイツ)のAEROAD CF SLX photo:Makoto.AYANO
TTステージで使用されたSPEEDMAX photo:Makoto.AYANO
今年も真っ赤なチームカラーにペイントされたバイクを駆るカチューシャ・アルペシン。軽量オールラウンダーのULTIMATE CF SLXと、エアロロードのAEROAD CF SLX、そしてTTバイクのSPEEDMAXという3車種構成は先に紹介したモビスターと同じだが、スプリンターやTTスペシャリストの割合が多くAEROAD CF SLXを使用するイメージが強い。
ほとんどのメンバーがリムブレーキバージョンのバイクを使用したが、総合エースを務めたイルヌール・ザカリン(ロシア)はディスクブレーキのULTIMATE CF SLXを数ステージで使用。パンク時のホイール交換リスクを恐れてリムブレーキを使うことが多い総合系選手の中では珍しい存在として注目を集めた。
ザカリンが数ステージで使用したディスクブレーキバージョンのULTIMATE CF SLX photo:Makoto.AYANO
パヴェステージで使用されたULTIMATE CF SLX photo:Makoto.AYANO
ザカリンが使用したスラム RED e-Tap HRD photo:Makoto.AYANO
カチューシャはUCIワールドツアーとして唯一のスラム使用チームで、それだけにRED e-Tapやジップ(ホイール)、クォーク(パワーメーター)とスラム傘下のパーツ採用率が高い。
なおスラムのRED e-Tapはサテライトスイッチとして「Blips」を用意しているが、昨年までシマノを使っていたマルセル・キッテル(ドイツ)の下ハンドルにはシマノDi2用のスプリンタースイッチが取り付けられていた。当然両者の取り付け端子規格は異なるものの、キッテルの要求でメカニックが電子工作を施したものと思われる。
スラムREDのチェーンリングとクォークパワーメーターの組み合わせ photo:Makoto.AYANO
多くのSPEEDMAXにはワンオフと思われる56Tアウターギアが取り付けられていた photo:Makoto.AYANO
キッテルのバイクにはシマノDi2のスプリンタースイッチが取り付けられていた photo:Makoto.AYANO
ハンドルとステム、シートポストはキャニオンのオリジナルで、非常に手足の長いザカリンは角度の深いアルミステム(キャニオンのラインアップには存在しない製品)でハンドル位置を下げていた。かなり送り気味にしたハンドルもザカリンならではのセッティングと言える。
ホイールは波打ったリム内側デザインを採用したNSWシリーズを中心に使う。平坦ステージでは454 NSWチューブラー、TTバイクの前輪には858 NSWチューブラーをセット。303のNSWチューブラーモデルがまだ存在しないため山岳では303 Firecrestチューブラーが用いられていた。破損リスクを考えてかパヴェステージにおいてNSWモデルは使われなかった。
波打ったリム内側デザインを採用したNSWシリーズがメインホイール photo:Makoto.AYANO
ディスクブレーキの場合は303 Firecrestチューブラー photo:Makoto.AYANO
ステッカーでチーム用に仕立てた303 Firecrestチューブラー。パヴェステージでは28mmタイヤを使用 photo:Makoto.AYANO
TTバイクの前輪には858 NSWチューブラーをセット photo:Makoto.AYANO
カチューシャ・アルペシンのナンバーホルダーはゴムで留めるタイプ photo:Makoto.AYANO
ツール・ド・フランスエディションのルックペダル photo:Makoto.AYANO
パヴェステージ用バイクのボトルケージにはテープを巻きホールド力を高めている photo:Makoto.AYANO
コンピュータマウント内側には鉛テープを貼り付け、噛み込みが強くなるよう工夫されていた photo:Makoto.AYANO
また、チームタイムトライアル用に準備されたSPEEDMAXに取り付けられていた真っ黒なチェーンリングの歯数は56T。REDには55Tまでしか用意がないため、ワンオフで製作されたものと思われる。
その他パーツ構成はコンチネンタルのプロ供給専用タイヤやセッレイタリアの各種サドル、ツール・ド・フランスエディションのルックペダルなど。ザカリンのバイクにはコンピューターの脱落防止のためか、マウント内側に鉛テープを貼り付け、噛み込みが強くなるように工夫されていた。
text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO



今年も真っ赤なチームカラーにペイントされたバイクを駆るカチューシャ・アルペシン。軽量オールラウンダーのULTIMATE CF SLXと、エアロロードのAEROAD CF SLX、そしてTTバイクのSPEEDMAXという3車種構成は先に紹介したモビスターと同じだが、スプリンターやTTスペシャリストの割合が多くAEROAD CF SLXを使用するイメージが強い。
ほとんどのメンバーがリムブレーキバージョンのバイクを使用したが、総合エースを務めたイルヌール・ザカリン(ロシア)はディスクブレーキのULTIMATE CF SLXを数ステージで使用。パンク時のホイール交換リスクを恐れてリムブレーキを使うことが多い総合系選手の中では珍しい存在として注目を集めた。



カチューシャはUCIワールドツアーとして唯一のスラム使用チームで、それだけにRED e-Tapやジップ(ホイール)、クォーク(パワーメーター)とスラム傘下のパーツ採用率が高い。
なおスラムのRED e-Tapはサテライトスイッチとして「Blips」を用意しているが、昨年までシマノを使っていたマルセル・キッテル(ドイツ)の下ハンドルにはシマノDi2用のスプリンタースイッチが取り付けられていた。当然両者の取り付け端子規格は異なるものの、キッテルの要求でメカニックが電子工作を施したものと思われる。



ハンドルとステム、シートポストはキャニオンのオリジナルで、非常に手足の長いザカリンは角度の深いアルミステム(キャニオンのラインアップには存在しない製品)でハンドル位置を下げていた。かなり送り気味にしたハンドルもザカリンならではのセッティングと言える。
ホイールは波打ったリム内側デザインを採用したNSWシリーズを中心に使う。平坦ステージでは454 NSWチューブラー、TTバイクの前輪には858 NSWチューブラーをセット。303のNSWチューブラーモデルがまだ存在しないため山岳では303 Firecrestチューブラーが用いられていた。破損リスクを考えてかパヴェステージにおいてNSWモデルは使われなかった。








また、チームタイムトライアル用に準備されたSPEEDMAXに取り付けられていた真っ黒なチェーンリングの歯数は56T。REDには55Tまでしか用意がないため、ワンオフで製作されたものと思われる。
その他パーツ構成はコンチネンタルのプロ供給専用タイヤやセッレイタリアの各種サドル、ツール・ド・フランスエディションのルックペダルなど。ザカリンのバイクにはコンピューターの脱落防止のためか、マウント内側に鉛テープを貼り付け、噛み込みが強くなるように工夫されていた。
text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO
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