2010/03/24(水) - 09:35
90年代後半から起こったアルミフレームの流行と共に頭角を現したイタリアのフレームチューブメーカーがデダチャイだ。SC61.10Aやフォースといった名作アルミチューブを世に送りだし、フレームメーカーはこれらのチューブをこぞって使用していた。
カーボンフレームが時代の主流となり、それに対応してカーボンのチューブセットを発売するものの、アルミフレームの全盛期のようにチューブメーカーから発売されるチューブセットをそのまま使用してフレームを製作するというスタイルは終わりを告げ、近年のデダチャイは金属製のフレームチューブを作り出す一方、カーボンフレームそのものを製作し、OEM供給するビジネスも行なってきた。
そして、2010年モデルからついに自社のフレームブランド「デダチャイストラーダ」を立ち上げ、フレームメーカーとして本格的に市場に参入することとなった。デダチャイストラーダではフラッグシップモデルの「テメラリオ」を筆頭に、チタンフレームを含めると5つのラインナップが展開されている。
今回紹介するスクーロRSは、テメラリオと並ぶハイエンドに位置するモデルだ。これまでOEM用として「スクーロ」というモデルを発表しているが、スクーロRSはそれをベースにした発展型ではあるが、ほぼリニューアルされた新設計が与えられている。
また、昨年のジロ・デ・イタリアでステージ優勝を飾った某フレームとも基本設計は同じということからも、既に実績が十二分である事実も見逃せない。
フレームはナノテクノロジーを駆使したベリーハイモジュラスグレードの「IM600」と呼ばれるカーボン素材を使用し、モノコック工法によって製作される。良質なカーボンフレームを製作するにはカーボン素材同士の強い結合、そして剛性低下となる残留エアポケットを高いレベルでコントロールすることが欠かせない。
この点においてデダチャイでは「アンチ・リンクル・プロセス」(Anti Wrinkle Process)と呼ばれるフレーム製作技術が用いられ、チューブ内側から圧力をかけてフレームを成型する際、その内部に無駄なシワが発生することを防いでいる。この技術によりフレームの強度低下を防ぎ、設計通りの剛性や重量を実現できるクオリティの高いフレームが製作される。
SCURO RSのフレームの造作に目を向けると、わずかにアーチシェイプされたトップチューブと、そこから延長されたシートステーに至るアッパー部のデザインが印象的だ。その一方、ダウンチューブからチェーンステーに大きなボリューム感を与えることで、フレーム全体でショックを吸収する快適性と、高いパワートランスファーという、相反する性能の両立が高次元で追求されていることが判る。
さらにロワーベアリングにワンポイントファイブサイズを採用した上下異径ヘッドチューブを搭載し、ヘッド部からフォークに至る部分のねじれ剛性を高め安定したハンドリング性能を実現している。
そしてシート部は翼断面のシートチューブを採用したインテグラル仕様により、エアロダイナミクスと軽量化、そして乗り心地の両立が図られている。気になる重量は、カタログ値によるとMサイズで950gに仕上げられている。オールランドに使う実戦仕様のモデルとしては十分な軽量性をもっていると言えるだろう。
また、上記のような最新のスペックを搭載しながら30万円を下回る価格というのもユーザーにとっては魅力的だ。あらゆる意味で実戦仕様の1台と言えるだろう。
Dedacchiaiのインパクトの有るロゴが大胆にあしらわれた、ライムグリーン&ホワイト&ブラックの塗り分けカラーリングが印象的なSCURO RS。2人のインプレライダーはどう評価したのか。さっそくインプレッションを紹介しよう。
― インプレッション
「ロードレースをするに死角のない性能が凝縮されている」 佐藤 成彦(SPACE BIKES)
これはリアルレーシングバイクですね。ロードレースに使うのであれば文句ない性能だと思います。パッと踏んだ時のペダリングも軽いし、ギヤをかけた時の加速のかかりもかなり高いレベルにあります。
たしかデダチャイはパイプメーカーで、今までカーボンフレームはOEMで作っていたと記憶しています。
数々のフレームメーカーにチューブやフレームを供給してきただけに、いろいろなノウハウを持っているので、高性能のレーシングフレームの作り方を分かっているな、という印象を受けました。本当に性能の隙がないフレームだと言えるでしょう。
ヘッドチューブのロワーベアリングをワンポイントファイブ径にしているので、ヘッドからフロントフォークにかけての剛性も高い。そのことからハンドリングが安定しているのでコーナリングでストレスを感じることがありません。
そして、フロント周りとバックセクションとの剛性バランスも優れている上に、スケルトンもクセのない設計なので、乗りやすさが際立っていて、レーシングバイクに必要な運動性能という点においては全くと言っていいほど死角を感じませんでした。
とにかく加速をした時のかかりのよさが抜群にいいので、アタックをかけたりするようなシーンでは大きな武器になってくれると思うので、レーサーには大きな魅力ですね。試乗車にセットされたライトウエイトホイールとのマッチングもとても優れていて、この組み合わせでは気持ちのいい加速を楽しむことができました。
レーシングな性能に特化している分、路面からの突き上げ感はちょっと強い印象を受けました。したがって、ロングライドモデルのように優れたコンフォート性能を求めたり、マイペースで長距離を走りたいというユーザーよりも、ロードレースに出たいライダー、今まで以上に速く走りたいと考えるライダーにオススメしたいモデルですね。
とはいえ、そういったハイレベルのライダーが使うなら、ロードレースからロングライドまでこれ一台で使えるだけの快適性は備わっていると思います。
950gという軽いフレーム重量ながら、それを感じさせない安心感の高い硬さがあります。
ちなみに、ボクは現在スコット・アディクトに乗っています。これはリリースされて3年ほど経つモデルですが、800gほどの超軽量フレームです。
それと比べるのもなんですが、スクーロはアディクトのようなパリパリとした軽さと強さを持ち合わせています。軽さがありながらしっかりと踏める安心感があるので、ロードレースをするライダーには最適なフィーリングだと思いますね。
正直なところ、初めて実車を目にした時は、そのルックスからおとなし目の走りをしそうな印象を受けてしまい、あまり魅力を感じなかったのですが、見るのと乗るのとでは大違い。実際にその優れたレーシング性能を体験してしまうと、自分でも欲しいな、という気持ちが沸いてきました。コストパフォーマンスにも抜群だから、レース派のライダーには強くオススメできますね。
「レースをするライダーなら絶対に買って損のない高性能」 鈴木 祐一(Rise Ride)
ボクの中でデダチャイはフレームメーカーというより、チューブメーカーという印象でした。したがって実際にフレームを独自にリリースしたとはいえ、その性能に対して半信半疑でした。
しかし実際に乗ってみると、その先入観は見事に裏切られました。これは非常に完成度の高いカーボンフレームです。
やはり、これまでチューブメーカーとしてスチールからカーボンまであらゆる素材を手がけてきたので、使っている素材がなんであれ、それをうまくフレームの性能として生かすことを徹底的に研究された上で出来上がったモデルだと言えるのではないでしょうか。
性能からするこのバイクの方向性としては「完全なレーシングバイク」と言えるでしょう。ロードレースをしているライダーや、またはこれからレースを真剣に目指す人なら絶対に買って損のない高性能です。
軽量なフレームらしいパリッとした軽い乗り味がありながら、フレーム剛性はかなり高いレベルが実現されています。剛性が高い反面、路面からの突き上げを感じる部分もあります。
しかし剛性が高いフレームは時としてバイクコントロールがシビアになる場合もありますが、スクーロにはそういった部分は見当たりません。挙動がシビアだったり、荒れた路面にバイクが跳ねたりすることもなく、スムーズに走る。バイク重量の軽さと剛性のレベルが上手にバランスされています。
これがフレームのどこかが必要以上によれたり、たわんだりするようなフレームだとライディング中に細かいコントロールに神経を行き渡らせる必要があります。でも、スクーロはまるで素手で地面を触っているかのように路面のフィーリングがつかみやすい。自分の意のままに操れる感覚があるので、コーナリングでの限界性能は高くなるし、加速時には路面をしっかり捕らえて推進力へとつなげることができるので、あらゆる局面でストレス無く走ることができるフレームです。
フレーム設計の手法として、リヤセンターを詰めて加速性を上げているフレームもありますが、スクーロには無理にリアセンターを縮めている感じはありません。
フロントセンターもしっかり長さが確保されていて、スケルトンで運動性能を高めているのではなく、乗りやすさがしっかりと追求されています。
「デダチャイストラーダはライダーが扱いやすいスケルトンを知っている」 そう感じましたね。
そういう乗りやすさを優先したスケルトンだと走行性能に特化したものが無くなってしまい、没個性的な乗り味になってしまうことも多いのですが、スクーロの場合はそうしたスケルトンでありながら、加速性をはじめレースで必要とされる性能がきっちりと盛り込まれています。
下ワンをワンポイントファイブ径にしたヘッドチューブとフロントフォークにより、フロント部分はしっかりできているのでコーナリング時に不安がないし、フレームとの剛性のマッチングも優れているので、統一感のある高性能が実現されている。実にポテンシャルの高いモデルですね。
デダチャイストラーダ スクーロRS
カーボンフォーク:トップ 1-1/8、ボトム 1-1/2 インテグラルオーバーサイズ
オリジナルヘッドパーツ、I.S.P.アダプター付き
カーボンモノコック軽量カーボンフォーク
フレームマテリアル:カーボンモノコック、ハイモジュラスカーボンT800
サイズ:488,501,526,556
重量:950g(フレーム単体)
カラー:レッド、シルバー、グリーン
希望小売価格:29万8000円(税込/フレームセット)
佐藤 成彦(SPACE BIKES)
千葉県松戸市の「バイクショップ・スペース」のオーナー。身長179cm、体重64kg。実業団のBR-1クラスを走る現役のレーサーでもあり、近所に住んでいるシマノレーシングの鈴木真理選手と共にトレーニングをこなすほどの実力を有している。2009年の戦歴は全日本実業団BR1クラス3位、実業団富士SW BR1クラス2位など。ハードなロードレースで自らが試して得た実戦的なパーツ選び、ポジションのアドバイスに定評がある。
SPACE BIKES
鈴木 祐一(Rise Ride)
サイクルショップ・ライズライド代表。バイシクルトライアル、シクロクロス、MTB-XCの3つで世界選手権日本代表となった経歴を持つ。元ブリヂストン MTBクロスカントリーチーム選手としても活躍した。2007年春、神奈川県橋本市にショップをオープン。クラブ員ともにバイクライドを楽しみながらショップを経営中。各種レースにも参戦中。セルフディスカバリー王滝100Km覇者。
サイクルショップ・ライズライド
ウェア協力:Santini, Sportful(日直商会)
text&edit :Tsukasa.Yoshimoto
photo:Makoto.AYANO
カーボンフレームが時代の主流となり、それに対応してカーボンのチューブセットを発売するものの、アルミフレームの全盛期のようにチューブメーカーから発売されるチューブセットをそのまま使用してフレームを製作するというスタイルは終わりを告げ、近年のデダチャイは金属製のフレームチューブを作り出す一方、カーボンフレームそのものを製作し、OEM供給するビジネスも行なってきた。
そして、2010年モデルからついに自社のフレームブランド「デダチャイストラーダ」を立ち上げ、フレームメーカーとして本格的に市場に参入することとなった。デダチャイストラーダではフラッグシップモデルの「テメラリオ」を筆頭に、チタンフレームを含めると5つのラインナップが展開されている。
今回紹介するスクーロRSは、テメラリオと並ぶハイエンドに位置するモデルだ。これまでOEM用として「スクーロ」というモデルを発表しているが、スクーロRSはそれをベースにした発展型ではあるが、ほぼリニューアルされた新設計が与えられている。
また、昨年のジロ・デ・イタリアでステージ優勝を飾った某フレームとも基本設計は同じということからも、既に実績が十二分である事実も見逃せない。
フレームはナノテクノロジーを駆使したベリーハイモジュラスグレードの「IM600」と呼ばれるカーボン素材を使用し、モノコック工法によって製作される。良質なカーボンフレームを製作するにはカーボン素材同士の強い結合、そして剛性低下となる残留エアポケットを高いレベルでコントロールすることが欠かせない。
この点においてデダチャイでは「アンチ・リンクル・プロセス」(Anti Wrinkle Process)と呼ばれるフレーム製作技術が用いられ、チューブ内側から圧力をかけてフレームを成型する際、その内部に無駄なシワが発生することを防いでいる。この技術によりフレームの強度低下を防ぎ、設計通りの剛性や重量を実現できるクオリティの高いフレームが製作される。
SCURO RSのフレームの造作に目を向けると、わずかにアーチシェイプされたトップチューブと、そこから延長されたシートステーに至るアッパー部のデザインが印象的だ。その一方、ダウンチューブからチェーンステーに大きなボリューム感を与えることで、フレーム全体でショックを吸収する快適性と、高いパワートランスファーという、相反する性能の両立が高次元で追求されていることが判る。
さらにロワーベアリングにワンポイントファイブサイズを採用した上下異径ヘッドチューブを搭載し、ヘッド部からフォークに至る部分のねじれ剛性を高め安定したハンドリング性能を実現している。
そしてシート部は翼断面のシートチューブを採用したインテグラル仕様により、エアロダイナミクスと軽量化、そして乗り心地の両立が図られている。気になる重量は、カタログ値によるとMサイズで950gに仕上げられている。オールランドに使う実戦仕様のモデルとしては十分な軽量性をもっていると言えるだろう。
また、上記のような最新のスペックを搭載しながら30万円を下回る価格というのもユーザーにとっては魅力的だ。あらゆる意味で実戦仕様の1台と言えるだろう。
Dedacchiaiのインパクトの有るロゴが大胆にあしらわれた、ライムグリーン&ホワイト&ブラックの塗り分けカラーリングが印象的なSCURO RS。2人のインプレライダーはどう評価したのか。さっそくインプレッションを紹介しよう。
― インプレッション
「ロードレースをするに死角のない性能が凝縮されている」 佐藤 成彦(SPACE BIKES)
これはリアルレーシングバイクですね。ロードレースに使うのであれば文句ない性能だと思います。パッと踏んだ時のペダリングも軽いし、ギヤをかけた時の加速のかかりもかなり高いレベルにあります。
たしかデダチャイはパイプメーカーで、今までカーボンフレームはOEMで作っていたと記憶しています。
数々のフレームメーカーにチューブやフレームを供給してきただけに、いろいろなノウハウを持っているので、高性能のレーシングフレームの作り方を分かっているな、という印象を受けました。本当に性能の隙がないフレームだと言えるでしょう。
ヘッドチューブのロワーベアリングをワンポイントファイブ径にしているので、ヘッドからフロントフォークにかけての剛性も高い。そのことからハンドリングが安定しているのでコーナリングでストレスを感じることがありません。
そして、フロント周りとバックセクションとの剛性バランスも優れている上に、スケルトンもクセのない設計なので、乗りやすさが際立っていて、レーシングバイクに必要な運動性能という点においては全くと言っていいほど死角を感じませんでした。
とにかく加速をした時のかかりのよさが抜群にいいので、アタックをかけたりするようなシーンでは大きな武器になってくれると思うので、レーサーには大きな魅力ですね。試乗車にセットされたライトウエイトホイールとのマッチングもとても優れていて、この組み合わせでは気持ちのいい加速を楽しむことができました。
レーシングな性能に特化している分、路面からの突き上げ感はちょっと強い印象を受けました。したがって、ロングライドモデルのように優れたコンフォート性能を求めたり、マイペースで長距離を走りたいというユーザーよりも、ロードレースに出たいライダー、今まで以上に速く走りたいと考えるライダーにオススメしたいモデルですね。
とはいえ、そういったハイレベルのライダーが使うなら、ロードレースからロングライドまでこれ一台で使えるだけの快適性は備わっていると思います。
950gという軽いフレーム重量ながら、それを感じさせない安心感の高い硬さがあります。
ちなみに、ボクは現在スコット・アディクトに乗っています。これはリリースされて3年ほど経つモデルですが、800gほどの超軽量フレームです。
それと比べるのもなんですが、スクーロはアディクトのようなパリパリとした軽さと強さを持ち合わせています。軽さがありながらしっかりと踏める安心感があるので、ロードレースをするライダーには最適なフィーリングだと思いますね。
正直なところ、初めて実車を目にした時は、そのルックスからおとなし目の走りをしそうな印象を受けてしまい、あまり魅力を感じなかったのですが、見るのと乗るのとでは大違い。実際にその優れたレーシング性能を体験してしまうと、自分でも欲しいな、という気持ちが沸いてきました。コストパフォーマンスにも抜群だから、レース派のライダーには強くオススメできますね。
「レースをするライダーなら絶対に買って損のない高性能」 鈴木 祐一(Rise Ride)
ボクの中でデダチャイはフレームメーカーというより、チューブメーカーという印象でした。したがって実際にフレームを独自にリリースしたとはいえ、その性能に対して半信半疑でした。
しかし実際に乗ってみると、その先入観は見事に裏切られました。これは非常に完成度の高いカーボンフレームです。
やはり、これまでチューブメーカーとしてスチールからカーボンまであらゆる素材を手がけてきたので、使っている素材がなんであれ、それをうまくフレームの性能として生かすことを徹底的に研究された上で出来上がったモデルだと言えるのではないでしょうか。
性能からするこのバイクの方向性としては「完全なレーシングバイク」と言えるでしょう。ロードレースをしているライダーや、またはこれからレースを真剣に目指す人なら絶対に買って損のない高性能です。
軽量なフレームらしいパリッとした軽い乗り味がありながら、フレーム剛性はかなり高いレベルが実現されています。剛性が高い反面、路面からの突き上げを感じる部分もあります。
しかし剛性が高いフレームは時としてバイクコントロールがシビアになる場合もありますが、スクーロにはそういった部分は見当たりません。挙動がシビアだったり、荒れた路面にバイクが跳ねたりすることもなく、スムーズに走る。バイク重量の軽さと剛性のレベルが上手にバランスされています。
これがフレームのどこかが必要以上によれたり、たわんだりするようなフレームだとライディング中に細かいコントロールに神経を行き渡らせる必要があります。でも、スクーロはまるで素手で地面を触っているかのように路面のフィーリングがつかみやすい。自分の意のままに操れる感覚があるので、コーナリングでの限界性能は高くなるし、加速時には路面をしっかり捕らえて推進力へとつなげることができるので、あらゆる局面でストレス無く走ることができるフレームです。
フレーム設計の手法として、リヤセンターを詰めて加速性を上げているフレームもありますが、スクーロには無理にリアセンターを縮めている感じはありません。
フロントセンターもしっかり長さが確保されていて、スケルトンで運動性能を高めているのではなく、乗りやすさがしっかりと追求されています。
「デダチャイストラーダはライダーが扱いやすいスケルトンを知っている」 そう感じましたね。
そういう乗りやすさを優先したスケルトンだと走行性能に特化したものが無くなってしまい、没個性的な乗り味になってしまうことも多いのですが、スクーロの場合はそうしたスケルトンでありながら、加速性をはじめレースで必要とされる性能がきっちりと盛り込まれています。
下ワンをワンポイントファイブ径にしたヘッドチューブとフロントフォークにより、フロント部分はしっかりできているのでコーナリング時に不安がないし、フレームとの剛性のマッチングも優れているので、統一感のある高性能が実現されている。実にポテンシャルの高いモデルですね。
デダチャイストラーダ スクーロRS
カーボンフォーク:トップ 1-1/8、ボトム 1-1/2 インテグラルオーバーサイズ
オリジナルヘッドパーツ、I.S.P.アダプター付き
カーボンモノコック軽量カーボンフォーク
フレームマテリアル:カーボンモノコック、ハイモジュラスカーボンT800
サイズ:488,501,526,556
重量:950g(フレーム単体)
カラー:レッド、シルバー、グリーン
希望小売価格:29万8000円(税込/フレームセット)
インプレライダーのプロフィール
佐藤 成彦(SPACE BIKES)
千葉県松戸市の「バイクショップ・スペース」のオーナー。身長179cm、体重64kg。実業団のBR-1クラスを走る現役のレーサーでもあり、近所に住んでいるシマノレーシングの鈴木真理選手と共にトレーニングをこなすほどの実力を有している。2009年の戦歴は全日本実業団BR1クラス3位、実業団富士SW BR1クラス2位など。ハードなロードレースで自らが試して得た実戦的なパーツ選び、ポジションのアドバイスに定評がある。
SPACE BIKES
鈴木 祐一(Rise Ride)
サイクルショップ・ライズライド代表。バイシクルトライアル、シクロクロス、MTB-XCの3つで世界選手権日本代表となった経歴を持つ。元ブリヂストン MTBクロスカントリーチーム選手としても活躍した。2007年春、神奈川県橋本市にショップをオープン。クラブ員ともにバイクライドを楽しみながらショップを経営中。各種レースにも参戦中。セルフディスカバリー王滝100Km覇者。
サイクルショップ・ライズライド
ウェア協力:Santini, Sportful(日直商会)
text&edit :Tsukasa.Yoshimoto
photo:Makoto.AYANO
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